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9784861346538
表紙イラストの窓辺で見つめあう二人が素敵だなと思ったのですが、カバー下はその続きになっていてうわぁ♪と喜んでしまいました。冒頭に「めばえる恋は」後編の表紙カラーも収録されています。見つめあう視線や醸し出す雰囲気がとにかく色っぽいです。
3作品中では「めばえる恋は」が一番好きなのですが(店長のタレ目具合が好み!)、閉店後のお店で抱き合った後、二人ともテーブルに突っ伏したまま椅子に座って朝まで寝ちゃってたのはどうかなとちょっと思いました。身体痛くない?(笑)
大学生(金持ち)×大学生(貧乏)
飲食店店長×執事
社会人×幼馴染
1作目の素直な攻めと、2作目の受けがだんだん恋を自覚していくところがとてもよかったです。
とても綺麗なのですが、表情があまり変わらない画風が合わず、残念でした。
表題作とそのスピンオフ作品、別の短編が収録された短編集。
「恋のはじめ」
「恋のつづき」
主人公は大学生の内藤。
長く続けているバイト先(レストラン)に、学内でも有名なお金持ちの息子・筒井が入ってくる…
…と始まります。
要は「格差恋愛」なんだけど、ぼんぼんの天然なずれっぷりととても素直な恋心が可愛らしいお話。
「めばえる恋は」
視点は、内藤と筒井のバイト先レストランの店長・岩成。
筒井の実家の「執事」・藤木との恋です。
藤木は超真面目で岩成の揺さぶりに大いに動揺するわけです。岩成は決してからかってるわけではないんだけど…
藤木は初恋にのめり込んでいる感じですね。
「遠く近く」
幼馴染もの。
引きこもり気味の陰キャ・ハルが一生懸命幼馴染の和輝に想いを伝えるお話。
短編なのであっさり両思いです。
「恋のゆく先」
同居を始めた筒井と内藤。
筒井は家族に内藤を恋人だと紹介したいと言い、実際そうします。
お屋敷の玄関に向かう2人。
あ〜…どうなるのかしら、心配。でも大丈夫な気もします。大丈夫だといいな。
相変わらず美しい表紙と口絵ですが、瞳にハイライトを意識して描き込んでいるのが悪目立ちして気になります。
せっかくのなまめかしい表情がもったいない。
加東さんの作品には浮き世離れというか世間ズレした人がよく登場します。
今作はレストランが舞台で『世間知らず』な御曹司×貧乏同級生、店長×御曹司の執事のふたつの話+幼なじみ再会話です。
【恋のはじめ・つづき】
表題作と続編。
大学でも金持ちと評判の筒井(攻)が苦学生:内藤(受)の働くレストランにバイトとして雇われます。
筒井が世間知らずを発揮しながらも何に対しても一生懸命に取り組む姿に内藤は好感を持ち、筒井も自分の面倒を見てくれる内藤に好意を抱きます。
しかし父親の会社の系列レストランに『社会勉強』としてバイトする筒井と両親を亡くし学費を工面するために節約生活を送る内藤とでは何もかもが違い、筒井の好意は内藤に戸惑いと引け目をもたらします。
好感と好意の僅かな違い。
それでも筒井は本人にその気はなくとも上から目線になっていることを悟れば家を出て内藤と同じ目線に並ぼうとする迷いのなさが潔い。
健気で行動力抜群で連れ戻しに来た執事にも毅然とした態度をとり、描き下ろしでは内藤にとって頼りがいのある『家族』へと成長しています。
畳に飛んだナニカを拭くという日常の1コマのアップがエロいw
疑いなく自分の意志通りに行動する子どものような筒井の素直さは気持ち良く、卑屈になりかけた内藤がほぐされていく過程も自然です。
【めばえる恋は】
筒井家の執事:藤木は『子離れ』されてしまっても筒井の様子が気になることから彼らが働く店の店長:岩成と連絡をとるようになります。
何気ない報告メールの往復で繋がりを深めていくふたり。
藤木さんが執事なのに世間慣れしてないのが気になりますが(笑)ウブなメガネがあられもなく乱れるのは美味しい!
【遠く近く】
幼なじみの和輝が就職で帰郷して、その成長ぶりにひきこもり気味の晴明は劣等感に悩みますが、ある行動に出る展開。
この作品だけ表題シリーズとは異なりますが、サラッと読めます。
短いサイクルで出版が続く加東作品。
今作はいつもの独特なテンポが薄い気がしますが、ここ最近の作品の中では一番好き。
筒井は内藤を護ろうと、藤木は筒井家の外で大切な人を見つけ、ひきこもり気味の子は動機はともかく外へ目を向ける…ささやかな成長記な気がしました。
真面目で誠実さのあるお話が思わずキュンを呼んだ作品。
相手が、金持ちの坊ちゃんで社会に出た事がなく、色々と知らない事が沢山あったり価値観が一般庶民と違ったりする設定なのですが、これを愉快にデフォルメすればコメディに転ぶであろうものを、真摯に向き合わせて主人公達の歩み寄りと成長を、そしてほだされ愛になっていく、その姿にとても味を感じたのでした。
両親を亡くし貧乏学生をしている大学生の内藤がバイトするレストランに新しく入ったのは、大学内でも有名な金持ちの坊ちゃんの筒井。
彼の価値観は一般庶民の内藤とは違っていて、へだたりを感じるのだが、筒井は内藤に懐いてくる。
そんな筒井が、自分も自立しなくては、と一人暮らしを始め努力している姿に内藤がほだされるといった展開。
一番印象に残ったのは、大学で「今日は節約の日」という内藤に、友人たちがこれあげる、と言ってパンや飲み残しの飲料をくれるのを平気で貰っている場面を見て、じゃあパンならと近くのベーカリーで買ったものを筒井が内藤にあげようとすると断られる場面です。
筒井のしていることが、施しになってしまう。
学友のそれとはちょっと違うという、ちょっぴり内藤が意地を張っていなくもないが、筒井のそのタイミングやシチュエーションの間の読めなさが内藤を意固地にさせてしまう、そのシーンがとても印象的だったのです。
内藤よりボロなアパートで一人暮らしを始めたといっても、片付けや何やらは世話係が来てやってくれているようで、更にそこからも自立しようとする少し脱皮する筒井でした。
ちょっぴり天然風味のワンコで、裏表のないまっすぐさが、案外に好きかもしれない。
【めばえる恋は】
筒井の世話係で執事の藤木に興味をもった、レストランの店長・岩城がアプローチして恋人(?)になる話。
祖父の代から執事をしている家柄で、父親もそして自分は息子に仕え、それがかけがえだったのに、息子が自立してしまった為に藤木の自分の存在に揺らぎを覚える。
その空いた時間を僕にくれないか、と誘ってきたのが岩城。
・・・ひょっとして岩城はタラシ?(笑)
息子同様、藤木も自立するといった内容になるのですが、藤木初心くて、ずっとずっと仕事一筋できたから恋なんてしたことなかったんじゃないかな?
と思うと、岩城は悪い奴だな~なんてw
【遠く近く】
中学校2年の時に転校していった親友が、地元就職の為に帰ってきた。
ひきこもりっぽくてで誰とも付き合いのないハルは、過剰なスキンシップをするアキを意識している。
自分の知らないカズの交友関係に嫉妬を覚え、もうカズと距離ができるのは嫌だと自ら外へでるハルというお話。
カズが懐の深い人でよかったよねv
久々に加東セツコさんのマンガを見ましたが、以前よりよくなっていたような気がします。楽しめました。