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空の出会う場所で

sora no deau basho de

在天空交会的地方

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表題作空の出会う場所で

遺体処理をする男 凪
廃墟で出会った少年 空

その他の収録作品

  • 迷子になったら

あらすじ

訳あり次第処理を生業としている名前も戸籍もない男。仕事を終えて車に戻ると、見知らぬ少年が助手席に座っていた。少年は空と名乗り、男の仕事を誰にも言わないかわりに男の家に連れて行ってほしいと言う。
男は仕方なく空を連れ帰るが、名前が必要だと空に「凪」と名付けられる。お互いを何も知らない、お互いに何も聞かない。
そんなふたりの生活が始まって――?

作品情報

作品名
空の出会う場所で
著者
井上ナヲ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
ミリオンコミックス CRAFT Series
発売日
ISBN
9784813053637
3.1

(17)

(0)

萌々

(7)

(5)

中立

(5)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
48
評価数
17
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

人らしく生きるということ

戸籍も名前もない遺体処理を生業とする男が、仕事先で出会い強引についてきてそのまま居座ってしまった少年に名前を付けてもらい、初めて人間として生きている生活を実感するお話。
ともすると、作者さんの初単行本「捨て猫の家」の、寄る辺のない二人が寄り添って生きて行くという点で似ているかもしれません。
起点に帰った感じの作品ですが、この雰囲気はとても好きです。

その男が遺体を3体処理して欲しいと言う依頼先へ出かけると、遺体は1体。
そこでであったのが、文無し宿なしだという空という少年。
名前のないその男は、空に凪と名付けてもらってこの二人の共同生活が始まる。
実は空も戸籍もないある真実があり、それを隠して凪と一緒にいるのです。
街で、一緒に暮らしていて先に逃がした兄弟と出会い、彼等が幸せに暮らしており、一緒においでよ、と誘われるのですが、空は凪を選択するのです。

空はとても優しいです。
名前を付けるシーン、そしてラストのまだ見たことのない海へ見に行こうと出かけるシーン。
二人の仲を凪の仲間に誤解されて、空が初めて凪を意識してギクシャクするシーン、
二人に慣れた凪が、彼を意識する空が少し距離を置き始めた事で、知らないうちに自分のペースが乱されて無自覚に様子がおかしくなるシーン。
それぞれが、印象的に彼等の距離が近くなった様を見せて特に凪が人間らしさを取り戻していく姿が心に残ります。

6

雰囲気を楽しむ

ものすごーく繊細な絵を描く作家さんです。
私の好きな無愛想キャラもよく出てきます。

ザックリいえば、無愛想な訳あり青年が、訳あり少年を拾って同居する話。

今回の作品は『捨て猫の家』とどこか似通っているところがあるので、
このシチュが好きなのでしょうね。

モノトーンでスタイリッシュなイラストを眺めるのは楽しいです。
行間を読むようなコマ割り描写もハイセンスですばらしい。

ただ、ストーリー重視なのでエロスはほぼありません。
それを淡白だと思う方は物足りないかもしれませんね。

また、『捨て猫の家』を拝読している方は、なんとなくその先の展開が読めてしまうかも…。

そういった意味で、ストーリーに対する目新しさはありませんが、
この作家さんの空気感を楽しみたい方は好きだと思います。

タイトルの意味について、作品の最後に明かされますが、
それも好みが分かれるところでしょうか。
やや狙いすぎカナ~という感じもして、なんか照れくさくなりました。

キャラクターについては、個人的に受けの子の押しの強さとか、たまに見せる弱々しさとかが
ちょっとタイプではなかったので下の好感度は★2つになってます。

でも、無愛想キャラ好きなので、攻めの子は好きでした!

《個人的 好感度》
★★★・・ :ストーリー
★・・・・ :エロス
★★・・・ :キャラ
★★・・・ :設定/シチュ
★★★・・ :構成

2

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