あさってのジジョウ

asatte no jijou

あさってのジジョウ
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神11
  • 萌×24
  • 萌6
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
8
得点
91
評価数
23件
平均
4 / 5
神率
47.8%
著者
 
媒体
コミック
出版社
大洋図書
シリーズ
H&C Comics ihr HertZシリーズ(コミック・大洋図書)
発売日
価格
¥619(税抜)  ¥669(税込)
ISBN
9784813030195

あらすじ

ボクサーの平津は所属するジムに通ってくる小田が気になってしかたない。
人を殴ることができない小田がひたすらサンドバッグに怒りをぶつけているからだ。
ある日、ジムの会長から平津に至上命令がくだる。
「小田が殴りたくなるくらい嫌われろ」──と。
いやいや、小田に嫌われるのは無理! オレあいつちょっと好きなんで!
ホットな男とクールな男がくりひろげるやっかいな恋の物語☆

表題作あさってのジジョウ

平津 ボクサー
小田 ボクシングジムに通う自動車メカニック

その他の収録作品

  • あのあとのジョウジ
  • カバー下表紙1【表】~カバー下表紙4【裏】:作品デッサン集

評価・レビューする

レビュー投稿数8

可愛さ余って憎さ…

平津(攻め)にしろ、
小田(受け)の職場の先輩にしても、
小田に対して感じたのがこの感情だったのでは。

見た目は良いけど、
どこか無愛想で、
人との関わり方が上手でなさそうな小田は、
構いたくなるキャラです。

でも誰だって、人に見えている部分は
自分のすべてではなくて、一部分であって。
それなのに、わかったような顔をされて、
あーしたらいい、こーしたらいいと言われて腹が立つ。

小田にしてみたら、
人の価値観を押し付けられて、
「オレのようになれ」は
ホント苦手でうっとうしい訳です。

平津が、小田の先輩みたいにならなかったのは、
先輩の所業を目の当たりにして気づけたからでした。
自分の思いを分析して正せる平津はすごい。

平津や小田の心境やその変化が、
ボクシングと絡めて、
わかりやすく表現されていたし、
人へ向ける感情に共感できる部分が
たくさんありました。

ゆっくり進む二人の恋愛ジジョウは、
噛めば噛むほど味が出るような、
スルメのようだと思いました。

1

ボクサー流恋の駆け引き

◆あらすじ◆

ボクサーの平津(26歳)は、所属ジムに通って来る若い整備工・小田が気になって仕方がない。
小田はいつも、職場の人間関係のストレスを凄まじい勢いでサンドバッグにぶつけ、帰っていくだけ。
人間を殴るのは怖いから、と小田は言うが、平津は彼に物ではなく人間と向き合ってほしいと思う。
人と…というよりも、自分(平津)と。小田に悩みをぶつけてほしい。彼に恋愛対象として見られたい。
でも、小田に嫌われるのが怖くて、距離を縮められない平津。
平津は、小田には人と向き合えと言っておきながら、自分は小田と向き合えてないことに気づく。
二人の心が同じリングに立って、向き合うこと。まずはそこから――
ボクシングにも似た、恋愛の駆け引き。
「うかがったってチャンスは来ねぇぞ 手数出してチャンスを作れ!」
ジムの会長の怒声が、踏み出せない平津の姿にオーバーラップして来るようなもどかしさ。
平津のモノローグでボクサー流恋の勝負を実況していく、大人の切ないセンシティブ・ラブストーリー。

◆レビュー◆

ひさびさの当たりコミックス!
「あしたのジョー」ならぬ「あさって続きのジジョウ」ってw 文字通りあさってな感じが力抜けてていい感じ。でも、笑いもありますが、基本は一途なラブストーリーです。
この作品では、平津が、ボクシングと恋愛を重ね合わせ、攻める・かわすを繰り返しながら、次第に小田の心を掴んでいく過程が、丹念に描かれています。
最初本を開いてこのラフ画みたいな絵を見た時は正直戸惑いましたが、読み終わる頃にはすっかりこの絵に魅了されてました。
平津という凄く男くさい男の、傷つきやすい恋心や、シャイな部分、素朴な温かさ、そして彼の目に映る小田の眩しさやカワイさが、形じゃなく雰囲気になって絵から立ちのぼって来るようで。
この絵じゃなきゃ伝わらない。そんな、確立した世界観を感じます。

平津のモノローグもすごくイイ。
小田の言動に対する平津の一喜一憂が、逐一つぶやかれていくモノローグ。
平津の心の襞の内側まで覗き見ているようなリアリティーある言葉たち。
そして、不器用だけど真っ直ぐに相手に向かっていく彼の気持ちに直に触れることで、平津という人間に惹き込まれてしまうんです。

クライマックスで、平津が小田を、ついに同じ(心の)リングに引き上げた場面は、泣きました。
リングの上から小田の手を取って引き上げる平津の姿(きっと平津の心に見えている世界)が描かれているんですが、平津がいい笑顔で、それがすごく嬉しくて。

懸命に恋と格闘する平津の姿は、人が人に向き合おうとする姿ってステキだな、と改めて感じさせてくれます。
そんな平津の姿が、小田にも変化をもたらしていく…という辺りも、押しつけがましくなく、とてもさらりと描かれていて。
人が変わるきっかけも、人と向き合うことの中にあるんですね。
平津がバイトするお好み焼屋で、いつも鉄板を灰皿代わりにしてた心ない中高生にも、変わるきっかけが訪れて、それを平津が微笑ましく眺めてる…というモブなエピソードも、温かくて好きです。

ボクシングの中にある、人間関係の哲学を見せてくれた作品。
ただ、ボクシング流の駆け引きなんか何も考えてない小田の唐突なキスのほうが、ずっと二人の関係を前進させてたり(笑)…そいう部分も含めて、人間関係の核心を突いてると思います。
やさしく心をえぐられたい人に、オススメです。

7

人との間合いって難しい…。

殴るのは拳か言葉か…いや、態度だ。

ボクサーの平津は所属するジムに通ってくる小田のことを下心を含めて気にしています。
小田は職場での人間関係での鬱憤を晴らす為にサンドバッグを殴りに通っているんですが、そのパンチ力はジムの会長の興味を引けるほどの威力をもっていたが為に平津は会長に小田をリングに上げるように『殴りてぇ!となる程度に憎まれろ』と指示され…という導入です。
会長ったら酷い(笑)

京山さんの作品は不器用な登場人物たちのやりとりに笑いや涙を誘われることが多いです。
それは感情の変化が丁寧に織り込まれている部分が大きく占めるんですが、今作は最初から独特な描線が訴える負の感情が圧倒的で萌えを楽しむ余裕を奪われました。

平津は(会長の指示もあるけど)小田の抱えるものを軽くしてあげたくて
ボクシングの魅力を説きますが私はそこに少々の違和感を感じました。

小田の拳に握られている『怒り』とボクシングにおける殴るという行為の原動力は違います。
一見、同じに見える殴り合いでも似て非なるもの、まったく別物。
たいして強くもない平津がボクシングにしがみつく理由も当然『怒り』ではない。
方向性の続き違う、噛み合わないチグハグな説得の辛さと難しさ…虚しさ。

人には言葉というコミュニケーション・ツールがあり、それを駆使して対話することが大切だと、人と人を繋ぐために言葉があると思う私ですが、つくづく人への触れ方って難しいと考えさせられました。
小田は肉体的に殴っていないだけで人と距離を置いていても言葉や態度では人を殴りつけているんですよね。
職場の先輩の常軌を逸した行動から、そこに気づいた小田の「ごめんなさい」は福音に聞こえました。
野良ぬこが手から餌を食べたような感動をいただきました(笑)

小田の先輩にも、つい共感をおぼえ右往左往する平津の気持ちがリアル。
そして臆病ながらも出した精一杯の勇気。
告白しなければ近くにはいられる…その間合いを失う怖さを振り払って距離を詰めようと平津が震えながら告白する場面に私の手も震えてしまいました。

小田からのぎこちない、ほっぺちゅーはクロスカウンターより効きました!
寸止めじゃなくエチまでいけて良かった←

半年以上前に読んだ時、どう書いていいかわからず寝かせたままのレビューを久々に読み返して書き直しました。
評価も含め最初とは違う着地になり、時間が育てる情感を味わえた作品でした。


9

つなぎのセクシーさ

腹立たしいことがあったとき、心の中に押し込めて圧縮して少しずつ溜まっていくよりは、小田のように怒りを力に変えてサンドバッグを撃ち続けるほうがよっぽど良いと思います。
そうじゃなければ早い段階で心が壊れてしまいますよね、ある意味で小田にとってはコレしかなかったんだと考えると、少し悲しいものもあります。
平津、プロボクサーでそれこそ作中彼の先輩が「ベルトを狙える位置がなんたら」って話しているのに小田にむかって色ボケまっしぐらで、そういうところが憎めませんでした。…いえ、途中で小田と仲違い気味になってしまったとき勝手に、小田が呑み屋の悪口を言っていたようにホラ吹く(…状況を鑑みれば、まぁそういうこともあるかなぁとは思いましたがいやいや言っちゃだめですよね(笑))のはいただけませんが。
ふたりとも、それぞれの考えに共感できるところが多々あり、気が付けば自分も平津と一緒に小田を好いてしまっていました。妄想家平津はなかなか良い妄想を働きます、私はごく序盤での、“リング上(おそらくインターバル時)でぐったりと座ってる小田”が好きです。セクシーたまりません。

怒りを拳に乗せて発散し続ける小続き田へ、なるべくゆっくりそして傷つけないようにと徐々に近づきながら一歩進むごとに喜びを噛みしめる平津がとても可愛かったです。でも平津も人間ですから、時々は失敗して小田の反感を買うんですが、そういうところもまた現実での人間関係の難しさや自らの言動への後悔や、という感覚に繋がりました。
小田の怒り炸裂時のサンドバッグ打ち、すごく怖いんです。華奢な体なのに、あれはすごく重いパンチなんだろうなと感じるほど、殺気じみています。そりゃあジムの会長もリングへ上がること、進めますよね。

終始、ボクサー平津がやたらと乙女チックというか、とてもストイック…なわけではないんですが発想が可愛いというか。小田の匂いを思い出して勃起して自慰を何度もしちゃうって、可愛いなと。とにかく小田くんが好き、好き、好きすごく好き…! で辛抱たまらんな様子がずぅっとで、面白いです。
描き下ろしで、小田が「自分には平津さんがいる」ということが自信になっていて安心もしている、と話したときは 報われた! と嬉しくなってしまいました。それほどずっと平津の心が小田に向かっていたからです。エッチシーンも今までのすべてを放出する! と熱気がむんむんでした。

それと、カバー下のつなぎへの萌え! けしからんフィーバーで幸せになれました。
ラーメン味のキスも、けしからんっ!

5

すり替わる瞬間

見事に狙ったタイトルと期待感へのずらし加減。
そこから何を読み取るかが多分読者の仕事ですが…。

この作品、読者の年齢層をしっかり選んで
しまいそうな気がします。
JUNE、なんですね、しっかりと。
華美な西欧風の耽美を旨とするJUNEではなく、
模索しながら情を汲み上げられたJUNEの一角かと。
だからピンと来難い部分が若干あるやも知れません。
しかし読み返す毎に味わいはしっかりと出ます。
スポ根ものの行間ではなく枠外を読み取ろうとした、
そう言う作品かなと。

帯が若干艶消し加減なのは、まあご愛嬌という事で。

7

殴れ!

京山あつきさんはクセになるなぁ。
へらっとしたちょっとアホっぽくて人が良くてたぶん実際いたらそれなりにかっこいい(かもしれない)けど、何か情けない感じの男子が、きれい目な子に下心の混じった好意を持ってて、でも強く出れなくて、もだもだしながら仲良くなって。
相手の反応に内心一喜一憂で、なんかもうどっちがかわいいのかわからん!どっちもか!ってな気持ちに。
いざって時に、カーッとなって手が震えながらも突っ走るかっこ良さと色気。
この人の作品はモノローグとセリフが大げさでもわざとらしくもないのに、何か胸にきます。そして笑える。
読み終わった瞬間から読み返したくなる作品。

5

怒りという感情というものについて

題名の『あさってのジジョウ』うまいネーミングだなぁ、とひとしお。
ボクサーの平津という男が主人公で冒頭でいきなり「あしたのジョー」なんか歌ってサンドバッグを叩いてましたから、それのヒッカケもあるんですね(笑)
今回のこの作品、一読した時再読した時、また読んだ時、
その都度に今度はこっち方面で、今度はこっち方面で、そういった登場人物の気持ちを色々な方向で読み取りながら全体を見た時に、ああ~いい作品だ。
と味わいを感じました。
作者さんのあとがきで、この作品を描くきっかけとなったという「怒り」という感情をぶつけるということ。
その部分に共感を覚えたり、逐一のセリフに心をつかまれてみたり、ものすごくギュっと鷲掴みにされる何かがあるのです。
ただ、全体への萌えという点では恋愛面的にはという部分は薄く、平津のキャラクターへの愛おしさ、描き下ろしの様子、前述した小田のセリフやシチュへの共感など、ちょっと多様性のある魅力なのかもしれないな、とも思えます。

ボクサー・平津のジムにすごい勢いでサンドバッグを叩きに来る男・小田がいる。
スジがいいので、リングに上がってみないかと声をか続きけられるのだが、人を殴れないと断るその男であるがゆえ、会長は平津に殴りたくなるように嫌われろとけしかるのです。
でも中津はできません。
実は平津は小田に妄想しちゃってもう好きなんです。
仲良くはなりたくとも嫌われたくない(笑)
仲良くなっていく中で、小田の怒りを知り、その理由を知り、平津は怒りの意味を考える。

小田の受ける陰湿ないじめ、きっと同じでなくても自分たちが日常生活の色々な場面できっと体験したものの、その時感じたものの象徴のようなものかもしれない。
平津の立場も行動もいうことも、それも自分たちが体験したり感じたり言ったりしたものの象徴なのかもしれない。
とても深く考えてしまうと底なし沼に沈むようなネガティブ感を感じてしまうのだが、それを救うのも平津のキャラなのです。
試合で負けても、ぼこぼこになっても、彼は考えながら前向きで進むちょっと能天気なほどのその姿勢。
イケメンでもなんでもない若干ブサイクなボクサーだけど(!?)彼の人柄がいいものあるんです。

京山さんのこのラフすぎる絵が苦手な人がいるかもしれない。
描き下ろしのエッチシーンなんか、奈良時代の宮大工が梁に落書きした絵みたいだ(爆)と思ったり。
でもそれも愛嬌で、味であったりするのです。
噛めば噛むほどきっとこの作品は味が出るに違いありません。

13

ボクシングと人間関係

ボクサーの平津と、人を殴れない小田。

平津視点で見た小田が仕事と向き合い、平津の気持ちに応えるまで(リングに上がるまで)の話。

平津もまた小田という人間と向き合い、その反応に一喜一憂する過程で
押すだけではなく相手の気持ちを考えて間合いをはかるという付き合い方を学んでいく。
ボクシングでは押せ押せでボコボコにされても平気なのに、好きな相手(小田)にはひたすらウズウズして気を使っているところが健気で泣かせます。

小田は小田で不器用なりに社会で頑張って生きている姿が愛しく、
面倒くさいけど生きる上で必要な人間関係がじっくり描かれた作品でした。

学歴差別や上司・先輩からの嫌がらせなど、様々なストレスをサンドバックにぶつけていた小田。物語後半でついに人相手に拳を叩き込み、そのあと平津に対してもグッと距離を詰めるシーンが爽快。
距離あるな~と思ってたら次のコマで抱き合っちゃったり、物理的にも精神的にもいきなりガッとくる接近具合がキュンとくるし面白いんです(*´▽`*)

会社をやめて職探しをする小田と、ボクシングに励みながら小田を見守る平津。
最終的に元の職続き場に復帰できた…というオチは上手くいきすぎな気もするけど、
こじれた人間関係から逃げるんじゃなく反省してやり直すという結論は
筋が通ってていいなと思いました。

描き下ろし「あのあとのジョウジ」は、ジョウジのあと並んでラーメン食べてる二人♪
平津の存在が救いになっていたことを口下手なりに一生懸命伝えようとする小田と、
そんな小田にメロメロな平津が可愛かったですv

2011年4月ごろ描き始められたというこの作品(by あとがき)。
本当に大変な時って怒りの感情を表に出せないものだな…と思ったことが、本作を描くきっかけだったそうです(だいぶ意訳)
その言葉通り、ボクシングの打ち込みシーンなどから登場人物のくすぶる怒りがガンガン伝わってくる、シンプルで淡いタッチの絵ながらパワーある作品でした。

メカニックな小田が客にツナギを脱がされる一コマ(←平津のAV的妄想)や、
カバー下のツナギ萌え語りには和みw まあ小田の職場でのストレスや、ジムでの「課長 死ね!」の形相を知ったら呑気に萌えてる場合ではないんですが。。。後ろ手に脱ぐって確かにエロイかも。

8

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