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俺がずっと側にいてやるよ
私が勝手に「愛してる」シリーズと呼んでる一連ものの、第4作目。
本作は、これまで脇役の1人として大きな存在感を見せていた「双葉」が主人公。
双葉は、メインCPの攻め・斑目の悪友で、若いけれど肝が据わってて、軽く明るくドヤ街を盛り立てるムードメーカー。
その双葉が、無かったことにしたいと隠していた過去が追いかけてくる。
それは、一つは借金絡みの男達。
もう一つは、双葉が情を交わした女性の影…
スピンオフ的な作風でよくある展開のように「双葉もゲイでした〜」ではありません。ここがよくあるBLのセオリーを覆していて良し。
過去追われていた最中に匿ってくれていた同じ境遇(人の借金を負う)の女性との関係性、その女性に叶わぬ恋をしていた幼馴染、双葉が知らぬうちに女性がたどった不幸な運命…一度もその女性そのものを登場させずに彼女の存在を深く感じさせる筆力。
また、敵の手に落ちた双葉を助けに行く斑目+坂下+女性の幼馴染の、手に汗握るアクションのハラハラ!
ドヤ街の吹き溜まりで生きているおっさん達の人情味、双葉の背負っているもののシリアスさ、命をも狙われるサスペンス、ドヤ街に現れる女性の幼馴染の純愛、もちろん斑目と坂下の恋愛とエロ。
今回、真面目で堅物の坂下が自ら激しく斑目を求め誘うそのエロさも見所です。
ラスト、双葉が新たな人生のステージを得てこの街を去る事になり、斑目との関係性も移ろいゆくものであることが暗示された感があります。
2人の心は深く繋がっているけれど、運命はどう動いていくのか。シリーズはまだ続きます。
『愛だというには切なくて』
読み終えて表紙を眺めるとタイトルの良さが沁みました。
男同士の恋愛。
仲間意識から芽生える友愛。
叶わず終わった片思い。
”さよなら”の後に待っている出愛い。
楽しいばかりでない、
ちょっぴり切なさを含んだそれぞれの愛。
シリーズ4作目になるとおなじみのメンバによる
わちゃわちゃとした日常を読む楽しみがありました。
でもこの作品の舞台は、世間一般とされる場所から離れた世界。
その日暮らし、ホームレス…。
それに慣れちゃいけないんですよね…。
楽しいだけじゃダメなんだと改めて感じ、
斑目との別れも予見させるような流れに少々ショックです。
さて、シリーズ4作目。
ようやく斑目克幸とのゴタゴタを終え平和が戻ってきたとある町。
主役はおなじみ
神の手を持つ医者で現在日雇い労働者の斑目×町の診療所医師の坂下先生
ですが、今回は2人の友人で準主役級の双葉の物語でした。
若いのに世間の荒波を経験し、
ヒョイヒョイっとした身軽さで動き回る双葉。
何か訳ありな過去は匂わせていましたが、今回のお話で明らかになりました。
正直、命狙われ追われてる身というのは想像もしてなかったのでビックリ。
斑目克幸の周辺探るときなど結構動き回ってたよね…?
完全に巻いたと思ってたのかなぁ。
何年も追いかけてる方の執念もすごいけれど。
双葉の周囲が騒がしくなり、心配する斑目と先生。
双葉のためとなるとぶち切れる2人がカッコよかった!
”あの”坂下先生が胸ぐらつかんで怒鳴ってる…!。
斑目もつい手が出ちゃって、いつもの冷静さを失ったギャップ良き♪
双葉自身も知らなかった現実には驚きました。
その件についてあとがきで触れていますが、
ファンの要望より作者さんのこだわりを貫いた形になったのは良かったな、と思いました。
BL的な萌え部分は、なんと言っても坂下先生の開花…!
野性的で雄々しい斑目にいつも翻弄され流されるように抱かれてばかりでしたが、
自分が主導権を握って斑目を喘がせたいと思うようになるとはー!!!
ここをこーしてあーしてと誘導する坂下先生のエロさよ////
草食獣に言われるがまま素直に従う肉食獣という図が良き♪
ちょうどこのシーンは口絵カラーになってるのですが、
視点が天井裏から覗いてる気分になれるのですよー!
奈良さん神…!。+゚ *。(*´∀`*)。+゚ *。
生活が不安定な日雇い労働者達の為に診療所を開設して切り盛りしている青年医師・坂下の奮闘記。
この巻では表紙タイトルで見辛くなっているが、坂下と斑目の間に挟まっている兄ちゃん(双葉)に焦点を当てた内容となっている。
坂下が日雇い労働者達を見守る為の日々の活動も板に付いてきて、最初の頃に感じていた歯痒さは減ってきている。
今回もまた、双葉が過去に乗っていたマグロ漁船での犯罪が発覚したり、報復の為に彼の行方を追う胡散臭い連中がうろついたり、大火事が発生したりと一般人が太刀打ちできそうにない裏社会絡みの方向に巻き込まれていくのだが、まぁそこはBLミラクルで上手く解決するって事で(笑)。
作中では既に両想いとなっている二人のラブシーンも健在。
普段なら結構好きなエロ親父攻めのねっとりエッチのシーンなのに、周りですったもんだが起きている最中にじっくりと味わいきれない感覚だ。
何となく、その時だけでも現実逃避したいって雰囲気も漂っているし…。
しかし、切羽詰まった修羅場の中でも身体を張って無茶する斑目をとっさに心配する坂下の愛情って本物だな~って実感できるシーンもある。
頭の回転が速く、二人の良き理解者だった双葉の卒業は寂しいが、彼のこれからの人生に幸あれ。
坂下の「いつかはここを卒業していかねば」という一言は正に正論なのだけど、その一言に斑目は何を思う?
読みながら頭の中は火サスの音楽が鳴り響いてました。
2巻目くらいまではBLしていた斑目×坂下なんですが、この巻まで来るとだんだんそっちはどうでもよくなり、「坊ちゃん医師のドヤ街事件簿」みたいになってきてます。やっぱ双葉からのハガキを眺める二人にかぶせて竹内まりやが流れてエンドロールかぶる、みたいな。
ちゃんと合間にエロもあるんですが、むしろ無い方がよかったな。傾倒していく坂下がちょっと情けなくて。落ち込むたびに慰めHのパターンで、そんなことやってないでもっとしっかりしろよと思ってしまいました。
結構事態は深刻になっているのに、盛っている場合じゃないでしょう。
そんなことを思うくらい、お話の方が面白い証拠でもあります。
すっかりパターンの出来上がった人情話、ここから後半戦。終幕に向けてどう展開していくのかも、楽しみです。
積み本箱から発掘。
このシリーズ、何で全部レビューしていないのかと思っていたら、そもそも積み本箱に埋めて未読だったという、、、
とりあえずこの巻は、双葉の過去と旅立ちの話なので、シリーズ中飛ばしていても、さほど影響がないともいえる。
それにしても、双葉にどんな過去があって、そのために、誰がどんなことを双葉に仕掛けてきて、どんな結果になったのかっていう、相当重たい内容を、いくら主人公は坂下だからといって、こんな風にザラザラっとぶっ込まれちゃうと、ちょっと呆然。