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表題作まだ愛が足りない

井上正之 バツイチの人事課長
北原明彦 元部下の課長

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき

あらすじ

堅実に第一線で働いてきた井上は人事部長に異動。離婚したてで人生の半分は終わった、これから自分の人生を楽しむぞ! と思っていた矢先、社内便で匿名の手紙が届く。それは優秀で悪い噂なしの機械事業部課長・北原のセクハラ行為を告発するものだった。
真相を確かめようと北原に声をかける井上だったが、特に怪しいところはなく不発に終わる。その後も手紙は届き、井上は仕方なく北原と面談をする。手紙の内容を問うと、泣いて訴えてきたかと思えば、巧みな弁舌で思い当たる節を説明したりと煙に巻かれた感じになり、ますますわからなくなる井上。携帯に北原のヌード写メまで送られてきて…。
アラフォー&アラフィフ男の美しき苦悩をコミカルかつ切なく描いたBLエンタメのパイオニア・西田 東の人気連載をコミックス化!

作品情報

作品名
まだ愛が足りない
著者
西田ヒガシ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
シトロンコミックス
発売日
ISBN
9784799711958
4.1

(50)

(24)

萌々

(13)

(9)

中立

(4)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
14
得点
203
評価数
50
平均
4.1 / 5
神率
48%

レビュー投稿数14

やっぱり凄い

私の大好きなリーマンもの。
自分で自分のセクハラ疑惑をメール告発するという
トンデモ設定ではありますが、読み進めて行くと
恋の不条理感とでもいうようなモノが展開を埋め尽くして
ゆく・・・・。
西田東先生ってホント凄い!

7

ああ、西田さん…好きだ。


久々にキレッキレな西田作品が拝めて大満足!!です。
第一線から人事部に異動になり、別居中の妻とは離婚へと話が進み、人生の残り半分は自分のために過ごそう。などと枯れたこと考えてる井上部長。西田作品には割とお馴染みなオジサンです。
しかし今回の相手役は、ちょっと一味違ったなあ。
悪い評判などまったくない機械事業部課長の北原。仕事もできて人当たりも良く見た目も素敵。身につけてるものも質のいいものだったりの30代で独身?
…こんな人が自分の周囲に実際いたら、まずお腹真っ黒だろうなと思うよ私なら(笑)
案の定そんな人なわけです。金持ちのボンボン息子で、若い男の子とモルディブにでも行こうよなんて言ってるようなチャラけた私生活。
なんだけど!本物の愛に飢えているのです。多分無自覚なんだろうけど、若い頃から井上に想いを寄せているだなんて、けっこうほんとのとこはピュアなのかもしれない。
もしかしたらファザコンなのかもしれない。
何不自由なく育ったけども、父親からの愛はもらえずに大人になったのかもしれない。
なんて想像してしまうのです。
部長は部長で常に冷静。「あなたと寝てみたい」と直接的なことを言われても、そこで乗ってこないとこがカッコイイ。
相手の心を欲しがってることを自覚できていない北原に対して、自分の魅力の確認のために誘っているんだったら他をあたれと。ひー強気!男臭い男同士の駆け引きがたまりません!
とぼけた会話も一流だし、部長が奥さんに会う時の構わなさぶりがひどかったり、猫たちの態度のリアルさだとか、こういう些細なところの描写をはずさないとこが、西田さんの素晴らしいところです。
西田作品のキャラには毎度目で射殺されてしまいますが、北原の言動に唖然としたあと「ふっ、まいったな」といった感じの部長の横顔の一コマにゴロンゴロンドタンバタンでした。
最後に用意されていた10年後ぐらいな二人の姿にも、やられた!一緒に住んでたりすんのかしらと想像して、再びドスンバタンとなりました。

6

色々目覚める

西田作品コンプリートへの道はこの作品から始まりました。
最初の数ページは受攻逆かと思ってたらビッチ受けとは。こう言うタイプの受けはそれほど好みじゃなかったはずなのに、見事にはまりました。(後々西田先生の作品を読むにつけ、この作者の漫画に関しては属性など空気だと知るのですが)

受の北原は下は緩いし、勤務する会社に対する忠誠心もほぼない、いろんな意味で欲望に忠実な男ですが、その実、ピュアな内面も隠し持ってる不思議なキャラクターです。もう、このキャラ造形にやられました。4話の表紙とか色っぽすぎて。ああ…。
この北原に翻弄されて引き込まれていく井上部長もまた一筋縄ではいかない大人の男の複雑さをもっています。

仕事、家庭、プライド、そんな人生生きてりゃ背負う有象無象が絡まり合う中で、肉体的には盛りを過ぎようとしている男達がジタバタあがいて恋をする瞬間はそれはもう色気が出るに決まってる。

独りよがりなキャラは一人も出てきません。どのキャラも誰かを思いやっている。一コマ一コマに欲情、悲しみ、滑稽さ、色んなものが肌に感じる空気感として描かれています。それでいて重くはなく、湿っぽくもない。乾き具合が逆に温かく思えたり、余計切なく感じたり、さじ加減がすばらしい。

とにかく後半の修羅場シーンが……もう、切なくて……めっちゃ萌えました。んでもって、たまに無防備な顔を見せる北原にまたこれ……まあ、いいや。うん。

キラキラBL、肉食BL、病みBL、色々読みましたが、最終着地点見つけた気分です。
こんなBL漫画あったんだと、まあとにかく衝撃の一作でした。

6

一読や二読では

西田東氏の作品が初めて!
という人にはあまりオススメできないような・・・
女子高生の娘とか出てきちゃうと現実的過ぎだし・・・。
北原氏のアクの強さに引き気味になる予感もするし・・・。
「しゅみじゃない」って人がいてもおかしくない感じする・・・。

しかし・・・
しかしですよ!!
何十回も読み返すうちに(読み返しすぎ)なんか胸がイタイ・・・。

西田東氏、何かを極めつつあるのかしらん・・・。

「なんか スゲー!!!!!」
と思ってしまいました。

相変わらず 男がカッコイイし。

5

本音の探り合い

「まだ愛が足りない」、
いやー、受けの片思いはおいしいですね。
いわゆる「ノンケに片思い」でした。
心から受けに幸せになってほしいと思いました。
そして本音の探り合い、恋の駆け引きですよ。
読んでいると結構ビターなのに、最終的にはあまかったです。
やはり、かっこいいリーマン二人の恋愛はカッコイイですね。

2

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