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表題作青い初恋 ひみついろ

同級の大学生で恋人 鷺宮浩一 19歳
父親と二人暮らしの大学生 宇佐見伸明 20歳

同時収録作品ライアーズ・キス

弁護士 立橋亮一
詐欺師 古宮恭平

同時収録作品花策×恋策

同僚の高校教師 鹿江
体育教師 佐倉

同時収録作品マイ・スウィート・ギャング

少年課の刑事 加賀見
常連の未成年 成田眞一郎

同時収録作品鳥籠の犬

受けの犬になった会社員 佐々木
小学校の同級生でヤクの売人 永井晃

その他の収録作品

  • 甘い純愛はちみついろ

あらすじ

この秘密は大きすぎるから、君の舌で塞いでいてよ。
クール&スタイリッシュ、それでいてSo Sweet。Newストーリーテラー風緒、待望のファーストコミックス!!
はじめて彼氏ができたから、男手ひとつで育ててくれた親父にはどうしても伝えておきたかったんだ。
けれど彼氏の浩一を呼んだ食事会で親父に思いもよらない秘密を告げられて――…!?
残酷な秘密に揺らぐ少年達を描いた表題のほか、“飼い主"と“犬"の関係に囚われた男達など甘い微熱に酔うメロウ・ラブ5編収録。

■収録作品/青い初恋 ひみついろ(「ぼくたちのはんぶん」より改題)/ライアーズ・キス/花策×恋策/マイ・スウィート・ギャング/鳥籠の犬/描き下ろし漫画収録

作品情報

作品名
青い初恋 ひみついろ
著者
風緒 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人uno!
発売日
ISBN
9784812484043
3.5

(31)

(5)

萌々

(10)

(12)

中立

(4)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
105
評価数
31
平均
3.5 / 5
神率
16.1%

レビュー投稿数8

余韻ある短編をまとめた傑作集!

5つの短編がまとまった1冊。その話のどれもが余韻を引きずる話で、私にとっては”傑作集”です!

●「青い初恋 ひみついろ」
男手ひとつで育ててくれた父に、伸明がゲイだとカミングアウトすると、父もゲイで知人女性との対外受精で伸明を授かったと逆カミングアウトされる。
そして恋人の浩一を父に紹介すると、浩一父は伸明父の元パートナーで、二人は母親が同じな異父兄弟だとわかり…
血のつながりがあるのにカラダを繋げたことに浩一が嫌悪感を持たないか?伸明はこわくて浩一と連絡を取ることができない。
兄弟とは知らずに恋人になってしまった二人が結末を出すまで。想い合う気持ちが切なかったです。
シリアスな設定だけど、伸明父が明るくて重すぎないのも良かったです。
父カップルのその後は描き下ろしを読むとわかります。

●「ライアーズ・キス」
弁護士の亮一が何度も相談されるゲイ結婚詐欺。
亮一は、その詐欺師・恭平と付き合っていたことがあり、詐欺師だとバレて立ち去る時の恭平の表情を忘れられずにいる。
そしてカモから切り付けられた恭平は、亮一に助けを求め、二人は再会。
「ぜーんぶ詐欺だって決めつけるけど今回こそは本気で好きになって本気で一緒になろうと思っていたかもしれないじゃないか」という恭平の言葉、それは亮一との別れ際に言えなかかった言葉じゃないの?
二人の未来は曖昧なまま。続きを知りたい気もするけど、二人が気持ちを引きずったままの余韻がこの作品の良さに思えます。

●「花策×恋策」
教師同士、攻めは華道家元で和服を着こなす品があり、受けは普通だけどその人自身を見て判断できる強さがある人。この本の中ではクセが少なめで、和服美人の強引な色気を楽しめます。

●「マイ・スウィート・ギャング」
少年課刑事・加賀見と、補導常連の少年・眞一郎。
加賀見が酒を買っている眞一郎を注意すると、翌日が眞一郎の誕生日で、加賀見の家で誕生祝い的な飲酒デビューをすることに。
生意気な子供だと思っていた眞一郎が、叶わない想いを抱えていたり、自分のことを自分で決められる成人への喜びと覚悟を持ってるのがいじましかった!
加賀見も思わず抱きしめてしまって、この二人の未来は明るそうです。

●「鳥籠の犬」
佐々木は小学生の時に鳥を殺し、見られた永井に黙っていてもらうために永井の犬になった。それから17年、佐々木はリーマンになった今も永井の犬のまま…
二人の関係に甘さなんて全然ない。どっちも離れるのは簡単にできたはず。それでも捨てようとしなかった永井と、犬でありつづけた佐々木…
それって言葉にしなくても、強い想いがあるからとしか思えない。
全然甘くないのに、私には甘く思えてしまうんです!

甘々なボーイズたちを愛でる一冊じゃありません。
でもクセだらけなキャラ達の言葉にしない隠された気持ちが私には甘く感じられて、余韻を引きずる忘れられない一冊になりました。初読みはだいぶ前なのにずっと印象に残っています。
風緒先生の絵の綺麗さもあって、作品世界にどっぷり浸かります!

3

ちょっぴり潜む痛さとほの暗さ

作者さんの初コミック。
絵がきれいでとても見やすかったでした。
デジタルにありがちな線の細さによる見えにくさが気にならないのも、黒やトーンの使い方で面にメリハリがついているからかもしれないです。
また、ストーリーもシリアスで進行するものと、シリアスの中にどこか息をぬかせてほっとさせるものを持たせたり、
でも、読み終わった後にモヤモヤではない何か考える余地を与えるようなストーリーが展開されている気がします。

表題=「ぼくたちのはんぶん」を改題
1浪して大学に入った伸明は浩一という恋人ができて、父親にそれを告白すると、父もゲイだったのだ、と逆告白される。
実は父親にはパートナーがいて、今は亡くなったが彼との間に子供が欲しいという話になった時、強力してくれる女性が現れて伸明が生まれたのだと言う。
こうして浩一を家へ連れてきて紹介すると、なんと衝撃の事実が!

本当は兄弟だったという事実。
子供を産んだ女性の事情。
そんな複雑でシリアスさがありながら、結局のところお前だから好きだ。という結論が出てハッピーエンドなのだが・・・
やけに明るい父親、この20歳になるまで自分の出生について、ましてや父親の性癖についての事にも何もこだわらず生きて来られた伸明の不思議。
亡きパートナーに似ているという浩一と、父親に似ているという伸明。
二人は父親達の血を受け継いで、因果を背負ったというのに明るい展開と結末にしているのに不思議な感覚を抱く。
二人は出会うべくして出会って、父親達が成し遂げられなかった愛の続きを繋げて行くという話になっているのだろうか?

【ライアーズ・キス】
弁護士・立橋の元に寄せられる案件に結婚詐欺のようなものが来る。
その3件はいずれも、詐欺行為を働いた男は同一人物で恭平と言う。
実は、立橋は彼と関係を持っていたことがあるのです。
そして再会。
映画のショートストーリーな雰囲気を出しながら、恭平は一体何を求めていたのか?
そんな事を考えながら、彼の真実はどこにあるのだろうか?と余韻を残すのです。

【花策×恋策】
生徒に人気のある体育教師の佐倉と、茶道部の顧問をする同僚教師の鹿江。
ある日、鹿江の襟元にキスマークがあるのを見つけてしまう。
そんな時、佐倉にしつこく言い寄る女生徒が鹿江の子を妊娠したと訴えて、鹿江が謹慎処分になる。
佐倉が鹿江に興味を持ち考える場面を作りながら、鹿江の恋心が暴露される話。
しかし、女生徒の浅はかな佐倉の気を引きたいが為の策略は一体?

【マイ・スウィート・ギャング】
警察少年課の常連でしょっちゅうお世話になる成田という青年。
刑事の加賀美はコンビニで偶然成田に出会う。
明日誕生日で20歳になるという成田と誕生日を祝うことになってしまう。
「20歳」という大人になるケジメと、彼等が新しい出発をするお話でした。

【籠の鳥】
小学校の時、学校の鳥かごの鳥を殺してしまった佐々木。
それを見た晃が、黙っていてやるから俺の犬になれと、その時から佐々木は犬となって17年。
互いに犬を辞めろと言われたい、犬を辞めたいと言われたい。
そんな気持ちを相手に期待して、結局それを言い出せずにその関係は続くという、そこはかとなくほの暗さを感じる、共依存をかんじさせる短編。

キャラに萌えるというより、設定とシチュと展開に注目し、登場人物の表情やセリフを注目してしまう。
描き下ろしは表題の親子の話しだが、1本丸っと楽しい話だとどんな物語を見せてくれるのかな?とこの作家さんも注目してしまいます。

カバー下には心霊写真が!?(笑)

4

短編として面白いけど

絵がきれいだし、設定も興味深く、作者の作品をまた読んでみたいなとは思いました。
また、短編としてクオリティ高く、その後の展開の想像力をくすぐるのもよい。
ただ、終わりがハッピーエンドとは限らないし、倫理的にどうかと思う場面もあり、好みじゃないと考える方も多いでしょう。

私が1番気に入ったのは弁護士と詐欺師の話でした。どうしたって幸せにはなれないだろうけど、それでも相手を求め合ってしまう二人がほろ苦い。目をクローズアップして印象的に描くことで心の飢餓感を感じさせるのも上手い。
それにしても、ゲイ関係のトラブルを扱うことが多い弁護士事務所って本当にあるのだろうか。連作短編で読んでみたい。

逆に表題作は「甘さ」「中途半端さ」が目立ち、他の短編と比較してかなり不満足でした。
コミカルに描きたいなら、とことん遊んで描いてしまえばいいのに…
もしくは、タブーを中心に据えて、もっとシリアスにするほうがよかったかもしれない。
自分だったら、伸明父の視点で、回想をまじえ、バッドエンド寄りに仕上げるかな。

2

全作品が一話完結なのが非常に惜しいです。

新刊チェックで粗筋を読んで、父親の秘密が非常に気になっていたのですが、
購入するかどうかずっと迷っていて、発売日直前になって出版社の公式ウェブサイトで
試し読みが公開されたので読んでみたところ、実は異父兄弟だったということで、
兄弟モノ好きとしては、これは是非とも読んでみたいと思い、今回も特典ペーパーが
付いているので、発売日が目の前に迫っていたのでヒヤヒヤしながら急いで
いつもの書店で予約して購入しました。

『青い初恋 ひみついろ』、『甘い純愛はちみついろ』
二人を見守る受けのお父さんに好感を持ちました。
受けのお父さんと同じように、私も二人を応援したいと、
二人が末永く幸せになってほしいと思いました。
お父さん同士の物語も気になります。

『ライアーズ・キス』
弁護士と詐欺師の組み合わせに萌えました。
読んでいて先入観で立橋さんが受けだと思っていたので、
二人の濡れ場を見た時は意外だと思いました。
結局、古宮くんは、二人はどうなったのだろう、と気になっています。

『花策×恋策』
和服姿の攻めの鹿江先生と弓道着姿の佐倉先生に萌えました。
和服と弓道着で行為を行っているところを見てみたいなと思いました。

『マイ・スウィート・ギャング』
少年課の刑事さんと少年課の常連の少年という組み合わせに萌えました。
また、最後の結末、再会の場面が良かったです。
その後の展開が気になっています。

『鳥籠の犬』
小学生の頃に鳥を殺してしまった時から囚われ続け、
これからも囚われ続ける、影のある暗さが伝わってきました。

今回の評価は、「萌×2」と「萌」で非常に迷いました。
物語の内容や展開、人物設定、絵など、迷うことなく「萌×2」ですが、
収録作品の全てが一話の短編で、まだまだ色んな話や続きをもっと読みたいと、
物足りなさ過ぎに感じて、そのことに対して迷うことなく「萌」評価です。
このまま終わらせるのは非常に惜しく、もっと色んなお話や続きが読みたいと、
続編が出ると良いなと思っています。
今回は、やはり一話だけの非常に短い短編だと粗筋だけを描いたように
感じてしまい、また、せっかく良い設定がたくさんあるのに活かしきれて
いないように感じてしまったため、一冊の本としては「萌×2」には
至らないと思い、非常に惜しいですが、最終的には「萌」評価にしました。
気持ちは「萌×2」評価です。

今回、購入前に『青い初恋 ひみついろ』の作品を出版社の試し読みで読みましたが、
まさか出版社の試し読みが作品の半分も公開されているとは思っていなかったので、
試し読みの続きがほんの僅かしか感じられず、物語の展開も躍動感も無くなってしまい、
せっかくの作品の良さや面白さが半減してしまいました。
作品の数ページ、長くても一割程度までが試し読みとして公開されているのが
一般的だと思いますが、今回も全体の一割程度を公開していると思っていたので、
出版社が自らネタバレしているのが非常に残念に思いました。
こんなことなら試し読みを読まなければ良かったと後悔しました。

0

スタイリッシュ

初読み作家さんです。
ちるちるさんで絵を何度もお見かけして気になっていた作家さんでした。
お名前も作品のタイトルも綺麗で、中身を見たら絵がとても綺麗でかなり好みでした。
初のオリジルナルコミックスだそうですが、そんな感じは全くしません。
むしろとても描き慣れていらっしゃる感じがします。

全部で5組のカップルの短編が収録されています。
この作家さんの台詞使いとかお話が個人的にかなり好きです。
王道でない展開のお話があって、それははっきりしたハッピーエンドではなかったりするのですが、人の人生のある期間の日々を綴っただけのような、昔よく見たフランスの短編映画を思い出させるような、見終わった後に少し余韻を与えてくれるような作品でした(特に『ライアーズ・キス』がそんな感じです)。
お気に入りの作家さんのお一人になりそうです。

0

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