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表題作赦されざる罪の夜

環境・インフラ事業部社員 久保田貴俊 26歳
財務部の同期でセフレ 上原慎哉 26歳

同時収録作品赦されざる罪の夜

医師 石津博之 29歳
上原慎哉 26歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

会社員の貴俊は同僚の上原と関係を持ちその身体に溺れるが、ある日長年にわたり上原の身も心も支配している石津という存在を知り…。

作品情報

作品名
赦されざる罪の夜
著者
いとう由貴 
イラスト
高崎ぼすこ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344829725
3.1

(9)

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萌々

(2)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
27
評価数
9
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

高崎ぼすこさんの挿絵は素敵!ですが……

高崎ぼすこさんの表紙絵に惹かれ購入。

高崎さんの描かれるスーツ姿の男性が大好きなんですが、
今回は話が話だけに、イラストは裸体が多め。
泣きながら、攻(あて馬)のイチモツに顔をうずめる
受さんの色っぽい横顔に…すみません、萌えましたw


【あらすじ】
彼女と別れたばかりのリーマン・貴俊(攻)が
同期の慎哉(受)とたまたまバーで出会う。
男のセフレが何人もいるという慎哉に誘われ、
興味本位で寝てみたところ、慎哉の身体にどっぷりハマる。
しかし、慎哉(受)は過去の贖罪のため
ある男に十年にわたり陵辱され、そのため精神を病んでおり…


【ネタバレ】
慎哉(受)は
高校時代、親友と思っていた相手に告白され拒絶。
ショックを受けた親友は自殺してしまいます。
贖罪のため、親友の兄・博之に命じられるまま身体を差し出し
"お前が友之を死なせた"""お前を抱いているのは友之だ"
など、精神攻撃を受け続けています。

そんな慎哉をカッコよく助け出すのが貴俊(攻)なのですが
二人とも、セックス以外に互いのどこに惚れたのーー?的な引っかかりが。
特に貴俊は、大して親しくもなかった同期(しかも男)に
短期間でハマりすぎでは…
そうさせるほど、慎哉のどこに魅力があるのか
残念ながら文中から読み取ることはできませんでした。


あと、博之(あて馬)との絡みガッツリなのは別にいいんですが
貴俊×慎哉、博之×慎哉…とエロシーンが延々続くため
ちょっとお腹いっぱい感が。

エロはもういいから、
貴俊が慎哉のどこを好きになったか~とか、
博之が慎哉と寝ることになった経緯&開発のプロセスとか、
もうちょっと話の外堀を埋めてくれた方が
キャラの心情が伝わってきたのになーーーと思います。


また、チラッと出てくる博之視点で
慎哉に対して憎しみだけでない感情があるのか?
と匂わせておいて、
ラストは結局、陳腐な悪役に終わってしまったのが残念。

攻~受~あて馬…と視点をクロスオーバーさせたわりに
群像ドラマの面白みがあまりなく半端な感じ。
これなら攻か受どちらかの視点で統一してくれた方が
感情移入できたと思います。


ラストの情熱的な告白&濡れ場フィニッシュは
大盛り上りで、読後感は悪くないのですが
やっぱり"なぜそこまで相思相愛になれるの?"という疑問が消えず、大仰なエンディングにいまいち乗りきれない。中立…とまではいきませんが、消化不良感が残る作品でした。

8

俺がお前の最後の男!?

リーマンスーツの魅力といえば高崎ぼすこ絵・・・しかし、いたしてるシーンが多かった為スーツより裸体を堪能させていただきました☆


結婚も考えた彼女に久保田が振られた日、飛び込みで入ったバーで偶然出会った同期の男・慎哉。
気が付くとホテルで、バスローブ姿で出てきた慎哉。
こうして慎哉の誘いに乗る形で関係を結んだ久保田はセフレとしてあとくされのない情事を楽しむ関係を続けていたのだが
ある晩、慎哉が知らない男と車の中で不本意な関係を結ばされているような表情をしているのを見てしまい、彼の事が気ににかかるようになる。
セックスに過激な要求をする慎哉に疑問を抱き、彼と一緒にいた男を調査するうちに見えてきた慎哉との接点。
激しく嫉妬を覚える久保田。
そして・・・


都合のいいはずだった男が本気の本命になっていく話であり、それによって一人の男が救われる話となっているのだと思う。
二人の変化が見せ場になるのだろう。
最初の信哉はいかにもビッチで、久保田どころか他の男の痕跡も残し、乱れる激しいセックスをして平然と帰っていく。
そのドライなあとくされのない態度は元々ノンケだった久保田には都合よく、それを楽しんでいるのです。
またそれは、同じ男を組み伏せて喘がせて快感におぼれさせる男の支配欲も満たすものなので、満足感があるのです。
そこへ見えた、いつもの女王様然とした顔と違った顔。
というわけで、のめり込んで行くのです。

慎哉の変化はかなり落差がありました。
久保田の前でふるまうビッチ、それが自分を壊してほしいと懇願する自己破壊願望の顔、それを見せてしまうと、もう弱い顔をさらしてしまう。
最初の強さは一体どこに?というくらいのもので、
それだけ彼が背負ったモノが自分を痛めつけることでしかバランスがとれないほどの深い罪の意識になっていた事を表わすものだったのです。
本当は弱い男、というのを見せたかったのでしょう。

ビッチにならざるを得なかったきっかけを作った高校時代の事件。
慎哉に恨みを晴らすように、彼を抱いていた自殺した親友の兄の逆恨みの呪縛。
それを解くのが久保田でした。

久保田って熱い男だったんだなと、意外でした。
興信所を使ってまで調べて。しかも「最初で最後の男だ」と言い切るところがスゴイです!
ただ、その決め手はどうにも疑問ではあるのですが・・・
その言葉によって、晋哉がとても弱い男(実際はそうだったのですが)になってしまったような感じがします。

自分的にはビッチを装う最初の駆け引きのような関係が好きだったので、ピンとそびえたっていたものがフニャフニャフニャ~としおれてしまった印象が。
せっかるリーマン設定だったのに、余り働く男な感じがしなかったのもちょっと残念。
慎哉は最初から最後まで結構エロくて、エッチシーンは好きでした。

5

だれが1番罪深いのか

とても理不尽に感じてしまう内容で主人公の受けになる慎哉がお気の毒でした。
もっとも、1番被害を受けたのはもしかしたら同僚の久保田かもと思いつつも、
久保田には最後まで男前の性格で慎哉を幸せにして欲しいと願う作品でした。

16歳、高校生になったばかりの慎哉が親友だと思っていた相手にキスされ、
告白されたが、突然のことに驚き混乱と裏切られた思いからきつい言葉で拒絶。
それが今後10年間の贖罪の日々になろうとは誰だって思わない。

26歳になった慎哉は、昼は生真面目で地味な会社員、夜は男漁りをして堕落した
日々を送っている2面性を持った感じで、方や大学時代から交際して6年後に振られて
やけ酒を飲んでいた久保田は、その慎哉に偶然出会い、酔った流れで関係を持つ。
流れでセフレのような関係を持つようになった二人、しかし久保田はある日
ビッチで自分以外にもセフレがいるだろうと思っていたが、目の前で偶然見た
慎哉が嫌々ながら男にしたがっている姿を目撃したことから、
慎哉のことが気になって仕方なくなる。

そして、どこかなげやりで破滅を望んでいるような慎哉のことが気になり、
久保田は慎哉の過去を調べだし真実を見つける。
弟の復讐のために慎哉を10年間も陵辱する男の気持ちが理不尽すぎます。
いじめならともかく、弟が好きな相手から振られて自殺を図ったから復讐。
それも男同士が気持ち悪いと言ったから、その男に抱かれよがるようにする。

なんて理不尽で、弟が知ったら、そんなことを望んでいるだろうかと思わせる話。
でもそれを10年もされていたら、やられた方は壊れそうになりますよね。
そんなカウントダウンが始まった時に出会った久保谷よって壊れる寸前に救い出される。

でも、ふと思うのは10年も弟の復讐の為とは言え、抱き続けた男は
本当にそれだけの気持ちだったのだろうかと思える流れも感じます。
そして、どんでん返し的に弟はかろうじて生きていたと言う事実。
もしかしたら、いつか目を覚ますかもと言う希望も見える設定を感じます。

5

久保田の器のデカさが身にしみる。

彼女に振られた久保田は、バーでやけ酒をあおっているところに淫らな色気をまとった男に声をかけられる。
その男は同じ会社に勤める上原だった。
会社にいるときとはまったく違う雰囲気の上原。
『遊び』のから始まった二人の関係、けれど久保田は次第に上原にのめり込んでいき───。

上原の矛盾が、より彼を痛々しく見せた気がする。
心は嫌でも、身体は喜ぶ。
そんな自分を罰するように数々の男に自分の体を投げ出し、誰かが壊してくれることを願う上原。
自分の言動が親友を追い詰めたこと、その贖罪として抱かれ続けたこと。
自分が赦せなくて苦しんでいた上原を、久保田は言葉と行動で包みます。
お前は悪くない、おかしくなんかない、と。

久保田がいい男すぎ。
ある意味、今の現状を『壊して』くれた久保田。
良かったね、上原。

不満があるとすれば、ひとつ。
博之のキャラがいまいち掴めなかった。
もしかして上原に復讐以外の想いがあるのか?と思うような描写はあれど、結局悪役のままだし。
徹底的になぶるか、堪えきれない情をもっと出すか、どっちかにしてほしかったなぁ。
中途半端すぎて、ハテナが残りました。

高崎ぼすこさんのイラストだけでも見る価値あり。
美しい上原にウットリです。

ガッツリ他の男との絡みがありますので、複数関係を持つ描写がお嫌いな方はご注意を。

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