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表題作仙川准教授の偏愛

売れっ子経済学准教授 仙川月久 32歳
売れない翻訳家 野津秀真 28歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

雨の夜、不審な男が飛び込み自殺!? 若手翻訳家の秀真(しゅうま)は、助けようと路上に男を押し倒してしまう。なんと相手は甘い美貌と知的な語りでマスコミでも人気の仙川(せんかわ)准教授! 早とちりをなぜか気に入られた秀真は、仙川の仕事場を格安で借りることに。ところが、家主の特権を振りかざし仙川は入り浸り。「命の恩人だし、好みの顔だし」と揶揄とも本気ともつかない仙川の口説きに翻弄されて…!? 

(出版社より)

作品情報

作品名
仙川准教授の偏愛
著者
佐々木禎子 
イラスト
新藤まゆり 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199006753
3.6

(8)

(2)

萌々

(2)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
28
評価数
8
平均
3.6 / 5
神率
25%

レビュー投稿数4

教授もの?

自分の中で、教授ものというジャンルが確立しつつあります(笑)
なんか「教授」という名前に惹かれてしまうんですよね。

読んでいて、「え?佐々木さんの文章?」と
なんだかいい意味で違和感を覚えてしまいました。

私にとって、BLは、ジャンルや設定に目をくらまされて、
作家さんの文章自体について、何かを感じることはありません。
他と何が違うかと聞かれるとうまく表現できませんが、
この本は、ああ、人がちゃんと書いているな~と
作者の存在を感じることができました。

そう思えたのは、
主人公が翻訳家ということで、ちゃんと頭で考えている主人公
だったということは大きな理由かもしれません。
結構、勢いで流れていくストーリーが多くある(大半かも)中で、
主人公の考えがしっかり書いてあって、それに伴って
ストーリーが展開していくという点が良かったです。

1

いつもと印象が違うと思いました

1冊すべて表題作で、秀真(受け)の視点でストーリーは進みます。

秀真は自分に自信がない翻訳家です。自殺と間違えて仙川(攻め)を転ばせます。コートを汚したと申し訳なく思う秀真に対し、仙川は「命の恩人だ」と名刺を渡し…という展開で、紆余曲折の上、恋人同士になります。

あとがきで難産でしたと書かれておられましたが、私が今まで読んだ佐々木先生の他の作品とちょっと印象が違うなと感じました。表紙やあらすじからはもっと軽く楽しいイメージの作品だと思っていましたので。

酔った秀真を仙川が抱きしめて眠るまでの前半部分は、仙川が秀真を愛しく思っているのが伝わっており、それを秀真が信じきれないのが甘いながらも切なかったです。本当に徐々に知り合いからレベルアップしていく途中という感じでした。

しかし、元妻の記事が流されたことから距離を取るとになります。
秀真「記事は本当のことですか」はともかく「心配です」とのメールになしのつぶてというのは仙川先生ちょっとどうでしょう?!本を仕上げるのとはいえ、愛していなくても大切な人を失った過去を持つ彼にしては「返信なし」が無情に思えまして、自分の中では減点ポイントでした。前半はあんなに甘く秀真の気持ちに沿ってくれたのに…。

その代わり、秀真の方が、甘されるだけでなく成長していこうとする姿勢は良かったです。そこへ、仙川がやってきてもう心配することないと王子様のようにさらっていくのが素敵でした。あとは言うまでもない甘い場面に突入です!

仙川が秀真をベタベタと甘やかす話かと思えば、秀真も仙川の支えになろうとするいう良い関係だなと思いました。秀真の仕事を仙川がサポートするということがなかったのもスッキリしていて感じが良かったです。

秀真は自分に自信がなくて、すねて妬んだりもしまので、読んでいてイラついてしまうかもしれません。ただ、その理想と現実であがいている姿勢が私は嫌いじゃなかったので、楽しく読むことができました。
自転車のドライブとか可愛らしくて良かったと思いました。

仙川の元妻は故人ですが結構話題になります。苦手な方はご注意ください。

1

まったりまったり…

かな~りゆっくりお話が進んでいきます。

秀真君は何事に対してもウジウジ君です。
仕事仲間を妬んだり、過去の恋に怯えていたり…
ただ、仙川さんを好きだなぁと思い始めて、彼の過去を知ってから、徐々に変わり始めます。

仙川さんは本当に途中まで何考えてるか分からない!
秀真君への興味はかなり初めの内から見せていますが、飄々としすぎててw
そんな彼ですが、過去には暗い出来事がありまして…
これは確かにトラウマになるな…というか、人間不信になりそうな出来事です。
でもこれも物語の途中にある秀真君の頑張りで、抜け出す光が見えてきたことでしょう。

途中、秀真のお仕事仲間(というかライバル?)が出てきたり、
仙川の周りを嗅ぎまわる人が出てきたりと、山場は多少あるのですが
それでもかなり平坦な物語だと思います。
私はこういうゆっくりまったりしたストーリーが好きなので楽しく読めました。
ハードな本の間に読んでみてはいかがでしょう。落ち着きます。

1

愛を知り人は強くなる

かなり読み終わるまで時間がかかりました。。。
テンポがスローなのはいいのですが、この主人公の二人がとってもめんどくさい性格。
う~ん個人的には好きになれない展開でしたね。

内容はさほど売れない実家住まいの翻訳家の受け様と経済学の准教授との恋愛ですが
この受け様は、器が小さくて、人を羨んだり妬んだりするようなネガティブさん。
それでも小心者だから人に面と向かって何か言ったり、思いを告げることも無い。
一人で負のスパイラルでクルクル回っている感じですね。

そして、攻め様は、一見すると華やかでつかみどころが無くて、TVにも出てる人気の
経済学者なのですが、その裏の顔は、過去の出来事でかなり傷ついている人。
そんな二人が、攻め様が自殺するのではないかと誤解した受け様が、体当たりで止めた
事を切っ掛けに知り合い、実家から独立する予定だった受け様が攻め様の持つ仕事部屋を
格安で借り受ける事から次第に付き合いが深くなる。
簡単な好意の受け渡しのような展開では無くて、好きになってしまった人の過去を
半端な形で知ったり、攻め様の過去の古傷を自分の一方的な思いや感情で相手を傷つけたりとかなりジメジメしてる展開で、奥深いと言うよりも面倒だと思ってしまった。
攻め様は過去の傷を受け止めながらも受け様との新たな思いで過去を振り切る強さを
受け様は攻め様を愛した事で、内にこもりがちだった心を外に向け、全てに前向きに
強くなって行く過程みたいなのを感じ取ることが出来る内容でした。

0

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