• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作狼だけどいいですか?

人嫌いの人狼 アルフレッド
7頭の犬とアパートで暮らす青年 町奈々斗 21歳

その他の収録作品

  • 人間だけどいいですか?
  • あとがき

あらすじ

人狼のアルフレッドは、親を亡くし七匹の犬と暮らす奈々斗と出会う。お人好しの奈々斗に誘われ、一緒に暮らし始めることになるが…。

(出版社より)

作品情報

作品名
狼だけどいいですか?
著者
葵居ゆゆ 
イラスト
青井秋 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344828605
3

(11)

(1)

萌々

(2)

(4)

中立

(4)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
29
評価数
11
平均
3 / 5
神率
9.1%

レビュー投稿数5

塩攻め、だよね 笑

発売から10年です。今、葵居先生にハマってるので、過去作掘ってる最中です。
で、読みました。

評価が厳しい理由…なるほど。
何故か。甘さ控えめなんです。
もう、攻めが塩。モフモフに期待するのは甘いイチャなのに、塩。純度100%の塩。

理由はある。攻めはトラウマ持ちで、孤独を抱えている。自制心の狼なので。
攻めで補給出来ないモフは、受けが飼っているワンコ7匹衆が補ってくれます。
だけど。塩なのに尻尾巻きつけて添い寝してくれるって、萌えませんか?

萌えは待つものではなく、自ら拾いに行くものが、自論です。
狼の時に、理性無くして受けを噛むのも私的萌えです。獣ですから噛まないと。指の一本くらい喰らっても…くらいな気持ちです。

事件の顛末やらなんやらで、リアリティ等を求めるのはおかしなことで。そもそも人狼がいる世界線ですので。

同時掲載の「人間だけどいいですか?」と、同人で出ているボス(犬)視点のSSで、攻めの塩具合が緩んで、ちゃんと甘くなります。
この甘さを引き立てるための本編だったのね!な感じ。でも甘々でもない、かな。

ワンコとのやり取りが良いし、私は面白かったけどなぁ。甘々が好きな人には物足りないかも。
星4なのは、もっとエロが欲しかった。
けど、ワンコがいるからねー。しょうがなかったりも、するかな。

0

ファンタジーだけれども…

とにかくお人よしな奈々斗。
最近不幸が重なって沈み気味だったけれど
自分を助けてくれる老人のおかげで路頭に迷わなくてすんでる。
そして、ひょんなことから出会ったアルフレッドと期限付きで暮らすことに。

そのアルフレッドというのが実は人狼で
自分と暮らしてた人間の、最後の願いを叶えに日本に来ていた。
が、それもかなわず去ろうとするも、
このお人よしで寂しがりな奈々斗をほおってはおけず
気が付けばズルズルと…

で、ズルズルしてる間に同族が迎えに来たり
実験台にされそうになったりいろいろと話は展開するのですが
結構ささっと話が終わってしまう感じでした。
ここから盛り上がってくるぞっ!と思ってると数ページで終了みたいな(^^;)

後半ショートで入ってたお話の方が面白かったかな。
期限を気にせず暮らすようになった2人。
奈々斗は男のくせに本気でアルフレッドの子供を欲しがってるし。
いつも助けてくれる老人も奈々斗が本当にそれを願うなら
方法はないこともない、アメリカのいい医者を紹介するから。と
はいっ?!できるもんなのですか???と
それを本気で奈々斗に言ってる老人にも笑えた。

1

裏に隠れた寂しさ

ケモミミ!と、表紙に惹かれて。
どんなケモミミくんなのかなぁとワクワクしながら読み始めたのですが。

そ、想像とチガッタ…。というのが第一印象。
タイトルの雰囲気から、この狼の耳を持つ青年は穏やかで優しい人だと思っていたのです。
が。

ひねくれてる……っ。

なんだか全てにおいてひねくれてます、この人。
こんなタイプのケモミミくんは初めて出会いました。
でも読み進めていくうちに、なんだかそのひねくれっぷりが痛いなぁと思うようになったのです。
と同時に愛しくも。
ひねくれの裏には寂しさが隠れていました。

アルは決してドライでもなく、むしろ優しいからこそ、傷ついてしまう。
だから、他者と深く関わることが嫌い。
溝を作っておいた方が、別離のときに悲しまなくてすむから。

一方、アルを拾った(?)奈々斗は、辛さを笑顔で隠した子。
卑屈になるでもなく、嘆くでもなく、頑張って踏ん張っているのですが。
その、笑っている姿がなんだか痛々しい。
上手く隠せない素直さが、アルはたまらなかったんでしょう。

なかなかに痛い過去や不穏な空気が漂う実験話など、ハラハラする内容なんですが…案外さらっとしていて、盛り上がりにはかけるかも?

奈々斗のポヤポヤさが印象的で、「だ、大丈夫かなこの子…」と心配になってしまいました。
そこはまぁ、これからはアルがしっかり護っていくんでしょう。

不器用な狼くん。
読了後印象ががらっと変わり、なんだかそのひねくれっぷりが可愛く思えます。

いつになるかわからないけど、いつの日か、アルが奈々斗の事を誰かに語るとき。
どうか穏やかな顔でいますように──。

0

本当は寂しがり同士

7頭の犬と暮らす青年と人狼の出会いの物語。
それだけにモフモフ度がかなり高い萌え要素ではあるのですが、物語としてはどうにもやりきれない切なさが残り、微妙な気持ちにさせられます。
それを受け入れて二人共にいることを決めたのですから、なるようになるさ、と考えるべきでしょうが素直に喜べないものも残るのです。
イラストは、現在細密な絵で注目の青井秋さん。
コミックとはまた違った、今回は犬の絵がまさに犬の絵で描かれていてまるでぬいぐるみみたいです。

アルフレッドはその最後を看取った一緒に暮らした老人の遺言で、彼の心の妻であった人に老人の死を知らせるために日本にやってきます。
そこで連れている犬がアルフレッドに嬉ションをかけたのがきっかけで知り合ったのが、両親を事故でなくし、直後自宅が火事で焼失し、彼を気にかけてくれる田畑という老人の世話でアパートにて犬7頭と暮らしている青年・奈々斗でした。
人なつこい彼は、初対面のアルフレッドに盛んに話しかけ探している家まで案内すると言います。
人も犬も嫌いだというアルフレッドは、奈々斗をうっとうしく思うのですが、この場限りだからと仕方なく彼に付いていきますが、帰り際、寂しそうにする彼の姿に、仕方なく奈々斗のススメで彼の住んでいるアパートの空き室に世話になることになるのです。
もう帰るから、そう言いながらある日飼い犬に襲いかかる大きな影をよけようと、アルフレッドは狼に変身して犬を守ろうとします。
その襲いかかった影は同じ狼。アルフレッドをつれもどしに来た人狼の仲間でした。
アルフレッドが狼になっても全く驚かず、むしろ大変に喜び、仲間の使ったクスリのせいで耳と尻尾が出っぱなしになてしまったのをしきりに触りたがる奈々斗。
仲間のハリーとクリスも奈々斗が気に入り、耳と尻尾が引っ込むまで約1週間、彼等と暮らす子になるのですが・・・

奈々斗がとても不幸な境遇です。
両親も家も失くしのたが、ほんの数カ月前!
アルフレッドは狼ですが、むしろ奈々斗が犬のような、子犬のようなキャラクターです。
決してアホの子というわけではなく、純粋無垢で育ちがよさそうで健気で・・・騙されやすいんじゃないかと却って心配になるくらいの性格。
アパートは老人が世話してくれたとはいえ、大学を休学して生活はバイトでまかなっているといいますから、犬7頭も抱えていたら生活が大変じゃないかと思うのですが、、、
自分は布団なしで犬に囲まれて寝ても、自分の布団をアルフレッドに差し出す健気さ。
物語の端々に、彼は寂しくてしかたないんだという雰囲気が満載です。
決して彼はそれを口には出さないのですが、アルフレッドへの懐きようがそれをもの語ります。
奈々斗の色々について、後起こる事件で色々が判明します。それも何だかちょっと酷いです(涙)

アルフレッドも人が嫌いといいますが、それは過去によるもの。
本当は彼も寂しがりなんだということが解ってきます。だから情が移らないように冷淡な態度をとる。
もうすぐお迎えが来そうな老人を狙っては彼等としばらく生活して、亡くなっては次へいくという生活は、まさにそうでしょう。
自分が狼になると本能が勝って、かつて愛した女性を殺してしまったというそういう不安があって、人を愛するのが怖いのです(この辺りかなりシリアスですね)
だから懐く奈々斗がかわいくなるのですが、愛情が移らないうちにと思うのですが・・・

人狼は寿命が長いです。人間は短いです。
やはりこうした組み合わせの場合それが問題として立ちふさがります。
書下ろし部分において、アルの為に子供が欲しいという奈々斗に製薬会社の社長である田畑老人が男でも妊娠できる云々を真顔で言うシーンがあって、それを未来の可能性としてかもしれない希望として落としたのかもしれないですが・・・

自分的に唯一ニヤニヤした点は、人の形をしていてもアソコはコブがあること♪
で、普通と違って痛いだろうからと奈々斗を気遣ってエッチをしないというアルフレッドの姿があったのです~v
モフモフ系にはコブ希望派には嬉しい設定でしたw
耳尻尾が触りたい奈々斗、もふもふを触って抱きしめて幸せ、
そんな部分があっても、横たわる事実や過去や真実がやけに重苦しくて、ちょっとザラっとした後味なのです。。。

3

萌えどころが難しい

タイトルから狼はカワイコちゃんの方かと勘違いしてしまったのですが、
カワイコちゃんは天然ポヤポヤの寂しがり屋、攻めで人狼族のアルフレッドは
自分たちの種族の忌まわしい性質と過去の後悔の為に本当は人間が大好きなのに
嫌いだと言い張り、人間と親しくならないように自制している寂しがり屋。

受けになる奈々斗は全身で寂しいを表している感じで両親を2か月前に亡くし、
更に自宅まで火事になり実家が動物病院だった事から7匹の犬と助かり
古びたアパートに7匹の犬と暮らす日々を送っている。
そんな時に、人間が大嫌いと言う割には3年間暮らした老人の最後の願いを叶える為
海外から日本へ人を訪ねてやって来たアルフレッドは、その道中ワンコに懐かれ
足元に粗相をされてしまったことで飼い主の奈々斗と出会う。

警戒心の強い奈々斗のワンコが懐いたアルフレッドに愛犬の粗相の始末をさせて欲しいと
自宅に招くが断られしょんぼりしてしまう奈々斗、結局は半分絆されるように
探し人が見つかるまでの間、奈々斗のアパートに厄介になることになります。
そこからまるで奈々斗がワンコのように懐いて行きますが、アルフレッドは早く
日本を出ようと思っていても、やっぱり帰る素振りを見せると寂しそうにする
奈々斗に絆され気味で結局冷たくあしらえない。
個人的には奈々斗は健気と言うよりもちょっとイラっとさせられる感じかな。
対するアルフレッドも過去がありからか素直になれない意地っ張りな感じで最後まで
甘い雰囲気にはなれない内容でした。

命の危険が伴うトラブルや人狼族の仲間がアルフレッドを迎えに来たりと展開は
なかなか面白いのですが、主役二人の恋愛的な面が最後までのりきれない。
種族の違いや寿命の違い、読み終えて二人はこうなるのかな?と言う妄想も
今一膨らまなかったするんです。
あえて言うなら物足りないでしょうかね。

3

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP