ひとつの事件から紡がれる愛の物語――。

500MILES

500MILES
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神0
  • 萌×22
  • 萌6
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
26
評価数
8件
平均
3.3 / 5
神率
0%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
ムービック
シリーズ
DolceNovels(ドルチェノベルズ・ムービック)
発売日
価格
¥857(税抜)  ¥926(税込)
ISBN
9784896018332

あらすじ

探偵のクラークは、顔見知りの警察署長から、殺された息子に託した箱を探してほしいと依頼される。事件の全容が見えた時、依頼主である署長がいなくなり、さらには同棲中の恋人・アンソニーから家に帰らないと連絡を受け……。

(出版社より)

表題作500MILES

私立探偵 クラーク・デラウェア・31歳
助手で恋人 アンソニー・フォーセット・24歳

その他の収録作品

  • HOME AGAIN
  • GOODNIGHT,IRENE
  • あとがき

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レビュー投稿数3

スラム街にひっそり暮らす探偵と助手

70年代アメリカを舞台にした探偵×助手のストーリーである、DESPERADOシリーズの新装版として発売されたものですが、お蔵入りになっていた作品らしく、時系列は既刊の作品の中では一番最初にあたります。
短編集なのでここから読んでも分からなくはないと思います。

相変わらず事件に重点を置いたお話なですが、この巻はいつにも増して糖度は低めな印象を受けました。
いつもは事件を追う展開が面白くて、BL的要素は置いておいても十分楽しめる作品なのですが…今回表題になっている「500MILES」、この事件の真相が痛々しくてちょっと「面白かった~」では片付かない後味の悪さを感じました…。

足を切ったアンソニーを病院に連れて行ったクラークが、傷跡が残らないよう整形外科の糸で縫って欲しいと医者に要求し、アンソニーが反論するシーンがあります。
アンソニーは女扱いされたり、庇護される事を嫌っていて(クラークにはそんなつもりはないのですが)それが積み重なってこの先どろどろな展開になっていくのですが…この本は初期の2人のお話なのでまだまだ安穏としています。

「HOME AGAIN」
アンソ続きニーが生まれ故郷に里帰りするお話です。こちらは既刊の本で読んだ事があるのですが、「500MILES」の対となるお話だとは知らず…。どうせなら最初からこのセットで読みたかった~。

最後のお話は書き下ろしですが、やはりこの作品は長編のほうが読み応えがありますね。今回は短編集だという事で星3つで。

新装版になってイラストの方が変わりましたが…クラークが格好良く見えすぎるのが(それが悪いかというと可笑しな話ですが)ちょっと気になりました。頭がボサボサで半年くらい同じネクタイをしてる「どうみてもハンサムではない」おっさん…と何度も何度も書かれてきただけに、このクラークはちょっと頭の中のイメージを壊してしまいそうで、綺麗なイラストですがこの作品に合わない~と感じてしまって残念でした。
逆に「誰もが見とれる美貌」であるとされるアンソニーが、そのへんにいる学生のように見える…のもちょっと残念。

新装版は他に2冊出ていますが、こちらは既に文庫でも発売されているものなので機会があれば…という感じです。

1

根底に流れる”心”

作者さんが初めて小説JUNEに掲載された記念すべき作品だそうです。
デスペラードシリーズは4話からが単行本化されており、1.2話は同人誌にて、ということで、この3話にあたる話しは当時のJUNEを見ていない人にとっては単行本未収録作品のお目見えになるのですね。
そして『HOME AGAIN』は過去の単行本『時が過ぎゆきても』の中に収録されている作品で、この本の表題とリンクした時間軸のお話が再録。
そして、書き下ろしで『GOODNIGHT IRINE』という構成の一冊になっているようです。

この作品もBLというよりは、男の恋人がいる探偵とその恋人の助手が登場して事件の解決をするという、どちらかというとそのミステリー部分が大きな要素を占めています。
しかし、その事件はやはり人間の愛憎であったりしがらみであったりと、とても人間臭いというか人間味あふれたものから派生しているもので、
そんな事件に関わった人々の心情や様子を見せながら、主人公達がいかに不可欠で離れがたい存在であるかもところどころに入ると言った、
そのバランスがそれぞれを邪魔しない程度にうまく絡んだり、二人の描写が癒続きしであったり、と均衡がとれているのでくどくないのです。
また、今回は季節が冬な事もあり、殺人事件も絡むのでどことなく暗いトーンではあるのですが、その中で主人公達の関係は、ほんのりと灯る暖炉の火の温もりのようでもありました。

表題は、クラークが警察を辞めるきっかけとなった、殴った37分署の所長の息子が何者かに殺され、そしてその所長から探偵であるクラークがある依頼を受けると言う話しでした。
所長の依頼はある一点だけだったのに、そこから見えてしまって更に発展してしまう事件
歌の歌詞の100マイルと、それと同時にクラークの恋人のアンソニーが500マイル離れた場所から電話してくるという、そんなリンクもあって、中々に洒脱な掛けた題名とテーマになっているようでした。

そして、その500マイル先にいたアンソニーのお話が『HOME AGAIN』
生まれた街に戻って、彼の過去がわかると共に、アンソニーにはクラークの温もりが大事なのだと再認識をする話にもなっていました。

書下ろしは、麻薬売買に絡んだ殺人事件の話し。
ここでも、歌が何かのヒントとして使われています。

BL的なラブ展開が薄いので、そういったものを求めるには物足りないかもしれないのですが、物語の中で見せる、クラークのアンソニーのベタ惚れぶりと、アンソニーの聡明さとちょっとツンデレなかわいらしさ、
そして何より、互いが過去に色々抱えてそして、かえがえのない存在として暮らしている姿がちょっとした甘さを添えて、心の物語としても読ませるのではないかと思ったりもしたのですが。

4

多様な愛情が垣間見える

既に絶版になっているものもあるDESPERADOシリーズの新装版の作品でした。
元刑事のクラークと元男娼のアンソニー、二人の出会いから半年くらいの話で
BL的にはどうなんだろう?なんて思うくらい探偵もの尽くしな骨太ストーリー
これだけ読むと、別に設定が男同士でなくても成立しちゃうんじゃない?
って感じる事も多々あるのですが、同時収録されているHOME AGAINを読むと
アンソニーがクラークとの関係を真摯に考え初めて、過去に区切りを付けて
前に進んで行くようなストーリーで胸に来るものがありました。

探偵ものが好きな人だったらかなり楽しめる作品で、二転三転する事件の展開も
かなり意表を付いていて楽しめるお話でしたね。
人間の愛情のあり方や、ジレンマ、人とのつながりと、奥深い内容です。

3

この作品が収納されている本棚

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