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表題作目眩

遠峰・ヤクザ
香原光一・22歳・会社員

あらすじ

その美しさゆえに高校時代から欲望の標的にされてきた世界一不幸な男!?…光一。サラリーマンになってもその不運は変わらず…。会社の上司・氷室課長、高校の先輩・三崎、そしてきわめつけは…大学時代にバイト先で見そめられ、以来、愛人関係を強いられてきたヤクザの遠峰…と、ノーマルで地味な人生を歩みたい!と願う光一にはお構いなしに、三人の男たちの彼をめぐる争奪戦は果てしなく続き…。大ブレイク中の谷崎泉が放つ、ジェットコースター・ラブ。

作品情報

作品名
目眩
著者
谷崎泉 
イラスト
藤咲なおみ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
シリーズ
目眩
発売日
ISBN
9784576005683
3.2

(23)

(5)

萌々

(3)

(11)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
9
得点
71
評価数
23
平均
3.2 / 5
神率
21.7%

レビュー投稿数9

不思議な話

萌えとかトーンを書くときに困ってしまうのですが……それ以前に攻めを書くときひとりじゃないんだけど?と思いながらメインをとりあえず書きました。
続きがあるんですが、とりあえずこの巻に限っていうと、このヤクザな攻めが出てくる前にふたりほど攻めが登場。
とにかくトラブルを呼ぶ受けで、本人は本気で嫌がっているのに男から追い回されて押し倒されてしまうと言う。
つまりどこか笑ってしまう要素が。
後書きにも最初に書いたときはもっと笑える話だったと作者が書いているので、元々はギャグだったのかも知れません。
でもこれ、シリアスな話なんですよ。
だからコメディではないけれどシュールな話ではあります。
メインの攻めが登場するのは(日本にいなかったので)中盤です。

受けは自重しろよ……と言いたいのですが、こんなフェロモン垂れ流しの受けって(笑)もしかしたらもの凄く美味しいのかも知れない、読者には。
そのせいで身の破滅する男も居たりしてすごい展開。
その中でメインの男は力ずくで受けを手に入れ、籠の鳥に。
それが嫌で逃げ回る受けですが、もちろん捕まる。

似たような話があったな……と思ったら山藍さんの「ラヴィアンローズ」だった。
受けの被害度がよく似ている(笑)

この巻はコメディとシリアスの境な感じで見ようによってはどちらとも取れる話です。
(もちろん当人達は大まじめですが)
それが次の「2」になると一転、マフィア風味のどシリアスな展開になります。

冒頭の「悲劇と喜劇は……似ている。」に思わず頷く話です。


3

続巻を読んでも読まなくてもOK

電子書籍で購入。
続編の目眩2も含めての感想です。

2000年の作品で、なんと21年前です。
ですが、違和感なくむしろ逆に新しいと感じてしまう作品。
展開が、今のものと違うからでしょうか。

で、感想ですが、続編をタイトルのとおり、読んでも読まなくてもOK。

というのは、否定的な意味でなく、このまま1巻で終わっても完成度が高く充分楽しめます。
ですが、目眩2を読むと、全く印象が変わります。
別のお話になってしまいます。
登場人物の印象も随分と変わります。

私としては、1巻のハチャメチャでありながら余韻の残る終わり方も好きな感じでOKだし、2巻の感動風の終わり方も好きな感じでOK。

どちらでも好きな方をお選びいただければと思います。

1

ハイスぺ攻め達から必死に逃げる美人受け


約20年前の作品ということで(ギャップとか凄そうで)今までなかなか手が出ず…。
表紙の絵からすでに古さを感じましたが、どうしても美人受けが読みたい!と決意し、購入。

ガッツリ総受けで、受けの容姿のレベルが高いので惚れられる男は皆イケメン金持ち。
でも受けは全員を毛嫌いして、平穏な生活を望みます。
それでも次々に現れるハイスぺ攻め。

読んでいて、爽快です。

少し驚いた点は、本命の攻めが登場するのは後半という所。

また、ここは好き嫌いが分かれそう&難点だった点がいくつかあげます。
※ネタバレ含みます。

・「エレヴェーター」「ロビイ」という言葉に少しだけ引っかかる。
・絵が古いのが最大の難点。
 見ないという方法もあるが、どんな構図なのか確かめたいから絵は見たい!というモヤモヤ。
・女性より美しい、という設定なのに絵柄が男性的、思い描く人物像とは合わない。
・登場人物の服装も少しバブリー。昭和を感じる。
・軽くアメリカに行こう、ドイツに行こうと誘う攻め達
・最初のエッチシーンは別の攻めに抱かれる。(衝撃でした)
・攻め妻子持ちでしたが、すでに二人は他界。
・受けが亡くなった妻にとても似ている顔ということで執着。
(もしかしたら次巻で変わるかも)

以上ですが、設定やお話は面白かったです。

お約束の受けがコロッと攻めに落ちることなく、一巻の最後まで抵抗し続けました。

なかなか落ちない受けに攻めたちは燃えます。
1巻では決着はつかないので次巻へ続きます。

ここまで突き抜けているのは、この時代だからこそできたことなのか…。
これだから昔の作品を漁るのをやめられない!

2

最後まで「解らない」(あるいは「不条理」)を楽しむお話、なのでは?

内容は先行してレビューを投稿された皆様が詳しく書いて下さっておりますので、感想のみを。

実際にこんな目に遭ってしまったら大変悲惨なわけなのですけれど、読んでいてそこはかとなく可笑しいと思っちゃうのは、登場人物を突き放した視点があるからなんじゃなかろうか、と思ったりしました。
どんなに焦っているシチュでも、なーんとなく俯瞰しているんですよね、光一クンは。
だから私も傷つかない。「陵辱強姦」なのに。
で、読み終わっても「解らない感」がたっぷり残ってしまう。
すっきりしない。
「光一!それでいいのか?」と大声で叫びたいような、でも、この結果が必然であったような、変な気持ち。私はこの「変な感じ」が残るのが、谷崎作品の骨頂(のひとつ)なんじゃないかと思ったりもしています。

こんなに突き放されているので、ストーリーにもキャラにも萌えませんが、この話のあり方が私にとっては萌え萌えでした。

1

攻め様たちストーカーです

フェロモン垂れ流し状態の受けが、逃げても逃げても俺様攻めたちにストーカーされ、無理やり犯され…ひたすらそういう話です。
悲劇の主人公なんだけど、テイストは甘いです。感じやすい身体を持ってるからセックスそのものは気持ちいいこと、攻め様たちがみんなイケメンで金持ちで愛に満ち溢れてること、などなどのせいで。これ実はたいして不幸じゃないよね~と言いたくなる感じ。

個人的な趣味としては、もうちょいコメディ寄りに作って欲しかったです。あとがきに、同人誌ではギャグ小説だったと説明がありましたが、随所にその名残りがありました。
あるいはもうちょいしっかり「受けの不幸」を描いて欲しかったです。たとえ捕まっても怖い目に合わされるわけじゃないのが分かってるから、追いかけっこの最中もいまいちハラハラしないというか。

でもモテモテ受けです。
受けに成りきって読めば楽しいと思います。
嘆きつつ、金持ちイケメン(みんな俺様ですが)から逃げ回る気分を味わうには最適のお話じゃないかなと思います。

4

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