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表題作こっちにおいで

出向してきた会社員 森安
出向先のSSE 久坂

同時収録作品君だけだよ

青木拓真・静かに地味に過ごしたい高校生・17歳
内村・存在感が薄い高校生・17歳

その他の収録作品

  • 僕をみつけて
  • epilogue
  • あとがき

あらすじ

会社員の森安は出向先で、明るく気さくだがゲイだという久坂と出会う。毎日楽しげな久坂を目で追ううち、森安はいつも彼の視線の先に同じチームの藤巻がいることに気づく。報われない片想いのはずなのに「好きなんだ」と笑顔で告げる久坂に対し、森安は何故か悲しみと憤りを感じてしまう。そして森安は、酔いつぶれた久坂に、泊める代わりに宿代を少し下さいと口づけ??…。頑なな心に甘く切なく響く、大人の恋。スピンオフと描き下ろしも収録。

(出版社より)

作品情報

作品名
こっちにおいで
著者
雲之助 
媒体
漫画(コミック)
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリアコミックス
発売日
ISBN
9784861345470
4

(72)

(33)

萌々

(17)

(17)

中立

(1)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
15
得点
285
評価数
72
平均
4 / 5
神率
45.8%

レビュー投稿数15

つられて泣きました

雲之助さん、実は「ラブリートーク」は苦手でした…(ごめんなさい!!)
しかし、こちらを読んだらもう、
この切ない気持ちをどこにぶつければいいんだろう!と
一人で悶えました。

ゲイと言う事を隠さずにいるシニアシステムエンジニアの久坂さん、
VP社から来た九州男児、ノンケの森安。

同僚で妻帯者の藤巻を好きな久坂さんが
たまらなくいじらしかったーーーーー!!!
「相手が振り向いてくれるのなんか
どうでもいいってこともあんのよ」
…久坂さん、私も過去に身に覚えがあってしんどいんですけど。
それに対して「俺には理解出来ないです」という森安。
今まで健全な恋しかしてこなかったんだろう、お前。
(つい偉そうになってしまう)
それでも、博多ソウルな森安、いいオトコです。
そして、久坂さんの
「お前の悲しいと俺の悲しいが一緒じゃなくてごめんね」。
いい人すぎるだろー!!!!
そんな人が幸せになれない気持ちを汲む森安、正しい!!
同情かやりたいだけかの久坂さんの問いに、
どっちが都合いいかって聞くし。
本当に良い男だ、森安。

藤巻の奥様のご懐妊報告に、心の底から喜ぶ久坂さんに
私も涙が出てしまいました。
それを見た森安が泣いて、
「あんたが泣かないから代わりに泣いてんでしょうが!!
あんたのそれはもう恋なんかじゃない
傷つかないなら恋でも何でもない」
ここでもうがっつりやられました。
もし恋じゃなくなってても大事に想いすぎているんだろうと。
「俺ならあんたに恋をあげれるのに」
って、森安ぅぅぅ!!(泣)

好きな人に自分を選んでもらえないで、
好きだという気持ちだけでいられない久坂さん。
卑屈になったって当たり前ですよ、本当に。
それが人の感情として基本なのでは。
でも森安の「俺 あんたじゃなきゃだめですからね」で
身も心も溶けてしまう…。
あああああああ、こんなハッピーエンド読んだら
恋をしたくなってしまうじゃありませんか!!!!

…収録されている「君だけだよ」と「僕をみつけて」が
「こっちにおいで」にリンクしていると気が付いたのは
5回くらい読んだ後でした。
自分の鈍さに落ち込みましたが、
素晴らしい作品だったので相殺します(勝手に)

最近BL作品でキュンキュンしすぎて
恐らくリアルな恋は永遠に出来なさそうです…。

それはどうでもいいとして、
とにかく可愛らしさと切なさが凝縮されていました。
未読の方がいらっしゃいましたら是非!!!!

BL(ML?)ばんざぁぁぁぁぁぁい!!!!!!







4

泣いた作品

気がついたら自然に涙がこぼれていた作品でした。

雲之助さんの絵は好きだし、暖かい作風も好感触なんですが、
中には、微妙な齟齬ですが、
「演出」や「攻めや受けのキャラ」が自分の萌え部分からずれていて、
あんまり萌えられない作品もあったりします(すみません)。
でもこちらの作品は私の中にスっと入ってきました。

本当に素直にいい作品だと思います。
しかもBLに大切な萌もしっかり頂きました!!!
私の中ではかなり好きな作品です。

何だか早い段階で体だけつながれちゃってますが、そこに突っ込むほどの違和感を感じた展開でもなかったです。
それこそ久坂のセリフをそのまま借りると「処女の女の子じゃあるまいし」という感じでしょうか。
確かにBLファンタジーなんですけど、攻めが男を好きになることに攻め自身が違和感を感じていない点は同時収録作品「君だけだよ」を読めばなるほどと思います。

久坂(受け)の好きだった人、藤巻の奥さんに赤ちゃんが出来た時の、久坂が喜ぶ気持ちも分かるし、喜んでいる久坂を見て辛くなる森安(攻め)の気持ちも分かる。
更に藤巻さんが「奥さんより先に久坂に出会っていたら久坂と付き合っていたかも」っていう言葉の意味も分かる。これは既婚男性が独身女性にお世辞で使う常套句だったりはしますが(笑)例え恋愛感情はなくても、そういう事を言ってしまうほどに好きな人・大事に思っている人ってことだと思います。
全てがプラスの感情からの気持ちや言葉なんですね。相手を想うからこその。

どこがどう好きなんだって言われたら個人的ピンポイントでキャラもストーリー(セリフ)も全部自分に合っていたとしか言い様がないです。そして自分が個人的に気になる部分が、ストーリーを追いながらその中できちんと消化できたからすんなりと自分の中に入ってきたんだと思います。

読後に残る温かみに、出会えて良かったと思った作品でした。

4

泣けない相手の代わりに泣く男

最近ハマってる作家さんのお一人な雲之助先生、いつも心にじんわり来る
ストーリーで、最後に余韻に浸れるコミックスですね。

会社でゲイであることを隠してもいない大らかでSSEとしては優秀で人当たりも
良くて、会社の皆に良い人として人気のある受け様。
そしてその会社へ出向してきた攻め様、攻め様はイケメンで一見すると寡黙系
そんな攻め様は、受け様が見つめる先にいつもいる人物を見て、受け様が片思い
している事に気が付く。

お節介だと思いながらも受け様に告げてみれば、あっさり認められて・・・
流れで受け様を誘い、二人で飲みながらかなり突っ込んだ話をしてるうちに
受け様が既に思いを打ち明けてフラれている事を知り、でも悲しくないと笑う受け様に
惹かれていく攻め様なのです。
この攻め様、相手の悲しみや泣きたい思いを本人以上に受け止めちゃうのです。

受け様の好きな人が幸せなら嬉しいなんて思っている事事態に何故か怒りが湧いて
受け様を自分に振り向かせようと、無理しないで笑える場所がここだと言うように
自分を見ない受け様を振り向かせようとしている。
何度も傷ついて、新しい恋に臆病になっている受け様が攻め様の元へ来るまでを
ほのぼのとした中に切なさと愛しさをちりばめたようなお話で素敵でした。

同時収録されているお話は、前編のお話にも出て来た高校時代の攻め様の友人の
ラブストーリー、こちらもショートで終わってしまうには大変おしい内容でした。

1

涙を見せる攻めは好きですか?

雲之助さんには珍しいと思った社会人同士のカプのお話と、その攻め男性の高校時代の同級生のお話がリンクしている1冊は、いつもの雲之助さんの優しくて甘くてキュゥゥンとさせる要素が満載。
何がいいかって、好きすぎて泣いちゃう受けも攻めも、何かそれがいいんだよな~と改めてしみじみ思ってみたり。

出向でさる会社からやってきた森安は、肩書は高いのにとてもフランクで明るくて歳に見えない男性が好きと公言している久坂に目がいくようになる。
久坂のその視線の先に森安の上司であり久坂の友人である藤巻がいつもある事に気がついた森安は久坂が好きだと告げ、久坂の気持ちも藤巻にあることを知りながら、久坂を何とかしてあげたいと考えるようになる。

一見ぼんやりしてる風な森安だけど、久坂を見守りながらも何気に押している姿はおせっかいでもあり、
久坂が漏らしていないのに、彼はさびしい愛されたがっていると決めつけるのは、100%正しいわけじゃないけど、傲慢な気もする。
だけどそこに彼の真摯な久坂を思う気持ちがあって、久坂もイイ人だから、そこまで自分を考えて好きになってくれる人を嫌いになれるはずもなく。
今までずっと好きな人をずっと好きでいるためにイイ人でいた自分を理解して、
今度は自分が愛される立場に回してくれる森安の存在は、森安が”コップが空だったら水を注ぎたくなるでしょう?”といったそのままに、久坂の心を満たすと言ったほだされタイプの恋愛の始まりでした。
今まで我慢した分、これから久坂はうんと甘やかされるがいい!と思う。
そして、それでもなお天然風味で明るい久坂が、きっといい歳だろうにかわいくて仕方ないのは森安と同じ気分になる読者なのでした♪

作中に、森安が久坂に男同士って、、、って聞かれるシーンがあった時に自分の高校時代の友人にそういう奴がいて、、、という話しを少しします。
その友人の話しが「君だけだよ」と視点が逆転する「僕をみつけて」です。
目立つ事を嫌って本当は何でもできるのに、無関心とやる気のなさを装う青木と、
存在感が薄く名前も覚えてもらない内村の、胸キュンラブストーリー。
じっと相手を見ていたからこそ見えた相手の本質だから、好きになった相手を全てを許して受け入れて甘んじるんじゃなくて、もし道を間違ったら何万回でも叩くという、内村の愛情の強さに青木ノックアウトされた模様ですw
ほんとうは女子が好きだったはずなのに、内村に触ったら柔らかくて、そんな興味から思わず興奮することもできたから、という幾分性少年的なきっかけではあるけれど、好きになったら性別は全く関係ないとマイペースな青木の懐の深さもさることながら、かわいくてフニャっとしてる内村の心底の強さが、とても心地良いカプでした。
・・・これを見せられていたら森安も偏見はなくなるよね♪

2

切なくも美しい恋

とっってもよかったです!さすが雲之助先生~。
甘さと苦さ、切なさが上手い具合にミックスされていて、それでいて読み手を
ハッピーな気持ちにさせてくれる、そんな優しい作品でした。

まず表題作の『こっちにおいで』は、
森安は九州男児の男前で、出向先の会社で久坂と出会います。
久坂は結構偉い立場にいながらも、ゲイであることを公言しており、しかしその人柄の
よさから周りに慕われている可愛らしい人。
そんな久坂の視線を追っているうちに、森安は久坂の片想いの相手を知ってしまいます。
報われないとわかっていながらも健気に想う久坂に、決して同情ではない気持ちで
惹かれ始めた森安は…

というところから、雲乃助ワールドでぐいぐい惹き込ませてくれるのですが、
この雲乃助先生の独特の間というか、表現というか、笑顔やら泣き顔やら赤面やら…
なんというか…とにかくすごいのです!(なんじゃそりゃ!)
読んでいて、ぐわっ!と心臓鷲掴みというか、きゅーっと胸が苦しくなって、
「あー、切ない…」と思わず口に出してしまったぐらいで!
久坂がまた、本当に健気で優しくて、笑顔が素敵で、いい人なのです…!
そんでもって、久坂に想われている藤巻もまたいい人なのですよ…!
そして九州男児の森安の『謝らんでよかです』とか『どこが悲しくなかんやろか!』とか
たまに出る方言に萌え…!

森安が、『あんたが泣かないから代わりに泣いてんでしょうが!』と言って涙する
シーンがあるのですが、最初はぶっきらぼうというか、感情がなさそうにも見えた
森安が、久坂のために泣き、そして『俺ならあんたに恋をあげれるのに』と久坂を
抱き締めるのです。切ない~!

そして、ようやく想いが通じ合い、『もうあんたを…好きになってもいい?』と
もう1度森安が涙するシーンがあるのですが、もうここは本当に幸せいっぱいというか、「よかった!よかったね2人とも!」と森安の涙にまたやられました!
うんと幸せになってくれ!

そしてその森安の友人・青木の話が『君だけだよ』『僕をみつけて』なのですが、
こちらも可愛らしいお話で、努力せずとも大半のことはできてしまう攻め・青木と
存在感が薄く、自分にはなんの取り柄もないと思っている受け・内村(うっちー)。

なんでもできてしまう青木は、高校生活では地味に過ごすため、本気を出さず
ゆるーくダラダラと退屈な生活をしていました。
しかし、そんな中でいつも視線を感じ、それがうっちーなのですが、
うっちーにその隠していた部分を見破られ、『青木くんの役に立ちたい、ずっと見てた
から…』と顔を真っ赤にし、告げられ、青木は興味本位から関係を持ち…。

攻め視点、受け視点で話が分かれているのでお互いの心情がわかりやすく、
青木はゆっちーに対し『かわいい』連発し、うっちーは健気に青木を想い、
青木が『寂しくてやる気がない時に、うっちーが側にいてくれたら何にもしないクズ野郎になっちゃうけど、そこんとこどーなの?』という具合に問いかけるシーンでは、
『百万回叩いて、青木くんが何か見つけられるまで、ずっと叩くよ!』とゆっちーが
真面目に答えるのですが、もう相性バッチリというか、ゆっちーえらい!強い!
青木にここまでしてくれるのはゆっちーしかいない!(笑)

幸せそうな2人で、ハッピーエンドで大変可愛らしいお話でした。
表題作ともに、とてもいいお話でした。次回作も楽しみにしてます!

2

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