怪我で休養中のカメラマン・一之瀬は、とある人気小説家の世話を頼まれる。美しい容姿にそぐわない彼の言動の幼さに驚くが――。

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表題作愛にふるえる小説家

一ノ瀬豪 脚を負傷し休養中の戦場カメラマン
吉田和穂(森真樹夫) 美青年ベストセラー作家 24

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

怪我で休養中のカメラマン一之瀬は、知人の編集者から、人気作家である吉田の世話を任される。
家事能力皆無で、美しい容姿にそぐわない幼い言動をみせる彼をついついほおっておけず、あれこれ構い出す一之瀬。愛情に飢えているらしい吉田は、一之瀬に好意を抱き始めたようで――。

作品情報

作品名
愛にふるえる小説家
著者
橘かおる 
イラスト
タカツキノボル 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796404570
2.8

(7)

(0)

萌々

(1)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
18
評価数
7
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

飼い主に溺愛される人馴れしない臆病な子猫ちゃん

怪我で療養中のカメラマンが、家事能力のない有名小説家の担当編集である友人に頼まれて家政婦をすることになるというのがことの始まりです。

家政婦と小説家というキーワードで菱沢九月さんの「小説家は懺悔する』のシリーズと崎谷はるひさんの『きみと手をつないで』を思い出しました。
ストーリーは全く 違いますがこの組み合わせ結構好きだと気がつきました。
それに、榎田尤利さんの『きみがいなけりゃ〜』のような生活能力の欠如した受けを世話する攻めの溺愛系も好みなので、好きを詰め込んだ萌たっぷりのお話でした。

和穂が小説の題材にと取材中撮った写真が、ある政治的な犯罪に関わる証拠となることから写真の削除を巡って襲われたり家に侵入されたり、最後は拉致までられてしまうのですから、かわいそうなことに怪我も心労も絶えませんでした。
おまけに写真事件が解決後、今度は盗作疑惑で騒がれ怪我を負わされることにもなり傷や痣だらけになったかもですね。
しかし後半の盗作疑惑と仲を引っ掻き回す一之瀬の従兄弟のアイドル歌手の登場は余分だったかも。忙しすぎ。できればその分その後の甘々な後日談かカメラマン一之瀬で真樹夫バージョンの写真集をつくる番外編でも読んでみたかったです。

っと、いろいろと事件に巻き込まれたり嫌疑を持たれたりと運の悪い和穂ですが一之瀬に出会えたことは最高に幸運と言えるでしょうね。
親の愛情が与えられずに育ったせいで『何もできないダメなやつ』だと思い込んだ人見知りなところは、人馴れしない臆病な子猫ちゃんがようやく信頼できるいい飼い主に出会えたというところでしょう。

タイトルもいいです。雑誌掲載時のタイトルは『恋するみにくいアヒルの子』だったらしいのですが、あまりしっくりいかないと思うし、個人的には惹かれるものではないのでこのタイトルで出会えたという感じです。

これからはきっといいパートナーとしてそばに居てくれるので担当さんも安心ですね。

2

ネガティブには訳がある

随分前に雑誌で掲載れていたダメダメお子様作家とカメラマンなのに家政夫を
することになった二人がトラブルに巻き込まれながら恋人になるまでを描い作品で
プラス書下ろしをプラスした内容でした。

読み始めてこれって文庫化再販だったっけ?なんて思って読んでいたのですが、
雑誌で読んだのだと思い出し、後半は盗作疑惑の書下ろしだったのねと納得。
基本的には受けである作家の和穂がなんだかんだと言われながらも甘やかされ
護られ、更に自分自身に幼い時の家庭環境が影響してトラウマ的に自信が無い和穂が
攻めの一ノ瀬と出会って愛された事で少しずつ自信と成長をするような内容に
和穂の執筆取材で偶然撮った写真が発端になり事件に巻き込まれていくちょっとした
サスペンス様式にもなっています。

人間として精神的にどこか未熟で危うい和穂を美形だけれど手のかかるお子様だと
認識していた一ノ瀬ですが、無邪気に自分を好きになったと告げる和穂を可愛いと
思うが、まだそれほど確かな感情が育っていない中で、和穂の作家としての仮面を付けた
姿にカメラマンとしての創作意欲を刺激され、和穂にカメラを向けてしまう。

しかし、和穂にとって作家としての顔は、人見知りで挙動不審になりがちな弱い自身を
隠すための仮面なのですが、和穂として好きになった相手が作家としての自分に
魅力を感じ、和穂は切り捨てられたように思い込んでしまう。
でも、この辺で深くすれ違う事も無いままにまたもや事件に巻き込まれ、
逆に一ノ瀬は作家でない、ネガティブな和穂が気になって守りたいのだと自覚。
以外にすんなり恋人同士になってしまうお話でした。

怪我をしてカメラマン業を休業している一ノ瀬と和穂の今後がどうなるのか気になる
感じだったのですが、書下ろしで何となく一ノ瀬の未来像が見える展開で終わっています。
やっぱり、かなり溺愛されている和穂かも知れないと思える内容でした。

4

とりあえず、抱かれとけ。


↑帯に書いてあったやつです。

まずはあらすじ。

怪我で療養中のカメラマン一之瀬豪(攻)は友人の頼みであるとある男の世話をすること。
散らかり放題なひどい有り様の部屋にいたのは美青年ーー繊細な作風が人気の小説家吉田和穂(受)だった。
美しい容姿にそぐわない幼い言動をみせる彼は,家での様子に反して,外ではその美貌に見合った艶やかな振る舞いをしてみせる…。
不安定で危うい彼に惹き付けられていく一之瀬だが…


というあらすじです。
感想はまず思ったのが和穂が豪を好きになるのが早かった。
37ページの所で相手が好きだと思ってる。いや好きだと自覚するのは早くてもいいんだけど何で豪がいいのか?って所があやふやだったから残念でした。

あと事件が起こるんですが,和穂が取材の為に撮った写真が実は危ない事件と関わりがあったこと,和穂の盗作,どれもあっさり解決してしまいなんだか中途半端でした。
一つに事件を絞って内容を濃くすれば面白そうなのになと思いました。盗作の件はいらない気が…(従兄弟と仲直りの為には必要だったかもしれませんが…)
だったらもっと和穂の過去や心にせまって和穂が過去と向き合って成長する~みたいなのが欲しかったです。

キャラクターもいまいち魅力に欠けていて和穂が生活能力がなくて自立できない,対人恐怖症で人前に出るときは仮面をかぶった気持ちで演技をしながら人前に出る臆病でネガティブ。対人恐怖症なのに仕事でテレビに出たり取材の話は断れないから出る。
なんか受けの性格にただイライラして終わった感じが…
豪はもぅ普通の人でした。すごく真っ当で突出でこれこうとかなく本当普通でした(笑)戦場カメラマンだということを感じさせません。

途中豪の従兄弟が出てくるんですが彼は必要だったのか?
従兄弟が豪を大好きで和穂を敵視するんですが,もっと二人の仲を引っ掻き回すのかと思いきやあっさり身を引く…

豪が和穂の写真集を撮りたいと言ってたのですが撮らずに終わる…え?撮らないの?

なんか全部中途半端でした。
橘かおる先生の作品はこの作品が初なんですがガッカリでした。
再読はしないと思います。

この作品なら榎田尤利先生の『君がいなけりゃ息もできない』のほうが私は好きです。
同じ小説家ものなら雨月夜道先生の『恋愛小説はかけない』がオススメです。

3

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