鬼子の夢

onigo no yume

鬼子の夢
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神43
  • 萌×236
  • 萌7
  • 中立3
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
13
得点
383
評価数
92件
平均
4.2 / 5
神率
46.7%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
白泉社
シリーズ
花丸文庫black(小説・白泉社)
発売日
価格
¥676(税抜)  ¥730(税込)
ISBN
9784592851165

あらすじ

鬼子と呼ばれ蔑まれ玩弄されてきた与六は、絶望し村を逃げ出す途中崖から転落してしまう。目覚めると見知らぬ場所で看病を受けていた。助けてくれたのは獣のような男で、与六はその姿におびえるが…。

与六はその晩、村から逃げ出した----明日には領主の「もの」にされてしまうというそんな夜だった。与六は不吉な出生から「鬼子」と村中から虐げられていたが、貧しい村の生まれとは思えないほど美しい子供だった。十五になる頃には村中の男ばかりか、実父にまで体を弄ばれ----そしてある日、悪名高い領主の目にとまり差し出されることになってしまう。絶望し村を飛び出した与六は、谷に転落し死を覚悟したが、山に暮らす佐助という男に助けられる。その後も生活を共にするうち、与六は佐助の優しい心と熱い肌に酔い、初めて心が満たされることを知った。しかし、与六と佐助のささやかで幸せな日々、蜜月は長くは続かなかった……。

表題作鬼子の夢

佐助・山に暮らす大男
与六・百姓家の息子で「鬼子」と虐げられる・16歳

その他の収録作品

  • 流るる雲

評価・レビューする

レビュー投稿数13

淫靡な純愛

丸木さんのお話しで、淫靡な作風の中でもボクトツとして一途な攻めが登場するものにハゲ萌えるので、この作品も個人的にツボでした。

薄幸の受け。しかし、健気というのとは少し違う。幼少から村人の慰みになってしまった不幸な運命ながら、そこから抜けだして自立しようという芯の強い少年。一方、まじめだけれども、鬼として、人間とは離れて一人暮らす攻め。
そんな二人が、人里離れた隠れ家で二人だけの蜜月を過ごす。これまで出会ったこともないような美しいものに憧れ、独り占めしたいと思う鬼。初めて自分を一人の人間として求めてくれた心優しい鬼を、むしろ包み込むような愛で慕う受け。年の差、身長差をひっくり返すような関係です。

特に縛り付けてのエロはすごかった。。ただ濃厚というよりは、お互いがなくてはならない存在の上での激しいHに萌えます。

ただの夢じゃなくてよかったな、と思いました。
笠井さんのイラストがお話しに非常にマッチしてました。






2

大人昔話BL

読み終わった直の感想は「続きが読みたい!」です。この二人をもっともっと追いかけて欲しいです。鬼ワールド作品はたくさんありますが私としては№1に確定です。鬼として一人淋しく暮らしていた佐助とたくさんの人の中にいながら一人淋しく暮らしていた与六が出会い初めて誰かといる喜びを感じ、生きていく楽しさを知っていく、ちょっと悲しい場面や恐ろしい場面も登場しますが、それ以上に二人が幸せに向かって頑張る姿を応援せずにはいられない作品です。本当に続巻を希望します。めっちゃいい話!

2

孤独な鬼×不遇の美少年

不遇の美少年と孤独な鬼の交流を描いた時代劇ファンタジーです。

面白かったけれど、匂い立つほど濃厚なセックスシーンを除くとあまり起伏のないお話だと思うので私は「萌」評価です。丸木文華さんの作品らしいというかなんというか…主人公二人さえ幸せならあとは不幸になろうが殺されようが気にしない!という清々しい展開なので、そこが引っかからなければ更に楽しめると思います。

クライマックスに描かれる験者のくだりはもっとシリアスでシビアな事態になるかと思いきや、結構ぬるっと終わって肩透かしでした。序盤にさらさらっと描かれている与六の身の上話のほうがよほどシビアだったな…。

1

素朴な幸せを(主に性的な方向で)必死に貪るふたり。

今までに読んだ鬼と村人系BL(?)ではダントツに一番好きでした。
生まれ育った貧乏な村で、鬼と虐げられてきた美貌の少年「与六」と、人里はなれた山奥に一人ぼっちで暮らす大男の「佐助」。受けの与六も芯がある少年で好感なんですが、それよりなにより佐助がめちゃくちゃ正直なのが良いですね!受けに対して、「嬉しい」とか「好き」とか、そういう感情をまっすぐに伝えてくる攻め!!大好物です。

種類が違う山場がいくつも用意されていて最後まで飽きずに読みました。後編で験者が出てくるあたりだけは唐突に感じてしまったものの、私は結局BL小説には「萌え」をメインに求めているので、幸せな情交シーンがこれでもか!というくらい詰まっている今作品には大変満足致しました。

1

もっと見たい

山田風太郎作品に似た雰囲気だと思います。エグみを含んだエロ。
美しさ故に不遇な子供時代を過ごした与六と、生きる術を教えてくれたお坊さんが死んで以来孤独に暮らす鬼の佐助。
与六と出会う前は朴訥で純粋だった佐助は、やがて恋を知り快楽を知り、そして嫉妬や執着を覚えます。
家から出てはいけないと与六を柱に縛り付ける佐助。
このまま執着が悪化したらどうしよう、と心配でしたが春が来て旅に出てからは落ち着いた様で安心しました。
佐助は普通の人より長生きな気がしますけど、与六も多少はそうなったんですかね?
エピローグのストーリーが落語にありそうな話で面白かったです。浮気癖が治るといいですね。(ニッコリ)

0

人の心が鬼を生む

笠井あゆみさんの美しいイラストと、濃厚エロを期待して購入した1冊でしたが、余りにも美しい純愛物語に思いっきり心を撃ち抜かれました。
与六と佐助が愛おし過ぎる><

不吉な出生から「鬼子」と虐げられ、美しい容姿のせいで村中の男達の慰み者にされてきた与六。
鬼として生まれ、人との関わりを避けて生きてきた佐助。
そんな底知れぬ孤独は読んでいても辛くなるほど。
どれだけ辛く淋しい人生を歩んできたのかと考えるだけで涙が出そうになりました。

そんな中出会った2人。
お互いの中に安らぎを覚え、愛情を知り、何よりも掛け替えのない存在へと昇華していく。
その様子が余りにも自然で必然のように思えました。

でも、やはりどうしても上げておかなければいけない点は余りにも濃厚なエロですよね!!
最初は、佐助の人知を超えたイチモツの大きさ以外は普通の濃厚エロなんです。
でも、ある日村人が与六を襲っている場に佐助が遭遇して以来、佐助の嫉妬心と与六への執着心が暴走してしまいます。
今までの男の気配の消すかのように与六を縛り、拘束し、自分の欲望をひたすら与六に打ち付け注ぎ込む。
与六に続きとってはかなり無理を強いられる行為ではあるけど、佐助の気持ちを察し、健気に受け入れる与六の様子には本当に心を打たれました。

余りにも純粋で美しい心を持つ2人。
そして余りにも強く一途な絆で結ばれた2人。
与六は佐助を守るために鬼になろうとし、佐助は与六を守るために暴走する鬼の力を憂う。
こんな2人を引き離すような運命はあってはならないと思うのです。

人の心は恐ろしい。
鬼にでも何にでもなりうる可能性を持っている。
与六のことを鬼子と忌み嫌う村人が、与六にとっては鬼そのものであった。
とても美しいお話ですが、とても考えさせられるお話でもありました。
エンディングの物見遊山編はラブラブな2人を堪能できてとっても良かったです☆

最後に、ちょっと話はずれるんですけど、時代物のエロって『口吸い』とか『魔羅』とかっていう独特の表現がよりエロさを感じさせて滾ります(笑)

2

方言萌え!

レーベルは花丸blackなので、えっちは濃いです。


攻めの左助は朴訥な人柄で、うさぎは卯、与六のことは「与」と呼びます。
実はこの呼び方が本作を神評価にした理由です。
個人的な見解ですが、攻めが受けを「与六!」って呼んでいたらえっちシーンが盛り上がらなかった気がします。笑

時代物では名前が難しいなーと常々思っておりました。
戦国の農村に生まれた子供は、権七とか弥兵衛とかばっかりだったのでは?みたいな感覚があります。
たとえば聡や陽介といった名前はどうも現代の気がしていました。
そこに、この作品はひとつの素晴らしい解法を与えてくれました!
本名と、呼び方を少し変えるんです!!!
ありそうな、けど耳慣れなくて萌えには違和感のある「与六」という名を、攻めが呼ぶときだけ「与」にするのです!
あだ名のような、舌足らずのような感じが可愛い!!!
「よ」という響きが可愛い!!!
その時代の名前としてリアリティがありつつ、可愛い、萌えるものとして秀逸です。

笠井先生の美麗なイラストが物語に華を添えていて、こちら方面からもおすすめの一冊です。

3

温もりも切なさも繊細で美しい

艶麗たる美貌を持つ少年ヴィーナス再降臨。

『忍姦』を読んでからというもの丸木さん描く絶世の美男子に魅せられ、
こちらの作品が気になってどうしようもなかったのです。
序盤での与六の外見描写だけでも美人受けにめっぽう弱い私はとんでも大興奮!!
その見目麗しい姿が目に浮かぶような洗練された美文にただただうっとり。
不吉とされて鬼の子と蔑まれる存在でありながらも驚く程に妖艶で神聖な、
その相反するイメージがタブーを犯しているような感覚を生み、更なる耽美の境地へと誘ってくれます。
佐助の愛してるが故の依存や加虐的にも思える所作すら、その華奢すぎる身体で受け止める与六の健気さに心を打たれました。
悲惨な境遇下で育ち、求め行くものが互いに一致しているからこその強固な結び付き。
やってることはとんでもエロスなんですけれど、それすら神聖なものに感じました。
体格差と頻度を考えると与六の体がちょっと心配になってしまいますが。
世界にまるで二人しかいなくなってしまったような閉塞感を節々に漂わせながらも、孤独な気持ちをお互いから救い出し、心を魂を解放してくれる…
温もりも切なさも繊続き細で美しい叙情的な心に染み入る作品でした。
笠井さんの美麗過ぎるイラストもこちらの作品のイメージにぴったりと嵌っていて、何度でも見たい衝動にかられてしまいます。

4

鬼ってなんだろう

ダークな空気と密閉した空間の中で、二人の愛だけがどこまでも穢れなく美しい。
そんなお話でした。

ほの暗くしっとりした雰囲気の中で、居場所を見つけられずにいた二人が出会い、お互いを居場所として惹かれあっていくお話。
二人の気持ちがだんだん近づいて寄り添って一つになっていく様子がていねいに描かれています。この気持ちの変化がとても説得力があって自然で、テンポとバランスがよかったです。
さらにエロシーン。ほかの場面もそうなんですが、しっとりとした和の雰囲気があって、かなり濃厚なプレイにもかかわらず下品じゃない。しかも、目に浮かぶような表現で、丸木作品は初読みでしたが、すごく好きだなぁと思いました。

そして与六も佐助もキャラがいい。大型純朴執着ワンコ攻めと美人淫乱ショタ受け。大好物です。しかも視覚的に訴えるような表現で描かれていて、どこまでも白い花のような与六と野獣系の佐助のコントラストも絶妙でした。
方言も純朴な雰囲気を添えて、与六の艶めかしさをさらに煽ってくれるし。
最初の方の文体の中にわざと民話に出てくるような言葉が使ってあって、それも世界観に合っていてよかったです。続き

笠井さんのイラストもすごくきれいで。この表紙のイメージに引き寄せられて読みましたが、お話にもすごくあっていました。

10

人を鬼に変えるもの

◆あらすじ◆

舞台は、戦乱の世(大坂に関白がいるらしいので豊臣政権時代?)の美作。
とある貧しい農村に、村人たちから「鬼子(おにご)」と蔑まれ、男たちの慰みものにされて生きる少年がいます。
少年の名は、与六。(16歳 数え年?)
或る日村を逃げ出し山へ遁れた与六は、山に暮らす鬼・佐助(推定年齢26歳?)に助けられ、山中の薬師堂で佐助と共に暮らし始めます。
自らももてあますほどの破壊力で人を殺した経験もあり、罪を悔いて人里を離れひっそりと暮らしてきた佐助ですが、心は人間以上に優しくて純粋。
惹かれ合う二人は、ごく自然に体も求めあうようになります。
鬼と呼ばれ、異界に追いやられた二人が出会い、愛し合うことで、初めて自分の存在を肯定的に捉えていく…
純愛と濃厚なエロス描写。そして、鬼とは何かを問い、「愛する人間を守るためには、人は鬼になる」「鬼として人に排除される存在から見れば、人こそが排除すべき鬼である」というアンチテーゼを掲げた作品でもあります。

◆レビュー◆

購入動機はとりあえず挿絵買いと、丸木作品の試し読みだったのですが、結果としてかなり満足度の高い作続き品でした。
何が満足って…やーもう、エロス!エロス連呼。
最初は兎をかわいがるように与六を慈しんでいた佐助と、人に優しくされる心地よさに酔っていただけの与六ですが、お互い心の距離が縮まるに従って、だんだんと肉欲の渇望を感じ始めます。
佐助は与六と違って人と交わった経験はなく、知識もないのですが、彼の中のとてもプリミティブな欲求が、抑えがたい衝動になって与六の体を求めていく。
一方、セックスの経験はあってもそれを苦痛としか感じたことのない与六が、愛する佐助との行為にだけは、とめどないエクスタシーを感じ、その感覚に溺れて行く…
お互いピュアなだけに歯止めを知らずSM地獄に堕ちて行く二人(ちなみに二人は幸せですw)を、粘り気たっぷりに描いた濡れ場が最高です。

舞台は美作なので、よそ者の佐助と鬼調伏に訪れる験者以外は、岡山弁。
みなさん書いていらっしゃるように、岡山弁の小説と言えば、かの「ぼっけえ、きょうてえ」を思い出す人が多いのではないでしょうか。
内容は忘れてしまった今でも、おどろおどろしく湿った情緒だけは記憶に鮮明。あくまでも自分の中でという話ですが、そんなホラー作品の借景効果もあって、湿り気が倍増したような。
土地と因習に縛られ、狭い世界に生きるた村人の陰湿さや、村での与六の無力さも、ゆるい岡山弁でうまく演出されている気がします。

最後まで謎だったのは、与六の村を焼き、村人たちを皆殺しにした火の正体。
村を焼いたのは、与六の体を弄び続けた村人たちへの佐助の怒りの焔なのか?
それとも…
作中で与六は、村の子供たちが翠の火焔に包まれて消えて行く夢を見ます。夢の中で与六は、佐助に知られたくない彼の過去を全て知っている村の子供たちを捕まえようとしていて…
作品のタイトルも「鬼子の夢」だけに、この夢は気になりますね。
が、与六の夢と村人惨殺の真相は曖昧にしたまま、物語は終わります。
エンディングの、愛しい人以外は何もかも消えてしまっても構わないという、与六のモノローグも意味深…与六を生み落とす時、「これは鬼じゃ」と叫んだ母親は、与六がいずれ村を滅ぼす存在だということを予知していたのでしょうか。
どこかダークで割り切れない終わり方ですが、それがまたほの暗い余韻になって残っていく感じ。
こういうエロ暗い話、大好物です。

番外編「流れる雲」は、大坂を旅した二人の旅籠での一夜を、出歯亀の目線で覗き穴から眺めたショート作品。相変わらずの二人の絶倫Hが、鮮度UPで楽しめます。

16

孤独な二つの魂が結びつく

「ぼっけぇ」「恐(きょう)てぇ」等の岡山地方の方言や、
異形の者として村八分に近い扱いを受ける主人公に
どことなくS.I.女史のホラー小説を思い出す。
区分としてはファンタジーですが
日本の怪談に近い雰囲気もある、ほの暗く叙情的な作品でした。


貧しい百姓家の六男に生まれた与六。
母親が難産の末自害したことから「鬼子」と虐められ、
美しく成長してからは
村の男達や、実の父親の性のはけ口にされてきた。
ある日、娘を弄んでは殺していると噂の若様に目をつけられ、
村から逃げ出したところを、山に棲む大男・佐助に助けられる。
寡黙だが優しい佐助と一緒に暮らすうち、
与六は佐助を慕うようになり…。


孤独な二人が惹かれ合うまでの流れはとても自然です。
追ってくる人間達から、命がけで互いを守る姿もいじらしい。
どうか幸せになってほしいと応援せずにはおれない展開です。

佐助は本物の「鬼」で、
鬼を殺しに来た人間たちに母親を殺されて以来、誰とも関わらず孤独に生きてきた。
それが、与六という愛しく守りたいと思える存在に出会い、
初めて執着という感情を知続きる。
与六も、今まで誰にも感じたことのない安心感を佐助に覚え
自ら望んで佐助に抱かれます。

仲睦まじい二人の純愛モノながら、
陰茎を縛るなどちょっと危ない束縛プレイもあり
エロ面でも楽しませてくれます。
エピローグの嫉妬し合う二人も微笑ましい。


BLとして萌えるだけでなく、
村社会や集団心理の恐ろしさ、疎外される者の悲哀といった
人間ドラマとしても読ませる内容でした。
筋はシンプルながら、完成度の高い作品だったと思います。
笠井絵も雰囲気にぴったりで素晴らしいです。

15

愛で変わる

読みはじめに直ぐに気がつく方言、岡山地方の方言が、作品の面白さを底上げしてる
そんな風に感じました。
ぼっけえ、きょうてえ、とっても怖いって意味だったように思うのですが
7,8年前に大好きな作家さんのホラー小説でそんなタイトルの怖い話を読んだ記憶を
鮮明に思い出し、岡山の方言は独特な感じで心惹かれるものがありますね。
もっとも地元の人にしてみれば当たり前の事でしょうが、作品でお目にかかる率は
断然低い気がするのでその意味でも新鮮でした。

内容的にはファンタジー、それも痛い系にちょっと属する話だと思います。
生まれ落ちた時からいわくつきみたいな状況で村人や家族にも疎まれて育ち、
自害した母親が受けである与六を鬼だと言ったせいでその後の与六は悲惨です。
鬼の子と言われ、仲間外れ以上の手酷い扱い、年頃になると与六の類まれな容姿が
かえって悲劇的な状況で、村の若い衆に弄ばれるし、実の父親も同じ穴の貉状態。

そんな与六に目をつけたのが近場の城に住む好色な若様で、娘をかどわかしては
弄び飽きれば殺すと噂されている人物でさすがの与六も怖がって死にもの狂いで
村から続き逃げるが、谷底に落ちて瀕死になる。
それを救って面倒見てくれるのが攻めになる佐助、人里離れた山奥で一人で暮らし
朴訥で優しく、鬼子だと蔑まれた与六が初めて安心して安らげる居場所になります。

朴訥過ぎる佐助は与六と出会ったことで愛しさを覚えて行き、与六も同じように
佐助を愛するようになりますが、二人のエロはかなり濃厚部類です。
村から逃げ出した与六が村人に見つかってしまうトラブルが起きた時から
佐助の与六に対しての執着具合がかなり深くなります。
そして佐助の本当の姿も明らかになって、男である与六の身体の変化はその為かと
思えるような内容です。

愛するが故に佐助にだけは知られたくなかった村人との出来事、
それが佐助の異常なまでの執着に繋がっていくが与六にとってその思いは心地よいと
感じると同時に自分を信じてくれないのかと悲しい気持ちにもなるのです。
そしてエロスはたっぷりで、官能的な作品なのでエロエロが苦手な人には
内容的にはかなり密度の濃い純愛ものなのにおススメ出来ないのが残念。

そして個人的に気になったのは、与六の村が全滅して燃え尽きてしまった出来事。
初めは佐助が燃やしてしまったのかと思っていたけれど、もしかしたら与六の
強い思いが、与六自身がしたのではないかと思ってしまいました。
エロスと悲しいファンタジーの融合はなかなかクセになる面白さがありました。

14

純愛

題名といい、表紙イラストを含めた装丁といい、何て魅惑的なんでしょう!
口絵イラストも中のイラストも大胆な構図で目を惹きますが、いつもドロドロしたダークさを期待してしまう丸木作品に、今回は純愛を見ました。
執着愛も根っこを探れば純愛をこじらせたものと考えることは出来ますので、路線としてはきっとはずしてないとは思うのですが、それでも健気さが前面に出た展開が今回は新鮮でした。


貧しい村の百姓の家の六男として生まれた与六。
彼が生まれた時、母親が鬼が生まれると出産を嫌がり、産まれた直後に狂って死んでしまったことから鬼子と呼ばれ、村でも忌み嫌われていた存在。
しかし、その美しい外見から村の男たちのみならず実の父親の慰み者ともなっていた与六。
そんな彼が乱暴者で、呼び寄せた娘たちは飽きたら殺されると評判の領主に目をつけられてしまうのだが、苛めは耐えられても殺されるのは嫌だと村を逃げ出し、谷に落ちてしまう。
怪我をした与六を助けたのは、見た事のない大男の佐助。
彼に介抱され一緒に暮らすうち、情がわき、そして情が繋がり、二人は幸せな暮らしをしていたのだが・・・

鬼子と呼ば続きれ、誰からも愛されない人生を生きてきた与六と、
身に鬼を持つことからひっそりと暮らしていた佐助。
寄る辺のない、寂しい一人ぼっち同士が惹かれあうのは筋。
しかし、その愛情が執着に変わって怖いほどの愛情になっていくことで事件が起きてしまう。
鬼と呼ばれる二人だけど、誰でも身の内に鬼を住まわせている。
なにも形相だけではないと、むしろ純粋な二人が人間で、彼等に酷い仕打ちをし鬼を怖がる人間が鬼のような姿を描く事で、それを説いているような。
至って物語はシンプルなのです。

作者さんの特徴である濃厚なまぐわいシーンは、情の高まりと共に執着の強まりと共にどんどん濃厚になっていく、それが見せ場でもあります。
優しさから激しさへ、それがよく解ります。
佐助のイチモツは、、、一体どのくらい大きいのか?

自分はこの路線もとても好きです。

15

この作品が収納されている本棚

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