俺たちは一緒に死ぬのさ。 真の恋人が運命づけられているようにーーー。

天使の影~アドリアン・イングリッシュ(1)~

tenshi no kage

天使の影~アドリアン・イングリッシュ(1)~
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神9
  • 萌×210
  • 萌5
  • 中立3
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
7
得点
103
評価数
29件
平均
3.7 / 5
神率
31%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
新書館
シリーズ
モノクローム・ロマンス文庫(小説・新書館)
発売日
価格
¥900(税抜)  ¥972(税込)
ISBN
9784403560156

あらすじ

LAでミステリ専門の書店を営みながら小説を書くアドリアン・イングリッシュの元をふたりの刑事が訪れる。
従業員であり友人のロバートが惨殺されたのだ。
前日レストランで口論して別れたアドリアンに、殺人課の刑事・リオーダンは疑いの眼差しを向ける。
調査に乗り出したアドリアンだったが、犯人の深い憎悪と狂気はやがてアドリアンに向かう。
彼の危機に飛び込んで来たのは!?
それぞれの運命と向き合う男たちを描き上げたM/Mロマンスの金字塔、ついに刊行。

2006年ブックニュースアワードGLBTフィクション部門受賞作(シリーズ第三作「The Hell You Say」が受賞)。

翻訳:冬斗亜紀

表題作天使の影~アドリアン・イングリッシュ(1)~

評価・レビューする

レビュー投稿数7

いつか受のように「ベイビー」と呼ばれてみたい…ッ!

気になりつつも海外物に苦手意識がありまして、手をつけてなかったのですが偶然機会を得て読んだところ面白いのなんのって読み終えないうちに最終巻までポチってしまいました。
はっきり言って表紙や挿絵の漫画絵に助けられたことは間違いありません。原書のリアル系表紙じゃあ全く妄想が掻き立てられないどころか、門前払いされている気分になったかも。改めて日本の萌え文化は素晴らしいと感じました。
内容に関してですがシリーズ通してほぼパーフェクトで大好きです!
自分がゲイであることをことさら強調したり嫌悪したりっていうのは、あまり日本のBL作品では見ないので新鮮でしたし、アメリカ社会でのゲイの立場を意識させられる場面も多く興味深かったです。会話も無茶苦茶楽しくてですねぇ…外国小説の面白さを思い出させてくれました。第一巻はほぼ恋愛過程無しなんですが、だからこそ貴重な二人のシーンを何度も何度も嘗めるように読み返しました。そして二巻でやっとラブい関係なったと思いきや、すぐさま三巻で叩き落す鬼畜っぷりときたら…比較的多くのBL小説を読んできたと自覚する私も「お行儀よくするか?」「ハイ……マスター」ってなもんです続きよ!

3

この巻だけで語ることはできない

ちるちるさんからの懸賞プレゼントを利用し、電子書籍にて購入。初じめての電子書籍な上、読み慣れない海外ミステリで、BLと銘打っていなければ途中で挫折していたかなと思います。

まず登場人物たちの会話のテンポについていけない。皮肉に皮肉に、ジョークにジョークの掛け合いで、君たちの会話の本題はどこなんだと嘆くばかり。直截的な感情表現や描写にもキョトンとなるしかなく、BL小説しか読んでこなかった私には難物でした。

ただ読み耽るにつれて唸らされたのは、最後の犯人発覚シーンです。主人公・アドリアンが本当に必要としているのは誰の助けなのか、それがようやく表われ始めていた所が良かったのかと思います。意志ある男性が相手に弱みを見せる瞬間は何ともそそられるものです。
また、どんな相手であっても人に執着されるほどの魅力を持つ受けは好きな要素の一つ。単に受け、ではなくゲイセクシュアルの彼、として読み解くこともでき、なんだか賢くなれた風でもあります。
そして、アドリアンの儚げな印象は草間さかえ先生のイラストにも影響されました。美しいです。

評価は中立となりましたが、この巻だけではアドリアンの続きその後が分からずじまいなので、次巻も読むつもりです。次は必ず書籍で購入します。

3

色々な意味で日本のBLと違う

登場人物多し…ミステリー物だから仕方ないのかな。
こういう時は海外物って有難いですね。
一般小説でもたいていそうですが、海外物は登場人物一覧がついているので。
ちなみに受けの一人称です。

********************
受けは書店店主で32歳のゲイ、アドリアン。
長身ではありますが華奢なタイプで、心疾患があり薬を服用中。

攻めのリオーダンは、ゲイフォビアと見られるような発言の多い刑事。
ガタイが良く、威圧感のある人物。
********************

1999年のロサンゼルス。
高校時代からの友人で、アドリアンの書店店員でもあるロバートが刺殺されたところからのスタートです。
その犯人としてマークされていると見られるのが、アドリアン。
アドリアン自身はロバートに出会ってから、ほぼ困らされたり迷惑をかけられたことの方が多いのですが、周囲はそうは見てくれていません。
二人ともがゲイだったことでロバートの別れた妻や警察に、恋人同士であったのではないかと疑惑を持たれているわけです。

リオーダンは登場時からかなりアドリアンを敵視して続きいる雰囲気で、刑事と容疑者という正反対の立場であるのも手伝って萌え要素はひじょうに少ないと言えます。
萌え萌えを求めて読むとガックリしてしまうと思います。
彼らの関係は終盤には変化が見られるもののこれも少しなので、ふたりのラブシーンはなしです。
アドリアンと他の登場人物とのシーンはあるのですが。(これが苦手な方はご注意を)

事件自体は一般小説にはおよびませんが、他のBL作品のミステリーよりもだんぜん良く出来ていたと思います。
洋物MMとBLを、まず並べて比べるのが間違いかもしれませんね。
まあ、萌え要素にページ数を割いていないので余裕を持って書けるのかもしれません。
濡れ場もないですしね。
萌えというよりも、人物の心情や社会というものが大きく、わたしは楽しめました。
続きも購入しましたので、読むのが楽しみです。
ただ、今後はもっとふたりの関係にヤキモキさせられるようなので、全巻発売されてから読むのも手かもしれません。

4

刻まれた影

社会派小説としては多分申し分が無い作品です。
帯にある『2006年ブックニュースアワード
GLBTフィクション部門受賞作』の謳い文句は
伊達じゃないと納得出来ます。
ただ、これをメンズロマンスとして捉えると
なると…増してや日本のボーイズラブの文脈で
読み解くとすると率直に言えば甘さに欠けます。
推理小説シリーズ作導入の一冊として考えるなら
程好い一冊ですが、ここから先の作品世界に
付き合えるかどうかは読者次第ですね。
お気軽に、とはお薦めし難いですが程好い歯応えが
欲しいなら一度読んでみて損はない一冊やも
知れません。

5

事件ものとして……?

BL小説というより、主人公がゲイの一般ミステリー小説といった感じ。
全編に渡って事件の話でそれ以外の会話や、キャラクターの深い掘り下げとかは無いので、これ一冊では特に萌えは感じなかった。
そのへんは事前に聞いた評判で分かっていたから、その分ミステリー要素に期待して購入しました。

先が気になって中断せずに読み進めました。
しかし、ミステリーに詳しいわけでもないのに偉そうですが、驚くような展開やトリックなどは無く、読んでいるうちに予想する範囲の話で終わったような感じで、事件ものとしては微妙なところ。
地味、というか。

そんなわけで、BL小説としてもミステリーとしてもイマイチ惹かれませんでした……。
でも同時発売の続刊やさらにその後もあるみたいだし、主人公たちの関係も気になるので読んでみたいとは思います。

ついでに。
アメリカの生活や、映画や小説の名前がよく出てくるので、詳しい人だとより楽しめるかもしれません。
分からなくても読むのに困ることはありませんでした。

4

キャラが弱い気がする

海外ミステリーって昔は好きだったけど、今はしんどい、カタカナ名がっとっつきが悪い、ゲイものなら興味がわいて読めるかな…程度の期待で読んだのですが。

ミステリーとしては弱すぎる。謎解きを楽しむような話ではないと思います。構成も悪い気がする。犯人にたどりつく展開があるのが後半すぎやしませんか…。

ならばゲイものとして恋愛部分を楽しるかというと、そうでもない。
まだ恋愛にいたってない感。セックスはあるが本命とはまだ芽生え、なのだろうか?
主人公を理解するまでの話なのだろうか?シリーズの1冊目だし。

教養、素養のないわたしには主人公はインドア派の、繊細ではあるがまあ、ふつうの男と思えた…
ラノベ的なキャラ立ちは最初から期待してませんが、シリーズものの主人公として弱い気がする。内省的なキャラは好みですが…視覚的な?挿画の姿が好みなのか(キャラの絵が好みです)、自分でよくわからない。

それでも萌え評価にしたのは、社会とのかかわりのなかでゲイであることが、アメリカ(地方によって違うにせよ)で、どういう位置づけや扱いをうけるのかが、興味深く読めたからです。

わたしに続きは、この作品では魅力がつたわらなかった。シリーズ2作目も同時に購入したので、とにかくそっちも読んでみようと思います。

どちらにせよ、ライトな恋愛ものをのぞむ読者には向きません。

4

味わい深いゲイミステリ

ジョシュ・ラニヨン作品の邦訳3冊目は、
人気シリーズ<アドリアン・イングリッシュ>第1巻(全5作完結)。

ゲイの主人公が、恋や事件に傷つきつつも
身近な人々と関わっていく様を描いた人生の物語です。


アドリアン・イングリッシュは、本書の語り手(僕)。
ゲイの32歳で、書店を営むかたわらミステリ小説を書いている。
友人のロバートが刺殺され、LA市警は彼と最後に会ったアドリアンを疑う。
汚名をはらすため独自に事件を調べるアドリアンの元に、
差出人不明の不気味な手紙が届き、さらに身近な人物が次々殺され…。


今まで邦訳された作品と同じく、
ミステリよりドラマ部分を楽しむ作品であると思います。

アドリアンは、強くて弱いとても魅力的な人物。
ゲイであることと、心臓に持病があり常に死を意識しながら青春時代を過ごしたことから(恋人が去っていったのも持病が一因のようです)、いつも一歩引いた「皮肉な傍観者」として自分を守っている。
自分を疑う刑事にユーモアの効いた皮肉で応対し、自力で事件を調べようとする彼は強いけれど、反面いつも自分の強さをアピールしなければ続きという思いに囚われているようにも見え、その危なっかしさが愛おしい。
早く誰かと幸せになって欲しいと願わずにはいられません。

彼が関わる人々も、一筋縄ではいかない。
ゲイの記者で、カミングアウトして親に勘当されたブルース。
アドリアンを疑う刑事で、ゲイに差別的な言動をするリオーダン。
殺されたロバートや他の友人など、普通に接している時には分からない「素」の部分が、事件を機に垣間見える様がリアル。

また、事件を調べる過程でハッキリ出てくる、人々のゲイへの偏見。
高校の恩師らのそうした態度に触れ、人知れず傷つくアドリアンが切ない。
そして、その類の悪意がすべての根幹と分かるラストには
何とも言えないやりきれなさが。

しかし、ズーンと気分が落ち込むような作品ではなく、
皮肉屋だが温かく、人好きのするアドリアンの目を通して描かれる
個性豊かな人物達(ミステリ同好会のメンバー達の会話は楽しいw)や食事風景など、眼前に浮かぶような生き生きした描写が楽しいです。

BLとしては、誰がアドリアン(受)のお相手になるかが読みどころ。
二人のこれからを予言するかのような、
意味深かつシンプルなラストの台詞がとても好きです。
読み返してみると、
こんなこと言ってるけどこの時から既に…的な妄想でニヤニヤできます。
本格的な関係の進展は、同時発売の2巻で♪


【余談】
アドリアンの好きな作家レスリー・フォードは
コージーミステリの先駆者と言われる女性作家。
友人ロバートが好きだったマイケル・ナーヴァは
ハードボイルドな作風のゲイ作家。
(個人的には『このささやかな眠り』等の弁護士シリーズが好き)
こうした嗜好一つからも登場人物の(特にロバートの)人となりが伝わってきて、上手いなと思います。

8

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