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表題作個人秘書

個人秘書を雇った社長 深澤久嗣・31歳
公安の潜入捜査官 久世義嗣(草間柊一)

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

警視庁公安部に刑事として勤める草間柊一は、
久世義嗣という名前で議員秘書として潜入捜査をしていた。
ターゲットは深澤トラストホールディングスの社長、深澤泰久。
惚れ惚れとするようないい男だが、黒い噂が絶えない男だ。
草間は深澤の亡くなった秘書が持っていたあるものを
手に入れなくてはならなかった。
深澤と知り合い、彼の個人秘書として働くことになったものの、
深澤から一目惚れだと宣言され!?
男同士の恋だから、手強ければ手強いほどいい──
追う男と追われる男と、プライドをかけた駆け引きが始まる!

作品情報

作品名
個人秘書
著者
高岡ミズミ 
イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
ワイルド&セクシー
発売日
ISBN
9784813012498
3.3

(18)

(2)

萌々

(5)

(8)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
57
評価数
18
平均
3.3 / 5
神率
11.1%

レビュー投稿数7

男×男って感じがめっちゃする!!

言わずもがな奈良さんのイラストにホレボレ~なジャケですが
内容もすんばらしいです!!

潜入捜査の為に名前と身分を偽り、対象に接近する草間が
施設で育ったこともあり恋愛を必要としない生き方だったのに
ターゲットの深澤に出会って彼を知るごとに徐々に揺さぶられるお話です。
草間が、“久世”という男を演じる時の“さわやかで誠実でスマートな男”設定も魅力的でしたが
深澤の前では久世を演じきれない場面もあって…。
その深澤も若いながら堂々とした社長で
仕事に妥協は許さず弱点などどこにも無さそうな完璧な男かと思いきや
受けた恩は決して忘れない律儀さと情を持ち合わせているので
“久世”の仮面が剥がれかけるのも仕方ないですよね。
そしてナチュラルに口説くのも様になっていますが
ゴリ押しはしないでちゃんと意思を尊重してくれるところが素敵…!!
しかも草間が許可したのに一夜目のベッドで挿入しないんですよ!?
何日かに分けてしっかり後ろでの快感を教え込むとかいやらしい!!!
不本意ながら抱かれなければならない為、さっさと終わって欲しいのに
そういうところも見透かしていたのかな。
草間は恋愛はしてこなかったけど体だけの(それも一度きり)関係は男女ともにして来ましたがタチで可愛らしい華奢なコが好みだったらしいのに
そういう男が組敷かれて喘がされる作品をありがとうございます!!

草間が事件で負傷して全快祝いをする時に、
どうして高級ホテルのディナーと部屋をとってある事が彼女扱いで癇に障ったのかな…??
草間だってもうちゃんと抱かれてもいいと思っていたのだったら
問題無くない…??って私は思ってしまったんですが私の感覚がおかしい…??
付き合うって言ってないのにそういう扱いが嫌だったのか…。
ゴルフの練習だって、草間といられるなら半分以上口実でも良いと思ったんだろうし。
そんなに怒るところでもないような気がしてしまったので
神に近い萌×2評価です。
深澤が可哀想だったもので…。
でも本当にこういう駆け引きめいた関係から結ばれるお話大好き!!!

5

背負い投げ一本!

 今月は自分の中での男前受け強化月間(いつもやがな)のため、それらしき匂いのする作品を片っぱしから読みあさっていたら、すごい受けに出くわしました。前作「ワイルド&セクシー」で、受けの一宮を熱心に口説いてた、攻め桐谷の同僚久世こと草間がなんと本作では受けに。もともとバイで男相手ならバリタチで、抱いたときに腕の中に納まりのいい華奢なのが好み。ガタイもよく、警察官という仕事柄鍛え上げられていて、180越えの偉丈夫の攻めと並んでも一歩もひけをとらない。それどころか、甘えてじゃれついてくる攻めには背負い投げを喰らわす、まったくアッパレな受け様なのです。

 草間は公安の潜入捜査員。過激派がらみの重要な情報を入手するため、身分を偽って投資会社社長・深澤に接触を試みるが、逆に秘書としてスカウトされる。「一目惚れだ」と臆面もなく言い放ち、「口説く権利をくれ」と間合いを詰めてくる深澤。「お前に抱かれる日なんて一生こない」と内心舌を出しつつも、草間が引き抜き話を受けたのは、情報入手に好都合だったからだけじゃなく、彼との駆け引きが退屈な日々にたまらない刺激を与えてくれそうだったから。ほどなく草間は深澤の個人秘書として、公私とも深く彼と関わることとなる。

 学生のころに起業し、31歳のいまではいくつもの会社を傘下に収め、若き敏腕経営者として名を馳せる深澤。ビジネスの場ではしたたかで冷徹な貌を崩さないが、ひとたび自分が見込んで懐に入れた者に対しては平気で無防備になる。致命的に寝起きの悪い深澤を、毎朝たたき起こして手ずからネクタイを結んでやり、その癖っ毛を梳いてやり、ぐずれば容赦なく叱り飛ばす草間。いつしかその作業を楽しいと思い始めている自分に気づき戸惑う。おりしも偶然深澤に自分の正体を知られ「口止め料」として身体を差し出す決意をする――

 施設育ちで天涯孤独の草間。公安の捜査員としてそれはむしろ好都合だったし、淋しいとか人恋しいという感情ともこれまで無縁だった。性欲処理なら後腐れのない相手を選べば済んだし、一生恋愛なんてするつもりはなかった。なのにどうも深澤相手だと調子が狂う。「一目惚れ」だとかうそぶいてたくせに、差し出した草間の身体にガツガツ飛びついてくるわけでもない。じわじわと少しずつ暴かれ、馴らされ、快楽を覚えさせられて、今日こそは最後まで・・・と恐れと期待の入り混じった複雑な思いで待っているのにまたも寸止め。「これ以上お預けするならこっちが突っ込んでやる!!」心の中で息巻く草間。対する深澤はどこまでも自然体で・・・

 そう、この深澤が、超ハイスペックな帝王キャラのわりに、恋愛面ではいい意味で平凡というか、ごくまっとうな感覚の持ち主だったのが草間にとっては運の尽き。好きな人とはもちろんセックスもしたいけど、朝まで腕の中で抱いて眠りたいし、たくさん名前を呼びたい。一緒に食事して、いろんなとこ行って、たわいない話をして過ごしたい。口止め料とか取引だとか、むしろ草間の方がひとり焦って空回りしてただけで、深澤の側には端からそんな意識は薄かった。そして気付けばすっかりその手管もなく真っ向から向けられてくる真摯な情にからめとられてしまっていた。

 最後のエッチでようやく一線を越える2人。ここで草間の男前受けの面目躍如です。腹を括って「あんたを食わせろ」と自分から積極的に仕掛けてゆく。さすがにここまでくると深澤も獰猛な雄ライオンの本性を発揮して、思うさま草間を貪り尽くしたので、すぐに後悔する羽目になったかもですが。

 公安のお仕事モノとしては、肝心の事件の方があっさり片付き過ぎていささか物足りませんが、攻め×攻めのガチ対決は歯応え十分。イラストも、前作が朝南かつみ様ゆえ、人選に難しいところはあったでしょうが、久々に気合の入った奈良千春さんの職人芸を堪能させていただきました。特に表紙!!ギリギリまで色味の抑えられた背景に浮かび上がる2人のタイプの違う色男。タイトル「個人秘書」の「秘」の文字のピンクだけが妙に淫靡で効いてました。

4

ライオンvs豹

11年に朝南かつみイラストで出た『ワイルド&セクシー』のスピンオフですが、前作を読んでなくても全く問題ないほど独立しています。
今回、おや?と気がついたのが奈良さんの絵がまた変わった感じに見えること。
鋭いとんがったイメージが弱くなって、若干の柔らかさを感じ、裸体の描写に影がはいり肉体表現に生々しい感じが。
作品に会わせて変えてられるのかもしれないですが、また雰囲気が違って素顔を隠す主人公とか、ライオンと豹というイメージが周到されていたんではないかと?

さて物語のほうですが前作、テロに関する捜査というシリアスな土台がありそっち路線かと思ったら結構恋愛に重点が置かれて軽いノリのお話になったという意外さがあったのですが、この作品も?
最初シリアスに始まるので、今度は大人な駆け引きのずっとシビアでシリアスな展開を見せるのかと思いきや!
主人公の仮面がはがれると同時に、これってコメディ?な様相を呈して案外に事件は軽くあっという間に終わってしまう(!?)
これもまた恋愛に重点を置いた、攻め×攻め のキャラクターがユニークだったんだ。。。と、始まりと終わりの印象がガラっと変わる驚きの一冊でした。

警察にかかったある電話のタレ込みがきっかけで公安の潜入捜査員の草間に与えられた使命は、その電話の主(事故で亡くなる)が仕えていた会社社長・深澤へ接触し、何らかの亡くなった主(深澤の個人秘書だった)が遺したものを探ること。
運よく、深澤に「一目惚れした」と言わしめた草間は、久世義嗣と名乗り深澤の個人秘書となることになります。
見た目の色男加減と肩書と相反して、子供のような面、現在の地位に昇るまでの過去、そんな深澤の顔に、かき乱され口説かれ、次第に草間は装っている別人格と本来の自分の人格との境目があいまいになって危機感を覚えるのですが、
そんな時、草間への脅迫がきっかけであっけなく負っていた任務は遂行されて、深澤の元にいる必要もなくなるのですが・・・

実際のところ、ここからがヤマなんでしょう。
もう草間は自分を装わなくてもいいのですし。

最初の登場場面では彼はかなり自分を作り込んでいたというのですが、深澤がやんちゃなキレ者というより、朝が起きられない、そして髪の毛にコンプレックスを抱えていた、言い方おかしいですが”かわいい”男だったというのが、草間のペースを乱させる一因。
そして最初に個人秘書にと声をかけるとき「一目惚れ」と言っていたように、ほんとうにそうだったんで割と彼がストレートで裏表のない性格だったのが、物語展開を複雑にしなかった一番のミソでしょうね。

前作が題名通りにセクシー路線でお色気もありましたが、今回はかなりスローペース。
何と言っても、バイではあるが挿れたいほうで挿れられたいとは思っていない主人公。
また深澤もバイではありまして挿れられる方とは思ってないみたいだし。
でも、そこで攻防するんじゃなくて仕事の条件があるから譲歩する立場の草間が受けになるという、仕方なし設定があるから攻め×受けになるのですが、
そこんとこ、深澤はとても慎重で優しかったんだと後後になって気がつきました。
いきなりタチの人に挿れてもね~w
「好きなモノは最後にとっておくほうだ」そんなセリフとともにじっくり時間をかけている、これも優しさですよね?

帯にも攻め×攻めと書かれていますが、そちらを大いに期待するとちょっと違うかな?という感じがします。
そして始まりと終わりでかなり雰囲気が違うこと。
結果としてやはり恋愛重視の多分軽めのお話だったと思います。
この展開の二面性を良しとするか否とするか、しかし意外性もまたおもしろかったのでは、と思うのでした。

6

二人のいい男を覗き見る快感

電子書籍で読了。挿絵あり。あとがきあり。

『久世が深沢のネクタイを締めてやっている部屋の中の様子を覗いているかの様に鍵穴から見える』という表紙絵の格好良さに惹かれて購入。前作は読んでいませんが楽しめました。

いつもは簡単なあらすじ紹介をするのですが、このお話に関しては「いらないかな」と思います。
「このお話のキモは『すじ』なんかじゃない」と私は思うからです。
「じゃあ何がキモか?」と言えば「いい男を鑑賞するお話」とお答えしたい。

ここから盛大なネタバレです(ネタバレ後でも、お話の魅力は全然褪せないと思うんですよね)。
『恋なんて二の次で、公安の潜入捜査官という仕事で成果を上げたいと思っている久世が、如何にして仕事を辞めて深沢の個人秘書となってしまうか』についてが描かれていると思うんですね。
だから「ああ格好いいな」「あら、素敵」「やり手のくせに可愛い」などと、うふうふしながら読みました。
奈良画伯のイラストがまた、非常に二人のキャラを描き出しているんですね。目の保養としても白眉!
読み終わってから「朝南かつみ画伯のイラストだったら、どんな風だったのかな」と思ってしまって、ちょっとだけ悲しくなったことを除けば、大変腐女子心が刺激される萌え本だと思いました。

6

蓋を開けたら可愛い男

前作のワイルド&セクシーのスピンオフ、前作でも濃いキャラ達が出ていたと思っていて
やっぱりスピンオフが出るのも頷けるシリーズ、ただ、イラストに関してはやはり残念。
奈良さんのイラストも素敵だけど、朝南先生の作品のイメージが強かったので、
余計に残念だと思ってしまいましたね。

それでも、作中の挿絵などを見ていると、今回のストーリーには、主に攻め様ですが、
天然パーマ気味の髪の毛なので、その雰囲気がぴったりな感じでもあります。
今回は、どちらが攻めでも違和感が無い、逆に攻め様が受けでも違和感が無いし、
リバでも行ける組み合わせ、それに攻め様のプライベートで見せる顔が子供みたいで
なかなか可愛いのですよ。
攻め様を表す動物がライオンで、受け様が豹、まさに二人のイメージぴったり。

公安の受け様が攻め様の元へ潜入で入り込む、攻め様にも色々黒い噂があるなんて
設定なのですが、蓋を開ければそんなことは無くて、受け様の疑り深さのせいで
余計に推理ものかと思ってしまう所ですが、意外に人情的な内容だったりします。
恋愛なんてくだらない、冷めすぎていた受け様が始めて攻め様に恋をする。
攻め×攻めの恋愛は、でも一筋縄ではいかない、やっぱり受け様としては対等な男同士、
恋人に甘くするようなジャレ雰囲気ってイメージでないから、ちょっとした事で
やっぱり付き合うのは無理だと思ってしまったりする。
しかし、攻め様のその後の行動はやっぱり可愛らしいと思える、受け様宛に毎回自分の
バースデーパーティーへの招待状を受け様の住むマンションポストに忍ばせるなんて
どこの乙女なんだと言いたくなる内容だけど意外に楽しめました。

5

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