ボタンを押すと即立ち読みできます!
題名もかわいければ、作品もいつもかわいい平喜多作品。
今回はダイレクトに「かわいい」をメインに据えてきました。
女装をする男子が登場します。
男の娘にカテゴライズしたらいいのでしょうか、「かわいいものが好き」が高じた女装。
そこに流れる気持ちに、思春期の恋と悩みとを混ぜ合わせながら変遷していく姿とセリフに思わず”キュン”させられてしまいました。
「かわいい」の意味を考えながら読むと、とても主人公が解るような気がします。
別々の高校になってから話すことも顔を合わすこともなかった幼馴染の穂高が妹を訪ねてやってくる。
征がそこで見た穂高は、妹の靴を手にとって嬉しそうにしている姿。
久々に穂高と話した征は、それから穂高は妹と付き合ってるのかな?とか二人の距離を想い、彼の事を考えてはもやもやするようになる。
陸上部員の征が夜の走りこみをしている時に、変質者に襲われている女子を発見。
なんと、その女子は女装した穂高でした!
彼の女装を見ても引かなくて、彼の可愛いものが好きな乙女趣味を知っても、別にいいんじゃないの、と自分を否定しないで認めてくれる征をその時穂高はかわいいと思うのです。
また穂高にハグされた征は、穂高の甘い匂いが気になって。
こうして再び近しくなった二人は、気持ちが育って行くのです。
穂高が女子みたいか、というと確かに趣味は乙女趣味だし、まるで恋する乙女のように征を慕って行く姿があるのですが、まるで女子みたい、とは思えないのです。
女子みたいな(思考や行動や受動的という意味含め)男子というのは自分的苦手部類なのですが、この子については自分はそう思えなかった。それは一体何に違いがあるのだろうか?
どちらかというと穂高が積極的だからかもしれません。
また、恋心を抱くきっかけも征が自分の性癖を認めてくれたことへの信頼から始まる部分もあるからかもしれません。
何となくぼんやりと、この子嫌いじゃないと思った印象は、ラストによって確信にかわるのですから。
穂高は征の事をかわいいと言います。
確かに、顔を赤らめたりびっくりして目を見開いたり、穂高におされぎみな姿はありますが、彼なりの穂高への日常と何ら変わりない接し方や、特別扱いしていない態度、そして、ちゃんと自分の気持ちも言う。。。だからきちんと男の子ではあるのです。
穂高は可愛いものが好き。征はかわいい。
あっ!わかった!!穂高の「かわいい」は好きなもの、特別なものという意味なのだと!
盛んに、かわいいかわいいを連発してるのですが、まさにそれは「好き」なのです♪
そして、征はかわいいものが好きで嬉しそうな顔をしている穂高が好きなのです。
最初妹のかわいいタオルを部活で使った時に、妹にとがめられるのですが「これってかわいいか?」なんて言っていますから、彼にはかわいいはわからないというか、彼のかわいい基準はきっと違うのです。
でも、かわいい=好き に直すと、、、
ラスト近く、穂高の女装癖が家族にバレます。
しかし、非難するでもなく罵倒するでもなく、狼狽はするものの、それなりに彼を受け入れてくれたのです。
穂高は不安だったのです。このかわいい好きの趣味を認めてもらないかもしれないことが。
そして、女装をいったん辞めることにします。それは彼が自分自身を見つめ直して自らも受け入れた結果だったのです。
きっとそのバックには初めて自分の性癖を認めてくれた征の存在があったから。
なんとすがすがしい終わりでしょう♪思春期に、自分たちの人生の岐路を迎えた話しでもありました。
初めてのエッチシーンの征のセリフ「俺は服とかのかわいいはよくわかんねぇけど、好きなものを着て嬉しそうにしているお前の事は、その、、、かわいいって、思って・・・」
あーー!キュン萌えしました♪
つい穂高メインで書いてしまいましたが、作品はそれぞれの両方視点があります。征についてもちゃんと気持ちがわかります。
レビューを書きながら、またこの作品が好きになっていくようですv
【恋のデリシャスジャーニー】は大学生モノ
大学の学食で出会った新平と三誉。
二人は夏休みを利用して自動車で新平の実家目指して食い倒れの旅に来ています。
この旅行を終えたら、玉砕覚悟で三誉に告白しようと思っている新平。
そんなさなか、ふとしたきっかけで互いがすれ違い、わかった両思いだったという事実。
これもまた、食べる君の顔が好き~から、新平は三誉の為に自分で料理をしだすのですが、自分の作ったものが舌を喜ばせ、のどを通り、腹を満たし、血肉になる・・・
キャー!!すごいと思いませんかw
なんかその思考にゾクゾクしちゃいました。
いつもカワイイ作品ですが、今回はこうした大学生の話もあったりして、ちょっと違った傾向も見られた気がします。
大変に満足な一冊でした。
可愛い物が大好きな高校生と、その幼馴染の可愛いラブストーリーです。
可愛い物が大好きな穂高は、ある日女装姿で変質者に絡まれているところを幼馴染の征に助けられます。
自分の趣味がバレて、気持ち悪がられると思っていたら、認めて「着たいもん着ろよ」と言ってくれるのです。人に言えないことを認められるって、本当に嬉しいですよね。征は、男らしくて優しくて、ほんとイイコです。征に受け入れられた穂高も嬉しくて、自分の気持ちが急速に、征に向いていくのに気付きます。
二人が結ばれるまでの過程や、お互いが相手を想う気持ちが可愛くてキュンキュンします。
男らしく征に迫る、穂高のギャップにも萌えます。
穂高の可愛い物好きを、自然に認めてくれた両親も良かったです。
もう一つの短編も、二人の葛藤と恋心がキュンキュンして好きです。
普通以上に可愛いが詰まった、好きな一冊です。
とくべつにかわいい。
かわいい物が好きすぎて、自分でも着てみたくなって女装しちゃうような男の子が、
かわいいと思っていた幼馴染みとの恋を成就させるお話。
女装する子の方が攻めです。
かわいい物が大好きな穂高、陸上部でちょっと奥手な征、征の妹で穂高と同じ高校に通うみお。
最初はみおと穂高の関係を疑っていた征ですが、ある夜、偶然、花柄のワンピース姿の穂高と出くわしてしまいます。
征は、穂高の女装趣味を知って、さすがにびっくりはしますが、好きな物は好きでいいと、穂高を肯定する征の反応が実に男前です。
そして穂高は、大好きな征に肯定され、愛され、両親に女装趣味が知られても拒絶されなかったことで、「自分が女装する事で閉じていたかわいい物の世界」から卒業出来たのです。
征に選んで貰った最後の一着を着るシーン。
しっかり男の子の身体で、
その服のまま始まる、初めての夜。
子どもが、少しづつ自分の中の感情を恋愛だと自覚していく日々を、丁寧に、かわいらしい絵で描いた作品。
キスはいっぱいしていますが、初めての夜はほぼ朝チュン。
だからこそ萌える。
ここでガッツリエロが入ったら、寧ろ萌マイナスです。
表題作シリーズは、女装攻めなんだけどキワモノっぽさは全くありません。
幼馴染の穂高に女装趣味があることを知って動揺しつつも「着たいものを着ろ」と肯定した征。
だけど自分の妹みたいに、攻めと一緒にかわいいお洋服をキャイキャイと選んであげることはできないし、そもそも「かわいい」というのも良くわからない……。
「自分にはかわいいとか判らないけど、(かわいいものを見て相手が)喜んでる姿を見ると嬉しい。そして喜んでいる姿がかわいい」
と征がいうんだけど、それが何より大事というか、それこそが愛だわ!!!と激しく言いたい。
カップルとか夫婦で趣味がぴったんこなら最高だけど、全部ぴったんこってニコイチでもない限り無理で、通常なら好みが違うことも多々あるわけです。
相手の好きなものを知りたい、理解したい、自分も好きになりたいと思って努力することも素敵なことだけど、やっぱりどうやっても無理、判らない……ということだってある。
でも、その時にわからないものを否定するのではなくて、自分にゃわからんけど、相手が幸せそう&喜んでるならそれでいいやという気持ちになれるかどうかだと思うんですよね。
だから「わかろうとしてくれただけで嬉しい」と泣く穂高にも、趣味を理解しようと思って雑貨屋に偵察に行った征にも、お互いへの愛を感じるー!!
なのに幼馴染という枠からなかなか抜けて出てこれず、もだもだしてる二人もかわいいんだけど
「穂高が望む事で俺ができる事ならしてやりたい」ってこれまた、これぞ愛としか思えない事を思っちゃう征にも萌え。
【恋のデリシャスジャーニー】
好きな相手が超大食いなので、こっそり料理の特訓をして手料理を食べさせる攻め。
自分の手で作ったものが、好きな男の舌を悦ばせ、、腹を満たして彼の血肉の一部になるかと思うとたまらないエロさを感じてるんだけど、思い通じあっての初エッチを「ずっと焦がれていた三誉の腹に入ってしまった」と表現しちゃうところが読んでてたまりません!
俗に言うオネエやオカマさんとは違う可愛いものが大好きな女装男子のお話。
プラス幼なじみ同士の可愛い恋のゆくへも同時進行のほんわかムードに思春期の
お悩み、初めての抱く仄かな恋心もじれったくもあり可愛らしい。
イラストも可愛くほんわか可愛いものが映えそうな描写で愛らしい作品。
幼なじみと疎遠になって久しいこの頃、何故か同い年の同性の幼なじみは妹とコソコソ。
幼なじみが何を考えているのか解らなくて、でもそれぞれに違う道を進んでいるから
仕方ないと思いつつも気になった時に、幼なじみの穂高が玄関先で妹の靴を手に取り
嬉しそうにしている姿を見て、妹が好きなのかと複雑な気持ちにかられる。
征は陸上部で夜の自主練をしていた時に下半身丸出しの変態さんと女の子がもめてる
現場に遭遇するのですが、変態さんにキモイと言われた女の子はなんと幼なじみの
男の穂高で、穂高は知られたくなかったとメソメソなのですが、征はそんな穂高の
趣味を笑うでもなく好きならと後押ししてくれる男前さんなのです。
そこから二人の距離は近くなったり遠くなったり微妙な感じでそれこそ思春期の
悩める若者の姿なのです。
ホモかもしれない穂高だけど、本当に可愛いものが単に好きで、征のことも可愛いと
思う気持ちが強くなり、征に思いを告げるけれど嫌いだとか無理だとかでない
戸惑いを見せる、この征くん、穂高の可愛いもの好きを理解しようと努力するが
同じように穂高が可愛いものを見ても共感出来ない事で離れようとするのです。
征くんは本当に男前と言うか度量が深い、そんな征くんに拒絶されなかった穂高くんが
征くんを好きになるのも無理はないと思えるのですよ。
親に女装の事がバレる事態になったりするけれど、この両親も懐が深くて素敵。
趣味や考え方は違うけれど相手を理解しようとする気持ちが読んでて
素敵だと思った本です。