鬼神、巫女を娶る

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表題作花嫁御寮と銀の鬼

銀鬼 御山を住処とする鬼
宮地八尋 神社の跡取り息子

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

「未来永劫、おまえは我のものだ」宮司の息子・八尋は、姉の身代わりに巫女となり、神が棲むと言われる御山に向かう。
そこで銀髪に瑠璃色の瞳をした男と出会う。
この世の者とは思えないその男は、実は「銀鬼」と呼ばれる鬼。
鬼の花嫁の徴を持つ八尋は、彼に精気を求められることに。褥に押し倒され、施される淫らな口淫。
初めての感覚に、八尋は抵抗虚しく達かされてしまう。
冷酷な雰囲気を漂わせ、大事なことは何ひとつ教えてくれない銀鬼に憤りを感じた八尋は、結界を破り、彼から逃げようとするが――。

作品情報

作品名
花嫁御寮と銀の鬼
著者
秋山みち花 
イラスト
緒田涼歌 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773086645
2.1

(10)

(0)

萌々

(0)

(4)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
3
得点
15
評価数
10
平均
2.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

ヘタレ優しい鬼に肩入れ

御山にひそむ鬼と幼い頃交わした約束を忘れている主人公と、
約束を守って一途に尽くす鬼とのすれ違いが切ないお話でした。


主人公の八尋は、姉が実家の神社のしきたりで御山に入ったことを心配して後を追うが、
そこで銀鬼(ぎんき)と出会い、"花嫁"となるべく結界内に連れて行かれてしまう。
約束を忘れている八尋は、銀鬼が自分を抱くのは接触により"気"を回復するためと勘違いしているが、結界内で過ごすうち、優しい銀鬼をいつの間にか好きになっていく。
しかし敵の鬼や、失踪した八尋を心配する姉たち人間が結界に攻撃をしかけてきて、
銀鬼を守りたければ人間界に戻れと敵の鬼に唆され……


「なぜ銀鬼は八尋に本当のことを言わないのか?」という疑問に対する答えは
銀鬼が幼い八尋と交わした約束のなかにあり、
八尋がいかにして約束を思い出し、銀鬼を救うかが鍵となります。

銀鬼は傲慢に見えて、八尋の嫌がることはしない優しい性格なので、絡みのシーンで最後までいくのは想いが通じ合ったラストの一回のみ。
途中、敵の鬼による触手プレイ等もあるのですが、それ以外は基本的にプラトニックで
八尋に忘れられた上、恐れられている銀鬼がなんだか非常に不憫に思え、
ラストで報われて良かった~などと銀鬼にかなり肩入れしてしまいました☆

八尋に関しては
その若さで人間界を捨てて異世界に嫁いじゃっていいの?と思わなくもないのですが
冒頭にあった生まれ故郷で何かに"守られている"という感覚や、町への強い愛着を思うと、忘れてはいても潜在的に銀鬼への恋心があったのかもしれません。

花嫁モノは、大概上記のような「受けの人生それでいいの?」という引っかかりがあって
モヤモヤすることも多いのですが、
本作は最終的に"花嫁"になるかどうかは受けの意志に委ねられるという点で
強引さがなく、攻めの健気さも手伝って、結ばれてよかったと素直に思えました。

3

記憶が甦る時に真実の愛が見える

鬼が出てくるファンタジーロマンス、鬼の銀鬼と宮司の息子の八尋は5歳の時に
銀鬼と出会い、一目でその鬼を好きになり自分から離れたくないと駄々をいい、
もう、二度と会えないと言った銀鬼から無理やり今度も合える許可をもらった
過去があるのですが、大人になった八尋は全て忘れてしまっている。

八尋の生家である鬼切神社の100年に1度の神事、その日から八尋の運命が変わる。
過去を覚えていない八尋にとっては生贄を要求する鬼は嫌悪の対象であり、
大人になって再会した時は懐かしさと安堵を銀鬼に抱いていたのに、
八尋の身代りに鬼の元へ行こうとした姉を探し、その時に銀鬼と再会し、
銀鬼は八尋が自ら自分の花嫁になる為に来たと思っていたが、八尋には記憶が無く、
銀鬼の結界に閉じ込められた八尋は初めに銀鬼に抱いていた気持ちが訳の解らない
何も説明してくれない銀鬼への不信感と、八尋の家族を思う気持ちが二人の間に
更なる誤解と溝をあけていくことになる。

そして更に銀鬼と敵対するものまで現れ、八尋自身にも、村の人達にも危害が及ぶ
事体になった時に、銀鬼と敵対するものの諫言に惑わされ、銀鬼の前から姿を消す。
銀鬼は、一途に八尋の言葉を信じ、更に八尋本人にも気がつかれないように
常に八尋を守ってきた健気で優しい美形の鬼なのです。
読んでると人間の理不尽さを痛感するような内容で、人外に感情移入しちゃいます。
それでも八尋が思い出したことで二人の幸福がやっと叶うハッピーな展開です。

3

時代物だとばかり思っていたら、

現代ものだったんですね。

最初の挿絵で、幼いころの八尋(受)が洋服着てたので気付きました。まあ、それはどーでもいいんですが・・・

鬼の出てくる和風ファンタジーです。
『ファンタジー』も『人外』も大好きなんですが(ついでに『花嫁』もまあ)、これはどうも・・・

まず、八尋のキャラクターが好みじゃないです。
もともと、ツンすぎる受がすごく苦手なんですが、八尋はそこまでではないかもしれないけどやっぱりダメ。

銀鬼(攻)も別に好みではないですが、キライじゃないんです。
秋山さんは『(ワザとらしいほどの)健気受』に『俺様攻』が多い気がしますが、個人的にこの『俺様攻』が大の苦手なので、銀鬼の優しくてちょっとヘタレ(?)なキャラクターはまだよかったんです。

ストーリーは、すごく平坦ってわけじゃないんですけどね。

ただ、個人的に(特に八尋の)キャラクターに共感できる部分が何もないので、読んでてまったく入り込めませんでした。

銀鬼と八尋のすれ違い・行き違いも切ないというよりただ鬱陶しくてイライラしただけ。
終盤の山場も、完全に醒めてて読み流して終了。

あとは、八尋の姉が八尋に執着し過ぎで気持ち悪かったんですが、ラストはあんな簡単に『憑き物が落ちたように』って片付けてお仕舞いか!?と。

イヤ、それよりも小角のほうがそれこそ呆然。単なる賑やかしかよ!

う~ん、正直あっさりサラ~っと読み終わって、本閉じたらすぐ忘れそうでした。


さらに、秋山さんはそれなりに好きではあるんですが『恋の成就』をギリギリまで引っ張るからか、どうも『(CPになったあとの)らぶらぶ』が足りないと感じることが多いんですよね・・・←こちらは好みじゃなかったので別にそれでもいいんだけど。

2

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