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表題作僧職高校男子寮

明人 寮の同室になった同級生
松本一茶 仏教系高校に転入してきた高校2年生 

その他の収録作品

  • ちょっとだけ帰ってきた僧職高校男子寮
  • ちょい出し僧職高校男子寮
  • あとがき

あらすじ

平凡な高校生・一茶は、母親が再婚し、その再婚相手が寺の住職だったため、やむなく仏教系男子校に転入。
そして男子寮に入寮します。
お坊さんのタマゴ達との寮生活に戸惑う一茶。
しかし、同室となった明人は、なにかと一茶の世話を焼き、甘やかします。
やがて一茶は、明人に複雑な思いを抱き…。

作品情報

作品名
僧職高校男子寮
著者
コウキ。 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション
発売日
ISBN
9784344829855
3.6

(47)

(7)

萌々

(22)

(13)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
16
得点
166
評価数
47
平均
3.6 / 5
神率
14.9%

レビュー投稿数16

悩める高校生

初めて読む作家さんでした。
画と題名に惹かれて購入。
1冊1つのストーリーでなかなか読みごたえあり
人間らしい、心のあるお話でした。

主人公の二人を含め、登場するのはみんな寺や宗教に関係する人ばかり。
攻めの明人は小さい頃から自然とこの道に進むことを体で感じとって育った人。
それに対し受けの一茶は、突然の母親の再婚により寺の子供になったことで
跡取りと言う重圧に、気持ちの整理がつかないまま新しい学校の寮に入る。
新しい学校や寮での生活、そして何より明人との同室での生活を通して
一茶が自分の気持ちや将来について、自分自身で考え切り開いていくというストーリー。

とにかく、高校生たちの心理描写が細やか。
多感で悩める年ごろの男子、それも僧侶の卵と言う
普通の高校生とはちょっと違う環境の中で、悩んだり苦しんだりしながら
いろいろなことに気付いたり、友人に助けられたりしながら
少しづつ成長し、自分のことだけでなく他人に目を向ける強さと余裕が生まれてくる。

自分の気持ちをうまく表現したり、伝えたりできなかった一茶を
ずっと見守りながら助けてくれた明人。
明人だけでなく、同じ量の仲間たちがとてもいい雰囲気で
付かず離れず、良い感じの距離で二人を見守ってくれます。

友達としての友情が、違うと気付いてからの苦しい明人の心情が痛いほど伝わる。
好きだから自分のものにしたいと思う気持ちを「煩悩」というあたりさすが僧侶の卵。
男としての本能と僧侶として、その気持ちを抑えようとする姿にグッときました。
好きで好きでしょうがないのに、それをぎりぎりまで我慢して、爆発。
その気持ちに、気づき始めた一茶も自分の気持ちと向き合っていきます。

お互いの気持ちを知り、愛し合い分かり合っていても
なんだかぎこちなかったり、変に我慢したりするこの高校生二人が
すごく可愛くてたまりません。
特に、明人。カッコ良くて大人の雰囲気なのに
一茶のこととなると、必死でデレデレなのが日に日に増していく。
そんなカッコいいのに可愛い明人とその明人のおかげで今がある一茶がこの後
どんな僧侶になるのか・・・
そしてお互いの寺を継ぐのか・・どんな大人になるのか
なんとなく気になるところ。
最後に、自分の将来を思い描いた一茶が「結婚」という言葉に
一瞬ビクリとして、ちょっと戸惑いながら
でも・・傍にいられる限り『満ち足りた寂しさ』と締めくくっています。
この言葉が男同士というどうにもできない壁を言ってるのかな。
男女なら結婚というゴールがあっても、男同士にはそれがない。
同性の恋愛には、悩みがつきものですが「結婚」は永遠のテーマですね。
最後の最後に、一茶にドカーンとやられた気分です。
人間的に共感できたので、この2人には幸せになって欲しいと思いました。

3

男子寮+α

男子寮モノ大好きです。
個性的なキャラクターが多くてわいわいしてるのが楽しい。学校だけでなく、生活も共にしている仲間というのは、読んでいるうちにどんどん絆が深まっていくのがわかって引き込まれます。
なので男子寮モノは結構手を出していますが、これは単なる男子寮でなく仏教系高校という個性を足していてそのへんも面白い。

主人公の一茶は、再婚で突如お寺の一家に入ることになり、仏教系の学校に入れられます。そこで出来る仲間も皆似たような家柄。
僧侶の跡継ぎなんて決心のつかない一茶と、跡継ぎであることを受け入れている同部屋の明人は最初は衝突します。

言いたいことが上手く言えない一茶と、それに根気よくつきあってくれる仲間。次第に心を開いて打ち解けて行く様子が寮モノの醍醐味だなあと堪能させて頂きました。

不安定な一茶の心の葛藤が主だった前半ですが、後半はしっかりした明人が一茶を意識しだし、動揺を隠す展開になっていきます。
割と最後までプラトニックなんですが、一茶が、自分の中に「明人が好き」という感情があることを肯定するという結末に落ち着いて終わっている気がします。
互いを思い合ってることは分かってるけど「好きだ」とか「付き合おう」ってなるハッピーエンドではないんですね。

作者は「BLのハッピーエンドってなんだろう」と考えた、とありますのでそれが反映された少し切ないエンディングなのかもしれません。
個人的に思う「BLのハッピーエンド」は、相手が結婚しても心で寄り添い、死ぬときには必ず駆けつける…というよりも、何を敵に回しても手を取って向かい合おう!って方が萌え(燃え?)るので星4つで!

3

お話としても読み応えがありました!

ちるちるサイトの「お坊さんBL」記事を読んで気になった作品だったためさっそく購入して読みました。

なんといっても、お寺の子が多く通うという高校(専門性等の高い世界好きです)、しかも男子寮・・・そんなシチュエーションに心魅かれました。

物語は仏教知識などもでてきたり、また母親の再婚で急にお寺の子になってしまった主人公の苦葛藤や、お寺の跡取りの苦悩、将来についての悩み、そして色々と乗り越えて成長していく姿・・・そんな男子高校生たちの姿も描かれていて、BLというよりも、仏教系高校と男子寮を舞台にした漫画を読んでいるという感じで、それはそれでなかなか読みごたえがあって(実際本の厚みもちょっとあります)良かったです。

最後、受け様は攻め様と同じくお寺を継ぐ決意をし、これから先もこんな風に楽しく生きていかれたら・・・と先の事を考えていくうちに、この先大学に進んで、お互い寺を継いで、結婚して子供が出来て・・・と思い浮かべてしまい切なくなりつつも、それでもそばに居られれば大丈夫・・・と、覚悟を決めたような事を受け様は頭の中で一人考えて、そして物語は終わり・・・なのですが、攻め様の性格からして、受け様が考えているような事にはならないような気もします。・・・というかならないで欲しい・・・

この先この2人がどうしたら恋人同士として生きていけるかをあれこれ妄想して余韻を楽しんでいます。

3

お坊さんの卵がいっぱい、多数のカップル誕生に期待

新刊チェックで、お坊さんということで、また特典ペーパー付きということで、
いつもの書店で予約して購入しました。

コウキ。先生のファンの方には申し訳ないですが、
私にとっては第一印象から苦手意識があり、読まず嫌いでした。
しかし、今回はお坊さんで僧職専門の学校の寮が舞台ということで、
苦手意識を遥かに上回る好奇心があり、少し躊躇しましたが、思い切って購入しました。

読んでみると、とても萌えることが出来て良かったです。
今までの苦手意識がまるで嘘のように、
すんなりと自然に作品の世界観に浸ることが出来ました。

お坊さんに対してあまり良い印象を持っていなかった受けですが、
嫌々ながら仏教系の高校に転校して寮に入り、寮の仲間と関わっていく中で、
お坊さんに対して理解しようと、お坊さんに対する否定的な考えや先入観を
少しずつ改めていき、成長していく受けの姿に好感を持ちました。

漫画の中では登場人物たちの何気ないやり取りの中に仏教に関する知識や
習慣などが散りばめられていて、理解しやすく参考になり、勉強になりました。

今作は全体的に、終始、穏やか過ぎるくらい穏やかな印象を受けたので、
もう少し刺激が欲しかったかな?というのが正直な気持ちです。
受けや攻めだけでなく、周りの仲間たちも、5年後、10年後など
その後の話を読んでみたいなと思いました。

今回の評価は、迷うことなく「萌×2」評価です。
物語の内容や展開、人物設定、舞台設定は「萌×2」評価です。
絵は「萌」評価です。
購入する前は躊躇していましたが、購入して良かったと思えた作品でした。

お坊さんの卵がたくさんいて、しかもお坊さん専門の男子寮ということで、
BLのカップルがたくさん誕生するのではないかと、色々と想像してワクワクしました。
想像するだけでもたくさん萌えられ、物語自体も十分に楽しんで読むことが出来、
とても萌えることが出来ました。

今回、お正月に読むBLで、お正月らしいBLは無いかな?と探しているところに
ちょうど良いタイミングで年末に今作が発売されたので、お正月に読みました。
激しく過激ではないので、内容だけでなく気持ちも穏やかな気持ちで読むことが出来、
この作品はお正月に読むのに相応しい作品だと思いました。

2

こんな学校素敵です!

 母親の再婚相手が僧侶ということで、突然、僧侶を育てる高校に入学を決められてしまう一茶ですが、あまりにも突然すぎることで思わず笑ってしまいました。

 一茶は大人しい、人見知りという性格だから、いきなり僧侶になれと言われたり、寮生活というのはきっと難しいのではと思ったのですが、明人をはじめとする寮のみんなが本当に優しい子ばかりです。

 お寺の子に生まれついて、他の道を知らない、選ぶができない明人、キリシタンの家に生まれ、反発からこの学校を選んだ真慈、みんな抱えている事情はそれぞれ違うけれど、みんなの些細なやりとりからこちらが勉強させられているような気がしました。
  
 明人が袈裟と法衣でスクーターに乗っている姿は萌えなのですが、これもきっと「煩悩」なのですね。自分は煩悩があると言い切れる明人は本当にすごいです。

 人の生き死に、恋愛は煩悩であることを思えば、とても難しいテーマだと思いますが、恋愛と信仰を例えている場面は分かりやすくてどきっとしてしまいました。

 一茶の明人のこれからのことを思えば、大変なことは分かるのですが、秘めた愛も素敵です。

2

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