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表題作羨望と恋

三木江・受様の隣室に越してきたシナリオライター
国生一仁・旧家嫡男で百貨店のお得意様サポート担当

その他の収録作品

  • 硝子戸の内
  • あとがき

あらすじ

旧家の「お坊ちゃん」として育った国生一仁(こくしょうかずひと)は、その重圧から逃れるように一人暮らしを始めた。だが、厳格に育てられたため、他人と打ち解けることができず、会社の同僚の些細(ささい)な言葉や人間関係に悩んでばかり。そんな国生の隣の部屋に、粗野(そや)な外見で鋭い目つきのシナリオライター・三木(みき)が引っ越してきた。自分の悩みを真剣に受け止め、励(はげ)ましてくれる三木の優しさに触れ、国生は少しずつ変わっていくのだが……。

(出版社より)

作品情報

作品名
羨望と恋
著者
火崎勇 
イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
発売日
ISBN
9784062867283
3

(17)

(1)

萌々

(3)

(9)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
47
評価数
17
平均
3 / 5
神率
5.9%

レビュー投稿数4

トゲトゲの家

電子書籍で購入です。
挿絵がついてないと思ってたら、ついてて嬉しかったです。
やはり、挿絵があるのはいいですね。
火崎さんの隣人もの大好きです。
今回の隣人さんは今まで読んできたなかで、と言っても2冊くらいですが、わりと普通の人でした。元ヤクザでもないし、どっかの王族の関係でもないですし(笑)
それにしても、国生のあの性格は読む人によっては苦手かもしれないですね。
わたしは、意外にもイライラもせずに受け入れる事が出来ました。
むしろ、国生と一緒になって、じりじりトゲトゲに押し潰されてしまいそうになりながら、読んでました。
三木の優しさが心に響きました。
三木の優しさと恋心と国生のまだ気が付いてない恋心のすれ違いにも違う意味でじりじりさせられました。
最後に国生が実家に帰らなくてはならなくなるために、三木に会いたい一心で行動していくところはようやく、この子も強くなってきたのかなぁ?と思わされました。
本編後に三木視点の話が入ってるのですが、こちらはニヤニヤしながら読みました。
ああ、この時から好きだったのねーって(w*
トゲトゲの箱だったお家がふたりのあたたかい「家」になる事を願ってます。

1

ひょっとして、これってコメディ?

火崎さんがホワイトハート!?
先月はHollyだったし、新たなレーベルへの進出が目に付きます。
しかし、やっぱり火崎作品は火崎作品。
相変わらず淡々と、謎を秘めながら展開してラストにそれが明かされる。
片側視点で進行し、番外にてもう一方視点にて補完がされるという、いつもの作りも全く変わっていませんでした。
しかし・・・

そして今回のお話は、古い家に縛られて自我を出すことを抑えられ、我慢し、すぐ謝る癖がついているために、人との関係がうまく築けない百貨店勤務の男性が、
隣に越してきた脚本家の男性によって、理解をしてくれる安心感を得て、少しづつ変わろうと努力をするお話でありました。

この主人公・国生は厳格な祖父に縛られて育ったためにおとなしい人に育ってしまったのですが、家柄のために多分望まない結婚をして外に子供を作った父親と母親の仲は良くなく、その母の意地で育てられた部分もあり、しかも両親が離婚して父親とはほとんど接点はなくやはり叱られるくらいしか会話がないという、すごく暗い家で育った下地があります。
なので、彼にとって人は「子供」「先生」「怒る人」という3種類に分類しているという。
この「怒る人」というのが問題で、国生が一番に苦手にしており、それで会社内でも萎縮してしまうのです。
そんなある日、隣に三木という男性が越してくるのですが、どうやらその「怒る人」ではなさそうで安心していたのですが、ある時鍵を落として困っているところを助けてくれたのが縁で、彼の部屋に出入りして、国生の誤り癖から性格を見抜かれたことで、彼に対して信頼と安心を得て、またアドバイスを受けて、少しづつでも変わろうと努力をするようになるのです。
会社の先輩に誤解されて落ち込んでいる悩みを打ち明けたとき、三木にキスをされて、考えさせてくれと前向きでいたはずなのに、何故か彼がこんなに自分に親切にしてくれるのはひょっとしたら、あったことのない腹違いの兄なのでは?と思い至ってしまい、それを三木に言ったために、三木のプライドを傷つけることになってしまう。

案外にこの国生の性格、イライラするかと思ったのですが思ったよりなりませんでした。
ちょっと極端ではありますが、こういう人いるよね、とか人としての思考でこういう国生的対応ってあるある、って感じでそれの典型みたいな描き方がされているので、多少の親近感があります。
最初の冒頭の部分で、父親が外の女に産ませた腹違いの兄がいて、という話があったので、ひょっとして三木は?なんて思わせぶりな展開をさせるのは火崎さんらしいな~と思える伏線でした。
しかし、キスをされておいて兄では?って考える国生、どんだけ天然やねん!(笑)
恋愛をしたこともなかったから仕方ないけど、ぶっ飛びすぎだってw
しかもその後は、なんかドラマのヒロインみたいな行動してるしwww
何かこの主人公、面白いかも!?

そして、いつもの通り攻めの気持ちの変遷が不明です。
しかし番外で描かれなくとも、彼がゲイであるという設定から全てをものがたっていたのかもしれません。
まあ、それの証拠固めといったところでしょうか。

やはり、激しい萌えとかドキワクやハラハラはないのですが、非常に読みやすかった。
国生のネガティブと天然もちょっとよかった。
三木は守ってあげたいタイプが好きなのかな~ひょっとして脚本家として、こういうタイプが物珍しいのとかあったのかなwww
多分、この話って作風を変えたらコメディになると思うんですよ♪
多分、そのうち三木は国生をモデルにした話を書いて、国生に怒られるという未来が見えるような、見えないようなwwww
ということで萌えです。

6

抑圧されてきた受け様が見つけ出した光

旧家の跡継ぎとシナリオライターとの大人の恋でした。
好き嫌いで言ったら好みではないストーリーです。
旧家で格式を重んじる家で生まれた受け様はは、祖父や父親に厳しく躾けられ
いつからか自分の気持ちを相手に伝えるスキルすら身に付かないような大人しく
覇気のない青年になっているんです。

それに、母親は父の浮気と外に子供がいる事を知り、受け様が幼い時に離婚していて
そのせいか余計に祖父からは跡取りとして厳しくされる。
しかし、父親が亡くなり、祖父との二人暮らしに息づまる気持ちもあり
家を継ぐ前に外で社会勉強も兼て働くことになった受け様。
デパートのお得意様外商としてそれなりの仕事をこなしてる受け様ですが
育った環境からか対人関係が上手くいかずに悩める日々を過ごしているのですが
そんな時に新しく入って来た隣人の攻め様と出会い、いつしか受け様の悩みを
親身に聞いてくれる攻め様に親しみを覚えるようになる。

攻め様は受け様を好ましい相手と見ていて、恋愛的に付き合っていきたいと思ってる。
受け様もそうなのですが、自分に自信が無いから、攻め様の優しさや構ってくれる事が
もしかしたら異母兄なのではと、好きになってもらえる自信が無いから
家族ならば見捨てられずに済むのではと言う思いから攻め様に兄ではないかと聞いてしまう。
それを聞いた攻め様は、受け様が恋人では無くて、兄を求めていたのかと誤解して
二人の距離が離れてしまう事になります。

受け様の対人スキルが低いのを知っているのに、恋してしまうと冷静な判断が
出来なくなってすれ違ってしまうなんて攻め様もダメダメです。
攻め様との出会いで、少し成長した受け様の方が、後半かなり頑張ります。
派手さの無いストーリーですが、しっとり読ませてくれます。

4

期待しすぎたかも、残念

初読みです。前から気になっていた作家さんなので。挿絵も気になったし。
でも、ちょっと、文章があんまりお上手でない印象。
比喩なのか、状況描写なのか、あいまいな場所があったり、語尾が統一されてなくて何だかキャラに齟齬を感じたり、比喩があいまいすぎて、何を表現しているのかイマイチ分からなかったり。
最初は、主人公に同情も出来たのですが、確かにこれはイライラするわ、と同僚側の気持ちも分かるレベルのウジウジさは、キャラ描写がお見事と思います。
「硝子戸の内」攻め視点の短編は、完全に蛇足だった。だっておおよそ本編の文章なぞってるだけだもの。わざわざ書かなくても分かっております、と言いたくなる感じでしたよ。

1

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