私はあなたにとって王子? それとも悪い魔女かな…。

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表題作夜の泉の、ラプンツェル

伯爵家嫡男 西洞院公威
子爵家庶子で人気画家 四条周

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

新進気鋭の絵師・四条周は、腹違いの弟・貴巨に長年惹かれていた。だが、自身のいやしい出自と四条子爵家との確執から、その想いを隠し、陰のように生きてきた。
ある日、貴巨からパトロンにと、西洞院伯爵家の嫡男・公威を紹介されるが、周は無下に扱う。しかし、貴巨とその恋人・楓の逢瀬を目撃した周は、弟への恋慕を公威に気づかれ、口止めの対価として身体の関係を要求されて…。

『眠りの森の、いばら姫』スピンオフです!

作品情報

作品名
夜の泉の、ラプンツェル
著者
弓月あや 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
シリーズ
うたかたの人魚姫
発売日
ISBN
9784861346248
2.5

(6)

(0)

萌々

(0)

(3)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
12
評価数
6
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

天然ネガティブって面白い

「眠りの森の、いばら姫」の続編スピンオフ、前作の攻め四条貴臣の異母兄が今回の主役
前作で貴臣の実父が貴臣のフィアンセと心中していて、なんて内容でしたが、
その亡くなった元子爵と舞妓との間に出来た妾腹が受けである四条周。
美人画を書いたりする人気画家で妾腹なのに四条家とは仲がいいのです。

しかし、周は異母弟に半分しか血が繋がっていないながらも兄弟を思う以上の
思いを弟に抱いている、でもそれは密かに秘めた思い。
会えば辛くなる、だから四条家ともなるべく付き合わないようにしているが、
ある日弟に呼び出され、出向いた先で弟の友人である公家の流れをくむ伯爵家嫡男の
公威を画家として四条家の援助も受けない兄を思いパトロン候補として紹介される。
しかし出会った公威は寡黙だと言う弟の言葉を裏切る程テンション高く、
周の絵のファンだと公言し、皆を唖然とさせる。

周は苦手意識を持つが公威は強引に周と親しくなろとする、そんな時に弟と恋人の
情事を見てしまいショックを受けながらも自身も欲情した姿を公威に見られ、
弟を一人の男として好きな事を知られ、内緒にする代わりに付き合って欲しいと
半分脅迫される形で関係を結ぶ。
こうやって文章にすると痛くて切なく辛い感じがするのですが、周のちょっと変わった
天然で子供じみた性格のせいでシリアスな内容が下手をするとコミカル路線になる。

寂しがり屋でネガティブで自身の出を非常に恥じている、かと思えば無邪気な行動や
態度が見ているものを惑わせる。
そして、公威の周に対する執着、周を万華鏡に例えているのですが、
本当にそんな感じが当てはまる周に本人無自覚で振り回されるお話です。
更に周と弟貴臣のブラコンまでも発覚する流れ、いつの間にか弟への禁忌な思いは
どこかに消え失せのブラコン。
結果的には、生まれのせいで、誰にも愛されず愛を求めず生きる事になると思っていた
周が愛を覚え受入れ幸せになるストーリーなのでハッピーものなのは確かです。

1

王子と姫と魔法使いの話

『うたかたの人魚姫』『眠りの森の、いばら姫』に続くお姫様シリーズ3作目。
『眠りの~』の攻の腹違いの兄・周(あまね)のスピンオフです。
前作カプが結構登場してはいちゃついているので、既読だとより楽しめると思います。


主人公の周は、美人絵を得意とする、新進気鋭の人気画家。
弟からパトロンとして紹介された伯爵家の嫡子・公威は、周の絵の大ファン。
絵だけでなく、周の美貌にも惚れた公威は、美術品めぐりデートに誘ったり、思わぬ場面で襲ったりしてくる。その強引さ・一途さに過去の男とは違う魅力を感じ、惹かれていく周。愛される過程で、弟への報われない恋心も断ち切ります。

弟との思い出や、幼少を過ごした家を大切にする周は、ラプンツェルを失って嘆く魔法使いのようです。そんな周を一途に愛し、しかしそのアプローチは少々サド趣味な公威もまた、王子と魔法使い両方の要素をもっています。ラプンツェル=周(長髪美人でワガママなお姫様)が全てではないところがなかなか興味深いお話でした。


ただ…萌えたかと問われると…?
周の子供っぽい口調や性格と「三十路受け」設定がかみあっていないように感じ、
オシオキされて『おしりきもちいぃ』なんて言っちゃう絡みにも萌えませんでした。
スパンキング、言葉責め、弟の前でプレイ…などエロ的には充実しているのに残念。

周は、妾腹・元結核患者等の重い設定の割にあっけらかんとしたイイ性格なのですが、その持ち味がドSな公威の前ではいまいち活きていない感じもしました。ほだされてアンアン喘ぐだけの受けは個人的にあまり美味しくないもので。

年下×三十路受けということで前2作とは違う趣向を期待していたのですが、
結局は強引な男前×可愛い系という今までのカップルと似たような印象がぬぐえなかったのが、少し勿体ないと感じました。

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