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表題作一つ屋根の下の恋愛協定

乃木・真行寺・千尋,「ことり荘」に住む三人の店子
小島恭,「ことり荘」の大家

その他の収録作品

  • バーことり荘へようこそ
  • あとがき

あらすじ

恭が大家をつとめる食事つきの小島荘。店子の個性溢れる3人から、誰か一人恋人として選べと日々口説かれることになった恭は…。

著者:茜花らら

作品情報

作品名
一つ屋根の下の恋愛協定
著者
茜花らら 
イラスト
周防佑未 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344827868
3

(4)

(0)

萌々

(1)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
11
評価数
4
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

ほのぼの総受けモノ

タイプの違う三人の攻めが、喧嘩しつつも仲良く受けを愛する、ドロドロ感のない総受モノ。設定のおかげか、ホームドラマのようにほのぼのしてます。

受けは、祖母の下宿屋「ことり荘」を継いだ大家・小島恭。
昔は学生が多く下宿していた「ことり荘」も、今は三人の店子を残すのみ。

千尋:大柄ワンコな大学生
乃木:冷静沈着・敬語・眼鏡の会社員
真行寺:人間嫌いで美貌のバーテンダー

恭は三人のために料理を頑張ったり、三人も性格は違うがそれなりに仲良く、四人で平和に暮らす日々。
しかしある日、三人が恭を恋愛対象として好きで、抜け駆けした者は「ことり荘」から追い出す…という協定を結んでいたことが判明。
三人は恭に、誰か一人を選ぶよう迫る。
翌日、何事もなかったように振舞う三人だが、少しずつ単独アプローチが始まり…という話。

主人公・恭の危機感のなさ、人の良さには若干モヤッと。
ノンケの筈が、告白されてすぐ誰かを選ばなければ…とその気になる単純さもよく分からない。しかし、その明るさ・無邪気さが色々複雑なところのある三人の心の癒しになったのかも。

最初に動いたのは乃木。
クールに見えて優しいところもある乃木は、危険だからと言って恭の部屋に鍵をつけることを提案。そして油断した恭にキス+耳責め。
恭は、乃木に真剣に告白されたことを機に、誰を選ぶか考えなければ…という気になります。
が、祖母と三人の店子について話したことで、三人とも根は優しく心から恭を慕っていることを実感。誰か一人を選んで他の二人が傷ついたり、下宿屋を出て行ったりしたら…と悩みます。

次に千尋の告白。
恭をお嫁さんにしたいという千尋には、家族に見捨てられた過去があり。弟のように恭を慕っています。
恭は以前から千尋の好意に気づいていたが、千尋と同じくらい真行寺や乃木のことも大切で、やはり踏ん切りがつかず。

そして真行寺。
綺麗すぎる容姿のせいで中身を見てもらえず、人間嫌いになった真行寺だが、
自分の外見に関係なく接してくれる恭には心を許していました。
告白し、甘えるように迫ってくる真行寺を、恭は拒めず。

悩む恭を、千尋の大学の学生達が襲う。
助けに来た三人に胸打たれ、一人選ぶなんてできない、三人とも大好きだと告白する恭。
万事丸くおさまった後の濡れ場は、三人が恭を共有しつつ、順番に抱くので、それなりに長くエロイ。
それぞれ攻め方の違う三人の中でも、乃木の言葉責めが光ってます。

新たな協定が結ばれ、恭は曜日違いで三人の相手をすることに…という大団円。
恭ほんとにそれでいいの?と思わなくもないけど、
四人が幸せそうなのでまあいいかと思える、エロイけどファミリー感のある爽やかな結びでした。
最後には、恭の爆弾発言でリバ可能性も示唆w
総受モノでこんなほのぼのした作品は新鮮で、面白かったです。

5

甘々4Pもの

腰を悪くした祖母の代わりに古くからやっている「ことり荘」の大家になった受け様。
不器用だけど一生懸命でちょっと天然気味な素直さもある受け様と、それぞれ個性の
違うイケメン3人の店子とのラブになるまでを描いた作品で、受け様が3人の誰を
相手に決めるかが大詰めなのですが、表紙イラストにあるように結果的には4人で
ラブラブになる甘いお話でした。

簡単に言えば何故かモテモテの受け様が3人に告白され誰か一人を選ぶ事が出来なくて
みんな好きなの状態で4Pになる複数系の王道でしょうか。
体育会系の大学生の攻め様、ビスクドールかと思えるような美形だけど、その美形が
婀娜になってモテすぎて人間不信気味だけど、受け様だけが好きなバーテンの攻め様、
そして寡黙で何を考えているのか読み辛いけれど、受け様には優しい理系リーマンの
攻め様とそれぞれ趣のあるイケメン達が、受け様をそれぞれ同時期に好きになり、
抜け駆けは許さないって事で3人での紳士協定みたいなこと決めてる。

しかし、受け様を巡る牽制のし過ぎで3人はケンカしてしまう事が増えるのですが、
受け様はみんな家族みたいに仲良くして行きたいと思っているし、攻め様達のキモチも
気が付かないニブイ人でもあるので、3人は怒られては牽制し合う。
そして、ある出来事で再び3人の諍いが激しくなった時に受け様は3人の気持ちを知り、
誰かを選ばなければならなくなり、悩める日々の始まり。
それぞれと過ごす時間が好きな受け様はなかなか決められない。

そんな時に受け様がトラブルに巻き込まれ、事態は急変しちゃう。
受け様がどんな結論をいかにして出したのか、4人での幸せな日々が始まるお話だけど、
受け様はかなり今後体力が必要になるだろうと心配してしまう内容でしたね。

2

恋愛シミュレーションゲーム

ビジネス街の真ん中にあるまかない付の下宿の「ことり荘」
この大家のおばあちゃんが入院したために代理大家の白羽の矢がたったのは孫の恭。
家事も得意でない彼が奮戦しながら半年、3人の店子とやっと自分の望む家族的つながりを持つ下宿らしさを出せるようになったのに。
あるトラブルをきっかけに、恭を大好きで誰もが自分のモノにしたいと願っていた店子たちが彼に「いったい誰を選ぶんだ」と迫ったことから選択を迫れれる。
といった総受け設定の4Pモノです。

作者あとがきにあるようにまさに恋愛シミュレーションゲームを周到した作品でした。

まず主人公の設定。
孫というだけで年齢も学歴もわからず突然大家をやれるって、いったいどんな子?
そして外見描写もほとんどないですよね。かろうじてイラストがあるのと、一生懸命で健気というだけの店子たちがかわいい愛してるというばかりで、こうしたぼやけた設定は読者というかゲーマーを投影させるための手段ですよね。
そして店子である攻めの設定。
主人公大好きな大型ワンコ攻めの大学生。これがトラブルを運んでくるのだが、自分がお嫁さんになりたいとか、主人公は、この子は抱きしめたいと思うほどにデカいけどかわいいという設定。
そしてクールで理知的なエリートビジネスマン。もちろんメガネ。頭がよく頼りになり策士でもある。そしてエッチの時はもちろん言葉攻めのちょいS。
もう一人は超絶美形のバーテンダー。その外見のせいで人嫌いになったという設定。主人公だけしか受け付けないという人。
典型的な攻め3パターンなのでは?

しかし、それらを表現する文章がイメージ先行なのかボキャブラリーが貧困というかその場で使う表現が全体を通してみたときに、え?となる違和感をもたらします。
恭は真行寺(バーテン)の髪を“明るい髪”と盛んに呼ぶのですが、明るい髪って何よ?それが日に当たってきれいでさわりたいという欲求を覚えるシーンなのに、それがどうきれいなのか全然なくてただ明るい髪、その都度なんじゃ~!!と怒り心頭(爆)
イラストを見れば大学生の千尋のほうが髪色が明るいじゃん?
あと体格の表現で、乃木。
彼は最初華奢と書かれていますが、のち描写ではそうではない。それは千尋と比較してということ。なのに、最初の部分で大きな男というようないっしょくた表現の中に彼がいるのに、中途で主人公より2,3センチ高いだけだけど、存在感で大きく見えるとか。
ストーリーの中で主人公の感じるイメージで逐一表現するから統一感がないのです。
そのあたり、初歩的にまずいと思うのですよ。
話は王道テンプレ展開、そうした文章の作り方の稚拙さ。
ただのゲームシナリオならこれでいいのかもですが、仮にも小説一冊になる場合としては、作家を導く担当編集の未熟さも見えるような作品に見えます。
そんな点がマイナスに働く作品でした。

7

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