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綺麗だと言われる容姿をしている受けになる大和は、一回り歳の離れた叔父が
オーナをしているギャラリーで事務をしながら子供のような手のかかる叔父の面倒も
見る生活をしているのですが、そんな時に叔父の作品を買いたいとギャラリーに
やって来た攻めになる田宮と出会うが、互いに印象は最悪な感じでした。
ギャラリーではカフェも一応やってはいるけれど、カフェの客は皆無で殆どは
オーナーの友人か、ギャラリーに絵を買い求めに来た客の為に飲み物を提供するだけ、
なのに、最悪な出会いだったのに、田宮はそれから毎日と言っていい程コーヒーが
気に行ったと日参、しかし大和は初めに叔父と執拗にコンタクトを取りたいと言った
田宮を見た目と雰囲気だけで警戒していたが、自分の人見知りな性格まで見抜かれ
誰に言っても信じて貰えない事を言い当てた田宮に好意を抱くようになります。
チョットしたキッカケから夕飯を一緒にと外へ出かけそこで大和は元恋人と呼べる
酔った相手に絡まれ、田宮に助けられるかたちになり、自分が人を好きになれない
恋愛不感症かもしれないと話、田宮もまた身体の付き合いはあるが本気の恋愛は
した事も思ったこともないと、でも田宮に本気の恋愛は出来なくても真似事なら
出来ると言われ、何故か実験的な恋愛ををすることになるのです。
実験的な恋愛って、結局はセフレじゃないのかとツッコみたくなるのですが、
実験的な恋愛を始めた二人が本気の恋愛、本気の相手になってしまうまでを描いていて、
そこに大和の叔父と田宮の意外な接点や、実は田宮は大和に話していない事があり、
そのことで誤解し大和が一方的に田宮から離れ拒絶するような拗れてしまった大人の
恋模様って感じの作品でした。
表紙イラストから受けるシリアスチックな印象程重い話でも無く意外にさらりと
読んでしまえる作品でしたね。
う〜ん…どう言えばいいのか。
出だし。大人の魅力たっぷりの攻めに、反発しつつも気になって仕方ない受けの気持ちに感情移入して、強引かつ官能的に未経験の受けの躰を拓いていく描写に「神寄りの萌x2」評価と感じていました。
その後の、受けが甘やかされてどんどん素直になっていく様なども好ましいものでした。
が、起承転結の「転」とも言える攻めの隠していた秘密が浮かび上がり、そこからの二人に亀裂が入り……のあたりからどうも違和感を感じ始めて。
結果的に言うと、この攻めは大和のことを全く対等に扱っていない。
もちろん年齢差とか社会経験の差とか財力とか、もとより攻めの方が圧倒的上位にはいるのです。実際先に挙げた「二人に亀裂が〜」というのも、亀裂が入ったと感じたのは大和の方だけで、攻めは痛くも痒くもない。大和が傷ついたことなど話を聞く価値もないような態度でsexで流してしまう。
攻めにとって大和は可愛くて、なんでもしてあげたい相手。でも二人で何かを分かち合ったり作り上げていくことはなさそう。
そんな余裕すぎる大人の攻めにすっかり攻略されている大和が、私的になんとなく気に入らない……
というわけで、一冊全部読み終えての評価は「中立寄りの萌」です。
素敵系大人が、頑なな美形受けを官能Hでぐずぐずにとろけさせて〜という展開や、年上攻めが年下受けを甘やかす展開が好きな人にはおすすめです。
まあ、よく考えたら攻めの方もセフレとしか付き合ったことなくて、まともな恋愛は初めてらしいので、これから大和に翻弄されて恋の苦しみやままならなさを知ればいいんだ。ふん。
(葛西リカコさんのイラストは素晴らしいです)
攻めの性格が受け入れられるか否かによって随分印象が変わりそうです。
悪い人ではないんだろうけど、良い人でもない。
狡い大人×ウブな青年の恋愛の真似事から始まるお話です。
受けは感情表現が下手で恋愛不感症。
ゆえに百戦錬磨の攻めから見れば手垢のついてない原石のようなもので。
誘導尋問に落ちるかのようにあれよあれよと展開し、
気づけば攻めの腕の中で極上の甘々に包まれていて…。
ウブな子がここまでされれば落ちますって(`・ω・´)ん
と言いたいぐらい甘々に蕩かされてます。
恋愛不感症と自分を位置つけて、淡々としてた頃が嘘のよう。
めいっぱい愛された受けはとっても可愛く変化を遂げてました。
受けをそんな風に変えた男は、もちろん魅力的な人物。
いつも悠然とした態度で独特の雰囲気を纏った大人の男。
何をしても絵になるような素敵な攻めでした。
そんな極甘な日々の中に発覚した事実。
その時の受けのショックたるや…(;ω;)
動揺を隠せない姿も、毅然と振る舞う努力をしてる健気さもグッときました。
初めての涙には切なキュンでもらい泣き。
それに対して攻めはというと。
不利な状況に落ちても悠々としてて不遜な態度を崩さない。
その態度から、『どう足掻いても俺を好きなのは変えられないだろう?』と上から目線で受けを見てるようにしか見えなくてイヤーな気分に…(-ω-;)
受けが愛らしいと感じれば感じるほど
反比例で攻めムカつくムカつくムカつく。
ちょっとは動揺しやがれ!!!
と、モヤモヤ( ˘•ω•˘ ).。oஇ
ここで攻めがなりふり構わず必死な姿を見せてくれたら激萌えだったのですがね。
攻めは最初から最後まで一貫して変わらなかった。
受けにとって攻めは自分を変えるぐらい影響のある人だったけど、攻めにとって受けは新鮮で可愛らしい愛玩的な恋人なんだろうなぁ…と捻くれた感想が浮かんでしまう…。
また、ストーリー部分では
スピンへの伏線バンバン張られてるのがありありと見えて変に気が逸れたかな。
叔父さんと相手の間に何があったんだ…。
受けに重点をおくと萌え×2評価
攻めに重点をおくと中立評価
間をとって萌であげます。
人と接するのが苦手で、感情も余り表に出さない主人公・大和。
働く叔父のギャラリーを訪れた客・田宮が、ギャラリーの喫茶の客として頻繁に訪れるうちに、自分に性格を言いあてられ、互いに恋愛が不感症なら実験のつもりで恋愛をしてみないか?という誘いに承諾をする。
どうしてもその気持ちが受け入れられず別れる事となった親友との再会と、大和を気にする彼が田宮についての情報を与えた事から田宮への嫉妬と怒りの感情が芽生え、本当の恋愛感情というものを知るという話。
大和の変化が非常に解り易い。
初めて田宮に出会った時のつっけんどんであくまでも事務的な態度。
それが毎日話をするでもなく珈琲を飲みに来る田宮が来ないと気になる。
食事に誘われた席で田宮に色々聞かれて答えるのに、大和は田宮の事を聞かない。これが彼の人づきあいの下手さにも見える。
食事先で偶然出会った3年音信不通になった自分を好きだと言った親友との再会が、大和の動揺を呼び疑似恋人関係へと進展させるのだが、
その後からが、大和が他の人から指摘されても解らないだけで明らかに感情が動かされた行動や思考が見られるからだ。
親友の気持ちを尊重して恋人になったが、どうしても親友以上の気持ちになれずに彼を拒否した大和と、
疑似恋愛と言われてそれならと付き合えた田宮との違いも。
本人の気持ちの変遷と差異によって、恋愛の心が見える点がとても具体的で今までの椎崎作品に比べわかりやすいのではと思う。
一方田宮は案外に喰えなくて、自分だったら嫌だな~と思う男だったりするw
最初に、大和の事をこんな性格だろうと推測して披露するが、本来ならこんな自分の事を良く知らない人に言い切られるの!みたいな感じで印象悪く思うはずが
大和は素直なのか、確かにそうかもと思ってしまう点、もうここで一歩田宮に接近しているあかしではないだろうか?
確かに彼も疑似恋愛が~と提案するくらいなので、その後発覚する彼の女性関係を見ると大和もセフレの一人だったのが、他の人とどう違ったのか?
それは大和の変化が楽しくて可愛くて手放したくないと思ったからという理由が挙げられているが、なんだかその最後まで案外にずるい男のようが気がして仕方ない。
何から逃げるようにして連絡がとれなかったり、大和に頼る叔父で画家の存在と、彼がにげているという田宮の共同経営者の社長との関係も気になるし、
アドバイザーらしき存在の男の存在も何気に気になる。
そうしたものを明らかにせずに、ひょっとしてこれは次作への布石なのか?とも深読みしてみたり。
あとがきを読んで作者さんがいつもと書き方を変えたと言われています。
この話で思ったいつもと違う?と思った点はそれにあたるのでしょうか。
しかし、非常に主人公についてはわかりやすかったのが何度も書きましたが特徴です。
キャラ萌えとか恋愛に萌えたとかそういうのはないのですが、そのちょっと違った、という点と主人公の変化に萌えを・・・
大和は、桐島織の版画を専門に扱うギャラリーで働いているのですが、ある日、田宮という男が、版画を買いに来ます。
版画を見た次の日も、またその次の日も、田宮はギャラリーに通うようになり、大和は田宮の真意を測りかねるのです。そんなとき、大和がかつて告白された相手、手嶋から声をかけられているところを、田宮に知られてしまうのです。
冒頭から大和の「低体温」とも言うべき、いろいろなことに反応が薄い、感情の喜怒哀楽が少ないのが気になっていたのですが、読み進めていくと、彼が恋愛不感症ということが分かります。
恋愛感情がないまま、抱いて、抱かれてを繰り返す二人ですが、私には不感症のまま、ずっと関係を続けるのは、波風のない代わりに、まるで何もないような世界に思えました。
田宮が偽名で、本当は「矢野」であることが手嶋から明かされるのですが、このとき、私は、大和が騙されているのだと思ってしまいました。
最後まで、大和が大人しい、物静かな性格で、傷つきやすい人だったように思いました。だからこそ、「誤解」がテーマのこのお話は、彼にとって気の毒に思ってしまいました。