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表題作華は貴族に手折られる

成り上がりの男爵・速見桐梧
桐梧に買われた伯爵家次男 高塔葵 19才

その他の収録作品

  • ヨコハマ・デート
  • あとがき

あらすじ

由緒ある高塔伯爵家に生まれた葵は、
伯爵家の人間であることを誇りに思って生きてきた。
しかし、高塔家の財産が騙しとられ、
借金返済のため体を要求される葵に、援助を申し出る男がいた。
貴族嫌いで傲慢な男、速水桐梧だ。
桐梧は怖い。けれど他に選択肢のない葵は桐梧の邸を訪れる。
その夜、桐梧は「おまえの主人は俺だ」と言い放つと
葵を遊女扱いし、強引に体を開かせた。
理不尽で恥知らずな男。そう思うのに、
時折り見せる桐梧の優しさに葵の心は揺れ始め──
大人気貴族シリーズ第三弾、文庫化。
書き下ろし『ヨコハマ・デート』収録。

作品情報

作品名
華は貴族に手折られる
著者
遠野春日 
イラスト
門地かおり 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHY文庫
シリーズ
恋愛は貴族のたしなみ
発売日
ISBN
9784813041078
2.7

(4)

(0)

萌々

(0)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
10
評価数
4
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

悪人になりきれない攻め様

明治時代の華族制度真っただ中のお話で、華族に恨みを持つ攻め様と華族のお坊ちゃまで
プライド高く、強気な受け様との擦れ違いラブ。
そしてエロは遠野春日作品ならではの濃いめに仕上がっています。

伯爵家の末っ子として何不自由なく育った受け様ですが、父親が騙され、破産寸前で
海外に兄夫婦と共に渡り、受け様は父親に逆らう形で一人家に残り家の再興を考える。
しかし、借金取りにしつこく催促され、あげく、受け様を囲うと言う下種な申し出に
流石の受け様も同様してしまう。
そんな時に、父親に成り上りと貶められていた攻め様がやって来て、父親を嵌めた
借金取りよりもましだと言う思いから攻め様の厄介になるが、受け様を女のように
扱い抱かれ、更に下働きと同じような扱いを受けた後に、打って変わって伯爵家に
いたときと同じような扱いを受け戸惑う受け様。
この受け様は、伯爵家出身だけど、権力や家柄をかさにした傲慢さは全然ないけれど
攻め様の仕打ちには結構反抗的なやんちゃさもあったりして結構強い人なんです。

そんな見かけだけの綺麗な人形とは違う受け様に攻め様はすっかり惹かれちゃいます。
華族を嫌っていたのに、その華族様を好きになる。
そして受け様も初めは反発していたけど、次第に攻め様に心惹かれるが、今度は
別の事で悩むようになる、それは好きになって捨てられたらどうしよう、飽きられて
手放されてしまう事を恐れるあまり、折角近づいた距離が離れてすれ違う。
でもラストは受け様が素直になる事で、攻め様も嫌われていると思い込んでいた事が
すっかり晴れてのハッピー展開です。

4

シリアス<優しさ

シリーズ第3弾とのことですが、他未読でもまったく問題なかったです。

貴族嫌いの攻めが多額の借金に困り果てていた伯爵家次男の受けを買い、凝り固まっているであろう貴族精神を叩き壊してやろうと思っていたが、顔はいいし、予想していた鼻もちならない典型的なお坊ちゃんというわけでもなく、気付けば恋に落ちていた…というアレです。

そしてなんだかんだ両片想いでもあるのに、お互いうまく歩み寄れず悶々としながらも、本音を話し合いお決まりのハッピーエンドへと向かいます。


つまらないわけではないのですが、感情の起伏はほぼないです。
全体的に落ち着いている、というかおとなしめな話…な気がします。

にっくき貴族をめちゃくちゃにしてやるぜー!!なシリアス話を期待してはダメでした。
きちんと優しさが含まれた作品です。

ラブラブでいくんだろうな…と肩ひじついていたら書き下ろしで、攻めはこんなに魅力的だから、いづれ結婚したら自分は別れなきゃいけない…と考えている受けに変な声出ました。
いやここにきてそういうことまだ思うんか。そこは攻めの愛を信じてやれよ…。

本編のラストでは、自分の心持ち次第で周りも変わる、てなことでなんかやたら明るさに包まれ大体のことがめでたしめでたしテイストになっていたのは違和感でした。
なんでも人生そううまくいきゃぁいいのにね。

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