全寮制の賀来宮学園に転入した祐哉。そこは“卒業"が生徒を囚える闇の学園だった…

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表題作二人の獣が棲む教室

学園の風紀委員 凪
両親を亡くし学園へ追いやられた高校生 仰木祐哉

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

両親の死により全寮制の賀来宮学園に転入した祐哉。
だが、早々に風紀委員兼寮長の凪に敵意を向けられてしまう。
裕福な子息たちが通う賀来宮学園――偶然にも幼馴染みの彬と再会を果たすが、生徒たちは凪と彬に、そして“卒業"という言葉に怯えていた。
“卒業"の意味する学園の闇が祐哉に近づく中、自分を守ろうとする凪の行動に戸惑う。
一方、変貌してまった彬の憤怒の矛先は……。
祐哉、凪、彬が迎える結末とは! ?

作品情報

作品名
二人の獣が棲む教室
著者
柚原テイル 
イラスト
香林セージ 
媒体
小説
出版社
イースト・プレス
レーベル
アズ・ノベルズ
発売日
ISBN
9784781609287
2

(3)

(0)

萌々

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(0)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
3
評価数
3
平均
2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

びっくり学園!?

幼馴染(といっても過去1度会っただけの淡い思い出)再会と、学園の秘密といったサスペンスを融合した、学園物語?
なにより、超がつくビックリ設定が出てきて、逐一「おいっ!」と突っ込みまくりで、ラストに至っても「おいおいおい~!」のおい×3乗という具合に、なかなかにぶっ飛び設定が笑っていいやら、これはこれでいいのか、と思うやら、複雑な気持ちになり、あげく笑い事で済まないはずなんだけど、いや、これファンタジーだからって自らに説得せねばならないこの・・・
読み終わって、たしかに、二人に幸あれ~ではありますが。

外交官だった父親と母親の両親を飛行機事故で亡くして以来、親類の家をたらいまわしにされること4度め。
伯父により、全寮制の一貫教育学校の賀来宮学園に入れられた祐哉。
教師に紹介されたのは、模範生徒であり生徒会を持たない学園のトップ生徒である風紀委員の凪。
首を絞めるようなとても冷徹で理不尽な態度に怯える祐哉の前に現れたのは、5歳の時1度だけ祖父の薔薇園で出会い一時を過ごした思い出の少年・彬でした。
しかし、翌日突然、前日祐哉に親切にしてくれた生徒が卒業すると先生に言われ、一体?と疑問に思う祐哉に、彬はこの学園の謎を話すのでした。
親切な彬に懐き、厳しい凪を避け、
そんなある日、祐哉がカンニングをしたとして生徒の目前で凪に抑えつけられ、先生に体の隅々を点検と称して恥ずかしい事をされる辱めを受ける祐哉。
そんな彼に凪はお仕置きと称して彼を襲いながら、ある事を祐哉に告げるのです。
一体味方は凪なのか?それとも優しい彬なのか?
学園の秘密が暴かれるとき・・・

ネタバレしない程度にあらすじを書くとざっとこんな感じですが、
この学園の正体というのがアレです!
生徒は皆人質のようなもので。
担任の枡方という教師と、最初に理事という男と、大人がそれだけしか出て来ないので不思議な学園で、
それに生徒も、主人公達を遠巻きに見守るだけで最初に卒業させられた橘という少年だけで、あとは誰ひとり関わってきません。
授業中に、尻の穴だの尿道だの生徒の目前でやるっていうぶっ飛び設定にも驚愕ですが、
なにより、結末!エンディングです!!
いや、彬どうしたんですか?
罪のつぐないとかはいいんですか?
犯罪に加担してたんでないですか?
これでいいのか?未成年な終わりに、ハッピーエンドではあるけどモヤモヤモヤ~
途中文章間違ってるところもあったし、
何か、ドラマティックサスペンスが滑稽に見えてしまって、滑稽でぶっ飛びすぎてこれはこれでアリ♪っていう場合もあるんですが、
いかんせん犯罪だし、ちょい、これでいいのか?感が先だってしまってその滑稽を楽しむどころでなかったのが正直なところ。
彬と凪の過去も結構要素としてはいいものがあったので、犯罪なんてグローバルにせずに学園内でちんまりとトラブルや争いのほうが、感情移入して楽しめたかも?という惜しさが先だってしまいます。

3

てんこ盛り

学園ものでサスペンス仕様プラス幼い日の出来事に家庭環境をプラスして
ミックスシェイクした挙句にしっかりいただく前にぶちかましてしまった感じ。
話が大きくなり過ぎているのに、この1冊でまとめてしまった事で、折角の内容が
どこか物足りなさを感じさせるし、無理やりにハッピーエンドに持って行ったようです。

舞台はお金持ち子息が通う閉鎖的な学園、さらに両親がいない子供には里親を
斡旋している慈善事業も盛んな学園、これだけ聞いても胡散臭いですよね。
この手の作品を愛読している方なら何となく方向性が見えて来るのではないでしょうか。
そんな学園に両親を亡くし、叔父に無理やり排除されるように学園に入れられた受け様。
親戚をたらいまわしにされ、邪魔者のように学園に入る事になる。
そこで初めに出会うのが学園の風紀委員と言う攻め様。
出会いから剣呑な雰囲気を醸し出している攻め様で、更に転校初日に暴力的な行動を
起され、何故なのか疑心に感じながらも、そこに幼い時に一時だけ同じ時間を過ごした
友人、彬と再会して助けられるが、それがそもそも仕組まれていた出来事だった。

学園自体がある犯罪組織的なもので、そこへ未成年の子供が入れられ、
被害者的な子供が加害者にもなってしまい、心が病んでしまうなんて言うオチですね。
攻め様と兄弟で、受け様の幼い日の友人だと思っていた彬は、事件が明るみに出た後
どうなってしまったのかも不明だし、攻め様も何があって受け様の所に来れたかも
今一解らないし、無理やり駆け足でハッピーエンドにしてしまいました的でしね。
1番メインなのは、受け様と攻め様の幼い日の思い出で、その事があったから攻め様は
心まで闇に染まる事はなかった・・・なんて事なのでしょうね。
ちょっとモヤモヤが残る作品だった気がします。

2

この手の話は好きなんだけどなぁ…

2013年刊。
ちるちる内の評価はいまいちながらも、何となく読んでみたかった一冊を電子書籍にて購入、幸いにも挿絵付きだった。
待っていたのは単なる全寮制男子校ものではなく、逃げ場のない隔離された中でのきな臭さ漂うトンデモが仕込まれていたのだった…(-_-)

う~ん、ネタばれ伏せ前提で最後まで読まないと攻めの正体が掴めないとか、どんでん返しが仕込まれてそうな展開とか、この手の話って大好きなのだけどなぁ…
いざ最後まで読んだ後に幾つかの疑問点が残るところからして消化不足なのが否めない。
仰天な悪事が暴かれるまでの経緯がすっきりしないし、表紙の三人のうちの一人は最後どうなったか分からないまま消息不明だなんて居たたまれない。

三人のキャラクター祐哉、凪、彬に感情移入できなかったのも痛手だなぁ…
エッチシーンも頑張って入っているが、祐哉が怖がっていているようでいまいち盛り上がれる状態ではない。
おまけに祐哉が教室内で裸に剥かれ教師のセクハラに遇うシーンは、いじめを彷彿とさせられて読んでいていい気がしなかった。

ハッピーエンド前提なのは有難いが、駆け足気味の展開だったのは拭えないかな。

1

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