寮でルームメイトの吉井有也と二ノ宮荘士は内緒の恋人同士。しかしある日、荘士が事故に巻き込まれてしまい…!?

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作約束

二ノ宮颯,高校→美大,有也の高校時代の恋人
吉井有也,高校→専門学校生,カフェバーのバイト

その他の収録作品

  • 約束~夏の章~
  • 約束~冬の章~
  • あとがき 可南さらさ
  • あとがき 六芦かえで

あらすじ

誰とも馴れ合わずクラスで浮いた存在の吉井有也と、学年の人気者二ノ宮颯。相反する2人は、実は寮のルームメイトで恋人同士。誰も知らない密かな恋だったが、ある日突然、颯が事故に巻き込まれ、その後遺症で有也との記憶を無くしてしまい――! ?過去の記憶を無くした青年とその恋人だった青年の切ない再会愛。

作品情報

作品名
約束
著者
可南さらさ 
イラスト
六芦かえで 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
告白
発売日
ISBN
9784796404129
4

(72)

(35)

萌々

(22)

(5)

中立

(3)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
11
得点
281
評価数
72
平均
4 / 5
神率
48.6%

レビュー投稿数11

切なくて胸が苦しい…

高校の寮を舞台にした第一話+数年後の再会を描いた第二話から成るお話です。分量的には同等ですが、第一話はまるっとプロローグで第二話がこの物語の本編になっていると思います。第二話…あまりの切なさに胸が苦しくなり、休憩しながら読みました。ふう。

前半は学生寮を舞台にしたお話。人嫌いの吉井と世話焼きの二ノ宮が出会い、恋をする様子が甘く描かれています。後半では少し大人になった二人が再会し、探り合いながら交流を深めていきます。

BL作品に限らず、記憶を失くしてしまった恋人との再会という設定自体は珍しいものではないけれど、現実には遭遇しえないシチュエーションなので、どうやってハッピーエンドに持っていくかが難しいと思います。いわゆるドリーム展開を盛りに盛って終わらせることも可能だと思いますが、この作品はそういうことはなく、現実を受け入れて前を向いて進んでいく二人がとても良かったです。あと、ちょっとした役割を果たすクラスメートがとてもイイ奴で好きでした。

風景の描写が多く、吉井が思い出す過去の二ノ宮の様子や転換点となるシーンがとても色彩豊かなので、映像で見てみたいと思わせる作品でした。こういう作品に出会えると、BL小説が好きで良かったなぁとしみじみ思います。

ちなみにこの前半の舞台になる学校と学生寮はシリーズものですが本作だけ読んでも問題ありません。むしろ前作とはテイストも展開も全く違うので、前作が趣味に合わなかった方にも手に取ってほしいです。私はたまたま前作から続けて読んだのですが…諦めずに本作を読んで良かったです。本当に。

12

路傍の石…からの妹背鶴

王道で切ない恋物語です。

高校時代、ルームメイトであり恋人同士だった二人がある日突然引き裂かれてしまい、片方は事故により記憶喪失となる。そして、四年後偶然の再会を果たしまた恋をするという…わりとベタなお話ではありますが、私は好きです。

とくに好きなシーンは
“自分がいなくても幸せだった、なんて聞きたくなかった”
と、有也がバス停で立ち竦むところ。
好きな相手の幸せを願いたい気持ちはもちろんあるけど、結局のところそれはきれいごとで、できることなら“自分がいるからこそ、幸せ”と言って欲しかったんだろうな、と。

健気でピュアな受けに弱い私は、『飛んでいきたい』という場面でもらい泣きしましたわ。
颯の記憶は最後まで戻らなかったけど、記憶が戻ることよりもまた同じ人に恋する事の方が奇跡だと思います。
可南さんの作品は、やっぱりいいですね。

6

甘くて、切ない

甘くて切ない雰囲気の作品です。後半と特に、切なくて胸がギュッと締め付けられる思いもしましたし、涙がポロリとこぼれてしまったシーンもありました。
派手なエピソードなんてありませんが、心理描写に心が揺さぶられていきます。相手を思いやる心が美しいと思います。
有也のツンデれっぷりが本当にかわいいですね。つんつんしていた子がほだされ、心を開いていく様子がたまりません。
三角関係なのに、ドロドロにならなくてよかったです。ドロドロも嫌いではないし、その設定により得られる感情もありますが、あまり不幸な人間ができてほしくないので。
一番好きなシーンは、二人がファーストキスをするシーンです。思わずキャーと叫びだしたくなりました。
甘酸っぱく、切ない感情がたくさん詰まった宝箱のような小説です。ぜひ読んでみてください。

4

切ない純愛に涙(;つД`)

大好きで、何度も何度も読み返しちゃうお話の1つです。

 受け様の有也は、高校時代、寮で攻め様である颯と同室になる。
石ころのように、と自分の殻にとじ込もって、他人と親しくならないように振る舞う有也に、気にする様子もなく、くったくなく接してくる颯。
優しく触れてきて、何気ない優しさとまっすぐな好きという気持ちと言葉をくれる颯に、有也は少しずつ惹かれていく。
夏休みに帰省中の颯を訪れて、有也はやっと「好き」と告げる事ができて、これでやっと晴れて相思相愛。
すぐに帰る、と約束して別れたのに、颯が事故にあい、その約束が守られることはなかった。

 ここまでが前半の高校生だった2人の夏の章。
頑なだった有也が颯に気持ちを寄せていく様がまさに純愛できゅん(*´∇`*)
残された有也が部屋に1人でぽつんと佇んでいる様子が思い浮かんで切ない(ノ_<。)


 その後の冬の章では、あの頃から4年後に2人が再会してからのお話。
事故のせいで、有也と過ごした高校時代の2年程の記憶が抜け落ちている颯。
有也と再会した時も、颯は有也を覚えていなくて、有也だけが動揺していて。
ごく普通に接する颯の態度が悲しい。

打ち込める好きなこと、気のおけない仲間たち、綺麗な婚約者。
自分がいなくても幸せに笑ってる颯が、嬉しいけど苦しい。
そんな気持ちを抱えた有也が、もうね〜(;つД`)
有也の苦しくても捨てきれない恋心、きらきら幸せな高校時代を思い出すにつけ、切ないったらありゃしない(T_T)

 そして、有也のことが気になって仕方がない颯。
ちらちら有也の様子を伺ってる感じがいい。


恋をしなおす2人の純愛ストーリーにきゅんがあふれて、何度も読み返しちゃいます(*´∇`*)

2

ありきたりだけど切なくて甘い

記憶喪失モノでありきたりな展開なんですが、好きな気持ちが切なくて思わずウルって
きたりもするお話でしたね。
個人的にもしかしたら涙もろいのかもと思う所ではありますが・・・。

内容的には高校の同級生同士で同じ寮の同部屋の二人が主人公たちです。
受け様は男好きのスキャンダラスに塗れた三流女優の隠し子と言う事で幼い時から
いい加減な母親にさほど愛されず、更にその母親のせいでマスコミに追いかけられ、
そのせいで、受け様は人と接する事が苦手で、自分のせいでトラブルに巻き込まれる人が
出るのも嫌だと言う思いからいつも一人でいた高校時代。

そんな受け様と同室になった品行方正で誰にも好かれるような攻め様と初めは自分に
構ってくる攻め様を拒絶気味にして、避けていたのに、攻め様のそれでも懲りない性格や
明るくて誰にも好かれる攻め様にも亡き兄と実母との過去のこだわりがあることを知り、
急速に二人の関係は近づき、攻め様に好きだと言われ、戸惑いながらも恋人に。

攻め様との出会いで受け様は少しずつ明るい方へ変わって行くのですが、そんな幸せは
攻め様の事故で失われてしまう事になります。
そのまま4年も逢う事が無かった二人は偶然受け様のバイト先で再会するのですが、
攻め様は高校時代の記憶を失くしていて、受け様はそれを知りショックを受けるが
攻め様が生きていてくれたことが嬉しいと、攻め様が忘れていても自分の思いは今でも
変わらないと思っていても、攻め様には4年の間に婚約者もいる事が分かり、
受け様は攻め様の幸せを願って離れようとする。

高校時代と同じようなセリフが攻め様の口から出るたびに、受け様の切なさや苦しさが
伝わってくるようでしたね。
再会した時に攻め様は受け様を忘れているけれど、友達付き合いをするようになって
攻め様自身も記憶が無いのにどこかで受け様が気になる感じも伝わります。
結果的には記憶は戻らずに同じ相手に再び恋をする内容なのですが、
個人的にはありきたりでも王道でも番外編でもいいからいつか記憶がよみがえる奇跡を
読んで見たいと思ったりしました。
記憶が無くても再会して再び恋に落ちる、ウルウル切なくさせてくれるお話でした。

8

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP