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表題作極道と愛を乞う犬

鷲頭譲介,35歳,ヤクザ八祥組組長
犬崎隼人,21歳,構成員にされてしまったヒモ男

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

ヒモとして自由気ままに暮らしてきた隼人は、情人に手を出したせいで八祥組の若き組長である鷲頭に監禁され、厳しく調教される。だが鷲頭の愛人と見なされ、組の権力闘争に巻き込まれてしまい…!?

(出版社より)

作品情報

作品名
極道と愛を乞う犬
著者
小中大豆 
イラスト
タカツキノボル 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
発売日
ISBN
9784592876908
4

(48)

(21)

萌々

(16)

(5)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
8
得点
188
評価数
48
平均
4 / 5
神率
43.8%

レビュー投稿数8

おっきい男が苦悩する様が刺さる

健気な受が酷い目に遭うけど最終的に幸せになるといった作品は大好きでよく読むのですが、今作の受は身長も高く見た目もイケメンでモテて、定職につかず人の心を利用して生きているいわゆるろくでなしで新鮮でした。
自分の男性性を利用して生きている受がさらに男らしい攻に翻弄されて変わっていきます。
その中でひどい目にあって心を打ち砕かれる様は見ていて辛かったです。
幼い頃に家族に見捨てられ愛を、そして愛し方を知らずに生きてきた男が、好きな男に出会い愛されたいと願う。でも愛は返ってこない。辛い目にも会い、もう死んでしまおうかとも思うが、彼は愛して愛し返されることが愛では無いと気づくんですね。
愛する人の幸せを願い前に進もうとする様に心打たれました。
「あんたも、あんたの惚れた相手も。俺が守るよ」という受のセリフが切なくて、でも前を向いていて本当に大好きです。
そんな受けを見てたらやっぱり絆されますよね。
最後は大団円なので安心して辛い目に会いましょう…

2

これからも作品が気になる作家さん

ヤクザものです。一般人がヤクザに連れ去られ愛人(受け)にされ、だんだんと絆され始めた頃に別勢力に拉致され暴行を受けるという苦手な人にとってはは地雷になりそうな痛い作品です。

ヤクザものには結構よくあるパターンではあるのですが、小中さんにはBLヤクザものをありきたりな話にはしない作家としての力量を感じました。受けは180センチの大柄で冒頭では他の男(ヤクザの関係者だった)を抱き、そのハメ撮り画像をネットに売って…とかなり最低な場面から始まり、その仕置きとして存在感のあるヤクザの組長に抱かれ初めて受けの側にまわるのです。

攻めは男前ですが、受けを入れて7人の愛人がいる設定で平気でヤクザの手下となった受けに愛人宅に迎えに来させる場面もあります。攻めが別の男を抱いている現場に出くわし「出て行け」と言われもします。これも地雷の方が多そう。

でも私が1番可哀想だと思った場面は受けが拉致され酷い目に遭わされている時、電話で攻めに別の男の名前を呼ばれた時。あれは泣いた。よくあんな残酷な場面書けるわ。その後最終的にハッピーエンドになるとはいえ、ジェットコースターのようにその後も山あり谷ありです。BL2作目にしてこんな話を書けるとは「小中大豆…恐ろしい子」という感じです(褒めてます)。今売れっ子作家さんになっているのも納得です。

笑えたのは後書きで担当さんに「こんなプロットで大丈夫ですか?」と言ったら、「全然大丈夫。むしろもっとやれ。」みたいに言われたという話。BLに関わる人はドSばっかりなんだなと思いました。まあ全然この話が地雷じゃなかった私もだけど。

6

コワかった・・

大好きな893モノです。
いや、しかし、この表紙のタイトルに○がついてるのが、やたらと気になる。
この○で、ちょっとシリアス感が薄れる気がするのは私だけだろうか。

さておき、内容は、ヤクザらしい組長に調教される隼が、紆余曲折、恋心を組長に抱いてしまい、ついそれを口にしてしまう。が、始めから複数の愛人がいる組長に受け入れられる筈は無く・・

一度振った隼に、何がきっかけで組長が傾くのか、ワクワクして読み進めていた訳ですが・・、全く組長側の内面に触れずに進行していく物語に、後半、これはバッドエンドも有り得る気配に、戦々恐々・・。
相手の一挙手一投足に、内面を抉られてしまう隼。
隼の絶望感がひしひしと伝わってきて、叶わぬ片想いの辛さに、胸が痛くなりました。
この辛さってきっと物語のスパイスとして、大事な部分なんですが、これが過ぎると、再読不可能作品になってしまう。
もう、ここはBLのお約束を信じて読み進めるしかありません(笑)
頼むから、バッドエンドだけは・・許してくれっ
そう願いつつ、やっと組長の告白を聞けた時は「もっと早く言ってやれよ!」と身悶えました。

本当コワかった〜;
バッドエンドだったらどうしようかと思った;
この読後の幸福感は堪らないんですが、途中のハラハラ度はなかなかのものでした。
でも、これに懲りず、次の893に移りたいと思います。
強気受けが挫け、絆されていく様を読むのは、たまらない御馳走ですよ。

3

結構痛かった。。

小中さんのシリアス極道もの。

愛を知らずに育った隼人は、ヤクザの鷲頭に拾われ囲われる。日々体を開かれるうちに惹かれていくが、鷲頭には愛人がたくさんおり、初恋の遊とも切れていない。
愛人の中で自宅で同棲するのは自分だけだと思っていたが、ある日鷲頭は遊を連れ込んで抱き、愛しそうに「愛してる」と繰り返す。隼人に気づいた鷲頭はどこかに行けと隼人を追い出し、遊を連れ込むときは帰ってくるなと言い含める。

つらい。。 好きなのに都合の良い奴としてぞんざいに扱われる主人公が不憫です。

しかし、後半は駆け足で、前半の不幸が嘘のようなファンタジー甘々展開。それについていけなかった。

仕事がら愛人を複数かかえているならすぐには切れないはずだし、鷲頭は仕事をおろそかにするのか?とか、隼人は仕事だと割り切ってそれでも強く生きる、というような多少現実味のあるストーリーがよかった。

キーパーソンであった遊は田舎に帰るような雰囲気だったが、幸せになったのか。。

極道ながら自分の居場所を見つけた隼人、先輩達の人情に囲まれているところはよかった。

受け攻めの愛憎が最後に安易に流れてしまったのが惜しい。

6

容赦ない……

タチ専だった男が、圧倒的な雄を前にして受けになる元攻めものが好きなので、途中までは楽しく読めました。

だけど、途中から予想以上にシリアスでびびった……。
でもこの容赦なさが、本来の小中さんなんではないかなと改めて再確認しました。
(ラプンツェルも容赦ないし)

というのも、私は小説を二年前くらいから読むようになり、とりあえず小中さんの作品は評価の高い作品から読み始めたんですね。
で、お気に入り作家さんとなりレビューを確かめずに新刊を買うようになったんだけど、ときどきゾッとするようなダークさが潜んでるときがたまにあって、うっかり大火傷。
それ以来、新刊はレビューチェックしてから買うようになりました。

この作品はデビューから二作目とのこと。
もし私が昔から小説読みで、デビュー当時にデビュー作(二人の性格悪さにあまり萌えなかった)と、この二作目を読んでたら、きっともう読まない作家さんリスト入りしてただろうな……とも思いました。
でも、その後めーちゃくちゃ面白い作品をた〜くさん書かれていらっしゃるのも事実なので、デビュー直後の数冊で合う合わないを決めてしまうのは愚かなことだという事にも気づかされました。

さて、この作品。
私が、小中さん容赦ないな……!!と思った部分。

・攻めの初恋の男「遊」の存在感が大。
攻めは高校時代から遊に惚れてて別格のお姫様扱いをしてて、何度も告白しては振られていて、現在に至るまで体の関係が続いている。
で、「お前だけを愛してる」と囁きながらの攻め×遊のセックスを見ちゃった受けに対して、攻めが「さっさと出てけ」と邪魔者扱いする。
便利な抱き人形くらいでしかなかったと思い知らされる受けが可哀想……。
→これが作品半ばなので、ここからどうくっつくの?と不安にすらなる。

・受けが敵に拉致られて輪姦されてボロボロになる。三日間も犯られ放題になるの……。

・とどめは、敵に犯されながら攻めに電話するんだけど、攻めは遊だと思い込み「遊、遊なのか?!」と……。
ちらりとも自分の名前が思い浮かばない様子に、受けは心の底から絶望しちゃうの……。

・遊の育ってきた背景がこれまた残酷すぎる。ダークすぎる。

途中までどこで攻めが受けを「特別」だと気付くんだろうか?と心配しちゃうほどだったので、最後に「惚れてる」とか言ってもなんか薄っぺらいというか。
あんた、途中の途中までかなり受けを粗末に扱ってたじゃん……みたいな。
で、遊とも決別するんだけど、なんかそこも極端というか……。

後半、強引に収めた感が強いです。

4

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