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表題作蝶は夜に囚われる

狩野明匡,組織犯罪対策課刑事,28歳
矢嶋青伊,失踪した高校時代の同級生,28歳

その他の収録作品

  • 恋のつづき
  • あとがき
  • ある夜の話

あらすじ

刑事の狩野が12年もの間探し続けているのは、高校1年の夏に1ヶ月だけ同級生だった、腕に蝶の入れ墨のある同級生青伊で…。

作品情報

作品名
蝶は夜に囚われる
著者
御堂なな子 
イラスト
ヤマダサクラコ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
蝶は夜に囚われる
発売日
ISBN
9784344832527
3.3

(28)

(9)

萌々

(5)

(7)

中立

(1)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
5
得点
87
評価数
28
平均
3.3 / 5
神率
32.1%

レビュー投稿数5

誰が 敵か味方か わからない不安

せつないです。
家庭内暴力の中で育った青伊。
12年間 彼を探すためだけに 刑事になった狩野
不幸から脱却してほしいのに
12年後の再会は 警察と暴力団から逃亡している 傷だらけの青伊だった。
青伊を助けたい一心の狩野
誰が味方か 敵か わからない不安がひしひしつたわりました。
後で結果を知れば 暴力団ならあの人に 警察だったらあの人に 
助けを求めていたら こんな残酷な目に合わなかったのに
とないものねだり。
事件が解決し、精神的負担だった妹のことも解決し、
二人の再就職も決まって  ホッ。
味方だった 春日先生とマカオにいった猫の飼い主さんの
その後はないのかな。




6

ココナッツ

siragikuさま、初めましてこんにちは。
ココナッツと申します(*^^*)

こちらの作品、作者さん自体が未読で購入に迷っていました。
もしハッピーエンドでなかったら、ショック大きい!と。
しかし、レビューがとても参考になりました。
どうもありがとうございます♪( ´▽`)

可哀想すぎる受け好きの方に

不憫な受けの痛さMAXのお話です。幼少の頃から親に売春をさせられるという劣悪な環境で育ち、高校で出会った攻めに初恋、別れて12年後に再会するストーリーです。

警察・ヤクザが絡むスリリング系のお話で読み応えもあるのでドキドキハラハラできますが、とにかく受けの青伊が不幸すぎて可哀想。子供の頃から28歳の大人になるまで辛い事だらけで今にも死んでしまうんじゃないか?っていう酷い目にばかり遭います。意外と丈夫な体だったのか最後まで持ち堪えてくれて良かった。

受けを救う王子様の攻め・狩野は高校の時行方不明になった受けを見つけるために刑事になった執念は素晴らしいけどやる事なす事裏目に出るというか受けを助けだしてもすぐに拉致されレイプや暴力、撮影までされ結果的にさらに酷い目に遭わせてるような気が。結構鈍感で刑事として有能と思えないので結果職を辞して正解です。受けを救う為に刑事になり救う為にそれをやめた。人生捧げてます。

しかし高校の時に受けを飼っていたヤクザをボコボコにしてその後すぐに受けが失踪したのは自分を守るためだったっていうのを大人になってから気づくとは鈍すぎる。読者の皆さんはその場面を読んだ瞬間に気付いたと思いますよ?クライマックスで助かったのも運任せだった気もするし。でも書き下ろしで更生できた受けを思って涙するシーンは彼の優しさが伝わって良かったです。

敵の大ボスや警察庁キャリアの上官が魅力的で色々構想もあるとあとがきにあったので商業化されたら是非読みたいです。イラストもカッコ良かった2人だし。

この話で1番許せないのは受けの毒親の母親がなんの制裁も受けていない事。全ての元凶でヤクザよりタチが悪い。綺麗な病院で聖母のように微笑みながら生涯を終えるなんて事は絶対絶対許せません。

※追記…リンク作がある事に気づき早速ポチッてきました。ラスボス×医者カップルでした。警察キャリアどこ行った。カッコ良さそうな攻めで期待できるけどレビューがないのはなぜ?

1

コッテコテの不憫受け

甘い王道路線が多い御堂なな子さん。
今回はかなり暗くシリアスな展開で
本の分厚さからして本気度が伝わってくるような内容でした。


刑事の狩野(攻め)が、12年間探し続けた高校時代の同級生・青伊(受け)を見つけたところから始まる物語。

12年前の青伊は
母親とその恋人のヤクザに幼い頃から売春を強要され、痛みを感じなくなるほどの虐待を受けてきた。

青伊を守ろうとする狩野だが
青伊に拒絶されたことで頭に血が上り、青伊を強姦してしまう。
その後、青伊は母親と共に失踪。
12年後、クスリ浸けで瀕死のところを狩野が保護し、警察とヤクザに追われる彼を守ろうとするが…という展開です。


青伊がとにかくめちゃめちゃに痛めつけられるのが不憫。
狩野の目の前でヤクザに輪姦されるわ、クスリを打たれるわ、警察にボコボコにされるわ…。
虐げられることに慣れ、全く抵抗しない青伊が
また痛ましいです。

そんな青伊にとって
自分に唯一優しくしてくれた狩野は
特別な相手で、
狩野を巻き込みたくないからこそ
狩野の好意を拒む。


このように青伊が狩野に惹かれた理由は
分かりやすいのですが、
狩野が青伊に執着する理由は
やや説得力に欠けるように思います。
彼が元々持っていた正義感が
青伊と出会ったことで開花したことは
読み取れるものの、
それは恋愛感情まで抱く理由にはならないような。
(強姦展開もやや強引…)

この学生時代の一ヶ月が
二人を結びつける鍵として何度も登場するので
もう少し狩野が青伊に恋する流れを
丁寧に追ってくれていたら
もっと話に入り込めたかと思います。

また、演出過剰でやや陳腐に思えてしまう箇所も。
二人を「野良犬」「野良猫」と喩える比喩表現や
初めての給料に喜ぶ青伊の姿など
泣かせどころを強調しすぎて
少しあざとく感じてしまいました;


とは言うものの、最後の青伊と狩野の幸せそうな姿にホッとするくらいにはストーリーに入り込めました。

不憫で健気な受けが攻めに甘やかされ
最終的にラブラブになるというパターンは
いつもの御堂作品と同じなので
読後感は悪くありません。
評価は迷いましたが、ギリ萌で。

4

攻めに物申したい一作

不幸受け好きなので、あらすじ見てレジに直行しました。
普段は甘い路線の多い作家さんなのですね。

主人公の狩野は、高1の一ヶ月を共に過ごした同級生を探すために刑事になった男。
彼が捜し求め、執着を寄せるのが今回の受けの青伊。
青伊は双子の妹の死を自分のせいと思い込み、虐待や売春を甘んじて受け入れています。
そんな青伊を救いたかった、救えなかった狩野が12年ぶりに彼を探し当てて、次こそはと奔走する。しかし、青伊は麻薬取引に関わらされていて・・・という
王道といえば王道な不幸受け。


なんというか・・・狩野、落ち着け、って感じの作品でした。
高校生パートは良かったんです。若気の至りってこともあるし、考えや力の及ばないこともたくさんあるだろうと。
しかし、そこから12年経っての狩野の成長の無さには撃沈しました。
本職をないがしろにして青伊優先で動いちゃったり、青伊の気持ちを無視するような暴走も見受けられて・・・。
青伊は不幸な境遇ですから、今までの人間関係を考えると狩野に惹かれても仕方が無いかもしれない・・。けれども、どうしても私は、やめときなよそんなわがままな男・・・と思わずにはいられませんでした。

好きな方には本当に申し訳ないのですが、狩野のキャラをどうしても正当化できず、物語に入り込めなかったかな、というのが正直な感想です。

個人的に、この作品で一番懐の広い男はサブキャラの鷹通さんのような気もしますがどうなんでしょう。
作者さんが、それぞれのキャラにバックグラウンドがあって、いつか披露できたら、と書かれていたので、それは少し楽しみです。

1

先にお詫びを…

とにかく自分でも辛口で書いた自覚がありますので、ファンの方は無視して見ないで頂けますと助かります。
ファンの方にはご不快でしょうが、同じような趣味の方へ少しでもご参考になればと思いまして。

読みながら違和感がつき纏った作品。
本来は甘々な作品を書かれている作家さんのようで、そのせいなのか、硬めのストーリーに一所懸命書き方を変えたような、それでいて微妙に慣れない雰囲気がこちらに伝わってしまって座りが悪かったです。
ストーリー自体は攻めが受けをずっと探している再会もので、かなり好みなのですが。
本編の視点は攻め、後半のSSとあとがきの後にありますお話は受け視点です。

********************
攻めの狩野は、高校時代に消えた同級生である受けを探すために職についた(まずないでしょ)、新宿中央署組織犯罪対策課の刑事、28歳。

受けは家庭内暴力、性暴力にさらされながら育ったために、自分に価値を見出せない青伊。
狩野とは高校時代のクラスメイトで、12年前に街から姿を消しています。
********************

内容的には狩野が青伊を執念を持って探し続け、見つけた時ボロボロだった青伊がさらにその後もボロッボロになり続けるものです。
そう、もうこれでもか!もっと必要でしょ!という作者さんの声が聞こえるくらいの不憫ぷり。
薬に暴力、輪姦ありです。
これは読者にとって必要なのでしょうか。
幼少時代、学生時代の経験だけでも充分こちらには不幸は伝わってきますけども…

最初に書きましたように、ひじょうに個人的には読みづらさがありました。
文章の違和感もあるのですが、あとはやはり『刑事でこりゃないだろ』という部分の多さ。
フィクションだというのはわかりますが、シリアスな作品なので(コメディならば良いけど)それなりにリアリティーがないと白けてしまいます。
例えば、別の所轄が仕切っている事件に大きな顔をしていたり(これが超ベテラン刑事ならともかく20代後半なんですよね)、応援だから会議になんて出なくて良いとか言っていたり。
さらには別の所轄の後輩と組まされてもいないのに二人で逮捕しに行くぜ!ばりに先走ったり…
結果、しかも後輩に止められ(当たり前だ)、「くそっ、いったん泳がせておいてやる」とか言ってしまう(苦笑
おいおい、あんたの判断で逮捕・保留なんて出来ないだろうとフィクションにしてもほどがあるのでは。
縄張り意識が強いであろう警察でそりゃないだろうと。
とにかく攻めキャラが終始そんな風なので、シリアスなのにも関わらずいちいちツッコミを入れながら読んでしまう自分がおりました。
この攻めキャラの設定のいただけなさと文章のどこか素人臭い(偉そうですみません・汗)感じがあまりにも酷く分厚いこの本を読み続けるのは苦痛で、いつ読みやすくなるのだろうと思っているうちに読み終えてしまいました。
御堂さんの今までの甘々路線の作品は読んだことがないくせに偉そうですが、冒険が裏目に出てしまったのではないかと思いました。

表紙で惹かれたこの作品。
小説の表紙は大抵が胸上か全身のイラストが多いので、すごく新鮮でした。(この絵師さん自体はアップ表紙多いようですが)
ただ、中の挿絵とはちょっとイメージ違います。
挿絵の方はイラストレーターではなく漫画家さんなのかな?という雰囲気です。

1

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