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表題作極道幼稚園

瑚條蓮也,29歳,幼児退行したヤクザの若社長
榎本ひかり,20歳,住み込みの幼稚園教諭見習い

その他の収録作品

  • 甘やかしたり甘えたり
  • あとがき

あらすじ

「瑚條蓮也。四歳です」――ひかりの勤める幼稚園に立ち退きを要求してきたヤクザが記憶喪失&幼児退行!?
四歳児ヤクザ×保育士v

(出版社より)

作品情報

作品名
極道幼稚園
著者
海野幸 
イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576121529
3.5

(33)

(2)

萌々

(19)

(8)

中立

(4)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
114
評価数
33
平均
3.5 / 5
神率
6.1%

レビュー投稿数7

もうちょっと欲しかったな~

海野幸さん、結構好きな作家さんです。
今回も楽しく読ませていただきました。
油断してたら、思いがけず、ウルっとしてしまいました(笑)

幼稚園の先生、ひかりと
その幼稚園の立ち退きを要求するヤクザ、瑚條のお話。

瑚條が、事故により4歳児まで幼児退行してしまいます。
4歳になった瑚條は、厳しい父親に愛されていないと思い、
そして、母親の死は自分のせいだと自分を責め、子供らしくない姿でした。
そんな悲しい瑚條をひかりは先生として、ほってはおけない。

瑚條と父親のお話、
ひかりと4歳児瑚條の交流に、
ワクワクしてしまいました。

幼児退行の瑚條とひかりのお話が中心なので、
記憶が戻った瑚條の人となりがもっと分かると良かったな~と残念に思いますが、
それを除いても、面白く読めました。

3

大きな身体に4歳児の繊細な心

タイトルがインパクトあってどんなお話なんだろうと読み始めて、途中からなる程
だからこのタイトルなのかと納得しながら、時にウルッとさせられながらも
最後まで楽しんで読むことが出来る作品でした。

両親も親戚もいない受け様が、幼稚園の園長夫婦に助けられ、住み込みで
幼稚園教諭見習いとして、24時間開いている幼稚園で働いていて、ある日いかにも
そのスジの人たちだと分かる黒塗りベンツでやって来た攻め様に立ち退きの話を
聞かされ、更に禁煙の園舎で煙草の灰を落した攻め様に怖いもの知らずのように
受け様は掃除を命じてしまい、逆にそこに惚れたと口説かれ、付き合えば立ち退きを
しないでも済むと言われてしまうが驚愕しながらも拒絶するが攻め様はその後も
毎日顔を見に来ては口説く毎日。

しかし、ある日園でボヤ騒ぎが起こり、犯人がヤクザものみたいだと知った受け様
攻め様たちが本格的に嫌がらせしてきたと思い込み、攻め様が来たら問い詰める予定が
園児が気に上り堕ちたところを攻め様に救われるが、その為に攻め様は頭を打って
目覚めた時に4歳児にまで幼児退行してしまう。
そして、攻め様のお世話係から攻め様の父親で組長の怖さを聞き及び、流れで攻め様を
園で匿う事になるが、4歳児になってしまった攻め様は父親とのわだかまりが再燃し、
4歳児とは思えない程心を弱らせていたんです。

始めは戸惑っていた受け様ですが、4歳児の攻め様を、心に傷を抱えている攻め様を
どうにかしてあげたいと熱血先生になり、組長まで怒鳴りつけるのです。
幼いままの攻め様の心を救おうとする受け様と、必死に組長である父親に言葉を
継ぐ攻め様に、思わずホロッきちゃましたね。

後半は、園に嫌がらせしていた別の組が、攻め様によって排除されたりと
意外にあっさり解決しちゃうのですが、その間受け様が風邪をひいて寝込み、
親が亡くなってから甘える事が出来なかった受け様が心細さに弱っていた時に
攻め様が現れ、甘えて欲しいと言われ、受け様は4歳児に縋りついてしまうが、
実は既に記憶を取り戻していた攻め様なのですが、受け様はそれを知らずにいたんです。
その後は一挙に全てがハッピー解決しちゃうのですが、後一捻りあればなんて
思わずにいられない程楽しめる作品でしたね。

3

ギャップがいいんです。

レビューを読んで、思わずホロリ系と分かっていたはずなのに、小椋先生のイラストとほのぼのとした幼稚園の雰囲気に油断していたら思わぬところで目頭が熱くなりました。
親の愛情すら信じられず、先生や他の園児からも出自のことで遠巻きにされてた過去には涙なしじゃ語れません。


ストーリー的にはあらすじから想像範囲内の話です。
特にひねりもありませんが、25年分の記憶が飛んでる攻め様の様子があまりにも健気でいじらしくて可愛いのです‼これだけでもう満足です。
大人達の言動に繊細なまでに傷つきやすく、4歳なのに大人びた言動と周りに気を使う性格…しかし外見は高身長で美形のヤクザの若社長。

このギャップがたまりません。

はじめは読んでて違和感があったのですが、途中からはいじらしい4歳児にしか思えなかったところがすごいです。

はじめの出会いの一目惚れや、記憶が喪失した4歳の瑚條さんにもツッコミたいこと満載ですが、子供の可愛さに楽しく読めたので良かったです。

1

It's Positiv ♪

題名が発表になったとき「任侠ヘルパー」みたいな極道が経営する幼稚園なのか?と期待し、
表紙が発表になったとき、きっとムクイラストだから、また容赦ない破壊力のちびっこ絵に萌え殺されるのかとワクワクしたのですが・・・
折り返しの”子供をたくさん描かせていただいて嬉しかったです”に更に期待をし、
ガーーーーーン!!
期待したちびっ子はカバーにある沢山の後ろ姿と、中身イラストのちびっ子の後頭部のみと・・・泣
そして、極道経営の幼稚園じゃなかった(笑)
そんなガッカリもありましたが、非常にシンプルに、登場人物も関係も極めて絞って、主人公二人に強く関与する人々しか登場しない、
その中で恋愛になる過程を描いた極めてポジティブなおはなしになっていました。
こうして考えてみると、人間関係を絞ったからこそ、主人公たちだけが前向きであとは後ろ姿なのかもしれませんね。(そう言う意味では的確?)
ファンタジー前提で、いい話だった(心がほっこり)し、主人公もとてもイイ子だったし、しかし、萌えは?と聞かれると、どこにあるのかちと不明ではある。

ヒカリ幼稚園の見習い教諭のひかりは、園の門の前で園長に面会を求める男に出会う。
彼は、園の土地の買収を持ちかけるヤクザ企業の社長でした。
園に思い入れの強いひかりは、面会中の彼等の前で強気な態度を見せ。モップまで持ち出す有様。
その勢いのよさを見た社長こと瑚條はひかりが気に入ったと、付き合ってくれたら話をなかったことにしてもいいと提案を持ちかけます。
頻繁に通う彼の姿に園児の親たちが不審がったりもするのですが、園児たちは瑚條になついて遊びをねだったその日、怪我をしそうになった園児をかばって瑚條が怪我をしてしまいます。
頭をぶつけた彼は、現在の記憶をなくし、幼児退行してしまったのです!
激しく厳しい組長である父親にこのことは報告できないからと、部下たちの願いにより、園で、ひかりと共に寝泊りすることになります。
そこでわかった瑚條の幼少時代の事。
しかし、とうとう父親にそれがバレ、激怒して押しかけてくる父親に、ひかりは真っ向から対峙します。
ひかりの気風のよさに、納得した父親は園に瑚條を預けていきますが、
そんなとき、園に嫌がらせが起きていました。

幼児退行という設定でヤクザが幼児になってしまう!?
しかし、瑚條は厳しい父親に育てられた為に大人の顔色を伺い、子供らしさのない子供だったようで、言葉使いも丁寧で、
覇気はないな、という感じはしますが、幼児らしさは全く感じませんでした。
そんな鬱屈した幼少時代なのに、ひかりにいきなり付き合おうとか、その後の恋人になってからの姿や言動など、あまり過去をかんじさせませんねぇ~
これは、声で聞かないと文章だけでは区別できない難しさがありましたね(汗)

ひかりについては、もういうもがな、ひたすら前向きに戸惑いながらも、ちゃんと反省したりして、4歳児の瑚條として扱う切り替えもできたりと、割と優秀な職員です。
無認可保育園で、子供の泊まりもあるという設定なのに、ほかの職員の影がこれっぽっちもありません!?
園長夫妻も登場しますが、何か・・・
ここで現実を持ち出してはいけないのですが、いいのかな?とか・・・
なのに、結末として決着案は割とシビアな現実味を帯びた結果が出ましたw
ここんところの切り替えが難しかったですね(頭の中での)

本編の中ではとりあえず、一件落着しすべてが丸く収まり二人も恋人のような関係に踏み出すはじめの一歩のような終わりでしたので、
その後の【甘やかしたり甘えたり】でやっと本物の恋人となる話を持ってきております。
ひかりは、まだ瑚條に好きってつたえてなかったでしたからねw
そして、海野作品ですからエロ度はちょい低め、ラブ度も少し低いかも?
瑚條はひかりにメロメロですが。

イロイロ複雑に考えてしまうと、??と疑問が浮かぶイロイロがありますが、
やはりこれも素直に受け取って始めて、面白かったーと思うことができました。
しかし、その分いくらかライトな仕上がりになっていたようです。
トンチキになりそうな部分、うまくまとめられるのはやはり作家さんの技量ありけりと、やはりこの作家さんは悪くないなーと思います。
もうちょっと萌えが欲しかったかな~

6

なんで『幼稚園』?

海野さん作家買いなんですが、いろいろ気になることが多過ぎて気が散って集中できませんでした。←レビュータイトルも含め、それについてはあとで。

でも、そういうことに強引に目を瞑れば、キャラクターもストーリーも悪くはないんです。
全体にあっさり軽めというか、事件の顛末もちょっとキレイ過ぎではありましたが(これ別にヤクザ設定じゃなくてもいいんじゃ、と感じてしまいました)、謂わばほんわか優しい『ハートフルストーリー』とでも思って読めば、安心してハッピーエンドを楽しめます。海野さんらしい人情話だったと思いました。
ただ、ラブストーリーとしてはちょっと物足りなかったですけどね。

さて↑レビュータイトルですが、これ『保育園』じゃないの?と初っ端から違和感アリアリで、どうしてもストーリーに入り込めなかったんです。

私はそもそも、フィクションに何よりもリアルを求めるタイプではありません。いっそいかにもな『BLファンタジー全開』なら(総ホモ全寮制男子校とかさ)、別にいちいち気にせずスルーできたと思うんですが、国の認可がどうこうとヘンにリアルを持ち出されたことで醒めてしまいました(特に、以前は認可を受けた『幼稚園』だった、というのがね~)。

しかも、作家さんは最低限『保育園と幼稚園の違い』は理解しておられるようですので(知らない・気にしない人も多いし、それならまだわかるけど。先生も『保育士』じゃなくて『幼稚園教員』になってたし)、これは故意に『幼稚園』なんだろうと思うと、余計にちぐはぐで微妙でした。

なんで『保育園(という名称)』じゃダメだったのか逆に訊いてみたいです。お泊り時の人員とか、明らかにヘンだろ!という部分なんかは、それこそ『ファンタジー・フィクションだから』でさらっと流せるのに(気にはなったとしても)。

リアルを意識する(させる)なら、それはそれでもう少しきちんとして欲しいし、無視するならもう完全にドリームで行ってくれた方がスッキリします。中途半端でどうにも・・・
これだけふわふわした雰囲気(ヤクザカラーの薄さや、家族愛・切なさも込みで)を貫くんなら、いっそ現実味は一切排した方がよかったんじゃないかと感じてしまったんですよ。

まあ悪くなかったと思うから、余計にこの(個人的)引っ掛かりが惜しかったです。

最後に、小椋さんのイラストは可愛くてよかったです。表紙が特にいい感じ。

4

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