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追い詰められる先生編
シリーズ３作目の完結編は教師と生徒、それも１６歳差だから出会いがなんと
受け様が小学生の時になります。
初めてのキスが中１で、受け様から隙をつく一瞬の出来事でなんです。
今まで小学生で、毎日中学生になっても母校へ遊びに来ている受け様なのですが、
先生だって懐かれれば嫌な気はしない、でも相手が幼いなりに本気だったら・・・
教職の身であり、諭さなければならない教師が、情熱だけで真っ直ぐに向けてくる
好意に、絆され、それでも大人の狡さで自分から切り捨てる事も求める事も出来ない。
１６才の年齢の差と同性だと言うハンデ、受け様の５年間の片思いが実るのか。
やんちゃでピュアな気持ちがオヤジを虜にするまでのお話です。
そして、１作目の成堯×吹雪と２作目の葛西×伊月のそれぞれのカップルのその後が
描かれています。
16歳の年の差も中学１年とだとちょい驚愕
旧版に新たに書き下ろし【それぞれの花～前島＆金田】を加えた新装版。
この本自体が【夜ごとの花】と【花のように愛は降る】のＳＳ番外編で構成されているものなので、正直、前作２冊を読んでいないと意味のない本かもしれません。
表題になっているカプは、【夜ごとの花】の主人公・吹雪を好きだった同僚の小学校教師・前島と、吹雪の教え子で母親と義父のセックスを見てしまいショックを受けていた金田という生徒の組み合わせ。
ファンクラブのSSで書かれた話が始まりなので、
きっと、吹雪にフレらた前島はどうなったの？金田くんはどうなったの？そんな軽いノリではじまった話なのでしょう。
中学校に上がった金田が毎日のように小学校へ顔を出して、教師がそれを車で送っていくって！？
金田の子供の一途な思いが優先しているために、
人を好きになるのには理由などないかもしれないですが、あまり現実味を感じないし、人物の魅力というものがよくわかりません。
金田が高校生なっても、関係は続いて、
16歳、性に目覚めるお年頃ですので、キス以上に進みたい青少年と、
欲情を覚えながら葛藤する大人と、
そんなちょっとしたスレ違いをメインにして展開するので、よほどキャラクターが好きでない限り、その切なさに入れ込みができない状態です。
新に書かれた書き下ろし短編もラブラブ後日談で、相変わらずお子様扱いされる金田と、大人の態度を見せながら、結局金田の要望に答える前島というスタンスは変わっておらず、新鮮味は今ひとつ。
きっかけは、ファンサービスのＳＳでも、本にするほどの主人公にするならば、それなりにきちんとした物語をつくってやって、主人公にもっと肉付けをして厚みをもたせてほしかったですね。
一緒に掲載されている短編【春は温泉】は葛西×伊月の温泉旅行のラブシーン、
【夜ごとに愛は降る】は葛西が伊月に吹雪を紹介されるので、吹雪のことをしりたいと成堯と酒を飲むくだりから成堯と吹雪のラブラブへ
【永遠の花 】は伊月が仕事を頑張ってる話
とまさに、後日談パレードです。
正直、新装版にするならば、この三冊の構成を鑑みて、２冊に編成しなおすとかの手もあったのでは？と思われます。
きっと旧版の当時は、ファン冊子を手にした人しか読めなかった話が載っているということで価値もあったのでしょうが、新装版で出す意味を考えたときには、安易に旧版を出し直しするのではなく、そういう見直しをしてこそ、新装版の価値が出るとおもうのですが・・・
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