フォルモサの夜

formosa no yoru

フォルモサの夜
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神7
  • 萌×27
  • 萌2
  • 中立2
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
6
得点
71
評価数
24件
平均
3.3 / 5
神率
29.2%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
海王社
シリーズ
ガッシュ文庫(小説・海王社)
発売日
価格
¥619(税抜)  ¥669(税込)
ISBN
9784796403894

あらすじ

大学生の俊明は休暇で台湾に行った際、高級クラブの京劇ショーに代役として出演することに。そこで事件に巻き込まれた俊明を助けてくれたのは、片足をひきずった元刑事の三島という男で――!?

(出版社より)

表題作フォルモサの夜

元刑事の汚れ専門私立探偵 三島宗造・35歳
京劇役者志望だった大学生 関谷俊明・20歳

その他の収録作品

  • あとがき(水原とほる)
  • あとがき(周防佑未)

評価・レビューする

レビュー投稿数6

コンビ結成のその後が激しく読みたい

受けがDVなど酷い目に遭うような作品と、そんなこともない作品(男前受け率高し)に大別される水原作品(最近は後者が多い?)。

今回は、そんなこともない作品の中でも特に、受けの魅力が際立っていました。
持ち前の洞察力・交渉力で危険を切り抜け、攻めに抱かれてても主導権を奪う機会をうかがっている男前女王様受けが魅力的です。
また細かいことですが、水原作品の「ひぃっ…」という受けの喘ぎにどうしても笑ってしまう私は(すいません)、今回それがなくてエロシーンに集中できて本当に良かった。

台湾と日本という二つの国にバックグラウンドを持つ大学生・俊明(受け)は、
他人だけでなく自分自身に対しても常に一歩引いた見方をしていて、語り手として非常に優秀です。本編がマフィアとの対決やアクションシーンなどで香港映画に近いノリを見せたり、中国語にン?となる所があったりしつつも物語としてテキトーな感じがなく、ちゃんと台湾を感じさせるのは、俊明が自分のアイデンティティについて冷静に分析しているためだろうなと思います。
また、同胞や友人を非常に大切にする情の熱さもあり、ちょっと出来過ぎ?と思いつつも人続きとして好感を持てる人物です。

そんな俊明のバックグラウンドの一つで、本編でその身を助けることにもなる京劇。
二大流派の北京・上海ではなく、台湾で京劇を習う…って意外性のある設定ですが、
特定の国や生き方に固執しない俊明のニュートラルな一面が表れていて興味深いです。
物語の主な舞台は日本ですが、俊明の目や記憶を通して語られる台湾の街・人々はとても生き生きとして魅力的で、日本で暮らす俊明が、生まれ故郷・台湾も深く愛していることが伝わります。

そして、第二の故郷・日本で俊明が強く興味を覚える存在・三島(攻め)。
元刑事の探偵で、ヘタレを装いつつ俊明を翻弄する侮れない人物です。
刑事だった頃に同僚と片足の自由を失った過去があり、死を覚悟した者特有の寒々しい空気感をまとっています。
俊明は三島の孤独な姿に、二つの国を行き来しつつどこにも属していない自分に近いものを感じて惹かれたのかもしれません。
また、過去に大切なものを失った三島も、自分の幸せは自分で決めるとキッパリ言える俊明の強さに惹かれたんだろうなと思います。「おまえがいてくれたら、なんか生きていけそうな気がする」という三島のふざけているようで真摯な告白にはグッときました。
依存・干渉し過ぎないという点では糖度の低いカップルですが、俊明の母親のような包容力や互いへの信頼感にチラ見えする甘さがいいです。絡みもしっかりエロイv

二人が事件をきっかけに知り合い、一緒に色々切り抜ける過程で恋人になり、探偵コンビを結成?したところで終わってしまった本作品ですが、是非ともシリーズ化してこの二人の活躍を色々見たいと激しく思いました。

3

もしかして似たもの同志の二人

面白かったです!

初めて「受け」様が「攻め」様の探偵事務所を訪ねたシーンなんて、
二人共、最初なんも喋らないんですよ!お互いの観察に忙しくって。
いざ喋りはじめたら、食うか食われるかって感じの腹の探り合いで・・・。

「受け」様は典型的なツンデレですね。
あー言えばこう言う、でも別れ際には甘い一言。
「攻め」様が翻弄されているのが目に浮かびます。
でも、ただのやさぐれ探偵ではないからこそ
人間観察の厳しい「受け」様も惹かれるんだと思います。

一回りほど年は離れているけれど、二人の魂は対等です。
最後の方なんて、「受け」様の方が母親のようです。

台北で「受け」様を想う、京劇のハンサム男優も出てきて、
いろいろ妄想が広がります~♡

2

中華モノとして初めての納得作品。

中華モノ(台湾・香港・中国大陸ふくめ)というのがしばしば適当な書き方されているBL小説で、はじめて見ましたマトモな中華モノ!
ということで、神評価。
いやだってビッグネームな作家さんのモノでも
さっぱり調べてないのがわかるぐらいテキトーなのがあったり・・・(涙)
ファンタジーだからいいだろとは言えないレベルで。

日本に置き換えていえば、
京都へ行ったらトイレは全部和式でっせぐらいのムチャブリ描写があるのが中華BL。
正規・非正規でそっちらへんの国で翻訳されちゃったりしてる現実考えると、正直、
どうにかしろと思っていたところ。

なぜに台湾で京劇なのか(京劇はやはり北京が本場)というツッコミはあるにしても、
テキトーなことは書いていません。
ムチャな中国語が出てきたり、発音表記があやしいのはあるにしても、目をつぶれる範囲です。
難をいうならば、台湾の猥雑でカオティックな空気がもっとあってもいいかなってのはありますが、真摯に書いている点は好感持てます。
もーこういうところはとりあえず神評価つけちゃおう~。

さらに、水原とほる先生の作品てのはどうにもこう続きにも痛いのが多くて、
文章がうまいわりにはなかなか入れないものを感じていましたが、
これは恋愛と事件のシーソーゲームを突き放した寒々しさで書いていて、
なかなか読みごたえもあります。

ストーリーは、オリジナリティはあるにもかかわらず、
「あれ?なんかこの雰囲気・・・なんかあったな」という妙な既視感が。
しばらくウニャウニャと思いかえしていたら、ふた昔まえに大流行したウォン・カーウァイの映画みたいなんだな。
そこのアナタ!
その昔、「ブエノスアイレス」とか「天使の涙」とか「恋する惑星」とか見ましたよね?(笑)
シーンを乱暴にぶったぎりながらも、離れられない運命をなんとなーく感じるってあたりがウォン・カーウァイ映画みたい。

最初はハードボイルド風に進行するのかと思ったら、そうでもないです。
むしろ、お互い持ちつ持たれつで恋に落ちていくさまがかわいらしい。

4

「麗しい島」で出会った二人

とても面白かったです!
受けが見た目は美人で中身が強くて男前なのが良すぎです。

あらすじは他の方が触れていますので自分はノータッチです。
水原さんの作品ですが、DV要素ゼロで痛さも殆どありません。(銃撃による流血表現や受けによる攻めの傷の治療シーン(受けは医者ではない)等の物理的な痛さはありますが…)
主役二人のキャラが魅力的で、特に受けの俊明が心身ともにとても強いので読んでいて気持ちが良かったです。
周りの人も基本的にいい人揃いですし、読んでいて不快になる要素は全くありませんでした。

注意点としては帯と裏表紙のあらすじに嘘があります。
帯…「京劇役者見習い」ではありません。京劇学校に通っていましたが父の死亡(というより母の再婚で日本に行く為)により諦めます。
裏表紙のあらすじ…「手付金代わりに凌辱」されません。手付金として強引に唇を奪われただけです。
凌辱物を期待して読むと肩透かしです。
エッチは一応合意ですし。


その後の二人…というか凸凹コンビっぽい二人のやり取りをもっと見たいのでシリーズ化希望です!
拉致された時の攻めと受けと張とのやり取り続きが本当に面白かったです。

読んで京劇が見たくなり台湾にも行きたくなりました。
それ程話に入り込みました。

2

男前女王様受けが気持ち良い♪

今回は汚れ仕事を請け負う元刑事と台湾出身の日本国籍大学生男子の組み合わせ。
水原さんお得意の中華系ですが、特筆は京劇が登場することと、話の展開がシリアスでありながらかなりテンポよく、滅茶ポジティブなおはなしだということ!
何となく、最近思っているのですが水原作品において、受け子が日本人の男子の場合、それは健気だったり控えめだったり理不尽な目にあわされたりと、少し暗い感じの展開傾向があるような。
そして中華系の場合だと、その作品傾向は色々ですが受け子が強い子なことが多い気がするんですよ。

今回、主人公となる受け子はまったくもって二つの祖国を持つ身のせいかすごくニュートラルで、どちらの思考も持ち合わせて理解して、自らに客観性があり、自分を分析して受け入れている面が強い。
そして強くしなやかで、積極的で潔く、かと言って雄くさくなく、女々しくなく、中性的とも違う。
中原作品には珍しい、好みのタイプで、またイラストの周防さんのイメージがぴったりくるんです♪
圧巻は、一番のヤマ場である後半のマフィアでもない台湾系の組織の首領との駆け引きのシーンです!
攻めとなる探偵の、口の突っ続き込みや態度と、主人公の立場逆転の姿とか、趣向をこらし、
また日本人でない中華系であるがゆえの、血の持つ性質なんかも特徴的に使い、わかりやすく、目の前にシーンが浮かぶような展開はドキワクさせるものがありました。
最近、水原作品う~ん、、、という方にも楽しんで読めるんじゃないでしょうか?

台湾人の両親の間に台湾で生まれた主人公・俊明ですが、父親の死後母親が日本人と結婚したために、11歳で来日して現在大学生です。
休暇を利用して茶の店を経営している資産家の祖父の元に行く俊明ですが、そこへ人探しに訪れた日本人がいました。
俊明は、本当は京劇役者になりたくて、その学校にも通っていたのですが日本へ来たときにそれを諦めています、しかし、台湾に戻ればその当時の友人たちがいて、彼等と京劇の話をしたり、踊ったりするのでした。
一時はプラトニックな愛かもしれないと感じたこともある親友の志明の頼みで、京劇を見せる店で踊るバイトを請負います。
しかし、その演目の最中に場内で揉め事が。
祖父の店で出会った日本人・三島でした。
彼を手助けする形になった礼にと、何かあったらここへ連絡してくれと渡された名刺。
もう会うこともないとおもっていましたが、大学内で唯一親しみを感じていた友人の小林がトラブルに巻き込まれ、連絡がとれなくなったことから、三島を頼ることにします。
彼の事務所を訪れているときに、何者が事務所を襲撃します。
俊明をかばって腕に怪我をする三島。
この襲撃は、三島が以前関与していた事柄に関係することでしたが、今回俊明が依頼した内容にも接点があるのでした。
最悪の事態もあるかもしれないと覚悟していた俊明ですが、彼の元に小林からの荷物が送られてきて・・・

とにかく、俊明が男前ですね!
京劇でも女形だからなよっとしているかと思うと全くそうではない。立ち回りを得意とする役柄を演じる女形を目指していたというだけあった、その立ち回りに絡んだシーンが登場しますから、(いつもだとカンフーですが、今回は京劇でしたねw)
そして何より、負けず嫌いな性格がいい!
三島の部屋に通うカフェの息子に「マグロ」と暗に示唆されて、思わず三島を誘い受けする、そして、女王様受けを見せる快楽に正直で大胆な姿に、水原作品で久々にエロすを感じました☆☆

三島も最初の登場の雰囲気だと影のある、すねた感じのハードボイルドな感じの人なのかな?と思ったのですが、その後見せる姿は、子供みたいなやんちゃなところもあったり。
ねらっているのかわざとなのかヘタレな発言をしてみたり、
普通、こういう探偵だといい加減でだらしないという印象がついてくるのですが、いい加減そうに見せてだらしなくないってことこ!
ヘタレに見せるのもわざとなのかも?自分を弱く見せることで切り抜けようとする小鶴さもあるかな?とも思ってみたり、それが本当の素なのかも?と思ったり。
しかし、今までの水原作品にないタイプの攻めだったと思います。
その過去はこだわりになって、彼の心の傷になったかもしれませんが、彼女と分かれて彼女以上の女がいないから男に趣旨替えした、
そんな理由は、健気というべきか病んでいるというべきかwww

主人公たちが魅力的です!
事件もテンポよく、台湾での描写や様子も興味深い、何より民族性というものにこだわればこその設定がされていますから、そんな点も♪
京劇の扮装をカラーで見てみたかったな、、、と思わなkもないですが、、、

2

台湾に行きたくなります

台湾の別称をタイトルに付けた作品は、ホントに台湾に行きたくなるような
ノスタルジーを感じさせるし、京劇の舞台を間近で見たいと思わせる内容で、
更にスリリングな緩急のある展開があったと思えば、エロティックな主役たちの絡み、
攻め様の男クサイ雰囲気と自虐的な弱さでギャップ萌えしちゃうし、
受け様の年齢に見合わない老成した雰囲気と軽くサディズムが入った性格が
物語と共に魅力あるキャラとでどんどん惹きこまれていくようなストーリーでした。

受け様は生粋の台湾人ながら、母親の再婚相手が日本人だった為に10才から日本国籍の
日本人として暮らす大学生、しかし、日本で暮らしていても自分のアイデンティティーに
不安を感じる時があり、受け様は今でも休みの度に祖父のいる台湾に戻り
京劇学校時代の友人たちと共に過ごすようにしている。
そんな台湾で、受け様は攻め様と知り合う、祖父の店に人を訪ねて来た攻め様、
何処かくたびれた印象がありながらも鋭い眼光、引きずる足、受け様好みの顔。
受け様は胡散臭いと思いながらも興味を引かれます。

その時は尋ね人を聞かれただけで終わった攻め様と、二続き度と会う事は無いと思っていた
受け様は、友人に頼まれた京劇のバイトで踊っている最中にトラブル込で再会。
受け様は成り行きで攻め様を助け、攻め様に日本で困ったときは力になる
なんて言葉と共に名刺を渡される。
探偵と言う肩書の名刺を見て、攻め様に興味は湧いたが、やはり会う事は無いと
思っていたのに、大学の友人のトラブルを切っ掛けに三度の再会をすることに。

これだけ何度も会えば運命だと読者には思える展開で、更にそこからトラブルは大きくなり
二人は命の危険が伴う厄介ごとに巻き込まれていくのです。
単に甘い恋愛話でなく、大人のラブだと感じるのです。
受け様は二十歳なのに、京劇役者を目指していたからなのか、30半ばのおっさん相手に
一歩も引けを取らないしたたかさと賢さを持っていて、攻め様の方がどこかガキくさい。
この攻め様と出会った事で受け様は母性本能と身に潜んでいたサディスティックな
感情まで開花させているようでしたね。
かなり楽しませてくれる作品でした。

2

この作品が収納されている本棚

PAGE TOP
  • 電子書籍
  • レビューを見る
  • 評価レビューする
  • 関連作品
  • 攻受データ