愚か者は赤を嫌う 新装版

愚か者は赤を嫌う 新装版
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神0
  • 萌×22
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
11
評価数
3件
平均
3.7 / 5
神率
0%
著者
 
媒体
コミック
出版社
小学館
シリーズ
IKKI COMICS(コミック・小学館)
発売日
価格
¥581(税抜)  ¥627(税込)
ISBN
9784091885784

あらすじ

二人の男。闘牛場。血。黒い装束。…愛。

肉の解体屋に従事するマウロは、ある日、闘牛場で新進気鋭の闘牛
士ラフィタ・アンソロに出会う。
その後すぐに惹かれあった二人。いつ闘牛場で牛に刺され死ぬかわ
からない、強いプレッシャーとともに生きるアンソロ、そんな彼にマウロは…。
表題作は、『Golondrina-ゴロンドリーナ』へと連なる、闘牛をテーマにした傑作BL作品。その他、海外を舞台としたBL短編を4作品収録した、著者の代表的BL作品集が待望の新装版刊行!

(出版社より)

表題作愚か者は赤を嫌う 新装版

牛の解体作業者 マウロ
闘牛士 ラフィタ・アンソロ

その他の収録作品

  • 円卓の死者
  • BABY,STAMP YOUR FOOT
  • Tiempos extra
  • リュミエール
  • 旧版 あとがき
  • 新装版 あとがき

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レビュー投稿数3

素敵だったけど…!

「愚か者は赤を嫌う」3話
「円卓の死者」マウロ(攻め)のお話
「BABY,STAMP YOUR FOOT.」靴職人×作家
「Tiempos extra」サッカーサポーターと警備員
「リュミエール」小説家とダンサーのお話
あとがき(スペイン闘牛旅行記)

表紙はとても素敵ですし、未知の世界を覗くようなワクワク感がありました。
映像を観ているようなので、じっくりと読むのには最適な作品だと思います。
そしてやっぱり凄い空気を持っているなと思いました。
ただでさえ色気があるのにストイックさも加わるのでなんとも官能的です。

お話は天才闘牛士のラフィタが、愛する者(マウロ)との出会いにより真に闘牛士として目覚める物語です。

ただ今回私は地雷を踏んでしまったようで、途中から入っていけませんでした。
2話の冒頭で、ラフィタ(受け)が浮気エッチ真っ最中にマウロ(攻め)に電話をするんですよね。
いわゆるNTR(寝取られ)描写で、見たとたん心の扉がシャッターごと閉まってしまいました。
声を聞いて本人とエッチしてる気分になりたいのか、恋の駆け引きなのか、背徳感に浸ってるだ続きけなのか理解に苦しみます。
とにかくラフィタが好きになれなかった。
地雷を踏むことってそんなにないのですが、今回は自分の中の潔癖な部分が刺激されました。

あとはマウロを牛になぞらえていた所がピンとこなくて、読みにくかったです。
「恐れ」を知ったラフィタがそれを乗り越えるのはなんとなく分かるのですが、私には例えが分かりづらくはっきり読み取れませんでした…(×_×)

闘牛士の後ろ姿は孤高感があってめちゃくちゃ美しいです。
見物だと思います。
その対比として、真正面から闘牛士(ラフィタ)を映した場面はとても人間味を感じました。

個人的に靴職人×作家(年の差のうえにオジサンが受け)のお話と、サッカーサポーターと警備員のお話のほうがお茶目さと暖かさがあって好きでした。
ハイヒールを履くナイスミドルにグッときます。

2

生と死の挟間のエクスタシー

2008年発行の同名のコミックス(宙出版)の新装版。
スペインを舞台に闘牛士と牛の解体作業者の恋愛を描いた表題作と「円卓の死者」のほか、3作が収録されています。


フランス語ではエクスタシーは「小さな死」とも表現されるそうで。
エクスタシーには何かと死のイメージがつきまとうもののような気がします。BL作品でも、刀剣やピストルといった殺人のための凶器が、男性器(BL的には「ち○こ」w)のシンボルとして好んで用いられたり、殺意と愛(またはセックス)が、物語の中でしばしば意図的に混同されたり…そう考えると、刀剣ひとつで牛と一対一の死闘を繰り広げる闘牛という競技は、まさしくBLにうってつけの素材。
殺さなければ殺される対等の真剣勝負、これはもう男女の愛ではなくBLにこそふさわしいのではないかと。

「愚か者は赤を嫌う」は、そんな、闘牛の中のBL的エッセンスを、闘牛士が日々直面する「死」という問題と重ね合わせながら、エロチックに、なおかつ観念的に表現した作品です。
ストーリーの大枠は、怖れを知らずに生きてきたカリスマ闘牛士のラフィタが、マウロ(牛の解体作業者)に出会ったことで続き本当の愛を知り、初めて死を怖れるようになる…というもの。
「愚か者は赤を嫌う」というタイトルは、死への恐怖に苦悩し、葛藤するラフィタの姿に重なり合います。

ラフィタが別の男との行為の最中にマウロの名前を呼んでみせる(その声を電話の向こうのマウロに聞かせる)という背徳的な性愛表現や、死とセックス、恋愛と死闘を交錯させていく手法で描き出される世界観は、まさに私がBLに求めていたもの!
好きですねえ、この感じ。

攻めのマウロが牛の解体作業者で、彼もまた、闘牛士のラフィタ同様に牛の死と対峙する人間という設定も、面白い。
二人のセックスと牛の解体を重ね合わせて見せるシーンは、とても官能的。同時に、マウロへの愛によってかき乱され、解体されていくラフィタの心の裡を見せられているようでもあって、表現の巧みさに唸らされます。

ただ、唯一ひっかかってしまったのは、物語の転回点にあたる部分のマウロとラフィタの問答(「俺が牛、お前が闘牛士(中略)(だとしたら)お前は俺を殺すか?」というマウロの問いから始まる部分)に、どうも心にストンと落ちる説得力を感じられなかったこと。それだけです。

葛藤の末、漸く死と向き合えたラフィタが、牧場で牛の誕生に立ち会うという象徴的なラストには、突き抜けたスケール感を感じました。
死と隣り合わせだからこそ鮮やかに輝く命、命の輝きがあるからこそエクスタシーも深い…一人の闘牛士の心模様を通じて、生と死とエクスタシーのドラマを見せられた気がします。

まるで無声のモノクロ映画を観ているような、独特の空気に酔わされる作品集。
ストーリーもさることながら、絵が圧巻。
えすとえむさんの絵には、無彩色なのに何故か「白」と「黒」という色彩を感じるんですよね。
ダイナミックに描き込まれたすね毛も、モノクロの美の中に見事に溶け込んでいます(笑)

4

熱の在り処

…果たして、タイトルで指されている「愚か者」とは
誰の事なのだろう…

読み進めている合間にタイトルを見返してふと気に
なってしまいました。
無論読み終えた今では評者はその解答を知っています。
そして読み終えたら読み終えたで、何故そう言う疑念の
導線をタイトルを用いて引いたのか、と思ってしまった
訳でして。
漢の色気には時にそう言う謎が幾つか混じっている方が
深みが出るのかも知れません。

そして闘牛士の物語の付け合わせとして収められているのは
靴、サッカー、そしてバレエ。
それぞれのお題に癖のある顛末と登場人物を絡め、後味が
くどくない恋物語に仕上げています。

4

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