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表題作囚愛

華族に養子に行った弟 北小路忍 21歳
陰間茶屋の男花魁の兄 雅(吉野) 22歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

遊郭で人気の雅は、10年前、華族に引き取られた異父弟で、実業家の忍と再会する。
そこで雅の贔屓客が実は忍の祖父だと知らされ、自分達を騙し引き離したことへの復讐を強要される。
もう誰にも渡さないと、傲慢な忍に辱められ、翻弄される雅。実の兄弟なのに淫らな行為に耽るほど、燃え上がる甘美な背徳。
蜜のような禁忌に犯され、妖しく開花する雅の躰は、心と裏腹に貪欲に忍の×××を求めてしまう!!
しかも禁断の妄執愛には、秘密があって…!?

(出版社より)

作品情報

作品名
囚愛
著者
櫛野ゆい 
イラスト
陸裕千景子 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイSLASHノベルズ
発売日
ISBN
9784799711156
3

(9)

(1)

萌々

(0)

(6)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
25
評価数
9
平均
3 / 5
神率
11.1%

レビュー投稿数4

知らぬ間に禁忌で歪な執着愛に翻弄される受け様

これはかなり痛いし病んでいます!母親を早くに亡くし酒乱の父親に売られた兄弟。
そして幼いながらも弟を守ろうと弟の分まで身を売っていた健気な受け様。
そんな二人に突然の別れの日がやってくる、父親が違う弟が実は華族の子供で
弟を引き取りに来たことで、離ればなれに、でも受け様は弟の幸せを願い喜ぶのです。
そして受け様は弟の分まで借財を請け負って10年たっても男娼をしているのです。

そんな時に突然弟が現れ、再会する事になるのですが、喜びもつかの間で受け様は
驚愕の事実を知る事になる。
それは10年前から受け様の贔屓客が弟の祖父だと知り、それもその祖父は受け様が
攻め様の兄だと知りながら抱いていたと言う事に愕然とするのです。
更に二人を引き離した祖父への復讐を打診され、受け様は拒むのですが弟に無理やり
犯され、言う事を聞かなければならなくなるのです。

ここまでだと弟の執着愛ゆえの禁忌ものだと思うのですがこの作品は更に大きな禁忌を
これでもかっ!というように描いているのです。
兄を慕い無邪気に懐いていた可愛い弟が闇を目に宿して10年経って現れる。
復讐なんて恐ろしいことを辞めさせて、早く日の出る場所へ戻って欲しいと・・・
しかし、それからも祖父を煽る為だと素性を隠し受け様の身請け話を出しながら
兄相手に淫らな行為を強いる攻め様、禁忌と知りながらもいつしか弟以上の思いを
攻め様に感じてしまい、そんな自分に恐れと自虐に苦しむ受け様なのです。

しかし、攻め様の執着はとても凄まじいのです、そして祖父に対する憎しみも・・・
一見すると祖父に対する嫉妬なのかと思えるのですが、嫉妬もあったでしょうがもっと
深い闇を攻め様は抱えていたんですよね。
攻め様は受け様に秘密にしている事があるんですが、それは祖父から家督を引き継ぐと
言う事でもなく、本当は華族の跡継ぎが攻め様では無くて受け様だと言う事実。
それを受け様は別の人間から知らされてしま弟を信じる思いに揺れが生じるが
騙されていたとしても弟を思う気持ちは変わらないと・・・
でもそれを聞いた攻め様は信じてくれない受け様に何も告げづに姿を消してしまう。
しかしそれよりも更に衝撃の事実が明らかになるのです。

この攻め様は、受け様と離されてから、ある事件を契機にすっかり闇に捕らわれて
しまっているんですよね。
受け様は純粋に弟への思いを持ちながらも知らぬ間に闇に堕ちてしまっています。
それにラストでも攻め様の復讐は終わっていない感じでかなり怖いですね。
昔の小説にサクラの木の下には死体が埋まっている、なんて一説を思い出しました。
そのうち爺も肥料になるのかも~なんて思いながら読みました。

5

ディープな二重禁忌

設定はかなりディープかもしれません。
異母兄弟の関係もあり、また兄はそれを知らず実の祖父と関係しておりました。
そして、異母弟も祖父も、兄に異常な執着をしております。
いわゆる ”痛い” 設定なんですが、この痛さ、自分の胸を掴まれるような痛さでなくて、遠くで誰かが怪我をして、それを見て「あ~痛そうだな~」な客観視できる痛さ。
目に付くのは、この二人の男の執着具合と、異母弟のなんともな腹黒さでしょうか?
そこに本当の愛情があるのか?と問うてみるとなんだかちょっと違うような気もしないでもない。
受けとなる兄は、遊郭で男花魁をしているのですが、彼の存在が ”女性置き換えでそのままいけてしまう設定” なのが、個人的に遊郭モノの一番好きでない設定を添えてきているのがイマイチ入り込めない部分かも。
作者さん、デビュー作品から色々なジャンルとタイプの話をチャレンジされているので、その意欲は買いたいと思います。
しかし、やっぱり本格的にずっしり重い・・・というには今ひとつ物足りないかもです。
(まあ、きっとどこかに甘さがあるから救いがあるのだろうし、読みやすいのだとは思いますが)

萌えはどこにあるのか?と問われれば、客観的にみれば彼等の関係とえっちでしょうか?
祖父は不能気味なので兄に自慰をさせてそれを楽しむ。
10歳で売られて、客をとらされてきた10年選手の花魁がこんなに初々しい!?
弟は言葉攻めですが、禁忌の関係とわかっているからこその言葉攻めの効果はあるかと思います。

遊郭に兄弟で売られ、実は弟は華族の娘の子供だったということで引き取られ離れ離れになった兄弟。
兄・雅はすでにトウの立った花魁だけど、華奢な体と外見と常連が付きかわいがられていることからそこの遊郭のトップ花魁になっている。
彼の常連客に中瀬という老人がいるが、もうすでに自ら何もすることはできないので雅に自慰をさせて楽しんでいる。
ある日、生き別れた弟の忍がやってきて、その中瀬が実の祖父だったと告げ復讐をしようと持ちかける。
中瀬のいる隣の部屋で雅を抱く忍。
そして身請けの話を持ち出して、中瀬へあてつけをするのです。
最後、全てが明かされたとき老人は・・・そして忍は、雅は・・・

ちょっと腑に落ちないのが忍が北小路の家に行った時のこと。
ひょっとして忍は雅にも復讐を考えていなかったか?
現在の楼主の天地に問い詰められた時に忍ははっきりした返事をしていません。
ちょっと濁してます。
亡くなった前楼主の策略もあったかもしれませんが・・・
こうして雅を手に入れた忍と、忍に溺れる雅。
実に禁忌を地でいく、淫蕩な関係で、そのラストも後味はちょっと悪いです。

こういう痛い設定、禁忌設定、ドロドロ設定は大好物のはずなのですが、何かモノ足りないのです。
受けちゃんの雅なのかな?忍の中途半端さかな?
自分でもよくわからないのですが、このドロドロ設定、もっともっと後味の悪い忍の悪い人振りが全面出しされていたら個人的な好みだったかもしれません。


4

最後辺りが…

表紙のイラスト綺麗だなぁと思い購入しましたが、カラーイラストとモノクロイラストにちょっとギャップがありました。
カラーイラストだと大人のエロい雰囲気が漂ってるんですが、モノクロイラストだと童顔でショタっぽいんですよねー。ショタ嫌いじゃないですけどね。
天池さん!楼主ですが、なんか素敵な方なんですよ~
吉野(雅)に優しい~ 時には厳しいらしいですが、雅の次に人気があるらしい椿と勝手にくっ付けちゃえ~って事で妄想(笑)そんな、場面一切ないですけどね。
雅は実の祖父とは知らずに10年間馴染みとしていた、祖父がいますが…気をおかしくして病院入ってた祖父を引き取って世話しなくてはならなくなり雅が世話をしている。
雅は確かに優しいです。 ですが、騙され続けた上に殺されかけもしたんです。雅がお爺ちゃんと呼ぶシーンはちょっと残酷で密かに復讐しているようにも思えました。
祖父が縁側に座っていて、忍と雅が襖を閉めて愛し合い始めるんですが…やっぱりそう言う事なのかなとも思います。

1

禁忌×禁忌

まぁ、「萌」でも良かったんだがな( ´_つ`)ノ
というわけで、もこです←ナニガヨ
積みにつんでた櫛野さんの新刊でございます。
表紙のお尻。よく観ればツユダクエロスでおいしい1冊。
陸裕千景子 さんのイラストが最近のマイブームでして、2重においしいじゃないのよとめっくたお話は、禁忌禁忌なお話であります。
禁忌ものはきらいじゃない。王道も好きだけど、ちょっぴり道を踏み外しちゃってる人たちの話を時たま見つけると心が躍ります。
おいといて。
今回は、半分血の繋がった弟×兄。そして遊郭。
あまつさえ、血族である祖父にまでwww受にとっちゃ何重苦なお話なのであります。

幼い頃に、まだ二人が同じ屋根のしたにいた時代。
客をとりはじめたまだ幼い兄の背中、股の間から流れる白い・・・
このシーンに萌でした。ショタ!ショタ!なショタ人間でもありませんが
まだ幼さの残る少年の~な雰囲気が目に浮かんでなんともなまめかしかった。
まぁ、それにハァハァしはじめる弟もどうよと思うのですが(笑

ただ、ひとつのひっかかりは、弟の言う復讐、憎しみの部分。
もちろん、言わんとする理由や、展開はわからないではないのだけれど
再会し、兄弟だとわかってから、話を持ちかけにくさがどうの~な弟のテンションのわりに、その経緯に触れる表現が少なかったこともあり、あれだけ気持ちを高ぶらせる弟に乗り切れなかったというのが一つでした。そこが残念・・というか、そこですね。

エロパートもようしょようしょおいしくいただきました。
贅沢を言えば、幼少期まだ客をとりはじめたころのエピソードなんかが
番外編であっても面白いのになとおもうワタクシ
評価中立にしてますが、読み易く、雰囲気としてはきらいじゃないのです

3

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