野良犬を追う男

norainu wo ou otoko

野良犬を追う男
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神2
  • 萌×26
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
8
得点
47
評価数
17件
平均
3.1 / 5
神率
11.8%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
徳間書店
シリーズ
キャラ文庫(小説・徳間書店)
発売日
価格
¥590(税抜)  ¥637(税込)
ISBN
9784199007019

あらすじ

俺をハメた奴らを見返してやる──冤罪を着せられたことで極道となり、若頭補佐に上り詰めた須田(すだ)。ある夜、犯罪者を追う刑事と遭遇するが、その男は高校時代に別れた恋人の新垣(にいがき)だった!! 「俺はお前を表の世界に戻すために刑事になったんだ」怜悧な美貌と非情な手腕で裏社会を生きる須田に、共に堕ちる覚悟を決めた目で囁く新垣。バレたら危険だと知りつつ、背徳の逢瀬を重ねる須田だが!?

表題作野良犬を追う男

元同級生で捜査1課の刑事 新垣浩輔・29歳
浅間組の若頭補佐 須田圭吾・29歳

その他の収録作品

  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数8

好きです、この空気感!

電子書籍版を購入。
丸ごと1つのお話です。
挿し絵なし、あとがきありでした。

いやー、好きです。
こんな背徳感&閉塞感あふれるお話。
終わりかたも、賛否両論ありそうですが、
本作の雰囲気に合っていて、私はこれで良かったと思います。

でも、これ、BLではない。
この二人の関係は、ラブではない気がする。
かといって、友情でもない。

なんだろう?

うーん……うーん……



絆かな?
うん、強いて言うならば、絆だ。これ。

好き嫌い分かれそうですが、私は好きです!

0

野良犬は誰だ

あらすじから「野良犬を追う男」って須田のことだと思って読み進めたのですが(野良犬=冤罪の真犯人で、組織を超えて手を組んだ二人が冤罪を晴らすお話?)…全く違いました。野良犬=須田で、タイトルは新垣のことを指しているようです。

かなりハードボイルド色の濃い作品でした。二人が置かれている状況や組織のタフさと新垣に惹かれる気持ちに抗えない須田の弱さの対比が、切なくもあり、悲しくもあり。須田は極道らしくかなり酷いことをしているし、新垣は新垣で組織にあれこれ言いつつ自分も腐敗刑事だし、中盤から死亡フラグが立ちっぱなしで、ハッピーエンドを好む身としては読むのが辛くなりました。

エピローグは、私は幻ではなく二人の蜜月だと捉えました。その上で長くは続かないだろうな、と。極道と警察がそう簡単に見逃してくれるわけないので。あ、最後は野良犬が二匹になったってことかな!?(上手いこと言った)

1

似ているとしか思えない…

中原一也先生の作品は過去何度か読んだことがあり、構成や設定、読み応えなど非常に評価しておりましたが今作をよんでがっかり……
私の考え過ぎかもしれませんが、柴田 よしき作 「聖なる黒夜」という(同性愛要素は含むが一般小説、ミステリーもの)作品から始まる「麻生・練シリーズ」に非常に似ている気がしてなりません。というかこの作品から設定を得ている気がしてなりませんでした。(以下、今作他上記にあげた「麻生・練シリーズ」のネタバレを含む)

今作は冤罪を着せられたことが原因でヤクザになり、若頭補佐となった受け×その受けをカタギに戻そうと奮闘する刑事の攻めとなっておりますが、細かい過程は違えど先ほどあげた「麻生・練シリーズ」もこれと似たような設定、冤罪を着せられ、出所後紆余曲折を経てヤクザになり最終的に若頭になる受け。攻めはその受けを裏の世界から連れ戻したい刑事です。今作の 高校時代の恋人という設定や、登場人物の背景などの設定は被らないかもしれませんが、正直二作のベースとなる部分が似ているように思います。
また、今作の攻めが終止口にする「表の世界へ戻ってこい」と受けに対して言葉、そして次第に続き攻めが言い出す 受けが戻ってこないのなら自分が裏の世界に堕ちても構わない というような言葉…………
似過ぎです。もはや展開は全く違えどベースとなるおおもとは同じ…読んでいてショックをうけてしました。

実は私は今作を書店で見かけ、裏のあらすじを読み「ん…?」とこの時点で疑念を覚えました。
結局気になったので購入し、ページを開いたのですがやはり読み進めていけばいくほど似ているという思いが堅くなっていってしまいました。

ここまでつらつらと勝手なことを書いていますが、これは二作ともきちんと読んでいる方でないとそう疑問は抱かないかもしれません。
私はBLが好きですが、小説には重感、読み応えを重視してしまうので尚更今作を読んでいると否が応でも二作を比べてしまい、そうなると今作は「麻生・練シリーズ」と比較すると仕方の無いことでしょうが、劣る……
「麻生・練シリーズ」を知らずに今作を読んでいれば十分楽しめたでしょうし、カプ設定も好み、展開も良く好きな作品のひとつになっていたかもしれません。
気に入っていた中原一也先生であった分、残念です。

これらは私の勝手な感想ですが、気になったので投稿させていただきました。

4

ラスト10数ページの展開に燃え萌え

※後半の方で結末について触れています。

綺麗事の一切無い、男臭くハードボイルドな作品でした。
余計な感傷や情感を削ぎ落としたシリアスな世界観ですが、捕食し合う獣同士のような絡みや、新垣の須田に対する真摯かつ強烈な執着心には非常に熱いものがあり、強く引き込まれました。

ヤクザの息子・須田と警察キャリアの息子・新垣。
生い立ちは正反対だが、共に父親の呪縛という足枷を持ち、その呪縛から逃れようとする二人は自然と惹かれ合い、大学時代には身体をも求め合うように。
あることを機に訣別した二人だが、その後ヤクザと警察という敵対する立場として再会。危険な逢瀬を重ねる二人の背後では、ある事件が着々と進行しており。事件の全貌が明らかになったときは既に危険が迫っていて、追い詰められた二人は逃避行に…という話。

ヤクザ・須田と警察・新垣の関係は単純に悪と正義の二元論で語れるものではなく、警察の暗部をほのめかすエピソードや、新垣が須田を評して度々言う「気持ちいいくらいの悪党」という言葉から、表裏一体のものを感じました。

また、オス同士の闘いのように激しく求め合うセックス描写は、互い続きの立場など二人にとっての足枷にはならず、互いへの執着と欲望だけが二人を唯一拘束できる鎖であることを感じさせました。

最初は野良犬・須田を追う猟犬・新垣の物語かと思いましたが、須田のためなら何もかも捨ててしまえる新垣もまた何ものにも縛られない野良犬であり、互いが互いを追い追われる関係なのだと読み進めるうちに気づきました。

学生時代は一度手放してしまった鎖を今度は離さず、二人で逃避行へ走る怒涛のラスト10数ページは緊迫感と互いへの情熱にあふれていて、燃えと萌えを同時に堪能することができました。

糖度の低い、男同士の骨太で濃密なドラマを楽しみたい方にはおすすめです。分かりやすいハッピーエンドやbl的カタルシスを求める方、キャラクターに感情移入/共感したい方には向かないかもしれません(須田は女子供に対しても容赦なく悪辣で、新垣も結構アウトローな考えの持ち主なので)。


【※結末について】
エピローグは第三者視点で語られ、読者の想像に委ねるような(二通りの解釈が可能な)ラストです。どちらの解釈を取るにしても、最後までハードボイルドに徹した良い幕引きだと思いました。ハピエンと解釈すると、相変わらずベタベタした関係ではないが離れられないらしい二人にニヤリとさせられます。しかし、個人的には「幻」という解釈に一票入れたいです。エピローグ直前の、楽園を目指す須田と新垣の温かくも哀しい雰囲気が好きなので。そう解釈すると読後感は切ないものがありますが、裏社会の男の生き様を描いた作品には大変相応しいラストだと思います。

7

ビックリなハリウッド展開!

ほほぉ~今回はシリアスな淡々とした刑事×ヤクザの男モノですね。
久々の・・・と思いつつ読み終わろうとしたクライマックスのその後にビックリ!
中原作品というと、登場人物の性格が突飛というのはあったりしても割と庶民的にいい意味で泥臭い(この話も或る意味泥臭いのだ)展開だと思うのだが、その終わりはまるでハリウッド映画のアレでした。
それは決して傍目で見ればまっとうでもなく安全ではないのだろうけど、彼等にとっての幸せであるということは間違いない。
いやー中原作品でこういう展開が登場するとは驚きでもあり、いや、中原作品だからありうるのか?とも納得してみたり。。。

父親がヤクザになりきれないチンピラの為、その息子であることからレッテルを貼られて拗ねて生きてきた主人公が、高校時代に再会した父親が警察上層部の勤めの息子によって、奇妙な親しみを持ちまっとうな人生を歩みはじめたものの、そのレッテルによって犯罪者に仕立て上げられたことで、ヤクザになってしまったという経緯。
偶然の刑事との再会から、過去の回想を交えながら、二人が再び高校時代から大学時代のあの繋がりを取り戻し、二人で互いの世界か続きら飛び出すといった感じのお話。

キャラクターとかストーリー展開というより、この本の一番の見せどころは二人の繋がりだとおもいます。
高校時代、美人局をしていた公園で偶然出会ってから、主人公をまっているかのようにいつもそこにいる彼。
そして、大人になって再会してもその時と同じように、再会した場所で主人公を待つ彼。
”須田の鎖だった男”
その表現の如くに、そのままに、再び彼をつなぎとめる役割として登場して
今度ばかりは二人ともその鎖を切らない。
刑事とヤクザという、高校時代とは比べ物にならないほどのモノを背負う大人なので、それにはリスクが大きすぎて。
それがこの物語の展開とストーリーであり、”鎖”を表わす為のもの。

こういう行動に出るのは「愛」だからー!というそういうヤワなものじゃなかったですね。
男対男。
親友とも違う、どこかもっと深いところで繋がる似たもの同士のようでもあり、補いあうような同士でもあり、
男臭い関係だったと思われます。
キャラクターに萌える~!というほどのものはなかったのですが、テーマである「鎖」の表現が過去と現在をとおして上手く表現されていたのではないでしょうか?

4

理不尽を踏み越えて野良犬は走りつづける。

ラスト数ページで一度、読むのをやめました。
結末が怖くて。
胸が苦しくて。

糖度低。男×男!

冤罪からヤクザへと身を堕とした須田(受)と彼を追う為に刑事になった新垣(攻)の目の前に広がる闇を見せつけられるようなガツンと重い話です。

誰の日常にも理不尽は転がっていて、なんだかんだいいつつ、それを乗り越え、次の理不尽に向かい最後にパンドラの箱よろしく希望がある…わけではなかった須田。

『表の世界を諦めた』ことが須田にとって最大の理不尽だったと思うのですが、それを飲み込み、暗い闇に向かって突き進む姿に潔さすら感じてしまいます。

女を苦界に沈め、一般人を陥れ…私が読んだ中ではかなりダークな部類ですが。

半端に綺麗事が入ると白けてしまうところが、そんな描写はなく、ただ感傷に耽る部分に甘さの可能性を伝えられ、読み手として少しだけ期待してしまいます。

一方、新垣は学生時代に須田の手を離してしまったことを後悔したまま、警察という組織の中で日々、理不尽を飲み込み過ごしています。

再会後は金曜日の夜の逢瀬を交わすごとに茶化すように、しかしストレートな言葉を口にするようになります。

この時続きのふたりの駆け引きっぽい会話が好きです。

好意を寄せられても素直に委ねられるわけでもなく、かといって『近寄らない方がいい』と頭の中で警告音が鳴っても諦めきれずに近づいてしまう須田。

互いにぶつかり、跳ね返るところから繋がっていく男×男。
甘さの欠片も見あたらないのに萌えるー!

濡れ場(エチシーンとか言えません。まさに濡れ場)も何カ所かあるんですが、奪い合いのような、闘っているような肌の合わせ方です。

ヤクザと警察の話だと追うものと追われるもの、のイメージがありますが、この話は終始『追うもの』視線で話は進みます。
攻めも受けも『追うもの』です。

ヤクザらしく(?)抗争へと展開し、ふたりの辿る先は…。

賛否両論あるであろう、あのラスト。
ハピエンととるかバッドととるかは人によりけりだと思いますが、私、個人としては好きです。

『お願いだから…お願いだから…!』と祈るような気持ちでエピローグを読みました。ページの端っこは汗でよれています。

表紙の金網、口絵の鎖が象徴的で素敵でした。執着という互いを繋ぐ鎖。

少し残念だったのは作中では傷ついたのは左脇腹なのに挿し絵では右脇腹になってるというミス…編集さん、チェックして~(汗)

2

消せない絆

かなりダークでシリアスな作品、ヤクザと刑事、共に学んだ学生時代そして当然のように
抱き合う関係になり、しかし、それも受け様が濡れ衣を着せられ攻め様の前から消えるまで
受け様はチンピラの子供で小さい時からお前の父親はと理不尽な目に遭いながら、
父親を嫌いながらもその父と同じようにロクデナシの道を歩いている。
しかしそんな時期に警察官僚の父を持つ攻め様と出会い、互いに立場は違うが、
同じように自分の意思とは無関係なところで親の立場に捕らわれているのは同じ。

それでも攻め様との出会いで、なんとか父親からの呪縛から逃げるように真っ当な道を
進んでいた受け様は、警察に濡れ衣を着せられ、やっぱり日の当たる道へはいけないと
諦め、唯一自分を繋ぎとめていた攻め様と言う鎖を自分から断ち切る事になる。

そして数年、受け様は組の若頭補佐にまで上り詰めヤクザとして順風な出世街道を歩く、
そんな時に偶然攻め様と出会い、二度と会わないと決めていた時間が嘘のように
自然といつも約束することも無い場所で過去を引きずるように会うように・・・

二人とも互いに相手に執着しているのですが、続きどちらかと言えば攻め様の方が強烈。
初めは表の世界へ戻ってこいと受け様に云い続ける攻め様ですが、次第に共にいる為に
必要なら自分が闇に堕ちても構わないと言う攻め様。
合わなかった7年間の空白も感じさせない二人の絆の深さを感じる内容です。

結局は受け様は信じていたと言うか、自分が上にのし上がる為に仕えた相手に裏切られ、
切羽詰まった状態にまで追い詰められるし、攻め様も受け様の事が原因で警察に追われる
ような事態になり、とてもハッピーエンドだと思える内容にはなっていません。
ラストも結局二人はどうなるのか・・・そんなジレンマを抱かさせる内容ですが、
エピローグで、二人はこうなったのかも知れないと思わせる内容が描かれている。
バットエンドまではいかないけれど、ハッピーでもない、中途半端な雰囲気がありながらも
以外にこれはこれで良いのではないかと思えるラストだと感じました。

3

ラスト、物語に深みが――

そういえば、外道と呼ばれるような悪事を行うヤクザの話を、
小説で読むのは初めてです。
比べる物がないので自信を持っては言えませんが、
この本はヤクザ物として甘い部類には入らないと思います。
読んでいられない程の残忍なシーンがあるとは思いませんでしたが、
それなりに主人公(ヤクザの有能な幹部である受け)は冷酷非道です。


物語は、主人公の須田が大学生時代、
ヤクザの息子だからという理不尽な理由で警察に罪を捏造されるところから始まります。
そのことがきっかけとなり、自らもヤクザに身を落とすことになった須田。
そしてそれは、
新垣という、須田の唯一の心を許す友人であり同士であり、
躰を繋げる相手でもあった男との決別にも繋がる出来事でした。

それから10年近くの時が経ち、新垣と須田は再会。
捜査一課の刑事と、ヤクザの幹部という対極の立場で。

ヤクザの世界でのし上がることを何よりも優先してきた須田が、
足元をすくわれる危険性を感じつつも、再び新垣に会いに行かずにはいられなくなる…
その逆らえない欲求と葛藤が丁寧に描かれていきます。

思い出される続きのは、
新垣が高校時代に語った言葉、
衝動的に初めて抱かれた日のこと、
犯してもいない罪を認めたと告げた、決別の時…

極道という自分で生きていくことを決めた世界、
現実味を帯びていく、求めていたそこでの高い地位…

その中で今、須田と新垣は互いに引き合うように逢瀬を重ね、また……


極道の幹部として舎弟たちには憧れられる存在の須田、女っぽさなど微塵もありません。
その彼が征服されることを切望するほどの、攻め新垣の男の色香。
貪るようなキス。
乱暴な熱いセックス。
男だからこその繋がりが魅力的に描かれます。

そして、話はさらに展開して……



ラストは意外でしたが、とても満足のいく終わり方でした。

エピローグの「野に放たれた猟犬のよう」という言葉で、
ああ、タイトルにある野良犬は彼のことだったのか…とやっと気づきました。
ラストを迎え、本のタイトル「野良犬を追う男」に、なるほど、納得…と思いました。
そうか、だから物語はずっと受けの須田の視点で話されていたのか、
心はずっと彼を追っていたのだ……と。

印象的なエピローグとラストで、物語にぐんと深みが増すのを感じました。


笑いの要素のないシリアスな裏社会のお話ですが、
エンターテイメント作として楽しめる一冊だと思います。


※ 作者もあとがきで言っておられたことですが、
  主人公はヤクザとして酷いこともしますし、女性ウケするタイプではありません。
  そしてラストは、賛否両論になるかと思われます。
  自分はどうだろう??と思って読んでみるのも、面白いかもしれません。

3

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