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表題作奪還の代償 ~約束の絆~

リグトゥール・フェルバッハ,護国軍准尉
カイエ,主に虐げられている黄位の聖獣

その他の収録作品

  • 花の香り、蜜の吐息
  • あとがき

あらすじ

故郷の森の中で聖獣の繭卵を拾った軍人・リグトゥールは絆を結んだ聖獣の繭卵を奪われてしまう。行方を追う中、主に虐げられる聖獣・カイエと会い…。シリーズ最新作。
【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。

作品情報

作品名
奪還の代償 ~約束の絆~
著者
六青みつみ 
イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
忠誠の代償 ~聖なる絆~
発売日
ISBN
9784344828124
4.5

(107)

(76)

萌々

(23)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
14
得点
490
評価数
107
平均
4.5 / 5
神率
71%

レビュー投稿数14

何も知らないで読む人が、うらやましい!

六青さんは作家買いです。小説だけでなく、雑誌も買ってしまいます。
前作の『誓約の代償~贖罪の絆~』でも思ったのですが、雑誌で読まずこの分厚い二段組の小説になってから一気に読みたかったと。
その方がより大きな感動が出来るのではないかと、雑誌を買って先に読んでしまった私は思うのです。
話が始まり展開して、たくさんの山あり谷ありを迎え、終わりとなる。そしてご褒美となるような書下ろし作まで何時間もかけて一気に読み込む、それはどんなに感動することだろう。
でも我慢が出来なかったのですよ~。雑誌を読んでみたらやっぱり凄く切なくて悲しくてほっこりして、読んで良かったと思ったものです。そして小説になるのを今か今かと待っていました。

今回は繭卵を奪われ人生が一変・外見も一変してしまったリグトゥールが、自分の奪われてしまった繭卵を探して行くうちに、たまたま出会ったカイエという言葉が話せない貧相な見た目をした聖獣と出会うことから始まります。
カイエは「対の絆」のベルマンから酷い扱いを受けており、常に空腹で服もボロボロ、聖獣が行く学校も通わせては貰えず教育も受けられない、日常的に怒鳴られ暴力に怯える日々を過ごしています。
リグはそんなカイエを見過ごすことが出来ず、何とかベルマンの家の住み込み執事になります。
そしてカイエの食事・身支度の世話をし、家の掃除をし、壊れている家屋の修理をし、服をカイエが着やすく直したり、文字を教えたりするようになります。
あっという間に心を通わせる二人、そしてカイエは宝物にしている自分の繭卵のかけらをリグに見せます。それを見てこの子が自分の奪われた繭卵だとリグは気づきます。
カイエを何とかして取り戻したいのですが、一回誓約を交わした「対の絆」を引き離すことは出来ないのです。葛藤するリグ。
そんなある日、カイエはベルマンに売春を強要されます。
そして物語は怒涛の展開を迎えることとなるのです。

何とも切ないです。読んでいて心が苦しくなりました。
その後は雑誌でいうと後編になるのですが、リグと誓約を交わしたカイエは学校へ行くことになります。ここでこのシリーズの今までのカプ全員出てきて、もう読んでてホンワカしました。
学校生活は色んな偏見に晒されて辛いこともありますが、ここでリュセランが出てきてとても支えてくれるのです。
当然ギルもいて、ギルの過保護っプリがとても微笑ましいです。

そして段々にカイエは成長します。その姿がなんとも綺麗なこと!
葛西リカコさんの良さが前面に出ていて、この作品には葛西さんしかいないと思いました。
雑誌では遂げられなかったリグの本懐も書下ろしにて無事遂げられてました。
キリハとヴァルが良い先輩のように色々と、リュセランの時のように面倒を見てあげているのがとても微笑ましかったですが、何でも話してしまうカイエにリグは大変そうですね。

もう読み応えたっぷりです!
自分の記憶を消して、もう一度何時間もかけて読み込みたい気持ちでいっぱいです。
切ないし苦しいしホッコリして、モフモフ最高です。

12

もふもふ第3弾は醜いアヒルの子?

本当に楽しみにしていたこのシリーズ、単にもふもふだけでないところがまた最高!
2作目の「誓約の代償」を雑誌で見た時から凄く楽しみで、1作目が出た時は、
あれれっ??なんて思ってしまった記憶があるのですが、1作目が陽の雰囲気で
2作目が陰のイメージ、だけど甘さも切なさも感動も同時に詰め込まれているような
このシリーズの作品の虜になってしまいました。

ファンタジーだけどそれだけじゃない、片手にハンカチ持ってなんてシーンがあり
ファンタジーでも不幸ものが少々苦手だと思っていたのにこのシリーズは最後に希望も
あって、とても好きな作品の一つになりました。

そして今回のこの3作目は前2作の主人公たちが身分も高い人物だったりしたが、
今回の主役は一般的な護国軍の准尉でまた聖獣を持っていない21才のリグトゥール。
聖獣を選ぶ選定の義よりも里帰りを選ぶような欲のない男なのですが、里帰り中に
繭卵を見つける事になり、無事に繭卵の主になり黄位ノ騎士候補になります。

しかし、何者かの陰謀で繭卵は奪われリグトゥールも瀕死の怪我を負ってしまい、
更に帝都に事件と繭卵の捜索を依頼するが、リグトゥールが騎士候補になった事実も
繭卵を見つけた事実もすっかり無いことにされているのです。
そこから運命の相手とも言える聖獣を探す過酷な度に出る事になるのですが、
微かに感じていた繭卵との絆がある日断ち切られているのを感じとり慟哭の苦しみを
味わいながら自分から繭卵を奪い契約をした者、今回の真相を解明する為に
リグトゥールは更なる困難に立ち向かう。

そして探し求める聖獣との再会は叶わないが、リグトゥールを信用し支持する者が現れ
それは帝国軍の繭卵盗難や売買を監視摘発する組織でリグトゥールはその任につく。
しかし諦めることなく捜査する中で手がかりが・・・
そしてその最中に出会ったみすぼらしい聖獣の子供との運命の出会い。
聖獣は庇護され大事にされるべきなのに、その子はとても悲惨で辛い目に合ってる。
リグトゥールは何故かその聖獣が気になって仕方がないのです。

しかし、ここまで読んでいると、前二作を読んでいるのでそれがたとえ偽りの契約でも
聖獣と1度宣誓を結んだらどちらかが死ぬまで絆が切れる事が無いと言う事。
かなり今回も切ない内容になっているのですが必ずその先には光がそんな作品です。
今回も感動のファンタジーをありがとうとお礼を言いたいです。

12

もふw

ようやく読み終えることができましたヽ(´▽`)/長くかかった。
というのもですね、これ、カップルは違っても、前回からの登場人物を引きずってるので
どうしてもどうしてもどうしても・・・・どうしても前作を思い出してしまう。
しかも、前回のお話は、転生あるにせよの死別・・・・重すぎるんだよorz
可愛く、無邪気な小さなリュセランを見るたびに胸が締め付けられて
そのリュセランを愛しすぎた攻の気持ちを無駄に組んでしまい。
読み続けられない時期が続いてました。
ともあれ、それじゃいかんと一念発起。
読み終えての達成感この上ない。

お話は、運命に惹かれあうように出会った卵と攻。
しかし、その卵は奪われてしまう。
いくら探しても見つからない。
そんなある日、また惹かれあうように出会った小さな獣は
ひどい仕打ちを受けさせられていた。
そこからの奪還と運命の歯車~な物語なお話。
素直でカワイイ受を傷つけられない、汚せないと
男の葛藤を押し込める攻のもどかしさが楽しい。
興奮した状態でガマンを強いられる攻・・・・言葉にすると美麗だが
思わず映像で想像してしまいちょっと笑ったw(ぉぃ

攻の危機で~な後半は、ある意味テンプレ
毎度!という感じはありつつも、その健気で一生懸命な受は可愛いと思ってしまう。
後半は駆け足ハッピーエンドでしたが、なかなかに可愛いお話でした。

中盤から、「次回は攻がモフモフもありだよな~」と思っていたんですが
あとがき「次回は攻がもふもふです」マジかー!∑(゜∀゜)
これは楽しみ

8

過去の苦難を乗り越えて

代償シリーズ3作目。
護国軍准尉リグと主から愛情を注がれずに育てられた聖獣カイエのお話し。

繭卵の密売によって手に入れたカイエがインペリアルでなかったことに腹を立てた主から虐待をされて育ったカイエ。
いつも怯えて暮らしているカイエが可哀想でいたたまれなかったです。

そんなカイエを助け出したリグと新たな対の絆となりようやく幸せになれると思われましたが、邪魔者はたくさん出てくるものですね・・・。
読んでいてハラハラさせられました。

遅咲きの二人でしたが、過去の苦難を乗り越えたからこその深い絆が感じられる作品でよかったです。
夜の初陣の助言をする皇帝ヴァルも良かった(^^)

4

騎士と奪われた聖獣の再会

もふもふシリーズ第3弾

第2弾終盤でちょろっと出て来た訳ありな騎士&聖獣カップルが主役です。

庶民の出ながら能力も人望もある護国軍隊士が森で見つけた繭卵。選ばれし騎士として孵化を待っていたのに奪われ誓約されてしまったことで別れ別れとなり必死に探す騎士リグテウールと偽りの主ものとして虐待されて育つ聖獣カイエの再会までの長い苦労と成獣となり戦闘に出られるようになるまでの成長物語です。

シリーズそれぞれが独立した話で個別に楽しめますが、やはり独特な世界観や登場人物のその後の活躍を見守るために通して読むべきでしょう。
今回、1作めで未解決だった組織的な繭卵窃盗の解決編でもありました。

憎むべき強奪者や組織的な犯罪者ですが、それぞれに『対の絆』に関わる悲しい過去や狂わされた運命に翻弄されていました。
捻じ曲げられた法や理をあるべき姿に戻そうと戦い続けるヴァルクートと一段と力を強めたキリハが頼もしかったです。

愛されずに虐げられていたカイエがそれでも優しくまっすぐに育ったのはひと時でも卵に呼びかけたリグの愛情あふれる言葉と思いだったのだと思います。
耳とふわふわ尻尾の幼いカイエは可愛くて、成獣になったカイエは儚げで美しいです。

2

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