ほとりのとばり

hotori no tobari

ほとりのとばり
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神7
  • 萌×24
  • 萌3
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
3
得点
61
評価数
16件
平均
3.9 / 5
神率
43.8%
著者
 
媒体
コミック
出版社
幻冬舎コミックス
シリーズ
バーズコミックス ルチルコレクション (コミック・幻冬舎コミックス)
発売日
価格
¥619(税抜)  ¥669(税込)
ISBN
9784344829411

あらすじ

現実の延長線上、はしっこのはしっこにいる「彼」と出会った悩み多き青少年たちは…。三崎汐が描く夢うつつ奇譚。描き下ろしも収録。

表題作ほとりのとばり

同時収録作品第2夜

オタクの高校生 仲
付き合っている同級生 友野

同時収録作品第3夜/第4夜/最終夜

出版社勤めの会社員 内田
元同級生でフリーターの友人 松川睦月

その他の収録作品

  • 目覚めたふたり
  • ごめんね佐田くん
  • 睦月のお仕事
  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数3

追いかけるべき先生がまた一人ここに

三崎先生の漫画を3冊とも読み終え、間違いなく私の好みだと思いました。

評判から、私の苦手な痛々しい作風なのかもしれない、と警戒していたのが嘘のように、すっかりこのあまずっぱさ、せつなさかわいさに心を奪われてしまいました。

三崎先生にかかると、ばっちいはずの小学生男子の鼻水がこんなにいじらしく見えてしまうのです。
絵も独特で、好きになれるか心配していましたが、今や、純真さのあふれる黒丸の瞳に釘付けです。

私の苦手な(黒歴史がいっぱいよみがえる)小中学生で、私の心を捉えた心憎い先生です。

5

つい、寄り縋る。そこなら叶えられるから。

数度読むと各所に巡らされた伏線にゾクッとなりますね。
三崎先生の絵柄は丸く可愛らしいものなのに、お話は斜め上のほの暗さを孕んでいてそのギャップがたまりません。このうす~く広がるダーティな雰囲気が大好きです。
今作「ほとりのとばり」も正にそうです。表紙で逆さまになっているこの子が とばり なのですが、得体が知れなさすぎて(そして最後まで、いったい何者なのか明確な答えはない)ゾワッとしました。
でも とばり 自身も言っていますが、誰かの夢の[通りすがり]の存在だったはずなのですよね。それが睦月に見いだされてしまったことで(おそらくあかりちゃんに似ているのは偶然なのだろうと思います)実体化したというか、『なにか』に成ってしまったんじゃないでしょうか…。

連載されていたものをまとめた一冊ですが、いくつかのカップリングがあります。
・好きと言い出せない優等生×努力をしてもなかなか実にならない平凡な子(ここはもしかすると逆かもしれない)
・ヲタクで元ノンケ×ゲイで可愛い同級生
・一生傍に居て面倒見たくてたまらない攻め×常時洟垂れの受け
3組目(おそらくメイン)は一応社会人枠なの続きですが、記憶掘り返していると小学生の頃がわんさか出てきます。三崎先生のあとがきにもありますように、六割がた学生ネタです!(笑)

 ――現実[あっち]で満たされない人はすぐ夢にすがりついてくる――

この言葉は とばり のものでしょう。十島はまさにそれですし、仲の場合は行き場のない悶々とした感情が昂ぶったからこそ夢へ無意識に頼ったのかもしれません。
睦月の場合は、彼はうっかり叶えてしまった枠だと思います。たまたまぶつかっただけのあかりちゃんと、そっくりな存在を見つけてしまった奇跡を夢のなかで起こしてしまった。
とばりは、生きてもいないし死んでもいない。夢のなかでだけで存在できるのでしょう。
彼(彼女?)が人に興味を持つことで楽しんだり、羨んだりする様子になんとも言えない侘しさを感じました。でも、寂しいわけではないと思います。人間になりたいとか、そういうことを言っているわけではないから……。
けれどもやはり、最後の最後、睦月が書き連ねていた「ゆめにっき」を手に微笑む姿は、可愛らしくもあり哀しくもあり、不気味さと妖しさを放っています。
一連のお話はそれぞれのキャラクターたちが主人公でしたが、本当の意味での主役はこの とばり なのでしょう。儚い存在です。現実のはしっことはしっこ、ほんの少しの繋がりのなかでだけ存在し、血が通わずとも生きられる不思議なとばり。

それぞれのカップルにいいところがありましたが、なかでも個人的には十島・上野のふたりがとても好きです。
描き下ろし(たっぷりあります!)で十島から見る上野の姿も素敵ですし、なにより何事も努力しようとする上野の中身が好きです。実になる、ならないは別としても。
惜しげなく努力できることは才能だと思います。今は花開かずとも必ず成功するものです。十島はそういう上野の姿を知っているからこそ、惹かれるんだと十分分かります。夢でしか歩み寄れなかった臆病な十島が、現実でようやく想いを伝えられたことでニヤけました。

睦月を見ていて思いましたが、三崎先生はこういうぼんやりしたタイプのキャラクターがお好きなのでしょうか。ぼんやり、洟たれ、放っておけない雰囲気。
いい塩梅です。寝物語のような、不思議なお話でした。

5

とばりちゃんは何者でしょう

独特のイラストと世界感に毎回魅せられる作家さんの作品だと思うのですが、
今回もそんな独自の世界に引き込まれるし、ほんの少し怖さも感じる内容でした。
タイトルを見た時は夜の帳と言う言葉を思い浮かべ、読み始めて夢魔かしら?
そんな風にも思い描いてしまいましたね。

現実社会で満たされない思いを抱いている者が夢に逃げる、なんとも深層心理に
深く入り込んでいる風に思える。
作品は主に3カップル、学生がメインの内容で、現実でもがいていた時夢で見知らぬ
人物、とばりちゃんと出会いながら夢と現実の狭間で揺れ動く心、
夢での出来事が現実生きていく時に大きく関係してくる。

それが密かに思いを寄せている相手だったり、夢の中にだけ存在している者だったり
不思議な世界観が溢れているけれど、ファンタジーだと簡単に言えないものが
確かにあって、夢の中でしか言えなかった事を現実で勇気に変えて夢の中へ
逃げ込む事がなくなる主人公たち、そしていつも残されるとばり。
はたしてこのとばりちゃんは何者なのか?どこか悲しくも見える夢の住人に
思いをはせるような作品で素敵でした。

4

この作品が収納されている本棚

PAGE TOP
  • 電子書籍
  • レビューを見る
  • 評価レビューする
  • 関連作品
  • 攻受データ