君だけが僕の奇跡

kim idakega boku no kiseki

君だけが僕の奇跡
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神41
  • 萌×222
  • 萌5
  • 中立0
  • しゅみじゃない10

254

レビュー数
16
得点
308
評価数
78件
平均
4.1 / 5
神率
52.6%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
竹書房
シリーズ
ラヴァーズ文庫(小説・竹書房)
発売日
価格
¥590(税抜)  ¥637(税込)
ISBN
9784812495612

あらすじ

誰とも関わらず静かに暮らしたい――。
ひっそりと『お絵かき教室』を営む、武太一郎のところへ、ある音楽グループからCDジャケット用の絵の依頼が舞い込んでくる。しかし日頃から、子どもたち以外の人間と接することを嫌っている武は、その依頼をすぐに断ってしまう。だが、依頼主は簡単に諦めてはくれなかった。
「引き受けてくれるまで、先生の側を離れない」
突然現れた綺麗な青年、歌手の倉沢慎吾は、強引に人見知りの武に近づき、そのささやかな生活を乱し始める。10歳も年下の慎吾に、為す術もなく心も身体も翻弄されてゆく武だが、ある時、慎吾の重大な秘密を知ってしまい…!!

表題作君だけが僕の奇跡

色が見えない実力派R&Bグループ歌手 倉沢慎吾23
お絵かき教室の先生 武太一郎 31歳

その他の収録作品

  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数16

素敵なお話でした〰

先ずは奈良千春さんの表紙がカラフルで素敵です!
歌手の慎吾は色盲です。おまけに視力もよくない。
だけど唯一、色が見えたのが
お絵かき教室の先生、武の絵でした。
めくるめく、武の絵の描写。
全部時間をかけて見るからと…
武が聞いた、慎吾の星が降るような歌声をも
描いています。
紆余曲折があり、二人は結ばれます。
意外に、受け武が快感に対して積極的です。
脇キャラのフクオや、椎名、川久保、奈々緒もいい感じです。

とても感動しました。

2

You are my...

色彩や映像が目に浮かぶ小説にときどき出会います。中でもこの作品は、武が見ている世界と慎吾が見ている世界を想像するとそのコントラストがあまりにも強烈で、哀しくて切なくて胸が締め付けられました。「奇跡」「運命」という言葉がすんなり響いてくる物語でした。

カラフルで心から綺麗だと思った表紙イラストに二人の色んな感情が表現されていて、何度も見直しました。表紙買いした自分GJ!な気分です。

正直、歳の差モノも、攻より受のほうが高身長というのも好みでなかったのですが、このお話は年齢や外見よりもずっと深いところで感動しました。萌え…とはちょっと違うような気もしますが、お互いに感情を揺さぶられ、変化し、成長し、明るいばかりではない未来を共に歩んでいく二人に涙が出ました。

千地イチさんの作品は初めて拝読しました。淡々としながら、特に慎吾の情熱溢れる様子がちゃんと表現されていてイイなと思いました。

2

カラフルな表紙に誘われる

成長過程にあるバンドマンと才能があるのに絵を世に出そうとしない画家。そして眼疾患という重たいテーマ。色が見えない世界で生きていて、初めて目に飛び込んできた彩色はどれほどの感動があるだろう。ちょいちょいツッコミどころはあるけども・・・これの前に読んだ美容師のお話が私には今ひとつだったけど、こちらは好きだった。 奈良さんの表紙は読了後に再度眺めると、すべての要素がここに集約されていて素晴らしいといつも思う。思うけどこの頃のエラ・・・エラが流行ってたんだな奈良さんの中で。

2

色が溢れてくる

読んでる間、色がもう溢れてこぼれてきそうだった。
表紙の奈良さんの絵と色も綺麗で、ホントに色が溢れてた。
まさに極彩色。
色に溢れた本だった。

先生の「あかん」っていう関西弁に萌えたw
慎吾の今後が気にはなるけれど、きっと先生の色で暗闇に染まることはないだろうと思ってる。
奇跡で運命のふたりだから。

苦手でダメな年下攻めだけど、これは大丈夫だった!!
あ、あとフクオが気になる。
彼のこともう少し知りたい。

1

これこそ奇跡!

表紙もタイトルもお話しにピッタリで、読後色鮮やかお花畑で満天の星空を見上げている気分になります。
満ち足りてるのに、どこか切ない。そんなお話しでした。

受けのトラウマが弱かったり、攻めの病気設定の甘さ、結末のご都合主義は少し気になります。
でもそれを上回る感動がここにはありました!
初めて絵を見た時の衝撃。
初めて歌声を聴いた時の星空が降るような体験。
雨の中言葉にならず全身全霊ですがりつきたくなる思い。
色鮮やかに広がる世界と呼応する歌声。
出会えたこの奇跡の相手に恋い焦がれずにどーする!
これこそが運命!
才能の他に与えられた神様からのプレゼントでしょ⁉︎

久々に引きずり込まれる作品でした!

6

極彩

タイトル通りの奇跡を感じる秀逸な作品。
文章もとても綺麗で、それなのにきちんとエロい。
上質なデザートを頂いた気分。切なくてたまらないけど、しっかり愛を感じるから
幸せな涙が溢れてくる作品です。
またそれに彩を与えてくださるのが奈良千春先生のイラスト。
もぉ、、萌え死ぬかと思いました( ̄▽ ̄) 
どれだけ煽らえるんだってくらいに素晴らしい。
中でも、雨の降る夜、先生を見つけて縋る姿が切なく苦しくこころを打ちます。

・・・も、1回読もっと。

4

色のある世界

奈良さん描く、このカバーの極彩色の花畑!!
奈良さんとキラキラのお花っていう取り合わせがとっても意外なこの本のお話は、
「運命の出会い」のお話でした。

お話に関しては、他の方のわかりやすいレビューを読んで頂くとして、
読後に、ちょっと冷静になっちゃうと、まあ、根本的なところにツッコミ所はあるけど、
まず奈良さんのカバー絵のインパクトと、導入部のつかみと、何より、音楽と絵っていう取り合わせとで、ぐいぐい読まされた。
トラウマに病気にファンタジー、こういうお話は半端にインターバルを置いちゃってうっかり冷めたりしないように一気に読んだ方がいい。
年上受けだけど、武の方が変にカマトトだったりオトメだったりしないで、受け入れるとなったら腹をくくって、恥ずかしながらも積極的に快楽を分かち合おうとするところもよかった。

6

象徴としての 色と音

鮮やかな色が遊ぶ表紙が語るような、色彩を巡るファンタジー。

目の病気で、色彩のない世界に生きているミュージシャンの慎吾。
過去の傷みから、できるだけ外にでないように
ひっそりと生きようとしている絵画教室の先生・武。
この物語は、その二人の色にまつわる不思議な物語だ。

友人に乞われて、一度だけ名前を出さないことを条件に
武が引き受けたポスター。
渋谷の駅に張り巡らされたポスターを前に、
そこにだけ踊る色彩に魅せられた慎吾は、
思わずポスターに手を延ばし……


人は色に意味を見いだす。
「バラ色の人生」「黄色い声」「I'm in blue.」などの言葉に表されるように
国籍を問わず、色は感情とダイレクトに結びついている。
そしてまた、トーンやハーモニーという言い方が色にも使われるように、
音楽と共通する点が多く、それらは深く関わっているものだ。


この物語は、現代の東京に実在しそうな設定ではありながら
決してリアルではない、比喩と象徴のファンタジックな物語なのだと思う。
舞台であるシブヤやジユウガオカも、イメージとしてのそれであって
続き生活の実感があるその場所ではない。
シモキタの時(『下北沢カフェ・エモート』)にも思ったのだが、
こういうバーチャルな感じと言おうか
記号化された感じが、この作者の特徴なのかもしれない。


さて。
武の絵によって慎吾の世界は広がり、
慎吾の歌と存在によって、武もまた変わっていく……
(慎吾にとっての「色」ばかりが前景に出ているが
武にとっての「音」もまた物語に大きな意味を持っている。)

真悟の前には試練が広るのだが、
それに対して武が自分ができることをしようとする下りは胸を打つ。
それぞれが、心の深いところを動かされて、
そして行動や生き方も動かされて深い絆ができていくという話が、
色と音を通して美しく描かれていく。

現実的に考えると突っ込みどころは沢山ある。
音と色があっても匂いや温度と言った生活感がなく、
泥臭さは一切排除されているのに、どこか心の生の部分に触れてくるのが
この作者の醍醐味なのかもしれないと思いながら、
ここちよく読み終わった。

6

まさに君だけが僕の奇跡

表紙のカラフルさが全部を物語ってる気がします。ピッタリ!!

普段の世界が白黒にしか見えない歌手の真悟とお絵かき教室の先生である武の話

真悟は見えているものが全部白黒にしか見えない目の病気を持っています。
そして武先生にも自分の書いた絵を表に出したくないという過去を持っています。

そんな二人の最初の出会いもまさに奇跡!!そして真悟には武先生が描いたものにだけ色が見えるというこれまた奇跡!!これが先生に執着するきっかけになるのですが、武先生もまた真悟の歌声に感動を受けます。そして名前を公表しない事を条件にCDジャケットの仕事を引き受けます。それから二人の交流が始まります。

とにかく真悟はまっすぐです。そして武先生は本当に良い人で可愛い人でした。
とっさに出てきた関西弁に萌えました☆
最後の方は2人のやりとりに感動しました。目がいずれ見えなくなる真悟に「僕が、あなたの世界を暗闇にしません」といった武。心に残ったセリフがたくさんありました。

また脇役であるバンドのメンバーや、真悟が居候しているフクオも良いキャラをしていました。この人たちがいなかったら成り立た続きない部分もあり物語をうまく盛り上げてたように思います。

心が温かくなる素敵な作品でした♪♪

5

期待しすぎたか

高評価が多く、2013年のランキングの中にも食い込みそうだしと、鮮やかな表紙にも惹かれて購入しました。

しかし、期待のしすぎか、終盤で「あれ、これで終わり?」と思ってしまいました。
涙腺も弱い方なのですが、涙目にもならずに読破しました。

期待のしすぎは禁物ですね。
あと、ご都合主義な設定・展開が重なって気になってしまい、物語に入り込めなかったのも原因かもしれません。
白黒の世界のはずの慎吾が色の名前を知っていることや、武の過去のトラウマに関して、納得しきれないことがいくつか…。どうにも納得できないのは、主役2人の生い立ちや過去が、あまり見えなくて説得力がないからなのかなぁとも思っています。
また、題名から「奇跡」とうたい、文中でも「運命」という単語が何度も出てくるのですが、こういう言葉って多ければ多いほどちょっと薄っぺらく感じてしまう気がするのです。
終盤読んでいて、二人はこれからずっと一緒にいるんだろうな、と疑いようがなかった。それは絵本のような、「みんな仲良く暮らしました」という完全なるフィクションに感じられて、BLは確かにフィクションでファンタジーだけど、お続き話にリアリティは欲しいなぁと感じてしまったのでした。
仮タイトルが「ミリオンカラーズ」だったと聞き、私もこちらの方が良かったのではと思うのです。

とはいえ、物語自体は優しく、作者さんが熱心に書かれたのが伝わってくる良い本です。
特に、色盲の慎吾がはじめて武の絵に「色」を見た瞬間の描写や、武が慎吾の歌声に魅了された描写は、それぞれの感情が読者にもビシビシ伝わってくるような臨場感のあるハッとするような場面は、とても心に残りました。
互いを最大限必要としあい、互いに高めあって成長していく関係が丁寧に描かれていて、お仕事BLとしても読んでいてとてもいい。
本編後に奈良さんのイラストをじっくり舐めるように見ることで新たな発見があるのがまた素晴らしい。特に表紙のイラスト、慎吾の靴に武が虹を描いているのに気付いたときは、感動しました。

萌評価としては、大人なんだけど、フニャンと笑う優しい受というのは個人的に大好きなのです。そんな受に年下攻は個人的黄金コンビ。
物語の序盤に、武が何かを隠して翳りのある笑顔を見せる度、年下攻・慎吾が切なくなったり、やきもきする、というのにはたいそう萌えました。
あと、お布団シーンで、普段はなまってないのに「あかん」と方言が出てしまうのにも、頭をスパコーンと叩かれるくらいの衝撃で、萌えました。

萌のカードは揃っているのに、期待感が強過ぎたのか……
BLはファンタジーだけどそれでも個人的には最低限のリアリティが欲しいのか……
自分の好みに合わず少し残念でしたが、購入したことを後悔する本ではないとは断言できます。
この話の続き、フクオのスピンオフがあったら私も読んでみたいです。

4

極彩色の奇跡☆

攻めさんが視覚に関する障害を持っていて、色盲と弱視があるようでした。
そんな攻めさんが、受けさんの描く色が見えるという、そんな奇跡のお話。

うむ。またもや脳内でトントーンと突っ込んではならない数々のあれこれが自動的に出てきてしまってお話にちょっと集中できなかったです。訓練のたまものかな。恐ろしや。
これはポッポやのお話みたいに、現実にファンタジーをねじ込んだ奇跡のお話!
考えちゃだめなの!と頑張って読みました。

視力うんぬんのツッコミどころは別にして、作者さんの表現の仕方がすごく好きでした。
声の表現や色の表現が、まるで目に見えるように書いていらっしゃるところが素敵!

攻めさんはバンドメンではなく、R&Bのシンガーなんですね~。
ハモネプみたいな感じ、大好きですよ~。
攻めさんのバンドLioLineは、
SHIB○YA‐AXみたいなところで前座している人たちみたいな、
あんな感じのグループかなぁ?と想像しながら読みました。

攻めさんは将来おそらく目が見えなくなる運命だそうですが、
そこがこの作品の肝であり、辛いところでもあります。

う~ん続き、本当は病気になるとか死ぬとかって話は好きじゃないんです。
特に、こういうお話やキャラクターでこういう展開を持ってこられるのが苦手です。
彼、何にも悪いことしてないじゃない。どうして彼の視力を奪うの?って。
どういうわけか人の良いキャラクターやストーリー重視系って病気になったり死んだりするでしょう?そんな設定、キャラクターが可哀想に思えて。
色が見える奇跡が起こるんなら、目が見えなくなる病気も治るっていう奇跡を起こしてあげてよ!!!って思うじゃない?ほんとね、スト重でこういうの禁止にして欲しいです、ぶつぶつ。

それにしても受けの武さんのキャラクターはツボでした!!!
姉さん女房的な包容力もありつつ、なのに幼妻(初心という意味で)+新妻ですよ!!
なんちゅー美味しいキャラw

そして…表紙が神!奈良先生の才能どこまで突き抜けて行くんだろう。
凄すぎる。

3

咲き誇る花と、輝く星と。

カラフルで心躍るような楽しげで優しい表紙絵。
色とりどりの花と星。武の作品はきっとこんな色彩溢れる優しい絵なのでしょう。
『色の無い世界』で生きてきた慎吾が初めて極彩色を見た時の衝撃は、
きっと想像を絶するものだったに違いありません。
――身も心も、すべをて奪われてしまったと思った
――瞬きや呼吸の仕方も忘れてしまった
『運命』と思ってしまうのは、確かに当然だと思います。

武は、学生時代のある事件が深い心の傷になっていて、
自分自信も自分の作品も、決して人前に出すことなく、
ひっそりと、お絵かき教室の先生として生きていくことを望んでいました。
だけど慎吾と出会い、その流れ星の様な歌声に、心を揺さぶられます。

慎吾が、武の絵に人生をひっくり返されて、武に恋をして変わっていく・・・
不器用な青年が、自分の本当の気持ちや自分の変化を少しずつ受け入れていく、
その葛藤が本当に魅力的に書かれていると思います。
武を求める痛い程の想いが、切ないです。

武もまた、慎吾の成長を目の当たりにして、
自分の絵はあの絶望した二十歳の青年の時のままである事に気付きま続きす。
そして慎吾の眼の秘密を知った時、この出会いは『運命』だと悟ります。
慎吾が星を降らせた夜、その清らかな歌声に、
武の錆び付いた歯車は動き出していたことに・・・
――奈々緒が動かしたのは僕の『情』だった。
  けれど、慎吾の声は『僕』を突き動かしたのだ。

これ程、『奇跡』がすとんと腑に落ちる作品も少ないと思います。
『運命』と出会って、片方は人生が変わって成長してゆき、
もう片方は、止まっていた時間が動き始める・・・
もう、素晴らしいとしか言いようがありません。
特に、慎吾が初めて『色』に出会った時の気持ちを想うと、胸が痛いです。
暗い雨で何も見えない中、武のズボンの小さな黄色い染みを見つけて縋り付く慎吾が、
痛くて辛くて、読んでいて泣きそうになりました。

今後、慎吾はどうなるのでしょうか?
慎吾の眼が光を全く失ってしまっても、
武の色だけは瞳の中で鮮やかさを失わないことを、祈るばかりです。


ところで、登場人物すべてがとても魅力的な作品でした。
私は特にフクオがお気に入り!
性格悪くてスケベで、でも友達想いで・・・
『恋をしない男』が恋を知る話が読みたいです。
フクオでスピンオフ希望(笑)

5

これぞ運命、奇跡の色が視える

もう一言素敵です!感動です!タイトルの奇跡の言葉がこれほど心に響くなんて
本当に惹かれる作品で読み終えた後も永遠にこの奇跡が続く事を願うばかりです。

色の無い世界、それはきっと味気ない世界なのでしょう、そんな日々が
ある一瞬から色鮮やかな極彩色の世界に踏み込んでしまったら、誰だってその色が
欲しいと思ってしまうだろうと思わせる。
生まれつき目が悪く色を視る事が出来ない、まるで神様の悪戯みたいだけど、
その代りなのか、人を魅了する声を持っていたりするドラマーで歌も歌う慎吾。
澄んだ高音を硬質な玲瓏さで響かせる歌声、しかし彼は色を視る事も感じる事も
出来ない、それがある告知ポスターを見た瞬間に運命の奇跡みたいにそのポスターだけが
色鮮やかに目の前に現れる。

そんな絵を書いた武は、過去の友人とのトラウマで大好きな絵を書きながらも
その絵を世に出す事を頑なに拒み、大好きな子供たちに絵を教える先生として
のんびり暮らしている。
友人で先輩でもある人物にどうしてもと請われポスターを書いた事でこちらもまた
運命的な奇跡に入り込むことになります。

慎吾は武の描続きく絵に、武はその歌声に心を動かされ、簡単な恋愛話に留まらず
奇跡と呼ぶにふさわしい内容で武が描くキラキラと光が降り注ぐような絵を
読みながら読み手も感じられるような素敵な作品でした。

7

ミリオンカラーズ

すごかった、圧倒された。
でもBLとしてちゃんと萌える。

千地さんのキャラ(脇役も含め)は生きている。
傷や歪なとこを抱えている部分の描写が上手く、上滑りな記号じゃなく血が通ってる感じ。
そして恋愛も含めて色々考え葛藤して成長するところを描く。
だから恋が成就するってとこが自分や相手の世界や価値観を受け入れて前に進む力強さみたいなものを感じる。
今回はアーティスト同士だったから余計にその部分がはっきりしてた。

終盤の武の意外な決断がでっかいなあと思った、あんなに卑屈だったのにね。

著者は今のところ王道とは受攻逆に感じるようなCPを書いているけど、キャラ造形も物語の構成も説得力があるからその組み合わせもすごくすとんと落ちてくる。
今回千地さんでは初めての両者視点もすごく意味のある形式だった。

奈良さんの表紙もぴったり過ぎで、読む前からわくわくさせてくれたけど、読み終わってまた表紙を見たらこれ以外にないと思った。
中の挿絵も武の家を初めて訪ねる場面で慎吾が懐中電灯持ってるのに感動。
前後の文には無いんですよ、ずっと後の場面で彼が夜道を歩くときに懐中電続き灯を使うって分かるんですけどそこまで読み込んでるんですよね。

…タイトルは仮タイトルのミリオンカラーズのが合ってたと思うんだけど。

慎吾のまだ子供と大人の狭間で自分の才能と運命を持て余している感じの危うさ。
武の卑屈で草食系の枯れた風情。
全然違う世界で全く違う軌跡を描いてきた彼ら。
でも互いの軌跡が交わって互いの才能に魅かれてスパークするような感じ。
そういえば千地さんってデザイナーや料理人、役者、歌手、画家とか右脳系の職業(味覚は左脳だったΣ(´Д`; ))を描くことが多いけど、そういう世界をちゃんと左脳で文章で表現できるのがすごいなあ。

モノトーンの世界で生きてきたにしては慎吾が色の名前の知識があり過ぎなんじゃね?とか引っかかるところが無いわけじゃないのですが。

武の「尽くすタイプ」とかもうかわい過ぎた。あと「あかん」エロかったw
慎吾の買物に笑った、若いのうw

互いが奇跡で、二人が手をとって選んだ世界がこの先も極彩色に彩られているのが想像できる。
読後感がとても気持ち良かった。

10

星の奇跡

前作『雨の下の君に捧ぐ』でも思いましたが、
この作家さんの大人のほろ苦青春物語はかなりツボ!

今回は、23歳の新人歌手×31歳の絵画講師で
二人の歌声と絵が星のようにキラキラした魅力をもって互いに訴えかけ、
それぞれの鬱屈した世界を変えていく様が感動的。
例によって年下ワンコ攻ですが、
今回は背負うものの重さから、若いのに達観せざるをえない悲しい若者。
奈良さんの描く眩しすぎる表紙絵と、寂寥としたモノクロ絵とのギャップが
彼の見る世界を映し出したようで、なんか泣けてきます。。。


お絵かき教室の先生・武。
美大時代、自分の描く絵が友人の夢を打ちのめした経験に心を痛め、
表舞台に出ることなくひっそり暮らしている。
CDジャケット絵の依頼をきっかけに出会ったのは、
新進気鋭のR&Bコーラスグループの最年少メンバー・慎吾。
先天的に色彩を判別できない彼だが、
武の絵に生まれて初めて色を見ることができた。
慎吾が武の家に通い、
そばで作業を眺めるようになったことで始まる二人の関係は・・・。


灰色の世界に生きる慎吾が、武が見せてくれる色にいか続きに救われているか。
何も見えない暗闇で、
武のジーンズの絵の具の汚れを「星」だと思うシーン。
そしてラストの、目が見えなくなる恐怖に怯える慎吾に
「あなたが歌ってくれるなら、僕はいくらでも描きます」と言う武。
人と関わること、自分を変えることを放棄していた武もまた、
流星のように煌く慎吾の歌声と、まっすぐ自分にぶつかってくる姿に心打たれ、
変わる決意をしたのだと思います。

武に救われる慎吾と、慎吾のため生き方を変えた武。
相手じゃなきゃダメという強い愛情に、激しく心を揺さぶられます。
その愛は、互いさえいればいいという狭い視野のものでなく、
彼らを支えるバンドメンバーや友人たちとの関係の上に成り立っている。
リアルな日常の厚みと熱を感じさせる世界でした。


あと、萌えたのは仙人のような(?)武の造形!
長めの髪に長身痩躯、ジョギングが日課で、年下の慎吾にも丁寧な言葉使い。
31歳とは思えない枯れた魅力がありました。
しかし成長していく年下攻にドキドキして、
最後の絡みでは乙女のように可愛くなってしまう♪
慎吾の、大人と子供の過度期にあるような不安定な色気もステキでした。
脇キャラも、ちょっとの出番で風貌や生き方がイキイキと伝わってきて、
魅力ある人物造形が大変うまい作家さんだなぁと思います。

11

言葉にならない・・・

すごく素敵なお話でした!
途中で目の奥がツーンとしてきちゃって。。。
病設定というのはいつも書くことですがズルイって思ってしまうのですが、それが故に相手が彼の必要とする存在になるという意味でとても重要な役割を担っていました。
この主人公となる二人の結びつきが一冊の中で紡がれていく様がラストの感動へ昇っていくストーリーと気持ちの変遷の仕方といい、登場人物の役割といい、モチーフといい、
全てがバランスよくそれぞれの役割を果たし物語の質の良さも感じたのでした。

また、このお話は23歳の年下攻めの31歳年上受け。
奈良さんのイラストにしては珍しくぽや~んとした感じの男性が描かれています。
そして、その性格を表わすように、エッチシーンで恥ずかしくて下半身丸出しなのに顔をクッションにうずめて隠している絵とか、萌え萌えしちゃいました♪

父から譲り受けた家で絵画教室を開いている武が、友人の依頼で音楽イベントのポスターを描いたのがきっかけで、
武の絵が気に入ったというR&Bバンドから新しいアルバムのジャケットの絵を頼まれる。
その音楽と歌声に感動を受けた武だがそうした作品発表続きをしない主義の為依頼は断るのだが、武の絵に執着し熱心に頼み込むメンバーの慎吾の熱意と彼の歌声と共感するものを感じた武はアルバムのイラストを描くことを了解する。

武が才能があるのに、絵画教室の先生で満足している理由。
慎吾が武の絵にこだわる理由。
これがそれぞれに切ないのですが、だからこそ彼等が成長するために必要なものだったと思います。


以下ネタバレします


慎吾は視力が弱く色の識別ができないのです。
ただ唯一色がわかったのが武の描く絵。だからこそ執着するのです。
色のない世界で生きる彼の生きている目印なのです、武の絵の表現する色が希望の星。
だから武を欲しいと思い、それが恋情へ進展していく。

そして武。彼は父親が有名な建築デザイナーで、元々絵の才能があったのですが親の七光で正統な評価をされないと思いこみ、自分を過少評価しているのです。人から受ける妬み嫉みから内向的になったが大学に入ってできた唯一の友達が、
彼には才能があると互いに刺激しあい、その時ばかりは本当に絵を描く事が楽しかったのだが、ある日突然武のアトリエでその友人が自殺を図り彼の前からいなくなってしまった。
だから彼は人をそんな思いにさせる自分の絵は世に出してはいけないというこだわりを強く持ってしまったのです。

それぞれが持つマイナス要素があるがゆえ、慎吾は武に希望を見、武は閉じ込めた心を揺さぶられ、
そして慎吾はメンバーからも恋をして変わったと聞いた人が誰もが感じる成長を遂げるのですが、武はCDジャケットは描いたものの、そこで終わりにしようとする。
それを変えるのが、初めて知る慎吾の目の事情なのです。

決して目の事情があったから武がほだされて同情で彼の愛情に応えたわけではない。
ちゃんとそれ以前に、出会いから始まり物語の過程の中で特別になっていく要素は落ちているのです。
バンドのメンバーもしかり。一見奔放な椎名と、冷静なまとめ役の川久保。
慎吾の同居人である金持ち嫌いのカメラマン、最初の出会いのきっかけになる武の友人も、そして武が才能を封印した元になった友人も。
全ての存在が意味をなし、彼等に影響をしていて誰一人として余分な存在じゃないのです。
この人物バランスも絶妙でした。

クライマックスの武の言葉も胸アツになりました。
「喜びで歌って下さい、僕がたくさんあげますから」「眠るのが怖いならこれからは眠る瞬間も目覚める瞬間も僕のそばにいて」
思わず胸が熱くなる、これ以上の愛の告白はあるでしょうか。
たくさんの心に残るセリフがありました、もうあげきれないくらい。
二人は、何があってもずっと繋がっていて慎吾に武は色を与え続けるんだと。
本当、ステキでした☆☆☆

13

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