禁煙出来たらキスしてあげる

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表題作嫌煙家のテーブル

雑誌のライター 津川祐介
レストランのオーナーシェフ 梅田潤

同時収録作品金の鉛筆

同時収録作品アンダーカバー

同時収録作品はつこい

同時収録作品Whatever!

その他の収録作品

  • 禁煙家のベッド

あらすじ

ライターの津川は、取材先で出会ったイケメンシェフの梅田とキスを賭けて一か月の禁煙をすることに。ほんの遊び心でノッたつもりが、知らず知らずの内に本気になって――。
大人同士のジリジリとした恋の駆け引きを描いた表題作と短編4編を収録した、待望のファーストコミック!
(カバーより)

作品情報

作品名
嫌煙家のテーブル
著者
すもも 
媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
発売日
ISBN
9784864420730
3.3

(24)

(3)

萌々

(6)

(13)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
11
得点
78
評価数
24
平均
3.3 / 5
神率
12.5%

レビュー投稿数11

『究極のほだされ愛』と思える短編が読めます。

表紙だとわかりにくいですが、中の絵はもう少し個性的でクセがあるので、好みがわかれるかもしれません。
個人的に目の描き方がちょっと苦手だったので、どのキャラもあまり魅力的に写らなかったのが残念です。
あと、コマによってキャラの描き方がブレたり、キャラの描き分けがやや曖昧なので、ちょっと読みにくかった…

短編の作品にによって好みが分かれたので一概には言えませんが…
ひきだしを沢山持っていて、いろいろな設定やシチュエーションを考えるのが好きな作家さんなんだろうな、という印象を持ちました。
頑張ってオリジナルのものを作ろうという努力が感じられる話たちです。
ただ一方で、まだ多少作為的なところが見え隠れしておりキザというか…カッコつけすぎだな~…という印象を持ったりもしました。
語彙力や表現方法のバリエーションをお持ちなので、これからがとても楽しみです。

■嫌煙家のテーブル
表題作。
洋食店の若きオーナーシェフ(ノンケ)×愛煙家の雑誌記者(ゲイ)
取材を通じて仲良くなり、自分をタイプだと話す男に興味もったノンケの攻めから「禁煙したらキスしてもいい」という取引を持ち出し、なんやかんやあって打ち解けあい付き合うことに。
年下のノンケのくせにゲイ相手に物怖じせず煽るような条件出す一方で、受が他の男同伴でお店を利用するとヤキモチやいたりする攻キャラをかわいいと思える人は楽しいかもしれません。
個人的には年下攻めやキザっぽい会話、ノンケのくせにすぐにセックスできる男などがタイプではないのでいまいち盛り上がりに欠けました。

■金の鉛筆
イマドキ風の大学生と、町工場に就職した幼なじみの同級生の話。
学生と社会人という環境の変化から距離ができ、ギクシャクした時を経て両想いに。
どちらかというと大学生の攻めの方が関係維持に積極的で、幼なじみの家にも足繁く通うのだが、大人しくてあまり自己主張しないタイプの受けになんとなく壁を作られて凹む…というどことなくよそよそしさのある微妙な二人の距離感がうまく描かれている。
この短編の中では好きな方でした。エロなしです。

■アンダーカバー
こっちもエロなし。
若手の編集者×過去一世を風靡した元作家の新古書店店員。
作家時代の受けのファンという攻めが、偶然見つけた受けに再度執筆を依頼し、通いつめた末に恋も発展させるという話。
作家が筆を置いたきっかけになった出来事とか、攻めが作家のファンになるきっかけになった出来事などがちょっとうさんくさいというか…こじつけっぽい。短編のページ数に盛り込むにはムリがあるのかも。もう少しページ数使って丁寧に描いたら違うのかもしれないな~などと思いました。

■はつこい
この短編の中で一番好きだった話。
好奇心旺盛で思ったことをあまり考えず口にしちゃうような裏表のない高校生と、読書が趣味で独特の物の見方をするちょっと変わった高校生の話。
ちょっと変わってんな~と思って近づいて、接してみて意外と普通じゃんとか思ったり、新しい発見をしたり。自分と違うけど似てるとこもある他人に興味持って仲良くなるうちに好きになっちゃったり…という思春期の恋愛特有の空気感がステキです。
あと、高校生たちの適当さのあるナチュラルな会話が好きだった。
「俺お前のこと好きなのかな~」
「やほう知恵袋とかに相談してみれば」
「…他人事じゃねーぞ」という会話がツボでした。
表題作のキャラたちの会話には作家の作為を感じましたが、この短編ではあまり感じなかったので、同じ作家の作品とは思えないような違いがある。
ちなみに、こっちの短編のほうが古いので微妙な気持ちです。こっちの路線に戻ってほしいと思うほどこの作家さんを知ってるわけじゃないし……
今後の動向を見届けたいと思います。笑

■Whatever!
これもかなり好きな短編でした。
テンション低めだけど責任感の強い新人君とチャラいけど仕事できる先輩社員の話。
人付き合い苦手で基本ローテンションだけど責任感強くてついでにプライドも高いので「NO」が言えずストレスを溜め込むタイプの新人と、
楽観的でチャラチャラしてて押しが強くてやや鬱陶しいのに、なぜか人の輪の中心にいる人気者タイプの先輩社員がドタバタしながら強引に同居生活をする。
先輩のチャラさ加減やムカつき加減の絶妙さと、断ればいいのになんか悔しくてハッキリ「NO」をいえない新人の苛立ちやストレス具合が非常にコミカルにバランスよく描かれてるところが面白いです。
すんごいムカつくんだけど嫌いになれないラインの線引きが上手いんですよね~。新人君は終始ムカツイたり呆れたりゲッソリしたりしてるし、最終ページに至っても本気で嫌がってるのがすごくツボ。なのにこの子は結局先輩を心のどっかで受け入れちゃってるんだよね。顔には出さないけど。これぞ究極の『ホダされ愛』だと思います。


この作家さんはこの短篇集しかまだ知りませんが、絵もストーリーも過去の作品のほうが断然好きでした。あと、あとがきの作家さんのテンションもすき。こういう方は薄っぺらい話は書かないだろうなと感じさせるものがある。
エロは得意ではないようで、唯一エッチシーンのある最新作である表題作は内容が微妙だっただけに、ムリしてエロ要素入れないくていいから、古い作品にあったような独特のコミカルさと雰囲気を楽しめるような作品を沢山描いてほしいと思いました。今後に期待です。

《個人的 好感度》
★★★★・ :ストーリー
★・・・・ :エロス
★★★・・ :キャラ
★★★・・ :設定/シチュ
★★★★・ :構成

3

ジャケ買いしました。

書店で見て、表紙の絵が素敵だったので思わず購入。
中身の絵も、シンプルな力強い線で描かれた色気のある絵で気に入りました。

学生ものの作品も収録されていますが、全体的に大人の雰囲気。
個人的には表題作の「嫌煙家のテーブル」と「はつこい」が気に入りました。

しかし、他の収録作と比べても「嫌煙家のテーブル」は、異質な感じがします。
相手の「口」に対するフェチズム的な要素を描きながら話が展開していくところが、
私は「新しい!」と思いました。
食事を食べるシーンが印象的に描かれていて、ついつい2人の口元に目が行ってしまう。
特に津川さんが指をしゃぶりながら寝ているシーンには度肝を抜かれてしまいました。
いいおじさんの指しゃぶり…思いのほかエロくてかわいかった…。
あたらしい萌えをいただきました。

全体的には恋の手前の駆け引きを描いた作品が主体です。
甘々な関係を求めている方には少し物足りないかもしれませんが、
等身大の男性の姿や関係性の中にふわりと漂うBLの雰囲気を味わいたいという方には、
おすすめかも知れません。
でも、表題作はなかなかおもしろい作品だと思うので、ぜひ読んでいただきたい。

表題作のその後の描き下ろしも収録されています!
作品のそのままの雰囲気を引き継ぎながら、少し甘い2人のやり取りがほほえましくて
おもしろかったです。

2

男が男を可愛いと思う時。

エロよりも心の動きを描くのに長けていらっしゃるのでエロ重視の方にはオススメしませんが、作風が好きな作家さまです。今も創作活動されているんだろうか。

短編ばかりを集めた作品集。後に出された『恋ひぞ暮らしし雨の降る日を』もよかったです。

どの作品もメインカプの心の距離間や関係性、その詰め方が嫌味がなく巧みなんですよね。ラブに至るまでの心理に萌えるので、そこに焦点をあてて描かれている作品に出会えると嬉しい。

表題作はナイスミドルのライター(ゲイ)と年下オーナーシェフの、禁煙を賭けた取引ラブ。リバの予感…。年上の男を可愛いと思うのって、そりゃもうオヤジ受け萌え一直線ですよね。大人なカップルだけどお互いが可愛いと思うツボに共感。指しゃぶり。。。

「金の鉛筆」
小学生からの同級生、箕輪と八尾の物語。子供の頃は相手が自分より小さくて守ってあげていたのに、大きくなったら立場が逆転する成長萌え。可愛いカップルです。同じテーマで他の作品もあるので作家さまのツボなのかな。

「アンダーカバー」
断筆中のワケあり小説家と彼の再起に燃える若い編集者のお話。言葉や文章にすることの影響力について、編集者の小林が語るセリフにうるっと来ました。憧れ、ファン心理が恋心と紙一重なところが描かれていて、ちゃんと押さえてるなーと。

「はつこい」
萌えました。初恋に限らず、気になる人ができた時の心理を上手く描いてくださっているなと思いました。その人が興味を持っているもの全てが知りたい。その人に影響を与え、形作ってきたものに触れたい。その人が見ている世界を覗いてみたい…。高校生のお話なので、同性愛へのハードルがさらっと描かれているところも好感触。BLだからといって男女垣根がない前提はちょっと気になってしまうので。

「Whatever!」
リーマンもの。人付き合いが苦手な新人と、人タラシなお気楽先輩のちょっと変わった新人指導の日々。南雲先輩がカワイイです。実は作家さまの弟さんがモデルらしい。

絵が時々がっさりしていることもあるんですが、結構顔が好きなんです。新しい作品になるにつれて少しずつ見やすくなっており、もし描き続けていらっしゃるならば変化に期待しちゃいます。

あとがきで作家さまの人となりが伝わってくるものですけど、作画中に流す音楽のお話が出てきて、作家さまが新居昭乃さんをお好きだと知り、それだけで大好きになったワタクシです。もちろん、作品も大好きですよ。

2

台詞だけで語らない表情が印象的

おおお~。
こちらがファーストコミックスとの事でちょっと驚きました。
雰囲気がけっこうあるんです。
私的には、草間さかえさん、えすとえむさん、湖水きよさん、山中ヒコさんを
混ぜ合わせたような印象を受けました。
あっ、でも個性が無いと言うんじゃないんです!
(語弊があったらごめんなさい)

『嫌煙家のテーブル』
喫煙した事がないし嫌煙家なので
禁煙のツラさはわからないのですが
晩酌を禁じられたらこんな感じなんでしょうか(全然違う!!)
禁煙にキスを賭け、年甲斐もなくうきうきしちゃうおっさんに萌え。
ノンケがあっさりゲイを受け入れるのには「…いいんですか?」って感じですが
この広い世の中、そんな人がいたっていいんじゃないかな。いて欲しい。
「好きになった人が好きなタイプですから 
その範疇じゃないです?」
殺し文句吐かれたら、襲うしかないでしょう。
…あと、喫煙者じゃなくても、寂しがりはいますよー…。

『金の鉛筆』
小学校の頃大勢に絡まれているのを助けてもらい、
自分は大学生、かたや健太郎は町工場の作業員という
決定的に環境が変わってしまった幼馴染。
それでも兄弟に食べ物を差し入れるという理由をつけて
しょっちゅう家に遊びにいく秀はいつのまにか健太郎の背丈を越していました。
お互い“自分とは世界が違う”と思いながら距離を測らずにいられなくなる。
あんなにいつも一緒にいたのにどうするべきかわからない。
他の人といてもお互いの事ばかり考えてしまう二人。
大切なのは、そういう事。
涙を手でぬぐってあげ、顔を近づけるだけですが
それがまた良いです。
急展開じゃないのも美味しい。

『アンダーカバー』
元小説家の自分のファンだと名乗る編集者・小林は
勤務先の新古書店に毎日通いつめます。
もう書けないと断っても聞きゃしないw
実は高校の後輩で、当時の校内新聞に掲載されていた小説を
ラミネート加工して持ち歩いているくらいコアなファンだったというオチ。
例え何かの引用した言葉でも、
その人だからこそ力を持って他人の胸に突き刺さる事もある。深い。
青土が落ちぶれてても落胆するわけでもなし、
俄然やる気を出した小林、あっぱれ!
若いって素晴らしい…。

『はつこい』
身長がデカい以外は目立たないと思っていた、
自分の席の前の松下が、黒いマニキュアを時々していたり
髪の内側が緑色だったりw
そりゃ気になるわ!
ひとりを恐れず、でも愛想がまるっきりないわけじゃない。
知らなかった松下を知る度、惹かれるのを止められない。
つい衝動でキスをして嫌われちゃったかと思いながら
嫌われついでに潔く告白する前向きさが若いね…。ガンバレ。

『Whatever!』
適当そうで掴みどころがなさそうなのに
いつも社内の真ん中にいて人づきあいが上手く
仕事も抜く時は抜ける要領の良い南雲が
実は羨ましいアキオ。
真面目に頑張っているつもりが空回り…つらいね。
いちいち南雲につっかかってしまうのに南雲は嬉しそう。
しょっちゅう部屋へ遊びに来られ辟易している時に体調を崩し
意地を張って仕事を続けようとするアキオが不憫。
気遣う南雲に屈したくないなんてなぁ。ツンも可愛いけどもっと頼って。
急に5万もする空気清浄機を持って来られるのはびっくりだけど甘えちゃえ!
南雲の哲学“「死ぬわけじゃない」って思えばいいんだよ”は実践あるのみw
そんな鷹揚さに馬鹿らしくなるアキオ、メゲるな!w

『禁煙家のベッド』
うわ!リバーシボゥ!
上に乗って散々いやらしかったのに
「大事にしたいと思ってます」とド直球のセリフが恥ずかしいなんて
可愛らしいおっさんでした。
…ちなみにベッドの上の食事は(結構ガッツリめの献立)落ち着かないと思う…。
いくら人間の三大欲求が揃っていても;
お互いを可愛いと思いながら、お幸せに!

各話、そんな甘いわけじゃないのが逆に良かったです。
今後も要チェキ!☆








5

ラブ色薄めの話は好み♪

表紙の絵も、カラーの扉絵も、雰囲気があって好き。
でも肝心の本編の絵は・・・う~ん粗めで、絵だけでは萌えられない・・・
そのせいもあって、
表題作は「ここまでなのは久々だなぁ」と思うほどに、正直好みじゃなかったのです。

裏表紙に「大人同士のジリジリとした恋の駆け引き」とあったけれど、
「大人同士でも、意外と駆け引き無しでストレート」なんじゃ?
と思ってしまったのは、わたしの感覚がおかしいのかなぁ。
セックスシーンも滑らかさがないしアッサリしているしで、どうにも自分は色気を感じず。

そんななので気乗りせずに、勿体ない精神のみで(ヒドイ・・・)残りの短編を読み始めたら、
あらららら~?? 
短編を一話読み終わるごとに、この本のことが好きに☆
最後の「Whatever!」は、
ラブ色は少なめだ(というかあんま、いやほとんど?ナイ)けど、すごく好きに♪w

あとがきを見ると、この「Whatever!」は、
うっかり弟に見られて「これ俺じゃねーかふざけんな!」と怒られた作品だそう。
その、本人が俺だ!と思うほど似ているというのが、南雲。
軽~くていい加減だけど言うことは直球で、要領よく仕事ができて、そしていつも輪の中心にいる人。
その南雲に仕事を教えられることになり振り回される、
真面目で融通がきかず空回る新人くんが、その辺にリアルにいそうでスゴクいいのです♪
弟さんの周りには、ホントにこういう子がいるのだろうか・・・?
それとも作者のすももさんが、これに似た役回りをしているのか??
そう思うほど、キャラが生き生きしてるのですよ~
いや、正確に言うと、生き生きしているのは南雲だけで、
真面目な新人くんは、振り回されてイライラわなわなしてるんですけどねw
これ、ぜひ続きを描いてほしい!
・・・ん?あれ?
もしかして、弟さんと南雲が似ているのって外見onlyの可能性も??
わ、わかんないから、・・・まぁいいや!w

更に、あとがき情報によると、
すももさんは「BLのLはラブのLですよ!」と言われ続けたそう。
ラブを描くのは得意じゃないってことなのかしら?
なくても全然いいですよ~面白ければ!!と思ったのですが、それは少数派意見なのかなぁ~~

5

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