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表題作黒太子の純愛

マクシミリアン,24歳,エストラーダ国の王子
藍原有里,31歳,絵画修復士

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

絵画修復師の藍原有理の元に、エストラーダ王国から大きな仕事が舞い込む。そこはかつて有理が愛し、けれどやむを得ず捨てた男がいる国だ。依頼を断りきれずエストラーダに渡った有理を空港で待ち受けていたのは、世継ぎでありながら国民の評判は最悪な問題児、マクシミリアン王子――五年前、有理と愛し合った青年だった。別れの真実を知らないマクシミリアンは権力を使って有理を手に入れようとするが……。

作品情報

作品名
黒太子の純愛
著者
高尾理一 
イラスト
宝井さき 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778114237
2.7

(13)

(0)

萌々

(1)

(8)

中立

(4)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
32
評価数
13
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

年下ワンコ、この恋に命懸け

外国の皇太子と日本人の一般人の組み合わせ。
普通だったら、回れ右する組み合わせです(汗)ラブ甘?それともアラブ的?滅茶おとぎ話のファンタジー?受けちゃんがナヨナヨだったらもっと嫌だ。
しかし、好き作家さんなので作家買いしました(涙)
で、どうだったか・・・このエンドがあるから!簡単なデロ甘メデタシじゃなかったので、とてもほっとしました。

父親も絵画修復の工房を持ち、自らも海外で勉強し資格を取り修復士として活躍している有理の元へ、エストラーダ王国から王家の美術品の修復依頼が舞い込む。
半分脅しのようにされて行くその国は、実は有里にとっても最も憂鬱で会いたくない人がいる国。
その相手とは5年前イタリアで出逢い2ヶ月間恋人でありながら別れた相手=エストラーダ王国の第一王位継承権を持つ王太子マクシミリアン。
彼を避けたい有理と、まだ彼に未練があり思いを訴えるマクシミリアン。
しかし、有理には避ける理由があったのです。

この有理が避ける理由というのが二人の一番の障害です。
王子と一般人、ましてや男同士ですから予想はつきますよね。
しかもその障害には、マクシミリアン本人の生まれや評判といった彼自身の問題も絡んでいたのです。
本当は別れたくて別れた5年前じゃなかったというのがミソです。

しかしながら、その5年前。
二人はほとんど一目惚れのような形で関係をもってたった二ヶ月過ごしただけなのですが、それは運命の恋・・・でいいのかな?
しかし、それによってマクシミリアンは変わることが出来たというから、彼にとっては成長材料なのでしょう。
割とわかりやすい内容なので、色々は伏せておきます。
読んでからのお楽しみ・・・♪

有理は以外に健気だったんですね。
一見意地っ張りかとおもえたのですが、その理由がもちろん自分が大事というのもありますがそれは同時にマクシミリアンを思いやってという部分もあるから。
誰だってあんな脅しをされたら怖いですし、正体を知ってしまったら身を引きますわね。
マクシミリアンは有理がいなくなった理由を知らないから、どうして?どうして?と理不尽に思う。
だけど恨んではいないのです。最初は強引にしちゃうけど、あとはちゃんとしてたしw
だから、有理に襲った災難の理由を知ったらもう彼はとても潔かったです。
やっぱりここまでしてほしいよね~男前♪
・・・と思ったのですが、やっぱりワンコでした。
その後の二人の様子が楽しくて。
こんなラブ甘なら、全然OK。

ということで自分的危惧を回避して、とてもわかりやすい展開ではあるけれど、男前決断があったことが気持ちよかったのでした。
宝井さきさんのイラストもよかったです。
マクシミリアンの秘書のアルフォンスがメガネでね~いい感じです。
作中もしや、彼の嫉妬とか陰謀とか?と疑える部分もあるのも話をベタにしてなくてよかったのです。




4

折り合い

王子の押せ押せな純愛でした。
高尾さんは好きな作家さんですし、
ストーリーも面白く読ませてもらいました。

絵画修復士の有理は、ある国から仕事を依頼できる。
その国には、有理が5年前に恋愛して、
手ひどく振った王子、マクシミリアンがいるのでした。
この振った理由というのは、有理はマクシミリアンが王子という立場
ということを知らずにいたので、隠されていたことに憤ったのと、
また、王子という立場であれば、自分たちに未来はないと感じたこと
そして、別れなければ、修復士として働けないように
腕を傷つけられると脅されたかたでした。
そんな理由があった別れであったとは知らないマクシミリアンは、
有理に熱心に愛を告げるのでした。

王子と一般人の恋愛ということで
王子という身分が高い人がどうやって一般人(しかも男)
とくっつくのを許せる環境に持っていくかがポイントに
なると思います。その持っていき方、折り合いの付け方が、
納得し難かったです。

色々楽しい要素が入っていると思うのですが、
折り合いが悪く、良くない方向になってしまっているように感じました。

1

腕が折れて開き直るのね。

好きな作家さんで楽しみにしていただけに、なんだか思った程では無かったと
ちょっとがっかりしてしまった感がありました。
内容は、絵画の修復士である受け様と小国の王太子である攻め様との身分違いの恋。
その身分違いのせいで、受け様は身を引き裂かれるような思いで攻め様と別離。

二人は絵画修復士と学生として出会うのですが、受け様に出会った頃の攻め様は
何かに拗ねて、半分自暴自棄になっているような感じだったのですが、
受け様との出会いで生きる張り合いが出て来たような攻め様ですが、自分の身分も
受け様には内緒にしていて、それは単に王子だと知れて嫌われると思ったからで、
でもそれが受け様にとっては最悪な形で知る事に、大学の長期休みも終わる時期で、
二人は一時離れても思いは変わらないと、永遠の愛を互いに誓う。
しかし、攻め様が留守の時に、受け様は見知らぬ男たちに襲われ、攻め様が王子で、
攻め様から離れなければ修復士としての腕をめちゃくちゃに壊すと脅され、
受け様は攻め様に別に好きな相手が出来たと嘘をつき、攻め様を傷つける形で別れる。

そして、5年経った時に攻め様の国の王室美術関係での絵画修復依頼が受け様の元へ来て
拒絶する隙を与えない周到さで受け様は攻め様の国へ行く事になるのです。
そこで攻め様と再会し、攻め様は初めて自分が王子である事を前面に出して受け様と対峙。
今も5年前と変わらずワンコの一途さで受け様を愛していると告げるが、受け様はホントの
思いを隠し、攻め様につれなく接して、日本へ返して欲しいと懇願する。

ちょっとした誤解や擦れ違いはあるけれどそもそも相愛カップルで、ただ、受け様が
5年前から脅されていて、それで別れるのですが、今一その設定が面白くない。
絵画修復士としての受け様の誇りやプライドは解るのだけれど、腕が惜しいから
攻め様を切り捨てる形になった感じがなんとも微妙。

王子である事を黙っていたとか、王子なら付き合っていても、結局は別れる事になるとか
結構後付的な云い訳で、結局攻め様よりも絵画修復士としての自分の未来を選んだのに、
後半で受け様が再び襲われ、腕に怪我をして、さらに思い込みから身を潜めていた
場所から一人逃げ出した時に謝って今度は骨を折ってしまい、そこで開き直るみたいに
攻め様への思いを素直に打ち明ける事にする・・・そんな展開なのです。
それに、結局王子は王室を無一文で追い出され、受け様と新たな生活を始めるのですが、
それも、どうなんだろう、無理があり過ぎなんじゃって感じでモヤモヤ感がありましたね。

3

腹黒になりきれない我儘王子様の人騒がせな執着愛

個人的に多数の意見からはちょっとずれている上に狭いと自覚している萌えの範囲から外れてしまったのでこの評価です。

再会愛は好きです。
王子様×一般人の身分差も立場を考えての身を引く健気さも
同性を伴侶にし後継者(子供)を持たないことを周りに認めさせるに至るまでのあれこれを試行錯誤していきながらお互いが成長し愛が深まるストーリーも萌えます。
欧風の景色の中で展開されていく異国情緒も好みです。
絵画修復師という職業も面白そうでいい。

なのに何故でしょう、不完全燃焼で終わりました。
好みの展開と終わり方じゃなかったからというのもあるでしょうが…よくわかりません。

好みじゃないというか納得できないという点は
有理は5年前熱烈に愛し合っていながら脅されてあっさり受けいれ別れるのです。
そこでもっとジタバタしたり相談して戦うべき。
腕を守って愛より仕事を選ぶのならそれもよし。
相手によかれと思っての別れなら貫け、と言いたいです。 5年たっても状況は変わっていないのですから。
結局別れた理由は自分が可愛かったのか、身分詐称が裏切りと感じたのか、相手の立場を思ってのことだったのかよくわからなかった。
5年前の別れがなければこの話が成り立たないのですがそれならその辺はきっちりして欲しかったです。別れるしかなかったと感じさせる何かが。

マクシミリアンの中途半端な強引さとヘタレたバカ犬っぷりもだめでした。
王子様は俺様で傲慢で受けの都合など考慮せず強引にいろいろするけどそれは溢れんばかりの愛のせいだから最後は許してしまう、と王道な流れにならないならそれなりの人物設定と説得性のある背景や展開を用意してくれないと納得できないですね。

結末もいくら身の危険があったとしても、ただ逃げただけでなんの面白味もなかった。王子としても人間的にもだめなやつだから見捨ててくれっていくのは、たとえ演技でも軽蔑され嫌われて国を追われるというのは美しくないなと思う。
ここは国王としても国政をリードする能力もあるような描写もあるのだから、マクシミリアンが王位を継承し伴侶のサポートも得て頑張って芸術の栄える安定した国にして次期後継者には姉の子でも据える、じゃだめだったんでしょうか。
で、都合よく遠縁のコネでいい仕事と収入も得て実力でのしあがり、これからは王族ではなくアメリカの成功したセレブとして幸せ暮らすことでしょう、というのも取って付けたみたいで微妙でした。

1

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