ボタンを押すと即立ち読みできます!
昭和初期、万歳黎明期の大阪に花開く、興行師×藝人の恋。
関西人としてはたまらん一冊でした。(関西弁で書いてみる~)
志水先生挿絵狙いでgetしたんですが、本編に完璧にやられました。
言葉もええですが、上方万歳?(今の漫才?)のルーツみたいなもんなんですかね?
それが丁寧に描かれててめちゃよかったです!
また攻めさんの瀬島いうおっさんが根性すわった ええ男で・・・
たまらん。
受けさんの相方の団子いう男子も、ちんちくりんらしいんですが(笑)また芯のあるええ男で、これはほんま惚れますわ。
本編もほんまよかったんですが、私は、同時収録されていた戦後の団子の子供たちの話にやられました。号泣。万が一これから読む人がおったらあかんので、書きません。でも絶対そこは泣きます!
もしこの本読んだことない関西人腐女子で昭和知ってる人がおったら、ぜひご一読を!
この、古い大阪弁の、なんとも言えないやわらかさ。
大阪弁の敬語好きとしてはこれだけでも萌×3!!
もちろんストーリーも二重丸。
昭和初期の大阪の寄席を舞台に、万歳がやがて漫才になる黎明期を描いています。
広い意味で、久我さんの他の漫才シリーズに連なるのでしょうか。
主人公の百舌は、よく言えば謙虚、でもなかなか前向きになれない性格で、こんな百舌なので、結ばれる相手が漫才の相方ではなく、もっと大人で包容力のある席亭の瀬島で、私生活と仕事と、まったく別の々に安定を得るこの展開も、安心感があってよかったです。
これをドラマCDで聞いてみたい。
百舌を置川さん、団子を遊佐さん、そして瀬島は石川さんで!
自レスです。
百舌役希望の声優さんのお名前を間違えて書いてました。
置川→置鮎
置鮎さんの大阪弁好きなんです。
久我有加さんの作品は恋の押し出しに続いて2作目でしたが、こちらのほうが読む時間2倍くらいかかりました(笑)ページ数は50ページくらいしか変わらないのですが、落語や大阪言葉が馴染みのない都民であるのと、古めの時代背景こその漢字の多さが理由です。(恋の押し出し が極端に読みやすかったというのもありますが笑)
内容としては、主人公であるもずの心境や成長が丁寧に描かれていて、いい意味でBLの要素がなくても純粋に楽しめるほど引き込まれるストーリーでした。落語・漫才という馴染みのない世界が舞台なのに素人にもわかりやすい語り口が魅力的です。志水ゆきさんの挿絵も美しく、ストーリーによく合ったイラストに引き込まれました。比較的さらっと読める作品が多いディアプラス文庫ですが、読み応えのある一冊を探している人にぴったりだと思います。
なかなか笑いをとれず伸び悩んでいた落語家が、席亭に万歳(昔はこういう字だったんですね…)への転向を命じられ、紆余曲折を経て、漫才師として才能を開花させるまでのサクセスストーリー。
私は久我先生の関西弁キャラがすごく好きで、これはもう、自分が萌え転がるだろうことがわかっていて読んだのだけど、期待通り。堪能した。
関西弁での情事のシーンって、なぜこんなに色っぽくて艶っぽいのか。自分が関西圏の人間じゃないから余計にそう感じるのか、もう受けは可愛いし、攻めはいやらしいし、萌えすぎてどうしていいかわからなくなる。「コンジョワル、せんといて」とか「見てんと、弄(いろ)て」とか、いやいや、マジでえっち過ぎないすか…。
で、事後のシーンがまた甘ったるくてめちゃめちゃいい。受けを膝に抱っこしておにぎり食べさせるとかさー、で、そのまま攻めが受けの耳を弄りだしちゃうとかさー、大事すぎでしょ。なんなの?って感じ。あま~。
年上の大人の男の人が、恋愛経験値の低い年下の受けを大切に育てて甘やかして可愛がるというのが大好きなので、ほんと、ゴロゴロ萌え転がるしかなかったよね。あ~。たまらん。
攻めが受けの芸名の名付け親にもなるんだけど、「芽吹く」からとって「妻夫木(めぶき)」というのがまた粋でいい。攻めは落語をやっていた時の受けを「灰色のちっぽけな小石」だと喩えて茶化したりしてたんだけど、小さな石ころからやがて芽が出ていつか花が開くように…って願いが込められている。こういうところからも、受けへの深い愛情を感じる。
脇役も素敵なキャラばかり。受けの師匠とか、漫才の相方の団子さんとか、人情味溢れるキャラで読んでいてほっとする。
団子さんの息子を通して、主要キャラのその後を描いた「心掟」は涙なくしては読めないお話。ふたりが夫婦のように添い遂げ、団子さんの子どもたちを我が子のように大切に想っているという描写に、胸が熱くなった。自信を持って人に勧められる名作。
表紙がなんとも艷やかで黒い背景に身を寄せ合う美しい二人。
とっても読み応えがありました。
特に文彦が団子と万歳をやってみようという辺りから一気読みでした。
文彦の落語家になるまで、なってからと詳しく描かれてあり、誰も笑わない落語、苦しくて冷や汗で文彦さえ辛くて。
昭和初期の大阪のお笑いや芸事への世情、落語と万歳との捉えられ方の差。
それでも新しい万歳に取り組む文彦と団子。
もうこの二人がお互いを尊敬して大事にしててみんな相手のおかげと謙虚で。
二人がどんどん人気が出ていくのを見守れて幸せでした。
途中まで文彦があまりにパッとしなくて後ろ向きでどうなっちゃうの?と心配してたら席亭の瀬島が何かと指導?してくれて、おやおや?と思ってたら!
いつからよ?いつから文彦を?と腕を掴んで瀬島に聞きたいです。
文彦の切ない片想いかなと思ってたら唐突に瀬島が…。
もう昭和初期の大阪弁の破壊力ったら半端ないですね。
色っぽいんですよ。色事のやり取りが。
ドンと構えて、小石だった文彦が花を咲かせるのを支えて。そう、文彦がどんどん花を咲かせていくのが良かったです。やはり苦しい落語より万歳が向いてたのでしょうか。美しく品があり笑顔が男女を問わず受けスーツが似合いって本当はこんな子だったの?と。
万歳に励み瀬島に愛され団子と切磋琢磨して成長していく文彦やコンビに胸が熱くなりました。
最後の短編もその後がわかって、そして新たな逸材と熱い出会いもあり。
とにかく神で!
エッチの時の瀬島がオヤジっぽくてそれも最高!