そんなにも俺は、孤独だったのか――

Don't look back

Don't look back

Don't look back
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神5
  • 萌×27
  • 萌6
  • 中立5
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
8
得点
76
評価数
24件
平均
3.4 / 5
神率
20.8%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
新書館
シリーズ
モノクローム・ロマンス文庫(小説・新書館)
発売日
価格
¥720(税抜)  ¥778(税込)
ISBN
9784403560132

あらすじ

――甘い夢からさめると病院のベッドの中だった。

美術館に勤務するピーターは頭を殴られ意識を失い、そのショックで記憶障害を起こしていた。警察の取り調べが始まり、ピーターは自分に容疑がかかっていることに気付く。

自分は犯罪者なのか――そして夢に出てくるあの魅力的な男の正体は――。

記憶とともに甦る、甘く切ない思い出…M/Mロマンスの旗手がおくる、極上のミステリ・ロマンス。

表題作Don't look back

マイケル・グリフィン,LA市警殺人課の刑事
ピーター・キリアン,美術館のキュレーター,35歳

評価・レビューする

レビュー投稿数8

洋物の記憶喪失作品

基本、海外物は翻訳次第だと考えています。
日本の小説とはかなり文章の作り方も違いますし。
ただ、他の作品も読んで冬斗さんの翻訳は嫌いじゃないなあと感じました。

********************
受けのピーターは美術館のキュレーター(学芸員)、35歳。
とある事件をきっかけに、自分と周辺の記憶を無くしていますが、自分がゲイだとか部屋の位置だとかは覚えているようです。

攻めはロス市警強盗殺人課の刑事、グリフィン。
ネタバレになりますが、半年前までピーターとは恋人同士でした。
年齢ははっきりとは書かれていなかったと思います。
********************

ピーターが美術館の盗難事件に巻き込まれ病院で意識を取り戻した辺りからのスタートで、ピーター視点のためこちらにも事件のあらましのような細かいことは語られません。
記憶を無くしていますし。
先を察することはできますが、それでもピーターと一緒に自分探しのような気分を、味わうことはできます。

萌え要素はグリフィンのちょっとした、ピーターへの愛情に裏打ちされた行動。
まだ記憶を失っていた続きピーターがショックを受けた時に、自分の胸へ引き寄せたり。
ただ、どうしても事件メインなので甘さは少なめです。
考え方によっては、少ないから萌えるとも言えますが(笑

最後の方でピーターの病気(例えですが)が再発してイライラするところもありますが、終わらせ方もなるほど国産とは本当に違うなという感じ。(でも、バッドエンドではありませんのでご安心を)
海外物にしては、本当にスイスイ読める気軽な物かと思います。
当たり前ですが、BLで良く見られるラノベのような文章ではありません。
ただ、BL以外の小説も読む方には受け入れることができるのではないかと。

2

記憶と一緒に憑き物が落ちたようなお話でした。

訳者買いしました。
小説Dear+で読んでいいなと思っていた冬斗亜紀さんの翻訳。


記憶喪失ものということで過去にさかのぼっていくのかと思って
いたら、記憶を失う原因になった事件にからめて少しずつ記憶を
取り戻していくものでした。
登場前からうさんくささを匂わせる受の親友兼雇い主と
目が覚めたときから冷たい視線を投げかけてくる警察官。
自分自身が定かではない受は逆に冷静な目でふたりを見ながら
なにが起きたのか記憶を取り戻そうとするけどなにも糸口は
見つからないまま。
事件はどんどん悪いほうに転がりほぼ有罪確定の状況にまで
追い込まれていきます。
最終的には無事に濡れ衣も晴れハッピーエンドですが
いきなり登場してきた友人女性との関係性がよくわからないまま
だし、そもそも美術館敷地内にあるコテージに住んでいるという
状況が理解できないですね。
細かいことはすべて「外国小説だから文化の違いが理解できない」
という呪文で流すしかないのがモヤモヤ。
外国小説特有の、もったいぶった話し方となんでもかんでも
例えてみるあたりも最後まで好きになれなかったけど続き
余韻を感じさせる終わり方だったので読後感はよかったです。


外国小説読みは初心者レベルなので言い回しや外国の習慣に
無知な自分が外国MM小説と日本BL小説を同じように読んでは
いけないかもしれないですが、好きな相手と寄り添えるかも
しれないと期待してしまう受の控えめな喜びは好みでした。

1

匙加減

ジョシュ・ラニヨン氏の既刊の味わいが
とても良かったものだから今作も美味しく
味わえるだろう、などと手に取った時は
気楽に考えておりました。
が、どうも勝手が違った様です。
ミステリの合間にはさまれるロマンスのこなれが、
どうも今一つぎこちない感じがして傍観者として
滑り込めなかったですね。
ロマンスの分量は、恐らく申し分無い筈です。
むしろ心もち増量加減な感じがします。
ただ、そのロマンスを支えるべきミステリの割合が、
どうも今作では薄い感じがします。
ただし今作はカバー袖の著者紹介から読み取る限り
シリーズ作の第一作である模様なので、これからの
展開に期待すべきかも知れません。

4

う、うーん

かなり個人的な好みでなんですが、やはり記憶喪失ものは好きじゃないな…と再認識。

甘い夢から醒めるとなぜか怪我して病院で寝ていたピーター…というところから始まるミステリーですが、はっきり言ってしまうとミステリー部分はそう目新しいこともなく、
怪しい人は最初から最後まで怪しいので、これはピーターが記憶を取り戻しながら、愛しい人も取り戻していくといったお話です。

なぜ記憶喪失ものが好きじゃないのかと考えると、どうしてもわざとらしさが鼻についちゃうんですよね…
あっちは覚えているのに、こっちは覚えていない。
少しずつ思い出していくにしても、そのときの事件の進み具合にあわせて少しずつ。
おそらく今までの積み重ねであるだろう直感。
それらが事件や恋愛と絡んでしまうと、都合のよい部分は覚えていて(ときには都合の悪い部分だけ思い出して)、事件が記憶に振り回される印象がぬぐえないからかな、と。
実際の記憶障害がどういったもので、どういったパターンが考えられるかということを私は知らないので、こういう感想になるのかもしれないですね。

とはいえ、主人公ふたりの関係は萌えなので、評続き価は萌えなのです。
ふたりともとにかく不器用!
まあ、グリフィンまで不器用にならざるをえなかったのはどう考えてもピーターにあるわけですが。
ピーターがかつて恋人よりも友人を選んだのは、洗脳の類だったのか、実は押さえ込んだ恋心だったのか(こっちの可能性は低そうだけど)、そういったことがどこにも書かれていなかったのが少し不満…
ここらへんは読者の想像にお任せ部分だったのかなー?

2

体毛に萌える?

ジョシュ・ラニヨン作の邦訳2作目。
前作が結構ミステリー寄りで、主人公の描き方もじっくりリアルな感じだったのに比べると、こちらは随分とロマンス寄りで、サックリ軽く読みやすい印象。
主人公が巻き込まれる事件も、謎と言うほどのこともなく犯人はすぐ想像つくし、主人公が記憶喪失になる設定も、事件の謎を盛り上げるためとは言え、ちょっと安直な感じ。
でも、ロマンス小説としては、このくらいシンプルな方が萌えるかも。
何より、ピーターとグリフィンのセックスの描写が、体重がしっかりと重そうで、日本人じゃなくて、ちゃんと欧米人なんだなぁって感じがよかった。

4

表紙買い

イラストの藤さんのファンなので購入。

BL小説というよりは、ミステリ小説っぽいんですが、事件や犯人、謎自体は最初からわかりきっているんで、とくに謎ときというほどの謎解きはなかったし、ミステリ小説というにはぬるいです。
おもしろいかというと、おもしろくないというほどではない程度。
とくに目新しさも感じませんでした。

この程度だったら、国内のBL作家さんで充分という印象。
翻訳ということもあって、一冊の値段も高いので。

藤さんのイラストは、外国っぽい雰囲気もあって、おはなしに合っていると思ったんですが、エッチのシーンが、なんだか色気も素っ気もなくて、少々残念でした。ごくふつうのリビングの床で騎乗位って、もっとエロっぽくなってもいいのに、と苦笑。

このレーベル、また手に取るかというと、やや微妙。
イラストの先生や設定次第かな。
ただ、訳者の文章は、けっこうこなれていてよかったと思います。最近の翻訳ものって、びっくりするようなひどいものもあるので、そういったおかしな訳や文章もなく、丁寧な印象を受けました。

6

堅実に手繰り寄せる過去

ジョシュ・ラニヨン作品二作目の邦訳。
事件を追う展開のなかで二人の関係が明らかに…という展開や
カップリング(皮肉屋で男前×傷心の意地っ張り)が
少し『フェア・ゲーム』と似ていて、作家さんお得意のパターンなのかなと思うものの、前作がチラついて集中できない程ではありません。本書は本書で面白かったです♪


男と身体を重ねる、甘い夢から覚めると、病院のベッドの中にいたピーター。
職場である美術館で何者かに殴られ記憶を失い、壁画盗難の容疑をかけられていた。
度々訪ねてくる、いけ好かない刑事・グリフィンと接触しつつ、盗難事件の謎を追うなかで、少しずつ失った記憶を探っていきます。


「記憶喪失」はミステリやサスペンスでよくある設定ですが
本書ではピーターが今までの人間関係を見つめ直し、本当に好きな相手と結ばれるというパーソナルな問題に関わるところが大きく、「失われた記憶」や「思い出すこと」により一気に謎が解け…というような派手な展開はないです。
犯人も早い段階で予想がつくので、ミステリよりドラマ部分を楽しむ作品かと思います。

記憶を失ったピーターは自分という人間続きを新たな視点で捉え、他人との関係を再構築していきます。
かつての想い人・コールに前ほどの魅力を感じないばかりか、自分の好意を利用し支配しようとする狡猾さが見える。
そして、威圧的で好みでない筈のグリフィンに強く惹かれ、夢のなかで自分を抱く相手がコールでなく彼だと気付き、かつての恋人を思い出します。

記憶が偶然パッと戻ることはあまりなく、ピーターは今ある情報を一つひとつ整理することで事実を確かめていきます。
もし自分が記憶を失い、事件に巻き込まれたとしても、こうやって記憶を手繰り寄せていくほかないだろうなと思います。地味だけど、堅実でリアリティある展開です。

記憶喪失の元恋人を前にしたグリフィンの対応も、ご都合主義すぎなくて良い。
かつてピーターを手放した選択はシビアですが、
まだピーターを好きで放っておけなくて…という点はいかにもロマンス。
リアリティと甘さのバランスが絶妙です。

ただ、もう少し掘り下げてほしかった部分もあります。
ノンケなのに、ピーターを手元におき支配したがったコールの真意。
記憶を失う前の、ピーターとグリフィンとの蜜月。
これらがもっと書き込まれていれば、
切ない過去を経てやっと幸せになれたラストにグッと深みが増したんじゃないかな~
想像で補えるので、消化不良という程ではないですが。

エロは『フェア・ゲーム』よりハッキリした描写があり濃いです。
ユーモラスながら愛が詰まった会話、生々しくも上品な行為描写(攻の体毛が尻に押しつけられ…の一節に萌えv)、体も心も重なり合うような感覚…。
受の派手な嬌声がなくとも十分エロいし萌える内容でした☆

8

過去からの脱却

前作『フェア・ゲーム』が大変に面白くて関係性の描き方が好みだった作家さんの2冊目になるのだが、この2冊でこの作家さんの傾向がわかったと断言してしまってはいけないのかもしれないのであろう。
しかし、主人公はゲイであり、そしてこだわりとわだかまりが二人を阻むという距離があるところから、謎解きの進行とともにそれがほどけていく、という進行パターンは似ているかもしれない。

事件的には犯人は容易に予想がついてしまうのですが、本格的な推理小説を求めてはないので、その部分にはこだわる必要はないのです。
ただ、その謎解きの中での心理描写と変化が見せどころなのだと思うのです。

この物語は、いきなり主人公は何ものかに襲われて記憶喪失になってしまう場面から始まります。
事件現場の当事者であることは勿論ですが、自分自身についての記憶を喪失、もしくはあいまいな記憶でしか戻ってこないのです。
ですから、お話事態が主人公の自分探しの側面を持っているのです。
着せられた美術館の品の窃盗容疑を晴らす為に積極的に動くわけでなく、自分を取り巻く人々との接触の中で、事件の容疑について多少の調べを入れながら続き、記憶の断片を多少取り戻しながら、過去何があったのか、自分がどうだったのか知っていくのです。

ひょっとすると記憶を失ったピーターが、それによって過去のピーターと決別して新しい門出をする話だったのです。
そこには本当に求めていたコイビトを得て。

日本のBLのようにキラキラした主人公ではないです。
服装の描写からもわかるようにかなり地味で堅実、そしてどうやら人がよさそうな?
過去について、どういう性格だったのかと見えるのは、叶うはずのない思いにしがみついてその相手のいいように使われてしまい後悔するような、若干ヘタレた人物であることを感じます。
「惚れた弱みを握られる」そんな人だったのかと。
だからこそ、新しい自分に変われてよかったのですね。

相手となるグリフィン。
彼の心理状況については、まったく同調できるものでした。
相性の良い、長く付き合えそうな本気の恋だったのに、ピーターは自分より友達を選んでしまったのですから。

キャラクターというより、心理描写と展開に魅力を感じるというところでしょうか。
それの人物の動かし方が実に的をえているというか。
本当はどうありたかったか、どうなりたかったか、一度壊れたものが偶然とはいえ一つの事件により再び寄りあう形の恋愛は、それでも充分に甘さを感じるものもありました。
やっぱりロマンスですね☆

今回は藤たまきさんのイラストでしたが、表紙のカラーといい文庫らしい雰囲気で、この採用もとても成功していると思います。

6

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