小説

  • いまさら「好きです」なんて言えませんて

いまさら「好きです」なんて言えませんて

imasara sukidesu nante iemasente

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作いまさら「好きです」なんて言えませんて

佐伯灯夜,三歳上の幼馴染みでフードライター
吉永勇輝,24歳,攻様に片思い中の煎餅屋の跡取り

あらすじ

都内、下町商店街の煎餅屋の跡取り・吉永勇輝は、店の裏手に住むフードライターの佐伯灯夜(さえきとうや)に片想い中である。容姿端麗で、老若男女問わずモテまくる灯夜を見る度に、悶々とした気持ちは募ってゆくばかり。そんなある日、
「男に対して独占欲を感じるときがあるんだが、その原因を知るために、勇輝で試したい」
突然、灯夜が切り出してきたことに驚愕する勇輝だが…!!
これはチャンスなのか、ピンチなのか!? のどかな商店街に恋愛騒動が襲来!!

作品情報

作品名
いまさら「好きです」なんて言えませんて
著者
髙月まつり 
イラスト
駒城ミチヲ 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
発売日
ISBN
9784812493847
2.7

(13)

(1)

萌々

(2)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
5
得点
32
評価数
13
平均
2.7 / 5
神率
7.7%

レビュー投稿数5

下町情緒と人情味あるエロコメ

都内の商店街のガヤガヤ感が楽しいです。
受けが絡みでは乙女なところもあるけど、普段は男らしく小粋に煎餅屋やってるのがポイント高く、変人な執着攻めにツッコミつつも絡みにはノリノリで応じる所も潔いv
全編通してエロくハイテンションで、緩急が欲しい感じもしましたが、テンポの良さとキャラの台詞の面白さでサクサク読めました。

兄弟同然に育った幼なじみの男前フードライター・灯夜に長年片思いしている勇輝は、
スポーツクラブで働きつつ実家の煎餅屋でも働く肉体派。
ある日、灯夜の見合い話がきっかけで思わず告白してしまった勇輝。引かれるかと思いきや案外男同士の恋愛に興味津々な灯夜は勇輝にキスをしてきて…という話。

とにかく灯夜が変な奴でした。好きだと自覚するより先に、自分のものにしたい、縛りたい…と独占欲が先に立ってしまう(そしてそれを堂々と口にする)残念な美形。
コース料理目当てで見合いに行くことをOKしてしまうほどの食ヲタで、
容姿端麗でモテるけど彼女の作った料理にダメ出しして振られてしまったり、
笑顔を見せるのもよく喋るのも弟も同然の勇輝の前だけで、
彼女とのデートに勇輝を必ず同席させては振られてしまったり…と色々ズレてます。
しかし凛々しい若武者系だという容姿に武士のようなキッパリした口調で、変態発言も愛の言葉も直球勝負な性格はある意味男前で。 
勇輝への執着心・時々のぞかせるSM的嗜好(プレイは出てきませんが)にホラー的な怖さも見せつつ、酔っ払った勇輝を介錯したり、料理を振舞ったりとお兄さんらしい面もあり、読んでて嫌な感じはしない、好きな感じの攻めです。

そんな灯夜にドキドキしつつもそのボケ具合に辟易している、ツッコミ役の勇輝。
絡みでは乳首、耳など色んな性感帯を灯夜に開発され、灯夜の実況解説にツッコミながら悶えたり喘いだり、忙しいです。
しかし流されてばかりでなく、事後に勇輝への想い(弟同然→閉じ込めたい独占欲)を自覚し、ちょっと危ないプロポーズをする灯夜に、スレイブになるくらいなら弟のままでいいです、とバッサリ切り捨ててしまう矜持も持ち合わせています。

灯夜の見合いの結果(意外なオチ)と、灯夜が勇輝への独占欲を恋愛感情だと気付く場面が後半の山場?で、その後はひたすらバカップルに磨きのかかった二人のエロが楽しめます。月光を浴びる灯夜のあまりの格好よさに涙が出そうな勇輝や、風呂場Hでの強制射精など、清々しくバカップル。絡みは直球な灯夜にノリノリな勇輝で逆に色気に欠ける気もしましたが、幸せそうで何より。
最後は商店街の祭で、恋人になっても子供の頃から何も変わらない二人が一緒に法被を来て並ぶ姿が印象的なラストです。
二人のそれぞれの家族や、スカイプで勇輝の相談に乗ってくれる煎餅屋の常連でモデル・中山君など脇キャラも面白い作品でした。

2

やっぱり高月さんでした!

幼なじみ同士で兄弟同然に育った3歳違いの二人、受け様は煎餅屋の跡継ぎで
攻め様はその煎餅屋さんの裏に住む小説家&フードライターで時々御煎餅を焼く日々。
高月さんの作品では受け様がエロに流されやすく、でも意外にしっかりしてる雰囲気に
攻め様が頓珍漢な電波だったり変態だったりする事が多いのですが、
今回の攻め様は、おやおや?意外に生真面目で几帳面で賢い、それに寡黙だけれど
家庭的で優しいなんて、これは受け攻めキャラが逆転してるかと思えば受け様は
7年も片思いし続けているけど、しっかり御煎餅屋さんの跡継ぎしてると思ったら、
やっぱり高月さんの攻め様はいつも通りの変態さんでした♪

高月さんの描くキャラは受け攻め共に見た目は凛々しく、たくましい系が殆どで
まさに男同士って雰囲気漂っているし、コミカルで読んでると楽しくなりますね。

攻め様に片思いして早や7年、兄弟として育ったような攻め様相手に好きだなんて言って
今の関係を壊したくない受け様は自分の気持ちがバレないようにいつも必死。
でも、読んでると攻め様の無自覚ながら受け様への執着心は初めから感じられる。
だって、彼女とのデートに受け様を必ず伴って、受け様とは生涯一緒にいる関係だから
受け様がいいと思える相手でないと付き合えないって所からおかしい。

受け様もそんな攻め様にもしかしてと何度も思いながらも弟と思っているからなのだと
気持ちが何度も上がったり下がったりしてるのです。
そんな時に受け様の店の常連でモデルの恋の相談をしている友人と気安く話してると
何故か攻め様が機嫌が悪くなり、その後もその友人の事や攻め様の見合い話で感情が高ぶり
思わず受け様は攻め様に告白してしまうのですが、やっぱり普通では無かった攻め様の
その後の対応に受け様は自分とは違う恋愛価値観なのかと、色々考えてぐるぐるしちゃう。

攻め様の気持ちが解らなくて、好きだと言う思いよりも独占したいとか執着が前面に出てて
鎖でつないで監禁したいなんて言われた事で、執着心だけで恋愛では無いと受け様は
告白も抱き合った事も忘れてくれなんて攻め様に告げる事になります。
攻め様の普通とは違う好意の表れは長年兄弟同然で育った事も関係してるのかもと
思いながらも、実の弟にだってここまで執着しないだろうから、無自覚で長い間
受け様の事が好きだったのではと思えるストーリー。
それに思いを認め自覚した攻め様のエロへの探求心はやっぱり変態さんです。
それでも受け様もM男みたいだから嫌だと言いつつも攻め様と二人で新たな扉を
開け続けて行くのだろうと思わせるお話で楽しめました。

2

変な攻めというよりも…

下町商店街を舞台に繰り広げられるラブコメ。

祖母と共に煎餅屋を切り盛りしている勇輝は兄弟同然に育った灯夜に対しての恋愛感情を隠すのに精いっぱいな日々。
勢い余っての告白をあっさりと受け止めてもらって嬉しいと実感する間もなく、灯夜との思考のずれに悩む羽目に。

この話の攻めの灯夜の思考回路って、変というよりもなんか不思議ちゃんっぽい感じ。
(変なのと不思議ちゃんの違いってのも上手く説明できないけれど。)
もうちょっと「なんなんだ、この攻めさんは」ってふうに弾けていてもよかったのに(笑)。
独占欲の出し方は可愛いけどね。

あと、勇輝の視点でテンポ良く話が進んでいるから一人称かと思ったら文章が三人称だった。
一人称のほうがすっきり読める気がするんだけど…

全体的にはテンポ良く話が進んで、おばあちゃんや下町商店街の活気の良さを感じていい。
他に常連客の中山さんには勇輝の恋愛相談での実に的確なアドバイスぶりにグッジョブ!!をあげたい(笑い)。

1

慣れている攻め様

 煎餅屋「よし屋」を継いでいる勇樹と、イケメンの灯夜のお話です。

 幼い頃から兄弟同然に育ってきた二人ですが、勇樹は灯夜のことが好きで、まさにタイトルのとおり、ずっと言い出せないのです。

 ずっと兄でしかなかった灯夜にやっと「好きだ」と告白する勇樹ですが、それ以上に灯夜の一つ一つの仕草が初めてとは思えないほど、慣れていることに少しだけ驚いてしまいました。長すぎる片思いの末に、やっと告白できたのに、相手の灯夜はいろいろなプレイを望んでいたようです。(笑)

 灯夜はフリーライターなので、「よし屋」がある商店街の青年会には入っていないのですが、さらしと半股引を勇樹が人前でさらすとのことで、自分も入ってしまうのです。
 こういう和装が似合う灯夜はかっこいいので萌です。(笑)

0

変人攻めは好きだったはずなのに…

高月さんの作品は初読みです。
なので、基本どんな感じの文体で書かれる方なのか知らないのですが、わたしには合わないかなあと思いました。
でも、実際はあと数冊読んでみないとわからないのでしょうね。


受けの勇輝は煎餅屋の跡取り息子。
幼馴染の灯夜に片想い中です。

攻めの灯夜はフードライターで、つねに女の影があるモテ男です。


立場的には兄弟同然な勇輝ですが、灯夜の女関係にヤキモキ。
勇輝の気持ちを知ってか知らずか、灯夜はデートに勇輝を同伴させるんですよね。
生殺し?(苦笑
そんなことをさせながらも、勇輝が大事だというような態度も見せるので、勇輝には灯夜がよくわからないのだろうなあと思いました。
そんな感じでいたのに、男がいけるか勇輝で試したいという感じのことを言うから、灯夜よくわかりません(苦笑

もう最初から勇輝は灯夜を好きなので、よけいなことにページを使うことなくスイスイ進みます。
灯夜に見合い話が勃発し、それにより話が展開するという感じでしょうか。

作中、灯夜は心の中でツッコミを入れるような書かれ方をされているのですが、この辺りはちょいしつこさを感じます。
それに灯夜が終始変な人で、わたしは確か変人攻めは好きなはずなのにダメという…
残念です。

0

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP