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BL本に求めるもの、自分は色々あります。
いい男がでてくるのがいい、とか、
気持ちよさそうなエッチが見たい、とか、
線の細い雰囲気のある絵が好き、とか。
この本は、正直どれも当てはまらないのですが、それでも多分ずっと手元に置いておくと思います。
ボーイズラブというより、ヒューマンラブっぽい、なんだかそんな印象を受けました。
相手が魅力的でヤりたくなる……という、よくあるBLの流れはこの本にはありません。
「あ、硬くなってる…」的なシーンも出てきません。
でも、……だからこそなのかな、その前段階の、
“好き、このまま一緒に居たい”
その気持ちがずっしりと伝わって、愛おしくて、この作品に魅了されたのだと思います。
そして、脇を固めるキャラも生き生きとしていて、爽やかな空気で本が満ちていたのも素敵でした。
幼馴染みの柊平に、子供の時に怪我をさせてしまった、トモ。
それでも、柊平も柊平の家族も変わらずに、トモを受け入れて優しくしてくれていた。
それがとてもありがたくて、トモは柊平を好きなだけで、一緒に居られるだけで幸せを感じている。
トモは、母親が男を作って出て行ってしまい、高校生で寂しく一人暮らし。
対して柊平は、大家族でわいわい賑やかに生活し、
長男でもないのに一番皆に頼られながら、それが当たり前のように世話を焼いている。
その家庭環境の違いが、ふたりを尚更惹き付けている様子が丁寧に描かれていきます。
柊平の温かな家族の雰囲気がよく伝わって、寂しいトモがその中に居たいと願うのも、
だからこそ柊平への気持ちを抑えたいのもよく分かって、……切ないです。
柊平も柊平の家族も、トモにとっては大切な自分の一部。
だからこのままがいい……、そう強く思ってしまう。
でも、柊平の優しい言動に我慢ができなくなって、
遂にトモはそっと、少しのアクションを起こしてしまうのです……
柊平の人としての魅力と、
彼を作った家族の魅力とに、心がじんわり。
正直、萌えやすい絵ではないと思いますし、好き嫌いがわかれそう。
でも、心に残る作品を読みたい、人の温かさに触れたい、そんな時にはぜひ手に取ってほしい一冊です。
はっきり言ってBL 枠じゃなくても良い作品とも思わせる話(なんせエロが皆無とも言える軽いキス二回のみ)なんだけど、主人公二人もパッとしないそこらの高校生なんだけど…ストーリー展開が素晴らしく、互いの優しさとせつなさにグッと来て、普段はBL に家族が特に今回みたいな明るい大家族とかは引き捲る大要素だが全く邪魔にならずしてこの話には必要条件の一つ、片方の不良のアニキも良い味出してて、回りがこれだけ愛に満ちた普通の人々で違和感なくまとめる作者の力量には感心した。何せ先に「両想いなんて冗談じゃない!!」を読んで高校生の時から25年かけて結ばれた中年カップルに大笑いしボロ泣きさせられていたから、今回の二人には本当にエールを送りたい。そしてこんなに心が温まる話をありがとう。
トモは一人暮らしの高校生。
高校に上がった年に母親が蒸発し、兄は離れた場所で働いており、
トモは兄からの少ない仕送りとバイト代でなんとか生活している。
そんなトモを家族同然に暖かく包み込んでくれているのは、
幼なじみの柊平とその賑やかな家族だ。
大家族の中で家事もこなしつつ勉強もできて、いつもトモを支えてくれている柊平は、
実は左目が見えていない。
原因となったのは、子どもの頃のトモとの喧嘩の時の事故。
そしてそれに引きずられるように、残された右目の視力を少しずつ落ちている。
柊平の失明に、トモはずっと負い目を感じている。
一方の柊平は、自分にも非はあったと本気で思い、
トモの負担にならないように気をつけてもいる。
そんなお互いを思いやっている二人の気持ちは、友情というにはあまりに強い。
トモは自分の柊平への恋心をを自覚していて、後ろめたさを感じている。
しかし、自覚はないまでも柊平もまたトモしか見えないのが読者にはよく分かる。
分かるが、トモには分からない。
側にいられるだけでいい、決して気持ちは告げないと思うトモがいじらしい。
ある時隣で寝ていた柊平に、思わずキスをしてしまうトモ。
あまりに真剣で震えていた彼に、その真摯な想いが分かってしまったから、
寝たふりをするしかなかった柊平…
ちょっと歪んでいて、でも本当は弟想いで、そしてこちらこそが現実的な兄に
柊平への想いを糾弾されて、「柊平にバレてないよね大丈夫だよね」と縋るトモが切ない。
キスをされてトモの気持ちを知った柊平は、初めて自分の本当の気持ちに向かい合う。
失明しても泣かなかった柊平は、トモが離れてしまうかもしれないと聞いて泣く…
柊平の家族が、素敵過ぎる。
さっさとトモとのことをカミングアウトしちゃった息子を、あっけらかんと受け入れる家族達。
それなりの葛藤もあるのかもしれないが、でも家族はいつでも一番の味方だという。
確かにこんな家の子になりたいと思うよね?
BLというよりは、青年誌に載っていても違和感がないような、そんな物語だった。
色恋に縁のなかった男の子同士が、かけがえのない相手を不器用に大切に思う気持ち。
もどかしくて、でも暖かい、そんな思いで胸が一杯になる一冊です。
トモは、柊平の友達じゃなくなった。
なくなったけれど代わりに、夢見ていたもっと近しい存在になれたんだね!
とても男子っぽい無骨な感じの描き方にとても好感が持てます。
美麗な絵もいいけど、やはりこうした青年誌っぽい絵柄というのは、BLもとい男子×男子モノをよんでいるな、っていう実感があります。
女子の描き方も、小さい子はそれなりにかわいいけど、大きい子は普通ぽくてリアリティがあるw
主人公は片方が祖父母・父母・7人兄弟の大家族で、皆和気あいあいとがやがやと賑やかで、そしてあったかくて懐が深くて、とてもウエルカムな家族。
もう一方の主人公は、母親が男と出奔してしていってしまって、兄の仕送りと自らのバイトでひとり暮らしをしていて、何となく淋しい感じがするのだが、その兄は粗野ながら弟への愛情を持っている。
一見対照的な家族環境だけど、ちゃんとそこに家族愛がある。
小さい頃に大好きな友達の柊平に怪我を負わせ左目が失明してしまったことを負い目に感じながらも、彼が好きで離れたくないと思う健気なトモの気持ちが切ない。
ずっと一緒にいたい、柊平も同じ気持ちなんだけど、トモと柊平のその「好き」には隔たりがある。
柊平が、それを知るのは寝ているときにキスをされたとき。
偶然、トモを自分の元へ呼び寄せたい兄が帰ってきていたことから、柊平の気持ちが固まって行ったんじゃないかな?
お兄ちゃん、一見邪魔者っぽいんだけど、彼の考えはまた正しいかもしれない。
しかし、柊平と離れなたくないのはトモだけじゃなくて、柊平もまたトモと離れたくないって、気がつく場面で二人の執着と依存をうっすらと感じるのでした。
柊平の怪我、というものがあるために、それがきっかけで執着と依存が始まって行ったんでないかな?
またあれだけ、トモが負い目に感じているのにまるで自分の子供のように接してくれる柊平の家族たちに読者である自分も、トモに気を使っているんじゃないか?って思ったりするのですが、家族の描写で、一切そんなことはないことがわかるから不思議と、それはそれで受け入れられてしまうw
最初に読んだ時に、トモに感情移入して「わー!」って叫び出したい気持ちになったのに、読めば読むほど、色々と考えてしまって理由を考えてこじつけているが為になかなかレビューできなくなってしまった作品。
その為に評価が一番最初のものから1ランク下がってしまった(汗)
一番好きなのは、トモが涙を流すシーンです。(何回もあるんですがね♪)
新人さんの初コミックスですが
カバーイラスト+ここでの高評価+中古価格が高値で読んでみたかったこの作品。
ようやく読みました。
絵としては洗練されていないっていうか、ムラがあるのは否めませんが、
それを凌駕する、お話の力っていうのがあって、高評価なのが頷けます。
作者様が後書きでも書いているように
「家族、兄弟、依存度の高い関係」
って言う三本柱が、過不足なくしっかり描かれていて、二人の関係の進み具合も無理がない。
特にエロなしでもいい。
私にとってのBLの醍醐味は、こういう、幼なじみや同級生が、お互いに、友達以上の気持ちを恋愛なんだってじわじわと認識していくお話なんだとあらためて思う。
そして、報われないお兄ちゃんの、このキャラ設定。
このセンスがいいなぁ。
江名
ぐまぐまさん、はじめまして~
コメントありがとうございます(*^^*)
拙いレビューを読んでいただけるだけでも感謝なのに、感動とか、早速読もうと…とか、
もったいないほどの素敵なお言葉……本当にありがとうございます!!
この本は、本屋で表紙がキラキラしておりまして、思わずレジに連れて行ってしまったのですが、
買ってよかったです~~☆
ぐまぐまさんの心の琴線にも触れるといいなぁと思います。
トピの息子さんのお話拝見しました~、なんて優しい息子さん♪なんて素敵なご家族♪でしょう!
引き込まれて読みましたよ、ぐまぐまさんのレビューも読んでみたいって思いました(^▽^)