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表題作茜色デイズ

倉田英慈・大学からの親友で電機メーカー研究所員26
鮎川直也・広告代理店社員26

その他の収録作品

  • レモンとはちみつ
  • 君が恋を知らない頃から

あらすじ

大学時代、親友である倉田英慈への恋心を自覚した鮎川直也。だが責任感が強くて男気のある英慈には恋人がいて、直也は自分の想いを口にすることなく、卒業後数年経った今までずっと友達として付き合ってきた。苦しい片恋だが英慈の中に自分の居場所があればそれでいい--そう思っていた直也には、しかし英慈は知らない秘密があった。大学の時一度だけ、高熱で朦朧となった英慈と関係を持ったことがあったのだ…。

作品情報

作品名
茜色デイズ
著者
夏乃穂足 
イラスト
本間アキラ 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778112745
3.5

(37)

(9)

萌々

(15)

(6)

中立

(3)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
11
得点
126
評価数
37
平均
3.5 / 5
神率
24.3%

レビュー投稿数11

切な苦しいいいい!!!

中学の時に転校して来てからの友人で、
大学時代にはしっかり恋を自覚し
インフルエンザにかかり薬と熱で朦朧としている英慈に
たった一度だけ抱かれますが
それでも親友でいられたら別れることもないからと
ずっと想いを押し殺してきた直也ですが……。

お話の展開としては、それこそ突飛な何かは無いのですが
(すみません)
エピソードのひとつひとつが自然で
すごく現実にありえそうな感じが胸に迫り
終始きゅんきゅんしっぱなしでした!!

転校生の直也を責任感の強い英慈が構ってやり、
嫌がらせを受けていた直也は簡単に心を許すものかと
気を張っていたのが
英慈の誠実さに負け、共に一生懸命練習した演劇の成功をおさめ
それから親友になるのです。

高校は違っても、英慈の祖父母の家へ泊りに行くなど
親しさは変わらず、同じ大学へ進み漕艇部へ入り
二人の漕手で行われるダブルスカルを組みたかったのに
体格の差などで不可能な事と、無茶をして怪我をしてしまった為
諦めなくてはならなくて…。
それでも英慈と同じ艇に乗っていたくて舵取り役に転じ
減量の為好きなプリンも我満するとか健気でした。
そんな直也にはちみつ漬けのレモンを作ってくれる英慈が優しい!

大学3年の時に打ち上げで酔った先輩に襲われそうになり
助けてくれた英慈に軽蔑されたくないと慄く直也ですが
英慈に抱かれた事実は誤解と嘘で湾曲され
もっと苦しい現実を生むこととなってしまうのです。

『茜色デイズ』は社会人になってからのお話で
直也の上司の都村がチャラそうだけど観察力に長けていて
なんかもう当て馬の鏡!!!!!!!
都村をすごく私は気に入ってしまいました!!!
英慈への想いをずっと引きずっている直也に
強引ではなくやんわり包んでくれそうな…。
頼むから都村とくっついてくれって思っちゃって
いやそれじゃ直也の幸せにならないしと我に返りましたw
英慈が年上には敬語を崩さないのに
都村にはくってかかったりとかどきどきしたなぁ…。

直也が都村の優しさに甘えきることなく
ちゃんと向かい合おうとする姿勢にとても好感が持てました!
女々しさが無くて、顔が綺麗系でも芯があるというか。
でも英慈への想いを断ち切ろうとしても
会える日は嬉しくてしょうがないし
別れた後は寂しさが押し寄せたり、
英慈の元カノと寄りが戻る予感に胸を痛めたりしんどい…。

それでも、今までのすれ違いや誤解が解けて両片想いだったと判明し
繋がるシーンはまさに愛のセレモニー!!(言い方)

『君が恋を知らない頃から』
英慈視点で、ああ、あの時そうだったのね等
ちょっとした答え合わせのような感じもあり、
英慈のお姉さんも幸せになっていて良かったと安堵するSSでした。

大事な場面で度々こちらが焦らされてしまう感じは否めませんが
どうしても英慈には直也に真っ直ぐ向かえない理由もありましたし
二人とも友情を壊したくない気持ちが強かったものですから
私としては納得しましたです。ハイ。
読み応えバッチリで本当にときめきまくりましたし
本間さんのイラストがすごくぴったりでした!!
嗚呼しかし都村、都村ぁああああああ!!!ww

8

幼馴染みのすれ違い話・・もうジレジレ!

初読作家さま。本間アキラ先生買いでしたが、小説も良かったです^^v
少し厚めのこの本は「幼なじみすれ違い」の王道でした♪

小説の冒頭は、高校は別だった親友同士がまたいつも一緒にいられる環境になった大学漕艇部時代の回想から。
英慈と毎日会える嬉しさは、体格差のある英慈に合わせる為のオーバーワークも楽しくて、だけど、その直也の無理を気遣う英慈の前で、直也は大けがを追ってしまって!
直也が頑張る姿が眩しくて強く制止できなかった自分を責める英慈と、英慈にそんな顔をさせてしまった事への反省と同艇に乗る為に次にどうするか考える直也。
このエピソード1つにしても、2人の言動はすべて「恋する者」のソレなんです!

中学の出会いから、別高校時代の彼女(要注意人物)、英慈の姉の出来事、英慈の田舎での夏休み、、英慈が酩酊し直也に・・と事ある毎に回想になって、後悔と不安と相手への慈しみが語られている~!
そして、どの時も親友以上になる自分を抑える言い訳が添えられているのです!
その先に進む事ができない「親友」という壁に隠れてもがいているんです!
もう~どこでもいつでも全然大丈夫なのに~ぃ!と、心の中で頭を抱えたほどでした!

「今」は社会人なので「親友」も大人版。
だから将来の不安も現実的で、良い男上司や元彼の欲も出張ってきて、回想枠からやっと食み出して進む予感になるんだけど、長年の慎重がまた新たな焦れになっていくー!
回想の焦れと今の焦れダブルのまだるっこしさ!
だけど、本間先生の美し絵と、夏乃先生の立ったキャラ達の言動が好くって、ダレることなく読み進められたんです^^(ありがとー!)

出版社ペーパーは、大学エピソード繋がりの一コマ。アレの暴露に嬉し恥ずかしでした♪
本編では、夏乃先生、頁割ホント大変だったろうなぁ~って思いました。
普通のすれ違い加減に飽きた読者さえ、まず裏切られることはないでしょう!
これでもかー!の焦れ感を堪能できるコト受け合いです!

3

ヘタレな恋の物語

幼なじみジレジレ系は基本好物なんですが、、、

友達だと思っていたのに、この気持ちは友情以上、
もしかして、恋なのか?
ってじっくり悩んで、って所まではお好みの範疇だったけど、、、

私の好きなお話は、恋だって認めたからには、そこから恋を実らせるための努力をしていくようなお話で、
その点からいうと、ちょっと。
それでも、前半の「レモンとはちみつ」の方は、まだ「恋を自覚した」所までのお話だからいいの。
後半の「茜色デイズ」の方は、この二人の、あまりのヘタレさっていうか、直也はビビリ過ぎだし、英慈は意気地がなさ過ぎる所に、ジリジリっていうよりイライラ。
都村じゃないけど、ホントにさっさとどうにかしちゃいたくなる。
そのくせ、最後の英慈視点の「君が~」ではいきなり暑苦しい思いを吐露されちゃうし。
そんなに暑苦しく恋していたなら、何故もうちょっと押してみなかったんだぁ!!

というわけで、都村のやせ我慢にオマケして萌×2

2

王道展開だけど

幼馴染の長い両片思いモノです。BL的セオリーがきっちり踏襲された展開で、衝撃的なことは何も起こらないのに、とても切なくて非常に萌えました。ふう。

なんでしょう、この甘酸っぱい感じ。王道設定をしっかり読ませる作品に仕上げることが作家の力量をはかるバロメーターの一つだとすれば、夏乃穂足さんはやはり実力のある作家さんだと思います。

攻の英慈の言動は身勝手だし、受の直也は発想が如何にも「自分は報われない片想いでいいの」という感じで女々しい…と思ったところも無くはないですが、二人が親友として肩を並べる立派な男でありたいと努力する姿勢や、そうやって過ごしてきた日々を(恋愛感情とは別に)誇らしいと思っている様子がとても好ましかったです。

あと、中学生くらいの恋愛未満な独占欲を持て余す攻…という設定が自分は好きなので、苦悩する英慈にも激萌えでした。

2

レモンとはちみつは初恋の味

主人公直也は中学二年生の時に転校先で英慈と出会って惹かれます。それは同じ大学に通う頃には恋と自覚をしていますが、男同士と同性だし、親友に好きだとは告白できませんので自分の好きだという気持ちが表にでないように必死で繕っています。前半、中学時代と、今の大学の部活生活が交差する構成が好きです。ボート部の青春って新鮮で楽しい。英慈に彼女が出来て、デートに行く前に、いつも作ってくれたレモンの蜂蜜漬けを受け取り、家に帰って涙を流しながら食べるのが前半のクライマックスでした。
後半は社会人になってのお話。相変わらず直也は方想い。こちらに登場する当馬、直也の上司の都村は非常に魅力的に感じました。そんな登場人物が二人の仲をかき回し盛り上げてくれて、もうにっちもさっちもいかなく、これ以上前に進めないからと都村の誘いを受けて、泊りにいったら、宿泊先に英慈が追いかけてきて奪い。めでたく両想い。蓋を開ければ長い長い両片思いでした。
初恋が実っておめでとう、それは長い道のりだったけれど、一途に思い続けた甲斐があったね。末長くお幸せに!

2

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