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表題作巫女はあやうい恋のとりこ

久遠寺晶一・暴力団の資金源の転売事業をする弁護士
藤刀由布・縁起千年以上の神社の一人息子で玉依の御子

その他の収録作品

  • 彼には秘密の話
  • あとがき

あらすじ

神社を守る一族に生まれた由布とブラック企業の顧問を担う弁護士の久遠寺。神社の特権を狙う久遠寺が村を訪れ、二人は出会い…。

(出版社より)

作品情報

作品名
巫女はあやうい恋のとりこ
著者
柊平ハルモ 
イラスト
六芦かえで 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796403887
1.6

(5)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
4
得点
4
評価数
5
平均
1.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

最後まで本性を隠すのね

悪徳弁護士と可憐で無垢な巫女とのラブストーリー。
受け様の住む村で、崖から落ちていた攻め様を偶然助けた事から始まる関係。
受け様は村の由緒ある神社の一人息子で両親や村人に玉依の御子様と呼ばれ、
特別視される中で生きてきた純粋培養されたような無垢な巫女様なんです。
外界との接触やメディアなどが無い場所で育った受け様は、かなり世間知らずで
無知に近い感じなんですよね。

玉依の御子として、母親からも神聖視されて、人並みな愛情とは無縁の生活を送ってきた
受け様は、初めて攻め様と接した事で、自分を特別視しない攻め様に懐きます。
14才で出会い、毎年神社の催事の時に来てくれるようになった攻め様に、仄かな
恋心を抱くようになるのですが、攻め様は宗教法人をヤクザに転売して儲けるような
ヤクザの上を行くような悪徳弁護士で、受け様の神社も狙っているのです。

それも4年も歳月をかけて、受け様を手なずけだましているのですが、世間知らずな
受け様はもちろん、両親も村人ですら信じ込ませる紳士ブリ。
そんな時に、受け様の神社が自然災害で土砂崩れで崩壊し、その再建の手伝いが
出来ると甘い言葉でヤクザのフロント企業に転売をもくろむ攻め様。
何も知らない受け様は攻め様の言葉を信じて、更に玉依の御子と呼ばれているのに
村の役にも立たない自身に罪悪感を持っている。
受け様は自分が普通の子供で何の力も無いことを知っているのに、それを誰にも言えず
甘えさせてくれるはずの母親にまで玉依の御子と崇められ、全てを投げ出して
逃げたいと思っているんです。

それでも、必死に自分の感情を殺して、皆が求める玉依の御子を演じ続ける受け様。
その受け様の心の拠り所が1年に四日間だけ攻め様と会える催事だけだったのですが、
今回の災害で、受け様は攻め様のマンションでお世話になり、17歳の年齢の少年が
普通に体験する事を攻め様にさせてもらったりして、幸福を味わう。
大した事ではないのに、それを怖すぎる程幸せと感じる受け様が不憫です。

攻め様は宗教法人が運営していた孤児院で育ち、酷い目に遭った過去からお金半分
宗教法人への恨み半分なんて感情で転売事業をしているのですが、受け様に出会い
心が触れ合った事で、自分でも認めたくない感情が溢れ、最後に騙す事が出来なくて
自分の立場もお金も何もかもと引き換えにするように受け様を助ける道を選ぶ。
受け様は初めから最後まで、攻め様に騙されていたなんて思っていないくらい純粋。
受け様が浮世離れ系なので、内容も暗くなり過ぎる事が無かったですね。
そして、攻め様は最後まで受け様の前では紳士なんですが、思いが通じ合っても
受け様に本性を見せないで、そこまでも甘く接してるのですが、書下ろしでは、
攻め様の仕事のパートナーで、幼なじみの謀で受け様の起こした行動で理性がブチ切れ
激情のまま受け様を抱いてしまうなんてオチもあって面白いです。
天然で純粋培養の受け様は最強の巫女様でした。

1

余りにも受が受け入れられず

あらすじは、他の方が書いて下さってるので感想を。

最後まで一気に読めてしまうアッサリ感
夢中になって先を読みたくて読んでいるうちに…とかじゃあなくて、ん?これで終わり?
由布(受)は何が変わったの?
結局何も理解も出来てないよね?
今時とはあまり使いたくありませんが、あまりにも都合よく無知すぎる由布にイライラ
今時こんな17歳いるのかな?
久遠寺(攻)は、過去の出来事から無慈悲な弁護士だったはずなのに、あっさり方向転換。
久遠寺の仕事上のパートナーの神林も、凄惨な過去を持ち、久遠寺にある毎に釘を刺していたのにあっさり久遠寺に了解してしまうし。
話もあっという間に先が分かりやすく展開してしまい、あっさり終了。
特に嫌いなシチュエーションとか地雷がある訳でもないのですが萌ポイントを見つけられず読了…

柊平ハルモさんは、読みやすい作家さんで好きなのですが、この物語は読みやすすぎて(笑)萌や印象が無かったのが残念でした。

0

悪い大人と無知な子供

どうも合いませんでした。

田舎の神社にて、「玉依の御子」として崇められて育ち、
人と違うように接せられることに違和感を持つ由布と、
宗教法人格を転売してもうける弁護士、久遠寺のお話。

金さえすべてとばかりに、人を騙すことにも厭わない久遠寺が、
由布のことも騙そうとしているうちに、由布を大切に思うようになって・・・

という展開です。
ストーリーについては、よくある展開ですし、
グルグルしている2人というのは、嫌いじゃないんです。
由布は、久遠寺のことを好きと意識しだしたけど、伝えられなくて。
久遠寺は、由布を騙そうと思っていたけど、騙したくなくなってきて。

ただ、この2人のグルグルが、ストーリー上必要なものでは無く、
作者さんの力不足でグルグルしているだけでは?と感じてしまいました。
ストーリーの設定や展開を書くだけではページが進まないので、
ただ単に、書き連ねたような印象を受けました。
(失礼なことを申しまして、すみません。)

短文が多すぎではないか?という感想をもってしまったことも、
なかなか楽しめなかった要因かと思います。

また、作品単体が合わなかっただけかもしれませんし、
柊平さんの次の新作、是非読んでみたいと思います。

1

なんとも浅いな~。

柊平さん、決してキライじゃないし、結果的には作家買いに近い状態ではあるんですが(最近はほぼ外してるんですが、なんか思い切れずに惰性で買ってしまう・・・)、正直なところ好きな作品はホントに少ないんです。

初読みの『とまどいの行方』がものすごく好きで(いい・よくできた作品というより、単に非常に私好みだった。今でもしつこく読み返す)、過去作含め作家買いするようになったんですが、実際好みと言えるのは片手で数えられるほどしかなく、冷静に考えると『とまどい~』に出逢わなければ絶対に作家買いはしていなかったと断言できます。

文体も作風も、自分の好みに照らしてもかけ離れてはいないんです。好きな作品も少ないながらありますし、たとえ合わない作品でも全部がキライ・ダメなわけでもありません。だからこそ次こそは当たるかも、との思いを捨て切れずに読み続けてるんですが。

特に、一時休筆されて復帰されてからの作品は、なんとも浅いというか軽い(作品の雰囲気や設定がライトというのではなく。シリアスも重目なのも多いんですが)ものが多くて、読み応えがなく物足りないんです。

私はBLにおける巫女さんキャラクターにはたいして興味ないですが、即ダメ・苦手でもありません。
ただ、大変申し訳ないですが『こういう設定・キャラクターで書きたい』というので浮かんだエピソードを適当に並べただけなんじゃないのかと思ってしまいました。『王道・テンプレート』というのさえどうかと思うくらい浅いし薄い。途中の展開もラストの落とし所もほぼ先読みできますが、『ありがちだから・先読みできるから』ダメなんじゃなくてそれ以前の問題です。小説を読んだ気がしません。

私は基本的に脇キャラクターのスピンオフは興味ないし、いらないと思う方なんですが、それでもこちらはメインCPにあまりにも魅力がない(というか上辺だけで描けていない)ので、脇の神林の方がまだマシなんじゃないかと感じました。積極的に神林のスピンオフが読みたいという意味ではまったくないんですが。

ここまで書けない作家さんじゃないと思っていたのでがっかりです。
イヤもう、そろそろ買う(読む)のやめた方がいいかな、とさえ思ってしまいました。ただひたすらに残念です。

内容がどうしようもなくてもイラストで上積みというのが私はよくあるんですが(それがいいことかどうかは別として)、六芦さんのイラストも苦手なのでこちらはホントに救いようがなかったです。

まあ、このタイトルと(六芦さんの)表紙イラストだけで、作家買いじゃなかったら確実に避けてたでしょう。結果としてそのほうがよかったですね。

1

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