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表題作寝心地はいかが?

八木沼俊治,37歳,英国帰りの投資顧問会社社長
南野圭,29歳,家具メーカーの営業社員

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

腐れ縁が断ち切れない男が、新しい出逢いで幸せを掴めるか!? ??アダルト・ラブ。

(出版社より)

作品情報

作品名
寝心地はいかが?
著者
水無月さらら 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199006968
3.5

(4)

(0)

萌々

(2)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
14
評価数
4
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

波もあるけど、ほぼ穏やかなお話。

水無月さんはそれなりに好きで読んで来ていますが・・・あらすじからして、今回はトンデモじゃないのか!?と思いつつ読みました。その通り、まったく普通のキャラクター・ストーリーでした。そして、いつもの(とりわけ最近の)水無月さんの作風とは違うように感じましたね。

『普通』とはいえ、ただのありがちではなかったです。『トンデモ』じゃないというくらいの意味で。

特に(あとがきで作家さんも言われてましたが)終盤の八木沼(攻)の選択というか思考回路が『BLでこう来るか?』と確かに意外でしたね。でもそれがこの作品にとってはよかったと思います。たぶん、八木沼はそう考えるんだろうな~、とそこまでに描いてきたキャラクターに無理がなかった。

最初のうちは八木沼が、まあひとことで言えば、落ちついて経済力も包容力もあり何かと余裕の紳士なんですが、ヘタレた(完璧じゃない)攻が何より好きな私には、言動がもういちいち鳥肌立ちそうというかむず痒くなりそうで、うわコイツはちょっとダメかもしれん・・・とビクビクしながら読んでました。

読み終わっての結論は、うん大丈夫、ヘタレだった。それも相当の。
いや、同じ『ヘタレ』でも、私の好みとは傾向というか方向がちょっと違うんですが、でも大変に情けなくてよかったです。

そして最初は、しっかりしてるのか甘えん坊で流され易いのかどうもわかりにくかった圭(受)が、なんとも男前でした。この男前は好みだなあ。
私は『口の悪い受』がものすごく苦手なんですよ。『男前』と『(口調や行動、その他が)乱暴』は別物だと思うんです。
その点、圭は私にとってはすごく魅力的な『男前』受でした。

あえて言うなら、圭の元彼・修平と絡んだあれこれは、ちょっと余計に感じた部分もあります。元彼の存在そのものじゃなくて(具体的にはネタバレにも関わるので書けませんが)ちょっといろいろと半端だったかな、と。

でも、トータルではよかったんですよ。アダルトラブというのは・・・決して間違ってはいませんが、何よりも『アダルトラブ』を期待して読むとちょっと物足りない気はします(私は特に『アダルト』は求めていないので問題ないですが)。
しっとり穏やかで淡々とした雰囲気は、確かに大人同士という感じでしたし、ハッキリした山も谷もない淡々としたストーリーなのに、静かな流れに乗って読ませてくれました。

そしてイラストがすごくよかったです。金さんのイラスト、ここしばらくどうしたの?というくらい素敵続きです。←お前ホントに好きなのか!?という感じですね。ごめんなさい、大好きなんですが。

4

二人の温度がいい

大人のラブって言葉がぴったりするような雰囲気の作品なんです。
身を焦がすような熱くなり過ぎて発火する恋や愛ではないけれど、穏やかな時間や
束縛し過ぎない家族的な関係の二人がとても素敵でした。

それに大人で包容力がりステイタスも全てが完ぺきだと思っていた攻め様のヘタレ感が
大人の男の情けない可愛さを感じてしまう感じでギャップ萌え。
受け様のクールな一面と、姉さん女房ですか?なんて思えるような相手を自分が
幸せにしてあげる、それが自分の幸せに繋がるなんて男前的な感じも良かったですね。

もちろん大人ですからエロもあるのですが、意外に青姦なんて事もしてる二人は
やっぱり恋する大人だけれど、何処か少年の様で微笑ましい。
この作品を読んでると、男性は何処か子供の部分を残しているんだろうと感じるのです。
攻め様のヘタレ気味の思考も、育った環境で己自身に早くから身に付いたような諦めが
とても切なかったりするんです、本当の愛情を知らない子供が大人になってしまい、
愛についていつもどこか臆病な一面があって、貪欲に求めきれない。
始めは大人の攻め様に甘えかかる受け様が、攻め様のヘタレ気味な感情に気が付き、
愛されていないのでは?諦められる程簡単な思いなのかと不安になったり怒ったり、
でも攻め様の本質を見つけた時に、自分が愛を与えなければみたいな受け様の面倒見の
良さが、出てきて、それが受け様自身の幸せにも繋がっているようなお話でした。

5

大人な雰囲気

今までの水無月さんのイメージとは違う作品でした。
酸いも甘いもかみわけた大人のお話で、2人のやりとりが、
何とも、大人。或る意味トレンディードラマなような。
場合によっては、安っぽく見えてしまう2人のやり取りなのですが、
そこを作品の雰囲気が補助していて、1つの世界観ができているように
感じました。

また、熱に浮かされたような恋愛ではなくて、
2人で家族になるという考え方は、誠実で、とても素敵なように感じました。

2

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