東雲月虹
有原の、小さい頃から後悔ばかりの人生。
上京する際、列車で偶然向かいに座り合わせた男に
疑う気持ちもなく決まっていた下宿に泊める事になり、
無理に関係を結ばれ、仕送りも書留も取られ、
勉強しなければならないのに集中出来ない。
大学の敷地内で屈んでいたところ、廣瀬が声をかけてくれ
下心も何も無く、お腹が鳴った有原にお饅頭を差し出してくれます。
思わずこぼれた涙がきっかけで、状況を説明する事に…。
廣瀬が先輩に相談をもちかけ、
一芝居うって有原の下宿を引き払います。
何も知らなかったのに、友達ですら無かった自分を助けてくれて
救ってくれた廣瀬への気持ちを
もう今までのように後悔しないで済むように
決して告げることはしないと決意した有原だったのです。
でも、想いを閉じ込められずに書いた恋文が、
自分を含め、廣瀬、花城、澤の人生を変えることになるとは!!
このエピソードを読んでから『マッチ売り』を読むと
深さがまた違ってきます。
ますます廣瀬の人柄に惚れ、
有原がちょっと気の毒になりつつ、愛おしくなるのです。
(澤にされた仕打ちはどん底から三番目くらいらしいですw)
送付予定月をだいぶ過ぎた記憶がありますが、
このクオリティなら待っても全然平気でした!!
草間さん独特の色合いと、
まるで昭和初期のにおいまでしてくるような風景。
これがカラーで拝めるとは…。
…草間さんて…。
本当に凄い漫画家さんです。