お前だけに、その名を口にすることを許そう――

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表題作青龍の涙 ~神は生贄を恋う~

竜神(緑青),村人に400年間閉じ込められている
彰,18歳,身寄りの無い養護施設で暮らす

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

十八歳で養子にもらわれることになった孤児の彰。しかし実態は、ある村が竜神に捧げるために要した生贄だった。抗う術もなく竜神に嬲られる彰だったが、彼の心の傷を知り…。和風幻想エロス。

(出版社より)

作品情報

作品名
青龍の涙 ~神は生贄を恋う~
著者
月東湊 
イラスト
陸裕千景子 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫black
シリーズ
青龍の涙 ~神は生贄を恋う~
発売日
ISBN
9784592850991
3.8

(42)

(11)

萌々

(17)

(10)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
156
評価数
42
平均
3.8 / 5
神率
26.2%

レビュー投稿数9

癖になる良さ

激萌えしました。
人外大好きなので、それだけでも最初から期待値MAXなんですが、その期待を裏切らない面白さでした。
天涯孤独で施設育ちの受が養子縁組と騙されて行った先で待ち構えていたのは、小さな湖を守るために人間に髭を奪われて神社に封印されていた竜神でした。生贄として差し出された受は、日夜竜神とその使いである蛇に心身ともに陵辱されるんですが、これがもう何とも読んでて痛い。冒頭からぶっ放してます。

そんな痛々しい関係も、竜神の過去の話を聞いたことで受の心に変化が生まれ、竜神も受の気持ちの優しさに閉ざしていた心を開いてゆくようになります。
今までのあの辛さは何だったのという程の甘やかさ!
蛇たちも可愛いし、竜神も可愛いし、受も健気で可愛いし、この素敵な時間がずっと続けばいいのに~? と思いますけど、まあ物語的にそうはいきませんよね。
竜神と生きると決めた矢先に受を待っていた別離には涙しました。
冒頭からはとても想像できなかった竜神の優しさが沁みます……そして受が気の毒で辛い。

胸をかきむしるほどの辛い別離から10年後、竜神に会いたい一心で毎年霊峰登山していた受が、その途中土砂崩れに巻き込まれて瀕死の重傷を負ってしまったことから、ついに竜神様ご光臨。
いやもう、歓喜です。受と一緒に歓喜。待ってました。
そこからはもうめくるめく桃色パラダイスなんですが、ふたりが再会出来て本当に良かった。白蛇の子も可愛いし、もう悶える。可愛い。
最後は日本○話のオープニング映像よろしく竜神に乗って空を駆け回る受。幸せそうでなによりです。

3

神様と生贄、前半は辛いけど諦めないで読むと感動です。

読みかけても何にも読む気になれなくて、何冊か目に手に取って読み始めてみたら一気にひきこまれました。

号泣です。
半分近くまで救いがないような読んでてこちらも辛くてどうなっちゃうの?これでどうやって幸せになるの?と思ったら…。

まさか鬼か悪魔のようだった龍神様が…。

そしてやっと幸せになれると思ったら…。
そんなぁ!龍神様の気持ちはわかるけど…。

そして十年間龍神様のことを忘れず一目でも会いたい一心で山に登り続ける彰。

とうとう再会!もう離れないずっとそばにいられますね。

とにかく彰が良い子で良かったです。
そんな彰だから龍神様の人間への恨みつらみを和らげて、可愛い愛しいという感情を芽生えさせて。
彰を抱っこしたり、後ろから抱きしめたり、頭を撫で髪をすいたり。
こんなにも大切な彰だから元の世界に帰してあげようと思っちゃって。

未だに村人達はちっとも変わってなくて、でも彰が怒ってくれて。龍神様ももう恨みを忘れ彰を解放して。

再会できて本当に良かった。
あの小さな白い蛇が!

真吾の子供が今も龍神様と彰を見ることができて。
何年後だろう。良かったね!

前半は非常に辛いです。
でもとても良いお話です!

1

ヘビが嫌ぁ~~~~

これは・・・ある意味たまんない程恐怖でした、何度読むのを挫折しかけたか・・・
個人的にヘビさんは、ほんとダメなんですよね。
まぁ、来年は巳年、ヘビさんの年なのでこれも試練なのかっ!なんて読みました(笑)

読み進めるうちに結構ハマって読み進める事が出来たのですが、やっぱりヘビに
嬲られる受け様はかなり痛くて、不気味以外の何ものでもありません。
受け様が鳥肌が立つと言っている意味が痛い程伝わってくるんです。

内容は、身寄りが無くて施設で育った受け様に養子の話が舞い込み、受け様はそれを
即承知してしまう、7歳で父を亡くし、母親に育てられたが、母親は2重の生活をした
挙句に、もう一つの家族を殺し自殺して受け様を独りぼっちにしたような設定。
でも、受け様は引き取られた施設で職員に可愛がられ、素直に健気に育つ。
そんな受け様に急な養子の話がきて、経営難の施設の為にも養子を受け入れる。
しかし、自分を養子に望んでくれた相手に会える事を緊張しながら楽しみにしていた
受け様は、竜神への人身御供と言う形で生贄にされるのです。

竜神は村人が男の生贄をよこした事に腹を立て、竜神の手足のような沢山のヘビを使い
受け様を凌辱し始める、これがかなりキツかったんです。
ヘビに嬲られ、竜神に犯され、受け様はズタボロ状態なのですが、一匹の白い子蛇との
出会いで、結界内に閉じ込められた受け様は、まだ、感謝出来る気持ちを持てる事に
気が付き、どん底のような日々を前向きに生きるようになるのです。

そして、傲慢でキチクな攻め様が、村人に裏切られ続け、閉じ込められている事を
知った受け様は、攻め様の自分への仕打ちは仕方ないことだと、竜神が可哀想だと
受け様が出来る事を攻め様相手に尽くそうとするのです。
そんな受け様の態度が攻め様の気持ちを軟化させ、二人の距離は縮まり一気に甘いムード。

そして、ラストに向けて、閉じ込められている攻め様を助けようと受け様は村人と
トラブルになり、命を落とすのではないかと思われる暴行を受けていた時に奇跡が起きる。
結界の外だから、攻め様は受け様を助ける事が出来なかったのですが、その奇跡は
受け様の母親に対するこだわりを癒してくれる内容でもありました。
そして二人は心を通わせハッピーエンドでラブラブかと思えばもう一つヤマがある。
竜神様も意外に思い込みが激しくて意地っ張りだったのかと思える感じです。
人間と神とのラブは、ファンタジーでも生きる時間が違う設定があるので、
この作品は人間である受け様が天寿を全うしたら攻め様が可哀想だとちょっと感じるけど
ハッピーエンドには違いがなく、その後の二人、受け様のにも何か神かかった奇跡が
起きて恒久の時を生きていければいいななんて思いながら読み終えた作品です。

6

人間に忘れられた神様

月東湊さんの書かれる、健気な受けが好きです。健気な受けに影響されて傲慢な攻めが変わっていくのも好きです。このお話は、好みど真ん中で何度か読み返してます。

施設にいた彰は、18歳で養子にもらわれます。不思議に思いながら喜んだのも束の間、目が覚めるとそこは広い湖の浅瀬だったのです。竜神の生贄になったと知る彰の、絶望するような日々が、その時から始まります。
そして、なぜか人間を憎む竜神。
絶望の中でも、健気に生きる彰に胸を打たれます。
一生懸命な彰の態度に、だんだん心を許していく竜神。
心を分かち合えたと思った時に訪れる別れ。それが竜神の愛情だと分かっても、切なくて涙が出ます。
竜神を諦めずに努力する彰にもキュンキュンします。

寿命が違う二人には、いつか本当の別れがくるだろうけど、それまではたくさんの幸せを分かち合ってほしいです。
最後の、彰と血の繋がらない最愛の弟の話でもウルッときます。会えなくても心が繋がってる二人に心が温かくなります。

5

いいじゃん!!

好きな設定なので、期待したい反面、
花丸文庫BLACKということで、あまりストーリーを期待しない
ほうがいいのかな?と葛藤しながら、読みましたが、
十分感情移入しながら読むことができました。
おもしろかった!

神と生贄のお話なのですが、この神が龍なので、
その眷属?は蛇。
生贄である彰は、蛇にまで蹂躙される様子があるので、
蛇が苦手な方には辛いかもしれません。
私自身、あまり好きではないので、その様子を想像するのは、
なんとも恐ろしかったです。

でも、物語には、蛇を使ったことにも意味があるように思います。
蛇は姿形から、忌み嫌われる存在。
だからこそ、彰の蛇に対しての対応から、
彰の本性というか性格も垣間見れます。

ネタバレしたくないので、うまく表現できませんが、
ラストが好きです。つい、ウルっとしてしまいました!

3

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