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表題作テミスの天秤 とある弁護士の憂い

藤巻正義,38歳,だらしないけど有能な弁護士
白石公平,28歳,大手からやってきたノキ弁 

その他の収録作品

  • 約束の半年
  • あとがき

あらすじ

上司の三上との許されぬ恋に悩み、事務所を辞めた新米弁護士の白石。ある日、三上が嫌っていた藤巻という弁護士の裁判を偶然傍聴する。――その誠実な姿勢と鮮やかな手腕。彼の弁護方針に感動し、頼み込んで一緒に働かせて貰うことになったが、法廷内とは一転、普段の藤巻はずぼらな男だった。呆れつつも彼の大らかさや意外な優しさを心地良く感じ始めた矢先、ある事件で藤巻と三上が争うことに? 二人の確執の理由も明らかになり、戸惑う白石に三上が揺さぶりをかけて…!?

(出版社より)

作品情報

作品名
テミスの天秤 とある弁護士の憂い
著者
井上ハルヲ(オハル) 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
大誠社
レーベル
LiLik文庫
発売日
ISBN
9784904835814
3.3

(49)

(7)

萌々

(15)

(21)

中立

(1)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
12
得点
159
評価数
49
平均
3.3 / 5
神率
14.3%

レビュー投稿数12

次世代の英田サキ!?これはイチオシ。

法曹モノですが、堅苦しくなく、しかしリアリティも十分にある、
コレは今年度のイチオシ作品かもしれない。

「あらすじ」は↑を見てね♪あらすじ語ってる場合じゃないから!
前回は「愛は裏切らない」で筆力あるのに無理やりな詰め込み感あって
惜しいな~と、まぁこのように思ったわけですが、今回は非常に集中力の高い良作!

オハル先生、寡作な人である。
2008年に「シュガーハイ」、2011年に「愛は裏切らない」、
そして3作目がコレとは驚いた。
人物設定や展開、エピソードどれを取っても達者すぎる!読ませます!
法曹モノや医療モノBLにありがちなディテールの弱さもない。

一方で、濡れ場も回数少ないながら、なにげに衝撃的。
コンドーム使っちゃうほど几帳面なのに、なんだろ、この充足感あふれるHシーン(笑)
下積みが相当長い人なんだろうか、オハル先生…。3作目でこのクオリティ。
文章もくせがなく、言葉の選択がうまいのでグダグダ感がない。

シャープな筆致と、会話の面白さは英田サキ先生を彷彿とさせます。
また、攻めの藤巻がありがちなズボラ弁護士なのに対して、
受けの白石君は美しくも時に毒を吐くなかなかいい性格です。
また、法曹人としての日常が丁寧に書かれているのも魅力。
それに、エッチの時には意外な展開がっ!

これは是非、シリーズ化して欲しいデス。
長編で炸裂しそうなオハル先生。

…それゆえ、オハルってP.N.で損してる気がするんだよね~。
硬質で読ませるモノ書きそうな感じじゃないですから…。

4

『新宿裏通り法律事務所』

……とでもタイトルをつけて、よく出来たドラマになりそうな物語。
読み易く、そして予想以上に面白かったです。

白石は、まだ20代の若手弁護士。
六本木の一流弁護士事務所でアソシエイト(年次の低い雇われ弁護士)をしていたが、
上司の三上との実りのない不倫関係を清算して、
三上の同期で犬猿の仲の藤巻の事務所でノキ弁生活を送る日々。

 (※ 新米弁護士が先輩の法律事務所に給料を貰って「居候」をするのが「イソ弁」、
   対して、固定給なしで軒先=机だけを独立採算で借りるのが「ノキ弁」)

場末のエレベーターもない事務所を物が探せない程散らかしまくり、
しょっちゅうそこのソファで夜明かしをするようないい加減な生活ぶり。
白石にしょっちゅう冷たくイヤミや小言を言われているが、
依頼主には誠実でひとたび法廷に立つと目の覚めるような手腕を発揮する……
三上を忘れられない白石だったが、そんな藤巻が気になり初め……

……という内容的にはベタな展開。
しかし、重過ぎず軽過ぎないリアリティを感じさせる筆致で描かれる仕事ぶりや、
比較的薄い一冊に綺麗にまとまったストーリー、と安定した気持ちの良い読み心地。

キャラは、無精髭のだらしのない様でも実はいい男で、本当は正義の味方のギャップ弁護士と
綺麗で優秀、言いたい事もハッキリ言うんだんけれど恋にだけは残念な若手弁護士、
というありがちさでで、どちらにも強い感情移入はできなかったけれど、
分かり易いながらもステレオタイプな絵空事になりすぎず、いい感じ。

途中の自慰シーンや、果敢な襲い受けであるところも好みだし、
「経験のない男は無茶をするからイヤなんです」とか、
ゴムをちゃんと用意しちゃっているところとか、
不倫に悩んでイジイジグルグルっていう設定でありながらも
ウェットにならない感じも好き。

法廷での実際の裁判シーンはなかったけれど、
一話に事件一つのパターンで良質な連続ドラマになりそう。

最後のSS『約束の半年』は、視点が代わって藤巻視点。
二人の出会いから、本編を挟んでその後のお話。
これも藤巻は可愛いし、白石は男前だし、個人的には割に萌えました。
(可愛い方が攻めで、男前の方が受けですよ、念のため!)

5

あれ?おもしろい

こういう業界物は、あまり読まないようにしています。
弁護士ものとか、刑事ものの作品だと
どうしても、設定のみになりがちで、嘘くさいのがぬぐえないんです。
なのですが、この作品、楽しめました!
オハルさんの作品は初めて読みましたが、
と~ても勉強されたに違いないと思えました。

そして!!評価が「グ~ン」と上がったのは、
誘い受け具合です!!!ドキンとしてしまいましたよ。

ずっと前の恋をひきずっていた弁護士の白石ですが、
その前の恋を思い切り、目の前の、藤巻への想いに
気づいた瞬間の襲い具合!?がたまりません。
藤巻は、オヤジといっていい設定なのですが、
こんなふうに受に迫られたら、オヤジたまらん!!ですよ(笑)

ひたむきで真面目な男、白石の「悪い男」具合がたまりません。

4

おもしろかったです!

自分も法律の世界にいるので法曹ものは興味深く読ませてもらいました!

あさっりと読みやすく、けれど薄っぺらな内容ではなく、最初はグダグダと不幸体質なのかな?と思ったら、後半は勝気な受けが憎たらしいくらい小気味よく描かれていたのが良かったです。攻めは少々くたびれていますが、儲け度外視に自分の生き方を貫いた人生観に受けらなずとも惹かれていくのに至極当然納得いく流れでした。

続編が読みたいですね!4年も前なので難しいでしょうか?
今度はもっと三上をヤキモキ、ギャフンと言わせてほしい。

2

弁護士お仕事も

井上ハルヲさんの作品が面白かったのでこちらも手に取りました。これはオハル名義の時代のものです。

ずっと続いていた三上との不倫関係を清算したくて、別れを切り出した受け(白石)と、軒下を貸しているうだつの上がらなさそうな弁護士の攻め(藤巻)。
しかし、ノキ弁として事務所で藤巻と過ごすうちに実は意外と弁護士としての資質?方向性が見た目とは違うことに気づく。
別れたはずの三上とは裁判所で出会ってしまい、戻ってこいと誘われる始末。そして三上と藤巻は同期であり因縁もある関係で…
依頼人や訴訟の話がそれなりに入っているので仕事BLとしても楽しめました。

何より、イラストが好みで、二人の絡みイラストが素敵でした。みずかねりょうさんの他の本も読もうと思いました!

0

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