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この作品、文章のつたなさもあるし、語彙数も少ない。
しかし、そんな技術的なことを全てふっとばしても傑作と思える!
平凡でちょっと臆病、多感な高校生の心の動きを
これほど繊細に書いたBL小説というのをワタクシはほかに知りません。
もはや展開だのキャラだのではありません、
少年の心そのものが壮大なドラマなのです。
ストーリーそのものは純愛モノの形を借りていますが、
これは少年から大人への階段をミクロン単位で追った成長記であり、
社会的な人格と、ほんとうの自分の間で常に戸惑う心を書いた
心理小説でもあります。
作中、「いい人」しか出てこないような印象もあるかと思いますが、
天真爛漫ないい人が、実は相手にとっては残酷であったり、
イケイケだと思われていた人が実は純真であったり、
いろいろな人たちの心が万華鏡のように映し出されている点もスバラシイ。
10年前の作品ながら、少しも古さを感じさせない普遍性にあふれたストーリーです。
ベッドシーンは量も少なく、かなりぼかして書いていますが
こういう小説にはこれぐらいでちょうどいい。
ムリにとってつけたベッドシーンじゃない点も好感が持てます。
ずっと積んでましたが気になっててやっと読めました。もう20年も前の作品なんですね。
とっても良かったです。主人公未樹が司法書士の浅海と出会って成長したり誰にも言えない本音を打ち明けられたり居心地のいい居場所ができたり、傷ついたり泣いたり恋を知ったり。
未樹の境遇や性格が切ないです。そんな未樹をまるごと受け止めて愛してくれる浅海がいてくれて本当に良かった。
ただ未樹が浅海への気持ちを自覚するまでや、混乱や嫉妬に苦しむところがまた切なくて。
浅海も未樹が大切だからこそ迂闊に手を出さなかったわけですが。
一回り年上の攻め!29歳と高校二年生。
攻めが思慮深くて理性的で紳士でとっても大人で。
クライマックスの浅海の台詞にしびれます。
未樹も愛されることを知りますね。
しかーし、エッチがほぼ朝チュンで寂しいです。その後のイチャイチャやラブラブも物足りず。
受け視点のせいか攻めの気持ちもよくわからずクライマックスでどれだけ好きかやっと言ってもらえて。まあ受けを思いやっての事なのでしょうが…。
続きも持ってるのですが読むのが怖い。続編にはきっと試練やすれ違いがありそうで。
萌えよりも主人公の成長に神で!
高校生と司法書士の年の差続編。情事の後をにおわせる冒頭が壮絶にエロい。
大学生になった受けは同性の恋人と付き合っていることを誰にもいえない。攻めの忍耐力、包容力、大人としての分別が逆に受けをイジケさせる。攻めは性癖ゆえに家族と絶縁したため、受けには自分と同じ思いをさせたくないゆえのふるまいなのだが…。
受けはシングルマザーだった奔放な母親の、姉夫婦の養子。イイコでいなければならない受けの葛藤と、彼をとりまく家族たちとのやりとりが胸に沁みる。
この原作のCDを以前聴いたことがあって、その続きを知りたくて「いつか青空の下で」を購入しようと思い、せっかくなので「そして恋がはじまる」も購入。
もういろいろ切ない感じでお話は進むのですが、この恋が成就するのか?いや、してほしいと身を捩りながら読みました^^;
いや、CDで知ってるけどw
人にとても気を使う高校生の未樹と司法書士の浅海のおはなし。
養子として暮らす未樹は家族に要らぬ思いをさせたくないと、痛いくらいに人に気を使うようになってしまった。けれど、いい子と思われたくて本心かくして物わかりのよい子供を演じるのは本当は辛いと思っていた。
そんな未樹は通う塾のビルの非常階段で偶然司法書士の浅海と出会う。
浅海が友人と話しているのを立ち聞きしてしまい、彼がゲイという事を知る。
それがきっかけで浅海の事務所に茶飲み友達として通うようになるが…
浅海と話す時間は、好かれたくて迎合しているうちに都合のいいだけの透明人間になってしまっていた自分に疲れていた未樹を癒した。だが、浅海はそんな優しい未樹に惹かれていく自分を抑えなければと、反対に未樹にもう事務所に来るなと冷たくしてしまう。
そんなー!かわいそう!って、未樹と一緒に奈落に落ちました(>_<)
もうね、未樹は人にばっかり優しくてなのに自分は唯一求めた場所に行けなくなって、辛い…
実母の再婚のショックの比ではなくて、それでも浅海に受け入れられてなかったことに気付かなくて申し訳なかったと反省までする未樹。
いやもう可哀想だって!
だけど浅海もまた彼のことを考えてのことで恋愛対象として見てはいけないとつい冷たく突き放してしまったのです。
相手は高校生、12歳も年上の浅海としても考えてしまいますよね。
二人ともうねうねと考えて、で、やっとたどり着きます。
17歳の純情な未樹が自分なりに考えて一生懸命に浅海の気持ちへ応えようとしていくところが胸を打ちます。
ラストは本当に良かった~♪と心から二人を祝福。
ワタシも幸せいただきました!
未樹〔受〕の周りに悪人は居ません、けれど未樹はいつもいい子で居ようと頑張っていてそれがブーメランの如くに彼を少しずつ傷付けます。
ちょっとしたきっかけで知り合った未樹と浅海〔攻〕
浅海はゲイなのですが、それを知っても未樹は気にしません。
未樹は再婚する母や、育てくれている儀父母にの前で常にいい子で居ようとします。
それによって彼の心が痛んでもそれでも、いい子でいようと頑張るのです。
そんな未樹にそれで良いんだよ、と言ってくれる浅海の存在はいかに大きかった事か。
話し的には地味だけれど繊細な、凄く繊細な2人の話です。
浅海が年下の未樹に対して基本敬語的言葉遣いなのも良かった。
ちなみにCD化されてますがそちらもかなりおススメ。